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青の村への旅にて 変化と根付き
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僕は鬼熊の背中から降りると、川岸から少し離れてできるだけ平らで砂利や石なんかが無い場所を探していく。こうしてみると開けて日光を浴びれて水分も魔力も豊富な川の周囲に植物が繁殖してないのが不思議だ。
「うん、ここで良いかな」
適度な場所を見つけて、地面に浅く穴を掘り腰の小袋から種を取り出し穴に植えて水生魔法の水をかける。それを三、四ルーメくらい間隔を開けて十カ所で行い、また二体が川の水をがぶ飲みしているところに戻った。
「ヤート君、何をするつもりなのかな?」
「ちょっと思いついた事を試すだけ」
「ヤート君、吹き飛ばすのはダメです」
「大霊湖から離れているとはいえ、さすがに地形を変えられるのは困るよ」
「……リンリー、イリュキン、僕の事をどんな風に思ってるの?」
戻ってすぐに二人から危険な事はしないでほしいって言われたけど、二人とも僕の事を何だと思ってるんだろ? さすがにこんな開けて吹き飛ばす対象が無い場所で、そんな事をするわけがない。……納得いかないけど、今は思いついた事を確かめるのが先だ。僕は地面に手をつけて魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成」
僕が魔法を発動させると、種を植えた場所が緑色に光った。すぐに変化は現れて僕が種を植えた十カ所全てからピョコっと芽が出て葉を広げ、早送り映像のようにどんどん成長していきあっという間に十本の大樹になった。この時点で僕は地面から手を離して魔法も発動を止めている。魔力を含んだ水が大量にあるこの場所なら植物がよく育つかもしれないっていう思いつきが正しかった事を確認できて満足していたけど、これで変化は終わらなかった。
僕が魔法を発動していないのに、再び十本の大樹から緑色の光が周りに放たれると、大樹の周りに次々と芽が出て下草となり緑のじゅうたんが広がっていく。さらにその緑のじゅうたんのあちこちから、別の芽が出て植物の数が増える。最終的に何も無い開けた場所に、僕が種を植えた十カ所から森とまではいかないけど林と呼べる規模に育った。うん、育ったのは良いんだけど……。
「…………なんでだろ?」
「ヤート君、もしかしてこの状態は想定外ですか?」
「うん、十本の樹が成長した時点で魔法は止めたのに、その後も何でか魔法の効果が続いて植物達が勝手に増えていった」
「ヤートおおおおおおーーーーーー!!!!!!」
ラカムタさんの大声が聞こえたから、そっちを見るとラカムタさん・兄さん・姉さんが二体と同じかそれ以上に土煙を上げながら爆走していて、その後ろを水守達がわけがわからないっていう顔をしながら追走していた。その後僕は爆走してきたラカムタさんに抱えられて、林ができた場所から離れたところまで運ばれ地面に降ろされる。兄さんと姉さんが周りを警戒している中で、僕はラカムタさんに両肩をガシッとつかまれた。
「ヤート、何があった!? 今度の敵はなんだ!? また魔石が出たのか!? だとしてもだ。それでもだ。大規模魔法で消し飛ばそうとするな!! まずは俺達と協力して倒すぞ!!」
……そういえば大神林の奥に行く時も、黒のみんなに同じ事を言われた気がする。僕ってどれだけ危険人物だって思われてるの?
「ラカムタさん、別に吹き飛ばしたりはしないし、敵もいないよ」
「本当か!? それならなんで突然、何も無い場所に林ができたんだ!?」
「イリュキンにそこの川の水に魔力が含まれてるって聞いて、その魔力が三体を夢中にする質と量みたいだったから、これなら僕の魔法と併用すれば植物の成長を促進させるかもっていうのを思いついて試した」
ラカムタさんは、僕の説明を聞いて川の水をがぶ飲みしてる二体とバキバキと成長してるディグリを見た後に、できたばかりの林を見て僕をまた見た。
「……それだけで、こんな風になったのか?」
「うん、僕が種を植えた樹以外は、植物達が勝手に増えていった感じかな」
「そんな事が……」
みんなで集まってできたばかりの林を見る。……こうやって見ても普通の林だね。強いて変わってる点を言えば林のワサワサしてる雰囲気が大神林に似てるって事だけど、これは始めに植えた種が大神林の植物の種だから当然と言えば当然だ。まあ、こうやって見ていてもわからないから直接聞く方が早いよね。僕は林に向かって歩き出した。
「お、おい!! ヤート、どうするつもりだ!?」
「同調で植物を調べてみる。あと植物に聞いてみる」
「は?」
みんながどう反応して良いか困っている中、僕は林に入り始めの十本の大樹を目指す。……少し歩いただけで林の異常性がわかった。触って直接同調するまでもなく地面からものすごい勢いで魔力が吸い上げられ林の中を巡り、その魔力で樹々や下草なんかが常に成長している。うん、現在進行形で林の規模が広がってるね。その証拠に僕が始めの十本の内の一本の大樹にたどり着いた時には下草が僕の胸くらいまで成長していた。僕は一息ついて樹に触って同調した。
「随分と成長したね。なんでこんなに成長したの?」
樹から言葉の返答は無かった。ものすごい勢いで成長してるとはいえ、さすがに大神林の奥の世界樹と同じ事はできないみたいで、その代わりに林を代表した大樹の思いや考えが伝わってきた。
「うん、わかった。みんなに伝えておくよ。それと、いざという時のために魔法をかけておくね。緑盛魔法……」
林から出るとラカムタさん達が走り寄ってきた。みんなの顔から察すると、まだこの林を警戒してるみたいだね。
「ヤート!! 無事だったか!!」
「林の中を歩いただけで、特に危ない事なんてないよ」
「まあ、お前ならそう言うだろうな。それで何かわかったのか?」
「林になった植物達はここにそのまま根付きたいってさ」
「ヤート君、どういう事かな?」
「植物の本能として、成長して根付き次世代に繋ぎたいって思いがあるんだけど、大神林の中だとすでに十分成長してる植物ばかりで割り込む事が難しいみたい」
「植物にも生存競争は当然あるという事だね」
「うん、だから開けて日光を遮るものがなくて、他の植物がいなくて水分と魔力が豊富なここで一気に成長したんだって」
「そういう事か。さすがは大神林産の種だね」
「イリュキン、それって関係あるの?」
「大いにあるよ。なぜなら普通の植物はこの川の水に含まれるような大量の魔力は毒にしかならないんだ。だけど魔境とも言われる大神林で生まれた種なら、元々高い魔力への耐性があって、この川の魔力を吸収しても枯れずに成長しても不思議じゃない」
なるほどイリュキンの説明は納得できる。という事は問題になるのは……。
「イリュキン、僕はこの辺りの事には詳しくないんだけど、この林はこのままここに根付いて大丈夫?」
「うーん……、私が知る限りこの辺りはどの種族の都市や村、里からも離れているから、特に問題はないはず。タキタはどう思う?」
「わしも同じ意見ですのう。それに、この林の植物が川の水の魔力を吸収していても、他にも流れ込む大河がある大霊湖にはほとんど影響はないでしょうな」
「うん、そうか。ヤート君、問題ないよ」
「わかった。ここに根付いても大丈夫だってさ」
僕がイリュキンの言葉を聞いて林の方を向いて言うと、植物達がうれしさを表すようにザワっと揺れるのを見たみんなは一瞬ビクッとしたけど、それ以上の変化がないため緊張を吐き出すようにため息をついた。イリュキンは、気を取り直すと僕達に声をかけた。
「いろいろあったから、ひとまずここで休憩しよう」
「……そういえば三体は、って、あれはすごいな」
僕が珍しく驚いているの見て、みんなが僕の見ている方を向くと三体がいた。その三体を見てみんなが絶句した。なぜなら思う存分、川の水の魔力を取り込んだ三体は、明らかに一回り……いや、二回りくらい大きくなっていたからだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「うん、ここで良いかな」
適度な場所を見つけて、地面に浅く穴を掘り腰の小袋から種を取り出し穴に植えて水生魔法の水をかける。それを三、四ルーメくらい間隔を開けて十カ所で行い、また二体が川の水をがぶ飲みしているところに戻った。
「ヤート君、何をするつもりなのかな?」
「ちょっと思いついた事を試すだけ」
「ヤート君、吹き飛ばすのはダメです」
「大霊湖から離れているとはいえ、さすがに地形を変えられるのは困るよ」
「……リンリー、イリュキン、僕の事をどんな風に思ってるの?」
戻ってすぐに二人から危険な事はしないでほしいって言われたけど、二人とも僕の事を何だと思ってるんだろ? さすがにこんな開けて吹き飛ばす対象が無い場所で、そんな事をするわけがない。……納得いかないけど、今は思いついた事を確かめるのが先だ。僕は地面に手をつけて魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成」
僕が魔法を発動させると、種を植えた場所が緑色に光った。すぐに変化は現れて僕が種を植えた十カ所全てからピョコっと芽が出て葉を広げ、早送り映像のようにどんどん成長していきあっという間に十本の大樹になった。この時点で僕は地面から手を離して魔法も発動を止めている。魔力を含んだ水が大量にあるこの場所なら植物がよく育つかもしれないっていう思いつきが正しかった事を確認できて満足していたけど、これで変化は終わらなかった。
僕が魔法を発動していないのに、再び十本の大樹から緑色の光が周りに放たれると、大樹の周りに次々と芽が出て下草となり緑のじゅうたんが広がっていく。さらにその緑のじゅうたんのあちこちから、別の芽が出て植物の数が増える。最終的に何も無い開けた場所に、僕が種を植えた十カ所から森とまではいかないけど林と呼べる規模に育った。うん、育ったのは良いんだけど……。
「…………なんでだろ?」
「ヤート君、もしかしてこの状態は想定外ですか?」
「うん、十本の樹が成長した時点で魔法は止めたのに、その後も何でか魔法の効果が続いて植物達が勝手に増えていった」
「ヤートおおおおおおーーーーーー!!!!!!」
ラカムタさんの大声が聞こえたから、そっちを見るとラカムタさん・兄さん・姉さんが二体と同じかそれ以上に土煙を上げながら爆走していて、その後ろを水守達がわけがわからないっていう顔をしながら追走していた。その後僕は爆走してきたラカムタさんに抱えられて、林ができた場所から離れたところまで運ばれ地面に降ろされる。兄さんと姉さんが周りを警戒している中で、僕はラカムタさんに両肩をガシッとつかまれた。
「ヤート、何があった!? 今度の敵はなんだ!? また魔石が出たのか!? だとしてもだ。それでもだ。大規模魔法で消し飛ばそうとするな!! まずは俺達と協力して倒すぞ!!」
……そういえば大神林の奥に行く時も、黒のみんなに同じ事を言われた気がする。僕ってどれだけ危険人物だって思われてるの?
「ラカムタさん、別に吹き飛ばしたりはしないし、敵もいないよ」
「本当か!? それならなんで突然、何も無い場所に林ができたんだ!?」
「イリュキンにそこの川の水に魔力が含まれてるって聞いて、その魔力が三体を夢中にする質と量みたいだったから、これなら僕の魔法と併用すれば植物の成長を促進させるかもっていうのを思いついて試した」
ラカムタさんは、僕の説明を聞いて川の水をがぶ飲みしてる二体とバキバキと成長してるディグリを見た後に、できたばかりの林を見て僕をまた見た。
「……それだけで、こんな風になったのか?」
「うん、僕が種を植えた樹以外は、植物達が勝手に増えていった感じかな」
「そんな事が……」
みんなで集まってできたばかりの林を見る。……こうやって見ても普通の林だね。強いて変わってる点を言えば林のワサワサしてる雰囲気が大神林に似てるって事だけど、これは始めに植えた種が大神林の植物の種だから当然と言えば当然だ。まあ、こうやって見ていてもわからないから直接聞く方が早いよね。僕は林に向かって歩き出した。
「お、おい!! ヤート、どうするつもりだ!?」
「同調で植物を調べてみる。あと植物に聞いてみる」
「は?」
みんながどう反応して良いか困っている中、僕は林に入り始めの十本の大樹を目指す。……少し歩いただけで林の異常性がわかった。触って直接同調するまでもなく地面からものすごい勢いで魔力が吸い上げられ林の中を巡り、その魔力で樹々や下草なんかが常に成長している。うん、現在進行形で林の規模が広がってるね。その証拠に僕が始めの十本の内の一本の大樹にたどり着いた時には下草が僕の胸くらいまで成長していた。僕は一息ついて樹に触って同調した。
「随分と成長したね。なんでこんなに成長したの?」
樹から言葉の返答は無かった。ものすごい勢いで成長してるとはいえ、さすがに大神林の奥の世界樹と同じ事はできないみたいで、その代わりに林を代表した大樹の思いや考えが伝わってきた。
「うん、わかった。みんなに伝えておくよ。それと、いざという時のために魔法をかけておくね。緑盛魔法……」
林から出るとラカムタさん達が走り寄ってきた。みんなの顔から察すると、まだこの林を警戒してるみたいだね。
「ヤート!! 無事だったか!!」
「林の中を歩いただけで、特に危ない事なんてないよ」
「まあ、お前ならそう言うだろうな。それで何かわかったのか?」
「林になった植物達はここにそのまま根付きたいってさ」
「ヤート君、どういう事かな?」
「植物の本能として、成長して根付き次世代に繋ぎたいって思いがあるんだけど、大神林の中だとすでに十分成長してる植物ばかりで割り込む事が難しいみたい」
「植物にも生存競争は当然あるという事だね」
「うん、だから開けて日光を遮るものがなくて、他の植物がいなくて水分と魔力が豊富なここで一気に成長したんだって」
「そういう事か。さすがは大神林産の種だね」
「イリュキン、それって関係あるの?」
「大いにあるよ。なぜなら普通の植物はこの川の水に含まれるような大量の魔力は毒にしかならないんだ。だけど魔境とも言われる大神林で生まれた種なら、元々高い魔力への耐性があって、この川の魔力を吸収しても枯れずに成長しても不思議じゃない」
なるほどイリュキンの説明は納得できる。という事は問題になるのは……。
「イリュキン、僕はこの辺りの事には詳しくないんだけど、この林はこのままここに根付いて大丈夫?」
「うーん……、私が知る限りこの辺りはどの種族の都市や村、里からも離れているから、特に問題はないはず。タキタはどう思う?」
「わしも同じ意見ですのう。それに、この林の植物が川の水の魔力を吸収していても、他にも流れ込む大河がある大霊湖にはほとんど影響はないでしょうな」
「うん、そうか。ヤート君、問題ないよ」
「わかった。ここに根付いても大丈夫だってさ」
僕がイリュキンの言葉を聞いて林の方を向いて言うと、植物達がうれしさを表すようにザワっと揺れるのを見たみんなは一瞬ビクッとしたけど、それ以上の変化がないため緊張を吐き出すようにため息をついた。イリュキンは、気を取り直すと僕達に声をかけた。
「いろいろあったから、ひとまずここで休憩しよう」
「……そういえば三体は、って、あれはすごいな」
僕が珍しく驚いているの見て、みんなが僕の見ている方を向くと三体がいた。その三体を見てみんなが絶句した。なぜなら思う存分、川の水の魔力を取り込んだ三体は、明らかに一回り……いや、二回りくらい大きくなっていたからだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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