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第4章 異世界の男は手に入れる
第7話
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乱節達と戦ったところから二十分ほど走ったところで景色が変わった。
森の中の獣道を進んでいたのに、突然石でできた舞台が現れるのは不自然極まりないな。
通常であれば怪しさからまず近寄らないが、今は別だ。
「いるならさっさと出てこい」
「ふはははははは、ずいぶんと殺気立っている、な。うむうむ、良い一撃だ‼︎」
「チッ……」
一撃で決めようと、クソ野郎が現れたと同時に放った首への斬撃は避けられてしまった。
…………俺の攻撃を避けられた奴は前の世界にもごく少数いたからそれは良いとして、問題なのはあいつの避け方だ。
「おい、今の動き……」
「ほう、お前自身の動きなのは、やはりわかるか‼︎」
「秋臣に何をした⁉︎」
「実害は与えておらぬよ。我はただお前の動きに関する記憶を我に反映させただけよ」
「借り物の力で良い気になるのは三流だぞ?」
「いやいや、素晴らしい道具があれば使ってみたくなるのが道理というものだ。もちろんその対象が動作であってもな? まあ、その事はひとまずおくとして、我からの言葉を一つやろう」
「黙れ」
「見事だ。様々な使い手の動きを取り込んできたが、お前の動きこそもっとも強力で速く、無駄がない」
「黙れと言った」
「なるほど、語るなら剣で語れというわけだな? 良いだろう」
クソ野郎の正面に跳び込んだ後、クソ野郎が反応した瞬間に後ろへ回って斬りつけたが、クソ野郎は背中越しに俺を見ながら背中に回した剣で受けやがった。
それならばと俺はクソ野郎の剣を弾く。
…………チッ、奴の剣を持っている腕に負荷をかけて折ろうとしたものの、クソ野郎は弾かれた勢いを回転する事でうまく殺し俺と対面した状態になる。
そして、今度はクソ野郎がニヤッと笑ってから俺へ攻撃を仕掛けてきたんだが、こいつ俺が反応したと同時に俺の背面に回り込むさっきの俺と同じ攻め方をしてきやがった。
すぐにでも音と色のない世界へ入れば斬り捨てられる。
しかし、これにはどう対応する?というクソ野郎の興味が透けて見えるから、素の状態で対応しなければ負けと同じだ。
俺はイラつきながらもクソ野郎の剣が当たる一瞬だけ前に出て避けた後、左足を軸に回転して木刀を突き出す。
「ほほう、そういう避け方ものか。興味が尽きぬとはこの事だ。さらに突きも極上とくれば他の動きも同様なはず。これは味わい尽くすしかあるまい」
「ッ、本当にムカつくな。さっさと死ね‼︎」
「そのようなもったいない事はできぬ。絶対にな」
この野郎……、今度は一瞬だけ上体を反らせて俺の突きを避け笑いやがった。
俺は、このままだと俺の動きをどんどん覚えられるだけだと判断したため、攻め方を変える。
まず、次は斬りつけると見せてクソ野郎が反応したと同時に木刀を消し、クソ野郎の懐へ入り込む。
そしてクソ野郎の剣を持っている手を抑えつつ脇腹に拳を叩き込んだ。
「うぐ……、やりおるわ。だが、まだまだだ‼︎」
「グハッ、この野郎……」
クソ野郎は、俺が拳を叩き込み動きの止まった瞬間に俺の側頭部へ肘を当ててきた。
「はっはっはっ、我の打撃もなかなかのものだろう?」
「それなら俺に打撃で勝ってみろ‼︎」
「ふむ、それも一興だ‼︎」
俺とクソ野郎は密着した状態で互いに打撃を繰り出していく。
◆◆◆◆◆
ガコッ‼︎
「か、は……?」
よし、数分間の攻防の結果、クソ野郎の顎に良い一撃を入れられた。
こいつらの体は仮初のものだが、それでも人体の急所は存在しているためクソ野郎はフラつき身体から力が抜けていく。
俺もクソ野郎の肘や膝を何度もくらっているが、この程度の痛みなら無視できるので一切鈍らずにクソ野郎の鳩尾付近に全力で拳をめり込ませた後、体勢がくの字になり下がった髪の毛をつかみ石の舞台の床に叩きつけた。
「う……」
床が砕けるほど衝撃だったにも関わらず、クソ野郎は震えながら自分の頭部をつかんでいる俺の手を捕まえようとしてきた。
「さっさと死ね‼︎」
ゴンッ‼︎
俺は素早く一歩下がる事でクソ野郎の手を避けてから、全力で踏み込み起きあがろうとしているクソ野郎の頭を蹴り飛ばした。
…………チッ、クソ野郎が‼︎
通常なら首の骨が折れるなり頭が砕けるなりするものだが、俺の足には違和感のある感触しか残っていない。
クソ野郎はピクリとも動かずに石の舞台の床に倒れているが、俺は木刀を出現させてから接近し確信を持ってクソ野郎の頭を目掛けて振り下ろす。
ガキン‼︎
俺の一撃は床に倒れたままのクソ野郎の剣でを受け止められた。
「やっぱりか。分厚い膜を蹴ったような感触だったからおかしいと思ったぞ。何かの異能力を使って俺の蹴りを防ぎやがったな」
「ふははは、お前の打撃を堪能させてもらった。次は我の番だ。ヌンッ‼︎」
「ガハッ」
クソ野郎が何かする前に剣を折ろうとしたら、その前に剣が光り俺の身体を衝撃が襲い吹き飛ばされた。
「我、葛城ノ剣の力の一端を味わった気分はどうだ?」
ちくしょう‼︎
どういう原理の攻撃なのかはどうでも良い‼︎
倒れている俺を見て笑っているクソ野郎の顔を絶対に苦痛で歪ませてやる‼︎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「面白かった!」、「続きが気になる、読みたい!」、「今後どうなるのっ……!」と思ったら、お気に入りの登録を、ぜひお願いします
また感想や誤字脱字報告もお待ちしています。
森の中の獣道を進んでいたのに、突然石でできた舞台が現れるのは不自然極まりないな。
通常であれば怪しさからまず近寄らないが、今は別だ。
「いるならさっさと出てこい」
「ふはははははは、ずいぶんと殺気立っている、な。うむうむ、良い一撃だ‼︎」
「チッ……」
一撃で決めようと、クソ野郎が現れたと同時に放った首への斬撃は避けられてしまった。
…………俺の攻撃を避けられた奴は前の世界にもごく少数いたからそれは良いとして、問題なのはあいつの避け方だ。
「おい、今の動き……」
「ほう、お前自身の動きなのは、やはりわかるか‼︎」
「秋臣に何をした⁉︎」
「実害は与えておらぬよ。我はただお前の動きに関する記憶を我に反映させただけよ」
「借り物の力で良い気になるのは三流だぞ?」
「いやいや、素晴らしい道具があれば使ってみたくなるのが道理というものだ。もちろんその対象が動作であってもな? まあ、その事はひとまずおくとして、我からの言葉を一つやろう」
「黙れ」
「見事だ。様々な使い手の動きを取り込んできたが、お前の動きこそもっとも強力で速く、無駄がない」
「黙れと言った」
「なるほど、語るなら剣で語れというわけだな? 良いだろう」
クソ野郎の正面に跳び込んだ後、クソ野郎が反応した瞬間に後ろへ回って斬りつけたが、クソ野郎は背中越しに俺を見ながら背中に回した剣で受けやがった。
それならばと俺はクソ野郎の剣を弾く。
…………チッ、奴の剣を持っている腕に負荷をかけて折ろうとしたものの、クソ野郎は弾かれた勢いを回転する事でうまく殺し俺と対面した状態になる。
そして、今度はクソ野郎がニヤッと笑ってから俺へ攻撃を仕掛けてきたんだが、こいつ俺が反応したと同時に俺の背面に回り込むさっきの俺と同じ攻め方をしてきやがった。
すぐにでも音と色のない世界へ入れば斬り捨てられる。
しかし、これにはどう対応する?というクソ野郎の興味が透けて見えるから、素の状態で対応しなければ負けと同じだ。
俺はイラつきながらもクソ野郎の剣が当たる一瞬だけ前に出て避けた後、左足を軸に回転して木刀を突き出す。
「ほほう、そういう避け方ものか。興味が尽きぬとはこの事だ。さらに突きも極上とくれば他の動きも同様なはず。これは味わい尽くすしかあるまい」
「ッ、本当にムカつくな。さっさと死ね‼︎」
「そのようなもったいない事はできぬ。絶対にな」
この野郎……、今度は一瞬だけ上体を反らせて俺の突きを避け笑いやがった。
俺は、このままだと俺の動きをどんどん覚えられるだけだと判断したため、攻め方を変える。
まず、次は斬りつけると見せてクソ野郎が反応したと同時に木刀を消し、クソ野郎の懐へ入り込む。
そしてクソ野郎の剣を持っている手を抑えつつ脇腹に拳を叩き込んだ。
「うぐ……、やりおるわ。だが、まだまだだ‼︎」
「グハッ、この野郎……」
クソ野郎は、俺が拳を叩き込み動きの止まった瞬間に俺の側頭部へ肘を当ててきた。
「はっはっはっ、我の打撃もなかなかのものだろう?」
「それなら俺に打撃で勝ってみろ‼︎」
「ふむ、それも一興だ‼︎」
俺とクソ野郎は密着した状態で互いに打撃を繰り出していく。
◆◆◆◆◆
ガコッ‼︎
「か、は……?」
よし、数分間の攻防の結果、クソ野郎の顎に良い一撃を入れられた。
こいつらの体は仮初のものだが、それでも人体の急所は存在しているためクソ野郎はフラつき身体から力が抜けていく。
俺もクソ野郎の肘や膝を何度もくらっているが、この程度の痛みなら無視できるので一切鈍らずにクソ野郎の鳩尾付近に全力で拳をめり込ませた後、体勢がくの字になり下がった髪の毛をつかみ石の舞台の床に叩きつけた。
「う……」
床が砕けるほど衝撃だったにも関わらず、クソ野郎は震えながら自分の頭部をつかんでいる俺の手を捕まえようとしてきた。
「さっさと死ね‼︎」
ゴンッ‼︎
俺は素早く一歩下がる事でクソ野郎の手を避けてから、全力で踏み込み起きあがろうとしているクソ野郎の頭を蹴り飛ばした。
…………チッ、クソ野郎が‼︎
通常なら首の骨が折れるなり頭が砕けるなりするものだが、俺の足には違和感のある感触しか残っていない。
クソ野郎はピクリとも動かずに石の舞台の床に倒れているが、俺は木刀を出現させてから接近し確信を持ってクソ野郎の頭を目掛けて振り下ろす。
ガキン‼︎
俺の一撃は床に倒れたままのクソ野郎の剣でを受け止められた。
「やっぱりか。分厚い膜を蹴ったような感触だったからおかしいと思ったぞ。何かの異能力を使って俺の蹴りを防ぎやがったな」
「ふははは、お前の打撃を堪能させてもらった。次は我の番だ。ヌンッ‼︎」
「ガハッ」
クソ野郎が何かする前に剣を折ろうとしたら、その前に剣が光り俺の身体を衝撃が襲い吹き飛ばされた。
「我、葛城ノ剣の力の一端を味わった気分はどうだ?」
ちくしょう‼︎
どういう原理の攻撃なのかはどうでも良い‼︎
倒れている俺を見て笑っているクソ野郎の顔を絶対に苦痛で歪ませてやる‼︎
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