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本編
9.彼らに幸せを
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「長い休みをありがとうございました。色々ご配慮いただいた旨伺いました」
イルサは宰相補佐の執務室にいた。
10日の休みはイルサの体を完全に治し、かつ、レイモンドの渇望を一部でも癒すことができたようだ。
イルサはリチャードの視線に少しだけ居心地の悪い思いをした。
あのレイモンドである。
絶対何かリチャードに余計なこと――彼にとっては重要なことらしいがイルサからしたらわざわざ人に言わなくてもいいこと――を言っている気がする。
そんないたたまれないイルサには気づかず、リチャードは彼女をみて嬉しそうに笑った。
「――おつかれさま。これで完全復帰だね」
リチャードの言葉にイルサはうなずいた。
事件の影響よりもそのあとレイモンドにされたことの方が体の疲労になっている。しかし、元気は元気だ。
そして、すこしためらってから、イルサはいった
「その、宰相補佐はレイのことご存じだったんですよね」
イルサのことばにリチャードは苦い笑いを浮かべながらうなづいた。
「半年前かな。突然現れて……」
リチャードとレイは戦争当時、上司と部下の関係だった。
リチャードは当時はまだ宰相補佐ではなかったが、公爵家の次期当主として、戦争が始まった際、その貴族としての義務を果たすべく、戦争に参加することとなった。
それには、リチャードと王女との婚姻についても関係していた。
公爵家と王家は親戚関係にある。一番近いところで言うとリチャードの曾祖母は当時の王の妹だった。
血は近すぎず遠すぎず。
今の王と王妃の間に王女しか生まれなかったことから、王女が女王として王位を次ぐ話がでていた。
歴代には女王もいたが、多くはない。
しかし、今の王家には他に王位をわたすことができるような条件のいい男はいなかった。
年老いているか、年若すぎるか。素行や健康に問題があるか。
王は宰相――リチャードの父である、公爵と相談し、二人の婚姻が選択肢としてあげられた。
その選択に、国内は全く異論がなかったわけではないが、公爵家の血統も踏まえて、比較的受け入れられていた。
しかし、問題は国外だった。
リチャードの曾祖母には双子の妹がいた。
彼女が嫁いだのが隣国の王家だった。
このため、隣国は「それであれば我が国との婚姻でもよいのではないか」「女王等は認めない」等という話になったのである。
隣国の押し進める意見は強引であり、元々の不和もあいまい、開戦にいたった。
そして、リチャードの出陣。押し進めた王弟の死。レイモンドの犠牲。
だったのだが。
「まだまだ、いろいろあったみたいでね」
「………」
「イルサには申し訳ないが、俺も、命を救われた身の上だ。彼の頼みは断れなかったんだよ」
リチャードの言葉にイルサは考え込むように黙り込んでから頷いた。
「――彼はこれからどうなりますか?」
レイモンドから聞いているであろうに、イルサはリチャードに問いかけた。
「そうだね」リチャードはいった。「彼の今後は要検討事項だ。でも、もちろん悪いようにはしないつもりだよ。彼はこの国の力になる。私も、王家も、彼に恩義を感じているしね。そのためには君にしっかりと彼の管理をお願いしたいけど」
冗談めかして言うとイルサは頬を染め、「善処します」といった。
こういう妙に真面目なところがレイモンドのツボなんだろうなぁとリチャードは思う。
で、とリチャードは続けた。
「イルサ、いま、幸せかい?」
「……そうですね」イルサは首をかしげた。が、すぐに「まだまだ、いろいろ納得できないこともあるし、どうしていいかわからないこともあります。でも、幸せです」と続けた。
「よかった」
リチャードは微笑む。
そして、机の引き出しをあけ、イルサに一通の封筒を差し出した。
「これは……」
「君の父上からだ」
「……!」
イルサは思わず、手紙の裏をみた。
そこにはイルサの父の名が書かれている。
「お父様は、今は南の……」
「そう。君のお父上は今、貿易の関係で国外にでている。これは報告書と一緒に届いたものだよ」
「……あけても。いいですか?」
「ああ」
リチャードはイルサにペーパーナイフを渡した。
イルサは少しおびえているようだった。リチャードは何が書いてあるのか中身を知らない。しかし、これは彼女と彼女の父との問題だ。リチャードが首を挟むことはできない。
「……」
読んでから、イルサの頬に涙がぽろりと落ちた。
その顔をみて、リチャードは椅子から立ち上がり、イルサにハンカチを差し出した。
「……ほら」
「ありがとうございます」
イルサの表情は、曖昧でリチャードには読み解くことができない。しかし、それは負の感情からではないことはわかった。
「その、君さえよければどういった内容だったのか教えてもらってもいいかな」
「そのたいしたことじゃないんです、ただ」
――誕生日おめでとうイルサ。
君の幸せを願っている。
イルサと父は終戦以降会っていない。こんなカードもらったのは初めてだ。どんな気まぐれが伯爵にあったのか、これだけでは知り得ることは出来ない。
それでも。
「うれしいです」
「そうだね」
イルサの父の呪いは解けたのだろうか。人を許せず、遠ざけたあの人は。
有能な男だ。彼はイルサの母に想いをよせ、伯爵家に力を注いだ。裏切られてからは仕事一辺倒となり、ひたすらに働き続ける彼だったが、戦争時には多大な尽力を注ぎ国に尽くした。
(不器用な人なんだろう)
リチャードは何度か顔を合わせた彼を思い出す。
彼とイルサの外見は似ていない。しかし、親子で一緒に過ごした時間などほとんどないであろうに、彼とイルサの印象は似ている。
生真面目で誠実、一途でひたむき。
(うちの父親に爪の垢を飲ませたいくらいだな)
リチャードは年を食い、ましにはなったが未だに尊敬しきることができない自身の父親を思い出す。
「――レイに会いたい。これを伝えたい」
やっと、イルサは顔を上げ、つぶやいた。
「大丈夫だよ、彼もここにくる予定だ。ーーおっと」
リチャードはドアをたたく音に気づき、「入れ」と声をかけた。
「失礼しますレイです。あれ、イルサどうしたの?」
レイモンドは非難がましくリチャードをみた。
リチャードは首をふり、イルサの肩をたたいてレイの方を向かせた。
レイモンドは生存をまだ公表しておらず、今は“レイ”の姿で騎士に紛れ、リチャードの直属の部下という形をとっている。
それにしても。生き返って以降、彼はかなりリチャードに気を許した感がある。親しげに振る舞われるが不快感はないので、リチャードは特に何もいわずにいるが。
小声で話し始めた二人を見ながらリチャードは思う。
レイモンド・フォルードとのつきあいはそう長いものではない。
騎士科生でありながら、学業に秀で、その年の主席として卒業した彼は平民出ながら将来を約束された近衛騎士団に配属された。
そして、事実上リチャードの部下となった彼は、仕事でも有能さを出していたがある日リチャードを二人きりのとき、イルサのことを持ち出した。
リチャードはそれまでイルサのことを聞き知ってはいたが会ったことはなかった。
会わない方がお互いのためだと思っていたのだ。
しかし、レイモンドはそれを否定した。
――彼女は貴方に会うことを望んでいます。僕にはわかる。
勝手に彼女の言葉を代弁するその傲慢にも聞こえる言葉に、リチャードは心が揺れた。
しかし、戦争が始まってしまい、彼女と打ち解けたのはレイモンドが死んだ――と思われてからだった。
彼は自分を性格が悪い。という。
間違ってはいないだろう。彼は性格が悪い。だが、悪人ではない。
自らの身をもって王弟と崖に墜ちたのもイルサのためだ。リチャードが死んだらイルサが悲しむと考えたのだろう。
彼は認めないかもしれないけれど。
結局彼もイルサと同じなのだ。
生真面目で誠実、一途でひたむき。そこかしこに、そんなところが隠れている。
彼が悪魔と取引をして、人ではなくなってしまった。しかし、リチャードは彼を断罪したほうがいいとは思わない。彼はそれを悪用するようなものではないのだ。
――彼らに幸せを。
リチャードは未だ自分の部屋で話し続けるイルサとレイモンドを見ながら、少し笑った。
イルサは宰相補佐の執務室にいた。
10日の休みはイルサの体を完全に治し、かつ、レイモンドの渇望を一部でも癒すことができたようだ。
イルサはリチャードの視線に少しだけ居心地の悪い思いをした。
あのレイモンドである。
絶対何かリチャードに余計なこと――彼にとっては重要なことらしいがイルサからしたらわざわざ人に言わなくてもいいこと――を言っている気がする。
そんないたたまれないイルサには気づかず、リチャードは彼女をみて嬉しそうに笑った。
「――おつかれさま。これで完全復帰だね」
リチャードの言葉にイルサはうなずいた。
事件の影響よりもそのあとレイモンドにされたことの方が体の疲労になっている。しかし、元気は元気だ。
そして、すこしためらってから、イルサはいった
「その、宰相補佐はレイのことご存じだったんですよね」
イルサのことばにリチャードは苦い笑いを浮かべながらうなづいた。
「半年前かな。突然現れて……」
リチャードとレイは戦争当時、上司と部下の関係だった。
リチャードは当時はまだ宰相補佐ではなかったが、公爵家の次期当主として、戦争が始まった際、その貴族としての義務を果たすべく、戦争に参加することとなった。
それには、リチャードと王女との婚姻についても関係していた。
公爵家と王家は親戚関係にある。一番近いところで言うとリチャードの曾祖母は当時の王の妹だった。
血は近すぎず遠すぎず。
今の王と王妃の間に王女しか生まれなかったことから、王女が女王として王位を次ぐ話がでていた。
歴代には女王もいたが、多くはない。
しかし、今の王家には他に王位をわたすことができるような条件のいい男はいなかった。
年老いているか、年若すぎるか。素行や健康に問題があるか。
王は宰相――リチャードの父である、公爵と相談し、二人の婚姻が選択肢としてあげられた。
その選択に、国内は全く異論がなかったわけではないが、公爵家の血統も踏まえて、比較的受け入れられていた。
しかし、問題は国外だった。
リチャードの曾祖母には双子の妹がいた。
彼女が嫁いだのが隣国の王家だった。
このため、隣国は「それであれば我が国との婚姻でもよいのではないか」「女王等は認めない」等という話になったのである。
隣国の押し進める意見は強引であり、元々の不和もあいまい、開戦にいたった。
そして、リチャードの出陣。押し進めた王弟の死。レイモンドの犠牲。
だったのだが。
「まだまだ、いろいろあったみたいでね」
「………」
「イルサには申し訳ないが、俺も、命を救われた身の上だ。彼の頼みは断れなかったんだよ」
リチャードの言葉にイルサは考え込むように黙り込んでから頷いた。
「――彼はこれからどうなりますか?」
レイモンドから聞いているであろうに、イルサはリチャードに問いかけた。
「そうだね」リチャードはいった。「彼の今後は要検討事項だ。でも、もちろん悪いようにはしないつもりだよ。彼はこの国の力になる。私も、王家も、彼に恩義を感じているしね。そのためには君にしっかりと彼の管理をお願いしたいけど」
冗談めかして言うとイルサは頬を染め、「善処します」といった。
こういう妙に真面目なところがレイモンドのツボなんだろうなぁとリチャードは思う。
で、とリチャードは続けた。
「イルサ、いま、幸せかい?」
「……そうですね」イルサは首をかしげた。が、すぐに「まだまだ、いろいろ納得できないこともあるし、どうしていいかわからないこともあります。でも、幸せです」と続けた。
「よかった」
リチャードは微笑む。
そして、机の引き出しをあけ、イルサに一通の封筒を差し出した。
「これは……」
「君の父上からだ」
「……!」
イルサは思わず、手紙の裏をみた。
そこにはイルサの父の名が書かれている。
「お父様は、今は南の……」
「そう。君のお父上は今、貿易の関係で国外にでている。これは報告書と一緒に届いたものだよ」
「……あけても。いいですか?」
「ああ」
リチャードはイルサにペーパーナイフを渡した。
イルサは少しおびえているようだった。リチャードは何が書いてあるのか中身を知らない。しかし、これは彼女と彼女の父との問題だ。リチャードが首を挟むことはできない。
「……」
読んでから、イルサの頬に涙がぽろりと落ちた。
その顔をみて、リチャードは椅子から立ち上がり、イルサにハンカチを差し出した。
「……ほら」
「ありがとうございます」
イルサの表情は、曖昧でリチャードには読み解くことができない。しかし、それは負の感情からではないことはわかった。
「その、君さえよければどういった内容だったのか教えてもらってもいいかな」
「そのたいしたことじゃないんです、ただ」
――誕生日おめでとうイルサ。
君の幸せを願っている。
イルサと父は終戦以降会っていない。こんなカードもらったのは初めてだ。どんな気まぐれが伯爵にあったのか、これだけでは知り得ることは出来ない。
それでも。
「うれしいです」
「そうだね」
イルサの父の呪いは解けたのだろうか。人を許せず、遠ざけたあの人は。
有能な男だ。彼はイルサの母に想いをよせ、伯爵家に力を注いだ。裏切られてからは仕事一辺倒となり、ひたすらに働き続ける彼だったが、戦争時には多大な尽力を注ぎ国に尽くした。
(不器用な人なんだろう)
リチャードは何度か顔を合わせた彼を思い出す。
彼とイルサの外見は似ていない。しかし、親子で一緒に過ごした時間などほとんどないであろうに、彼とイルサの印象は似ている。
生真面目で誠実、一途でひたむき。
(うちの父親に爪の垢を飲ませたいくらいだな)
リチャードは年を食い、ましにはなったが未だに尊敬しきることができない自身の父親を思い出す。
「――レイに会いたい。これを伝えたい」
やっと、イルサは顔を上げ、つぶやいた。
「大丈夫だよ、彼もここにくる予定だ。ーーおっと」
リチャードはドアをたたく音に気づき、「入れ」と声をかけた。
「失礼しますレイです。あれ、イルサどうしたの?」
レイモンドは非難がましくリチャードをみた。
リチャードは首をふり、イルサの肩をたたいてレイの方を向かせた。
レイモンドは生存をまだ公表しておらず、今は“レイ”の姿で騎士に紛れ、リチャードの直属の部下という形をとっている。
それにしても。生き返って以降、彼はかなりリチャードに気を許した感がある。親しげに振る舞われるが不快感はないので、リチャードは特に何もいわずにいるが。
小声で話し始めた二人を見ながらリチャードは思う。
レイモンド・フォルードとのつきあいはそう長いものではない。
騎士科生でありながら、学業に秀で、その年の主席として卒業した彼は平民出ながら将来を約束された近衛騎士団に配属された。
そして、事実上リチャードの部下となった彼は、仕事でも有能さを出していたがある日リチャードを二人きりのとき、イルサのことを持ち出した。
リチャードはそれまでイルサのことを聞き知ってはいたが会ったことはなかった。
会わない方がお互いのためだと思っていたのだ。
しかし、レイモンドはそれを否定した。
――彼女は貴方に会うことを望んでいます。僕にはわかる。
勝手に彼女の言葉を代弁するその傲慢にも聞こえる言葉に、リチャードは心が揺れた。
しかし、戦争が始まってしまい、彼女と打ち解けたのはレイモンドが死んだ――と思われてからだった。
彼は自分を性格が悪い。という。
間違ってはいないだろう。彼は性格が悪い。だが、悪人ではない。
自らの身をもって王弟と崖に墜ちたのもイルサのためだ。リチャードが死んだらイルサが悲しむと考えたのだろう。
彼は認めないかもしれないけれど。
結局彼もイルサと同じなのだ。
生真面目で誠実、一途でひたむき。そこかしこに、そんなところが隠れている。
彼が悪魔と取引をして、人ではなくなってしまった。しかし、リチャードは彼を断罪したほうがいいとは思わない。彼はそれを悪用するようなものではないのだ。
――彼らに幸せを。
リチャードは未だ自分の部屋で話し続けるイルサとレイモンドを見ながら、少し笑った。
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