【R18】異世界転性したけど、チートスキルはありません

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第一章 異世界の洗礼編

第三十一話 これで一人前になれました。

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 この世界に来てから、二ヶ月が過ぎました。
 昨日も依頼をこなし、宿でコルネとイチャイチャしました。
 魔法をたくさん使ったコルネは、いつもより激しかったです。

「なんか、冷たい……」

 早朝、お尻に不快感を覚えて目が覚めました。
 シーツとスカートが濡れているようです。
 ……おもらし、では、無いはず。

「うう、コルネがいっぱい出したからかな……」

 昨晩の精液が溢れてきたのかと、確認します。

「……え?」

 スカートとシーツが薄いピンク色に染まっていました。

「コルネ、コルネぇ……」

 慌てた私は隣のコルネを起こします。

「どしたのー?」

 眠そうに目を擦りながら、コルネが起き上がります。

「これ、なんだろ、怪我してないし、病気、かな……」

 不安げに話す私に、コルネがニマニマしながら、

「レンちゃん、おめでとう、これで一人前の女の子だね」

「え?」

「それ、赤ちゃんが産めるようになったってコト。お祝いしないとねー」

 その後、落ち着いた私に、コルネは女の子の身体の仕組みを丁寧にレクチャーしてくれました。



「お腹、痛い……」

 コルネと街を歩きながら、下腹部の鈍痛に耐えます。
 街の雑貨屋で、ナプキンを買った帰り道。
 私は、女の子の辛さを痛感していました。

「大丈夫? ちょっと休んでいく?」

 コルネはそんな私をいたわってくれます。

「コルネは、……生理、辛くないの?」

 外で話す話題では無いですが、気になって聞いてしまいます。

「ボクはまだだよ。アレがついてるからか、女性ホルモンが少ないとかなんとか。よくわかんないけどねー」

「そっか……」

「落ち着くまで、お仕事は休もうね。無理しちゃダメだよ」

「うん……」



 宿に戻り、一日中横になっていると、夕方には少し楽になりました。
 ノーパンでいることも出来ず、パンツは履いています。



「レンちゃん、おめでとー」

 夕飯はちょっと高価なレストランで、コルネがお祝いしてくれました。
 あまり食欲はありませんでしたが、料理はどれも美味しかったです。
 これから毎月、この辛いのが来るんだな……。



「なおったー!」

 三日後、体調が戻った私は復活しました。

「よし、じゃあ今日からお仕事再開だねー」

「ごめん、ちょっとやりたいことあるから、今日は別行動で。大丈夫かな?」

「ん、構わないよ。一人でも依頼受けられるし。……夜だけ、お願い」

 うん、コルネの魔法があれば、依頼を受けて稼げるよね。魔力補充だけしておけば。

 そうしてコルネを送り出して、私がしたかった事とは。

 スキルの獲得です。
 毎月動けなくなる日が来るときては、何か対処出来ることはないかと不安を払拭するためです。

 今のところ、エロ関連のスキルしか得られていません。
 戦闘に使えそうなスキルか、体調を治す魔法なんかを得たいところです。
 という訳で、最近知ったギルドの図書館へ来ました。



「そんな……」

 首尾よくスキル関係の本を見つけましたが、そこに書かれていたのはどうしようもない現実でした。
 最初に得たスキルの関係するスキルしか取得の可能性は無いとのこと。
 鍛治のスキルを最初に獲得したら、戦闘系のスキルや魔法系のスキルは得られない。
 つまり、私は、エロ関連のスキルしか得られない、と。

 仕方が無いので、エロ関連のスキルを探しましたが、そんなスキルはどこにも記載がありません。

「……困ったな」

 スキルに詳しい人とかいないかな?

 ギルドの受付にて。

「あの、スキルに詳しい人っていませんか?」

「どのようなスキルでしょうか?戦闘系か職人系かによっても違ってきますので」

「え……っと、……露出狂、みたいな……」

「……は? ……それは性癖なのでは?」

 眉根を寄せる受付の女性。

「あ、はは、ですよねー。えっと、うん、あー……なんか一般的な? スキル全般に詳しい人とか……」

「生活系のスキルですかね? それなら、うちのギルドでツテはありませんので、商業ギルドの方へ行かれたら良いかと思われます。次の方ー」

 一方的に話を切られました。
 ですよねー。変態、だと思われますよねー。
 ……しばらくギルド、来たくない……。



 商業ギルドにやって来ました。
 前の轍は踏みません。

「すみません、生活スキルに詳しい人を紹介して貰いたいんですけど」

 受付にいた線の細い青年に話を切り出します。

「はい、ご紹介に金貨一枚かかりますが、よろしいでしょうか? 紹介した方に会えなくても半額の返金ですが」

「あ、大丈夫です。お願いします」

 背に腹は変えられないし、望みがあるなら断ちたくありません。



「うー、行きたく、ないなぁ……。でも、お金払ったし、なぁ……」

 紹介されたのは、ナルキスと言う人。
そう、あの変態錬金術師のナルキスさんです。
 重い足を動かして、以前も来たことのある家へ。



「ほぅ……」

 応接間に通され、スキルのことを話しました。

「ん……実験……」

「しないです!」



「ん……結論から言って、無理だ」

「あー、やっぱりですねー」

 言われて帰ろうと腰を上げると、

「しかし、その系統のスキルは獲得できる」

 再び腰を下ろします。

 仕方なく話を聞きます。

「私の研究では、誰もがスキルを獲得できる可能性は有していると思われるが、全く才能のないスキルは得ることが出来ないと思われる。しかし、戦闘や生産に関わりのないスキルならどうだろうか。そこで、私はまず生活系のスキルを研究した。結果は誰でもとはいかなかった。そこで次に注目したのは欲求だ。食欲、睡眠欲、性欲。これらのスキルなら誰でも獲得できるのではないかと! そこで性欲に着目した。幸い私には錬金の知識がある。媚薬なんて簡単に作れる。スキルを顕現させるのに実験が必要だ。だが……」

 無茶苦茶喋るよこの人。
 前はこんなじゃなかったのに……。
 アレかな、スキルのオタクなのかな。

「誰も実験台になってくれなかったのでね。キミが第一号という訳だよ。それに、私の薬で何か変化があればすぐにまた来ると思ってたのだが、来る気配もないから失敗したものとばかり思っていたよ」

 んー……じゃあ、私のスキルって、この人のせいなんじゃ……?

「そんなこと一言も言ってなかったですよね? 困るんですけど……」

「そう、キミのそのスキルは確かに私の所為かもしれない。しかしだね、その可能性の為に、うわ、何、ちょっ、投げないで! 大事な資料! イテっ! ちょ、すまない、すまなかったから!」

 手近な物を怒りに任せて投げてしまいました。

「うぅ、私、こんな……使えないスキルで……ほんと……うぅ……」

 涙が出そうです。

「最後まで話を聞いて。ん……レベルと共に解放されるスキルがあってだな。以前飲んで貰った薬も、レベルが上がると効果を出すかも知れない。今のところ、母乳の変化だけのようだが、キミのエロさはステータス外で上がっているはずだ。色々なエッチな事をするとスキルが獲得できる! かもしれない」

「はぁー……わかりました、もう、終わった事はいいです。何か助言とかないですか?」

 ここで騒いでも何も得られないので、前向きに、スキル獲得の知恵を求めます。

「ん……そうだな、系統的に試していないモノは……緊縛とか異物挿入など、身体自体に作用するプレイだな」

 プレイって言っちゃってるよ、この人。

「……わかり、ました。……もう来ませんけど、ありがとうございました」

「いや、研究の為にも足を運んで貰いたいんだが……」

 無視してナルキスさんの家を後にします。
 こんな迷惑なスキル、広めないで頂きたいです。

 んー、緊縛……身体を縛るってことだよね……。
 それに異物挿入か……。そう言えば、バイブ入れたことって、ないなぁ……。


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