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ゲット・アウト
私たちはミュータントだ
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*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
映画ノベライズブログ(https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/11/09/110545)
起き上がると、萌美の部屋でベッドに寝かされていた。
一服したいとタバコを持つが、吐き気がして吸うことができない。
催眠が効いている。
スマホで言左衛門に、見覚えのある日本人の画像を送る。
ベッドで休んでいると、電話がかかってきた。
『画像見たでござるよ。こいつは俺たちの大学でサッカー部のキャプテンやってた人だな』
「あー、思い出した。行方不明になってたな?」
『そうだな。こいつがどうしたでござる?』
「三十歳も年の離れたおばさんを恋人にしてたんだ。SNSで拡散してやろうと思ったけど、バレて変な力ですっ飛ばされた」
『それは奇妙でござるな。早めに帰ったほうが……』
通話が突然切れた。
スマホの電池を見ると、充電しておいたはずなのに、もう電気がない。
しかたないのでベッドに放ると、下の隙間に小さな箱があった。
箱を開けてみると、写真が入っている。
萌美と知らない男たちが写っていた。
見た感じ俺と同じ日本人だ。
みんな萌美を抱っこしている。
それは彼女が写真に写るときにする癖だった。
スーツを着た男、バンダナを頭に巻いた男、太った男、痩せた男……。
いろんな男に萌美は抱っこされていた。
――うそだろ。生涯抱っこされるのは俺だけだと言ってたのに。
写真をめくっていると、ふと、見覚えのある男女が萌美を抱っこしていた。
この家の使用人の男と女だ。
笑顔で萌美を抱っこしている。
胃の奥から苦いものがこみ上げてきた。
「お兄ちゃん! 起きたんだね!」
萌美が後ろから抱きついてきた。
慌てて写真を箱に戻して、ベッドの下にすべらせる。
見ていたことがバレたか。
「ははっ、どうしたんだよ?」
とりつくろう。
萌美は首に腕をかけてきた。
細くて柔らかい皮膚の感触がする。
「お兄ちゃん! 大好きだよ!」
「そっそうか。ありがとう。車の鍵はないかな? この家は居づらい……ヴッ!!」
「だめ! 車の鍵はわたせない!」
「もっ……もえ……ぐええええええっ!?」
腕の太い男に首をしめられるように、ギリギリと首の呼吸が苦しくなる。
なんだこの力!
普段の萌美では考えられない!
耳元で萌美の歌を聞きながら、俺の意識は遠のいていった。
起き上がると、俺はクッションのあるイスに縛りつけられていた。
テレビが置かれてある。
バンドで手足が縛られているので、ガリガリとイスの表面をかくことしかできなかった。
なんだ!? なんなんだ!!
軽くパニックを起こす。
テレビの画面がついた。
知らないオッサンが車イスに座っている。
頭はハゲていて、髪の毛一本残っていない。
――誰だ?
会ったこともない人物だ。
『やあ。驚いたかね?』
ハゲた男の両目は白目だった。
視線が動かない。
目が見えないのか?
『君にわれわれの正体を教えなければな。私たちはミュータントだ』
「はっはい?」
『人間ではないということだ。うまく人間に溶け込んでいるのでね。気づかないのは無理ないことだ』
「いっいや……」
萌美がいくつ年取っても幼女なので、うすうす人間じゃないことは気づいていたけど。
そんな彼女を好きになった俺も俺だ。
『さきほどビンゴゲームをやってね。親戚連中も君をほしがっていたが、私が勝ったというわけだ』
「何がどうなってるんだ!? 俺はなんで縛られている!」
『ふむ。ゼロから説明するのは難しい内容だが、脳移植手術をこれから行う』
「はっ!?」
『私は君の同人誌を見て、アニメ調のキャラクターに衝撃を受けた。それを創作する能力がほしいのだ。だから君の脳みそをもらう』
プスプスと、頭から湯気が出てくる。
「いっいや、同人誌たって、プロレベルまではいかない……」
『かまわない。私の能力は絵画を具現化することができる。そうやって世界中の絵を楽しんできた』
「そんなレベルの高い絵で、どうして俺なんか……」
『世界の絵画ではだめなのだ。機能することができなかった。だが、アニメ調なら大丈夫だった』
「機能って?」
『アソコだよ』
いや、どこだよ!?
『君たち日本人の男は、アニメ調の絵の女の子を見て、チュッチュッチュルルルルチュバチュバチュッチュッブチュッチュンマンマンーッマンーーーーッマみたいなことをするのだろう?』
「おいちょっと待て! いくらなんでも日本男子はそこまでキモくないわ! どのユーチューブ見てマネしてんだ!」
偏見抱きすぎ!
『話は終わりだ』
ハゲた男が消失し、お茶のカップにスプーンの映像が出てくる。
まずい! 催眠か何かがくる!
ミュータントは恐らく超能力集団だ。
萌美は脳を入れ替えるために日本人を連れてきていたに違いない。
すべてグルだった。
この家にきたときから、俺は牢獄にとらえられていたのだ。
意識が遠のき、俺は縛られた手術台の上で眠りにおちた。
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
映画ノベライズブログ(https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/11/09/110545)
起き上がると、萌美の部屋でベッドに寝かされていた。
一服したいとタバコを持つが、吐き気がして吸うことができない。
催眠が効いている。
スマホで言左衛門に、見覚えのある日本人の画像を送る。
ベッドで休んでいると、電話がかかってきた。
『画像見たでござるよ。こいつは俺たちの大学でサッカー部のキャプテンやってた人だな』
「あー、思い出した。行方不明になってたな?」
『そうだな。こいつがどうしたでござる?』
「三十歳も年の離れたおばさんを恋人にしてたんだ。SNSで拡散してやろうと思ったけど、バレて変な力ですっ飛ばされた」
『それは奇妙でござるな。早めに帰ったほうが……』
通話が突然切れた。
スマホの電池を見ると、充電しておいたはずなのに、もう電気がない。
しかたないのでベッドに放ると、下の隙間に小さな箱があった。
箱を開けてみると、写真が入っている。
萌美と知らない男たちが写っていた。
見た感じ俺と同じ日本人だ。
みんな萌美を抱っこしている。
それは彼女が写真に写るときにする癖だった。
スーツを着た男、バンダナを頭に巻いた男、太った男、痩せた男……。
いろんな男に萌美は抱っこされていた。
――うそだろ。生涯抱っこされるのは俺だけだと言ってたのに。
写真をめくっていると、ふと、見覚えのある男女が萌美を抱っこしていた。
この家の使用人の男と女だ。
笑顔で萌美を抱っこしている。
胃の奥から苦いものがこみ上げてきた。
「お兄ちゃん! 起きたんだね!」
萌美が後ろから抱きついてきた。
慌てて写真を箱に戻して、ベッドの下にすべらせる。
見ていたことがバレたか。
「ははっ、どうしたんだよ?」
とりつくろう。
萌美は首に腕をかけてきた。
細くて柔らかい皮膚の感触がする。
「お兄ちゃん! 大好きだよ!」
「そっそうか。ありがとう。車の鍵はないかな? この家は居づらい……ヴッ!!」
「だめ! 車の鍵はわたせない!」
「もっ……もえ……ぐええええええっ!?」
腕の太い男に首をしめられるように、ギリギリと首の呼吸が苦しくなる。
なんだこの力!
普段の萌美では考えられない!
耳元で萌美の歌を聞きながら、俺の意識は遠のいていった。
起き上がると、俺はクッションのあるイスに縛りつけられていた。
テレビが置かれてある。
バンドで手足が縛られているので、ガリガリとイスの表面をかくことしかできなかった。
なんだ!? なんなんだ!!
軽くパニックを起こす。
テレビの画面がついた。
知らないオッサンが車イスに座っている。
頭はハゲていて、髪の毛一本残っていない。
――誰だ?
会ったこともない人物だ。
『やあ。驚いたかね?』
ハゲた男の両目は白目だった。
視線が動かない。
目が見えないのか?
『君にわれわれの正体を教えなければな。私たちはミュータントだ』
「はっはい?」
『人間ではないということだ。うまく人間に溶け込んでいるのでね。気づかないのは無理ないことだ』
「いっいや……」
萌美がいくつ年取っても幼女なので、うすうす人間じゃないことは気づいていたけど。
そんな彼女を好きになった俺も俺だ。
『さきほどビンゴゲームをやってね。親戚連中も君をほしがっていたが、私が勝ったというわけだ』
「何がどうなってるんだ!? 俺はなんで縛られている!」
『ふむ。ゼロから説明するのは難しい内容だが、脳移植手術をこれから行う』
「はっ!?」
『私は君の同人誌を見て、アニメ調のキャラクターに衝撃を受けた。それを創作する能力がほしいのだ。だから君の脳みそをもらう』
プスプスと、頭から湯気が出てくる。
「いっいや、同人誌たって、プロレベルまではいかない……」
『かまわない。私の能力は絵画を具現化することができる。そうやって世界中の絵を楽しんできた』
「そんなレベルの高い絵で、どうして俺なんか……」
『世界の絵画ではだめなのだ。機能することができなかった。だが、アニメ調なら大丈夫だった』
「機能って?」
『アソコだよ』
いや、どこだよ!?
『君たち日本人の男は、アニメ調の絵の女の子を見て、チュッチュッチュルルルルチュバチュバチュッチュッブチュッチュンマンマンーッマンーーーーッマみたいなことをするのだろう?』
「おいちょっと待て! いくらなんでも日本男子はそこまでキモくないわ! どのユーチューブ見てマネしてんだ!」
偏見抱きすぎ!
『話は終わりだ』
ハゲた男が消失し、お茶のカップにスプーンの映像が出てくる。
まずい! 催眠か何かがくる!
ミュータントは恐らく超能力集団だ。
萌美は脳を入れ替えるために日本人を連れてきていたに違いない。
すべてグルだった。
この家にきたときから、俺は牢獄にとらえられていたのだ。
意識が遠のき、俺は縛られた手術台の上で眠りにおちた。
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