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第2章 異世界の男は鎮圧する
第15話
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主に周りへ殺気ばら撒いた俺と龍造寺を狙撃してきた佐木疋のせいで戦いを続ける雰囲気ではなくなったため、龍造寺達と戦って無事だった奴らは厳重注意の後に解放となり斗々皿達に負けた奴らは、そのまま病院へ連行される事になった。
「…………これで終わりかよ」
「不満そうですね。システィーゾ」
「ほとんど何もしてないのに満足できるわけがないだろ‼︎ これじゃあ何のために来たのかわからねえ……」
「一応言っておきますが、システィーゾが無理やり着いてきてるんですよ?」
「チッ、まあ良い。おい、鶴見」
「何でしょう?」
「ここなら俺達が戦っても誰も文句ないだろ。構えろ」
システィーゾが身体に炎をまとわせ俺をにらんでくる。
ふむ、いつもなら付き合っても良いが今回は断るしかないな。
「すみません。今回はやめておきます」
「何⁉︎ どういうつもりだ⁉︎」
「この後、やっておきたい事があるので部屋に戻りたいんです」
「何をする気かしら?」
どういうわけか俺が断ると、システィーゾは驚き鈴 麗華は警戒をし始めた。
…………いや、違うな。
鈴 麗華だけでなく生徒会の奴らも俺の些細なものでも見逃さないようにじっと見ている。
「鶴見君、俺達は君が鈴君の質問に答えてくれると助かるんだ」
「そんなに大そうな事じゃありませんよ」
「君にとってはそうかもしれない。だけど、ぜひ聞かせてほしい」
こいつらに俺は秋臣に会いに行くと言ってもわけがわからんだろうな。
…………ここは当たらずとも遠からずな答えをしておくか。
「さっき佐木疋さんが言ってた事が現実で起こった時のために、少し精神を研ぎ澄ませておこうと思ってるだけです」
「…………参考までにその時が来たらどうするか聞いても良いかな?」
「向こう次第です。向こうが僕との戦争を望むなら叩き潰します。絶対に」
「それは……」
「そうだ。会長」
「何か、な」
俺は一瞬で龍造寺に近づき首に黒い木刀を触れさせた。
すぐに生徒会の連中や龍造寺の婚約者である佐木疋に鈴 麗華までもが能力を発現させたが、俺と龍造寺があまりに近すぎるため動くに動けないようだ。
「あらかじめ言っておきますが、僕と向こうの戦いを邪魔しないでくださいね」
「ははは……、まるで邪魔をしたら切ると言わんばかりだ」
「もちろん、そう言ってます」
「良いだろう」
「会長、私達に彼の言い分を聞く必要はありません‼︎」
「ただし‼︎」
「何でしょう?」
「学園や街、そして一般市民に一人でも被害が出たら俺達は参戦する。俺達に邪魔されたくないなら速やかに終わらせるんだ」
…………まあ、当然の条件だなと納得し、俺は木刀を消して龍造寺から離れた。
「わかりました、配慮ありがとうございます。あ、もう一つ聞いて良いですか?」
「良いよ」
「今回の任務で、僕が書かないといけない報告書とか書類はありますか?」
「いや、その辺りは俺達でやっておく。それと任務に出た生徒会のものはその日の授業への出席を免除されるから、君は君の準備に集中すれば良い」
「ありがとうございます。それじゃあ僕は先に走って帰ります」
「は?」
「それでは失礼します」
「待ちなさ」
生徒会の誰かが俺を呼び止めようとしたようだが、俺は無視して全力で走り出す。
この開けた場所から学園までは車での移動が必要な距離だが、今の秋臣の身体でどれだけ走れるかを確認する良い機会だ。
前の世界での半日以上も走り回る平野の激戦や山岳戦に比べたら、狙撃の心配もない整備された道を走るのは単純な作業だな。
だが…………、これはこれで最速を極めるのもおもしろい‼︎
「待てっ‼︎」
「待ちやがれっ‼︎」
「待ちなさいっ‼︎」
今の俺の速度は、爆走している俺を見て道路を走っている車の運転手がギョッとするぐらいの速さなのに、後ろから声が聞こえたためチラッと見たら、俺と同じく爆走している身体強化の能力者である奈綱と、掌と足裏から炎を噴出させて高速で飛んでいるシスティーゾと、自前で作った氷の道を滑走している鈴 麗華がいた。
「走っている奈綱さんはともかく、システィーゾと鈴先輩は器用ですね」
「どんな脚力してやがる⁉︎」
「あなた、本当に器物級なの⁉︎」
「身体強化の私が負けるわけにはいかない‼︎」
だんだんと三人が俺に追いついてきて、数分後には俺と並んだ。…………質問には答えた方が良いのか?
「システィーゾ、僕は脚力だけで走っているわけじゃありませんよ。腰くらいまで前傾して走っているでしょ? これは下り坂を走っている状態を再現しているもので、体力の消費を抑えつつ自分が倒れ込む力も利用しているので速度が出せます」
「そ、そうか……」
「鈴先輩、僕は間違いなく器物級だからこそ自分の身体という道具を極限まで使えるようにしてるんですよ。能力が強力だと自分の身体で戦う必要がありませんからね」
「……そうね」
「奈綱さん、いくら身体を強化できても元々の身体能力が低かったら、そこまで意味がありませんよ?」
「くっ……、言ってくれる。ならば、お前には、まだ上があるというのか⁉︎」
「はい、良い感じに身体が温まってきたので、さらに加速していきます」
俺の返答を聞いて三人は驚きで目を見開く。
そんな状態でも能力の制御を失敗しないのは大したものだが、いつまでも三人と話さずに秋臣との事に集中するか。
「それでは先に学園へ戻ります。気をつけて帰ってきてください。失礼します」
俺は速度を保ったまま身体を起こして三人へ軽く頭を下げた後、今度は身体を膝くらいの高さまで倒してさっき以上に加速した。
秋臣、お前の身体は俺の無茶な動きに対応できてるぞ。
自信を持て。
◆◆◆◆◆
俺は奥底で眠る秋臣へ話しかけながら爆走して車で移動した時の半分以下の時間で学園へ戻った。
そして寮の秋臣の部屋へ入りシャワーで汗を流した後、ベッドに寝て目を閉じる。
さあ、大事な秋臣との語らいを始めよう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるのっ……!」
と思ったら
お気に入りの登録を、ぜひお願いします
また感想や誤字脱字報告もお待ちしています。
「…………これで終わりかよ」
「不満そうですね。システィーゾ」
「ほとんど何もしてないのに満足できるわけがないだろ‼︎ これじゃあ何のために来たのかわからねえ……」
「一応言っておきますが、システィーゾが無理やり着いてきてるんですよ?」
「チッ、まあ良い。おい、鶴見」
「何でしょう?」
「ここなら俺達が戦っても誰も文句ないだろ。構えろ」
システィーゾが身体に炎をまとわせ俺をにらんでくる。
ふむ、いつもなら付き合っても良いが今回は断るしかないな。
「すみません。今回はやめておきます」
「何⁉︎ どういうつもりだ⁉︎」
「この後、やっておきたい事があるので部屋に戻りたいんです」
「何をする気かしら?」
どういうわけか俺が断ると、システィーゾは驚き鈴 麗華は警戒をし始めた。
…………いや、違うな。
鈴 麗華だけでなく生徒会の奴らも俺の些細なものでも見逃さないようにじっと見ている。
「鶴見君、俺達は君が鈴君の質問に答えてくれると助かるんだ」
「そんなに大そうな事じゃありませんよ」
「君にとってはそうかもしれない。だけど、ぜひ聞かせてほしい」
こいつらに俺は秋臣に会いに行くと言ってもわけがわからんだろうな。
…………ここは当たらずとも遠からずな答えをしておくか。
「さっき佐木疋さんが言ってた事が現実で起こった時のために、少し精神を研ぎ澄ませておこうと思ってるだけです」
「…………参考までにその時が来たらどうするか聞いても良いかな?」
「向こう次第です。向こうが僕との戦争を望むなら叩き潰します。絶対に」
「それは……」
「そうだ。会長」
「何か、な」
俺は一瞬で龍造寺に近づき首に黒い木刀を触れさせた。
すぐに生徒会の連中や龍造寺の婚約者である佐木疋に鈴 麗華までもが能力を発現させたが、俺と龍造寺があまりに近すぎるため動くに動けないようだ。
「あらかじめ言っておきますが、僕と向こうの戦いを邪魔しないでくださいね」
「ははは……、まるで邪魔をしたら切ると言わんばかりだ」
「もちろん、そう言ってます」
「良いだろう」
「会長、私達に彼の言い分を聞く必要はありません‼︎」
「ただし‼︎」
「何でしょう?」
「学園や街、そして一般市民に一人でも被害が出たら俺達は参戦する。俺達に邪魔されたくないなら速やかに終わらせるんだ」
…………まあ、当然の条件だなと納得し、俺は木刀を消して龍造寺から離れた。
「わかりました、配慮ありがとうございます。あ、もう一つ聞いて良いですか?」
「良いよ」
「今回の任務で、僕が書かないといけない報告書とか書類はありますか?」
「いや、その辺りは俺達でやっておく。それと任務に出た生徒会のものはその日の授業への出席を免除されるから、君は君の準備に集中すれば良い」
「ありがとうございます。それじゃあ僕は先に走って帰ります」
「は?」
「それでは失礼します」
「待ちなさ」
生徒会の誰かが俺を呼び止めようとしたようだが、俺は無視して全力で走り出す。
この開けた場所から学園までは車での移動が必要な距離だが、今の秋臣の身体でどれだけ走れるかを確認する良い機会だ。
前の世界での半日以上も走り回る平野の激戦や山岳戦に比べたら、狙撃の心配もない整備された道を走るのは単純な作業だな。
だが…………、これはこれで最速を極めるのもおもしろい‼︎
「待てっ‼︎」
「待ちやがれっ‼︎」
「待ちなさいっ‼︎」
今の俺の速度は、爆走している俺を見て道路を走っている車の運転手がギョッとするぐらいの速さなのに、後ろから声が聞こえたためチラッと見たら、俺と同じく爆走している身体強化の能力者である奈綱と、掌と足裏から炎を噴出させて高速で飛んでいるシスティーゾと、自前で作った氷の道を滑走している鈴 麗華がいた。
「走っている奈綱さんはともかく、システィーゾと鈴先輩は器用ですね」
「どんな脚力してやがる⁉︎」
「あなた、本当に器物級なの⁉︎」
「身体強化の私が負けるわけにはいかない‼︎」
だんだんと三人が俺に追いついてきて、数分後には俺と並んだ。…………質問には答えた方が良いのか?
「システィーゾ、僕は脚力だけで走っているわけじゃありませんよ。腰くらいまで前傾して走っているでしょ? これは下り坂を走っている状態を再現しているもので、体力の消費を抑えつつ自分が倒れ込む力も利用しているので速度が出せます」
「そ、そうか……」
「鈴先輩、僕は間違いなく器物級だからこそ自分の身体という道具を極限まで使えるようにしてるんですよ。能力が強力だと自分の身体で戦う必要がありませんからね」
「……そうね」
「奈綱さん、いくら身体を強化できても元々の身体能力が低かったら、そこまで意味がありませんよ?」
「くっ……、言ってくれる。ならば、お前には、まだ上があるというのか⁉︎」
「はい、良い感じに身体が温まってきたので、さらに加速していきます」
俺の返答を聞いて三人は驚きで目を見開く。
そんな状態でも能力の制御を失敗しないのは大したものだが、いつまでも三人と話さずに秋臣との事に集中するか。
「それでは先に学園へ戻ります。気をつけて帰ってきてください。失礼します」
俺は速度を保ったまま身体を起こして三人へ軽く頭を下げた後、今度は身体を膝くらいの高さまで倒してさっき以上に加速した。
秋臣、お前の身体は俺の無茶な動きに対応できてるぞ。
自信を持て。
◆◆◆◆◆
俺は奥底で眠る秋臣へ話しかけながら爆走して車で移動した時の半分以下の時間で学園へ戻った。
そして寮の秋臣の部屋へ入りシャワーで汗を流した後、ベッドに寝て目を閉じる。
さあ、大事な秋臣との語らいを始めよう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
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