8 / 47
エイリアン コヴェナント
新惑星とモンキーダンス
しおりを挟む
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
映画ノベライズブログ(https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/10/15/113951)
門平善照はアンドロイドだ。
有名学校バーモンダによって製造された新型。
人間の命は有限だが、俺は無限の命を持っている。
十一年前、俺と同じ型番であるアンドロイドが、宇宙船モンキー号とともに行方不明になった。
現在、俺は宇宙船サンダー号を操縦している。
船内には二千人の冷凍睡眠者と、一千人の胎芽が積まれていた。
船員は冷凍睡眠していたのだが、俺が太陽に間違えて操縦してしまったので、あわててみんなをビンタして起こした。
起きた船員には宇宙嵐がきたと説明しておく。
頬を押さえながら、船のプログラムを直し始める人間たち。
ちょろいもんだ。
船の修理をしていると、とある信号を拾った。
その信号には女性のはげしい息づかいと、何かをたたく音が聞こえてきた。
人間の男たちがぜひ彼女に会いたいと、反乱を起こす。
副船長の美雪雪音が、
「反対よ船長! こんなあやしい信号のために船の燃料は使えないわ!」
「だがねぇ。もしかしたら人が住める惑星かもしれない。調査してみる必要はあるだろ?」
「だめです!」
「しかし、船の中のトイレがすべて壊れているんだよ? どうやって排便するの?」
「船の中ですればいいわ!」
と、反対したが、やる気のない半目の船長と女性陣の説得により、しぶしぶ折れていた。
モンキー号は信号を追って惑星に向かう。
美雪は俺のとなりでシクシク泣き、
「どうしてみんな私の言うことを聞いてくれないのかしら?」
「太陽に突っ込みましょうか?」
「ふふ。おもしろい冗談を言うアンドロイドね。いいわ。そう設定しておいて」
「了解しました」
「破壊のあとに想像はあるのよ!」と、酒の臭いをただよわせながら、美雪は太陽行きを設定。
まあ、落ち着けば元に戻すだろ。
信号が発信された惑星に到着。
サンダー号とふたりの操縦士、侍を残して、小型船で出発。
小型船に船員をひとり残して、俺たちは外に出ていった。
「空気がおいしいな!」
「おい! 小麦があるぜ!」
「人が住んでいたんだな」
クルーたちのテンションが上がっていく。
この惑星はじゅうぶん人が住める土地だ。
「だけど人の気配がしませんね」
リアナ恵子が銃をかまえつつ、不穏なことを言った。
信号を追って森に入ると、リアナが地質調査したいと言う。
美雪が許可を出し、戦闘員をひとりおいて、俺たちは森を探っていった。
「何……これ……」
森が切り分けられていると思ったら、モンキー号が胴体着陸していた。
焼け焦げたあとがなくなっている。
かなりの年月がたった証拠だ。
近くに洞窟があったので、乗組員たちと入ってみる。
そこには、大男が着るような宇宙服と、信号の発信装置が置かれていた。
発信装置を起動させてみる。
映像が空間に映し出され、女性がはげしく動いている。
両腕を上下に振り、顔は恍惚(こうこつ)として、薬でトリップしたかのように。
美雪が手を口にやり、
「――モンキーダンスだわ」
昔、若い女子の間ではやった、ダイエット用のダンスだ。
今ではダサすぎて誰も踊らないのだが、当時は道端でもようしゃなく女性たちは踊り狂っていた。
これを知っているということは、やってたな。美雪。
認識票と写真を見つける。
『モンテカルロ・マンダム』
男なんだか、女なんだかよくわからず、商品名のような名前だ。
写真では女性がピースしていて、となりには灰色のゴリラがいた。
旦那か?
「これは?」
「どうやら行方不明になった宇宙船、モンキー号の乗組員のようですね」
「なぜここでモンキーダンスを?」
「さあ」
美雪の疑問には、アンドロイドの俺でさえ答えられない。
『たっ大変です! 戦闘員がケガをしたので、着陸船の中に運んだら、急激に体調が悪化して、あれが出てきて!』
「えっ? あなたもモンキーダンスを!?」
『はっ!? 何を言って……きゃあああああああっ! ぬるぬるするぅ!』
リアナの悲鳴が無線から響いてきた。
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
映画ノベライズブログ(https://inaba20151011.hatenablog.jp/entry/2019/10/15/113951)
門平善照はアンドロイドだ。
有名学校バーモンダによって製造された新型。
人間の命は有限だが、俺は無限の命を持っている。
十一年前、俺と同じ型番であるアンドロイドが、宇宙船モンキー号とともに行方不明になった。
現在、俺は宇宙船サンダー号を操縦している。
船内には二千人の冷凍睡眠者と、一千人の胎芽が積まれていた。
船員は冷凍睡眠していたのだが、俺が太陽に間違えて操縦してしまったので、あわててみんなをビンタして起こした。
起きた船員には宇宙嵐がきたと説明しておく。
頬を押さえながら、船のプログラムを直し始める人間たち。
ちょろいもんだ。
船の修理をしていると、とある信号を拾った。
その信号には女性のはげしい息づかいと、何かをたたく音が聞こえてきた。
人間の男たちがぜひ彼女に会いたいと、反乱を起こす。
副船長の美雪雪音が、
「反対よ船長! こんなあやしい信号のために船の燃料は使えないわ!」
「だがねぇ。もしかしたら人が住める惑星かもしれない。調査してみる必要はあるだろ?」
「だめです!」
「しかし、船の中のトイレがすべて壊れているんだよ? どうやって排便するの?」
「船の中ですればいいわ!」
と、反対したが、やる気のない半目の船長と女性陣の説得により、しぶしぶ折れていた。
モンキー号は信号を追って惑星に向かう。
美雪は俺のとなりでシクシク泣き、
「どうしてみんな私の言うことを聞いてくれないのかしら?」
「太陽に突っ込みましょうか?」
「ふふ。おもしろい冗談を言うアンドロイドね。いいわ。そう設定しておいて」
「了解しました」
「破壊のあとに想像はあるのよ!」と、酒の臭いをただよわせながら、美雪は太陽行きを設定。
まあ、落ち着けば元に戻すだろ。
信号が発信された惑星に到着。
サンダー号とふたりの操縦士、侍を残して、小型船で出発。
小型船に船員をひとり残して、俺たちは外に出ていった。
「空気がおいしいな!」
「おい! 小麦があるぜ!」
「人が住んでいたんだな」
クルーたちのテンションが上がっていく。
この惑星はじゅうぶん人が住める土地だ。
「だけど人の気配がしませんね」
リアナ恵子が銃をかまえつつ、不穏なことを言った。
信号を追って森に入ると、リアナが地質調査したいと言う。
美雪が許可を出し、戦闘員をひとりおいて、俺たちは森を探っていった。
「何……これ……」
森が切り分けられていると思ったら、モンキー号が胴体着陸していた。
焼け焦げたあとがなくなっている。
かなりの年月がたった証拠だ。
近くに洞窟があったので、乗組員たちと入ってみる。
そこには、大男が着るような宇宙服と、信号の発信装置が置かれていた。
発信装置を起動させてみる。
映像が空間に映し出され、女性がはげしく動いている。
両腕を上下に振り、顔は恍惚(こうこつ)として、薬でトリップしたかのように。
美雪が手を口にやり、
「――モンキーダンスだわ」
昔、若い女子の間ではやった、ダイエット用のダンスだ。
今ではダサすぎて誰も踊らないのだが、当時は道端でもようしゃなく女性たちは踊り狂っていた。
これを知っているということは、やってたな。美雪。
認識票と写真を見つける。
『モンテカルロ・マンダム』
男なんだか、女なんだかよくわからず、商品名のような名前だ。
写真では女性がピースしていて、となりには灰色のゴリラがいた。
旦那か?
「これは?」
「どうやら行方不明になった宇宙船、モンキー号の乗組員のようですね」
「なぜここでモンキーダンスを?」
「さあ」
美雪の疑問には、アンドロイドの俺でさえ答えられない。
『たっ大変です! 戦闘員がケガをしたので、着陸船の中に運んだら、急激に体調が悪化して、あれが出てきて!』
「えっ? あなたもモンキーダンスを!?」
『はっ!? 何を言って……きゃあああああああっ! ぬるぬるするぅ!』
リアナの悲鳴が無線から響いてきた。
*内容をさらにわかりやすくした『映画チャットノベライズ(笑)』のブログもよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
だらだらとした映画語り【チャット】
因幡雄介
エッセイ・ノンフィクション
門平善照と美雪雪音が独断と偏見でだらだらと映画をチャット形式で語る記事です。雑談は因幡雄介担当。
《映画紹介キャラクター》
*門平善照(かどひらよしてる)・・・男子高校生。冷静なツッコみ役。
*美雪雪音(みゆきゆきね)・・・女子高校生。何かと暴れる役。
*ベルシュタイン・・・女子留学生。戦闘が得意なお嬢様。
*萌美(もえみ)・・・妖精さん。漢字が読めないが、ひらがなも読めない破壊の魔法少女。
*リアナ恵子(りあなけいこ)・・・女子留学生。穏やかなお嬢様。
*真田雪村(さなだゆきむら)・・・女子高生。貧乏苦学生。
*猫美(ねこみ)・・・猫獣人さん。「にゃー」しか言わないが、日本語を理解できるし、普通に話せる。
*西成区の女神(にしなりくのめがみ)・・・宗教団体『御母様』幹部
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
データから分析して目指せスコアアップ!初心者投稿者の試行錯誤と記録。
終夜
エッセイ・ノンフィクション
Web小説を書き、いつか本にしてみたい。そう考える初心者がアルファポリス様で小説を連載する中で、記録をとってグラフにしたり考察したりして試行錯誤する日々をお送りします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

半世紀生きて、やっと小説完成しました
さんかく ひかる
エッセイ・ノンフィクション
小説投稿を始めて、気づいたこと・素朴な疑問などを書いてます。
私と同じ、年寄り投稿初心者の方、共感する話があるかもしれません。
エブリスタにも載せています。
https://estar.jp/novels/25957908
アルファポリスのみ掲載のエッセイは、タイトルに「アルファポリス」と入れています。
週に一度か二度を目安に更新します。
※4月21日、最新話「ハーレクインのヒロイン」で、ヒロインにシスターはいないと書きましたが、間違いです。申し訳ございません。この部分は削除しました。
投稿小説をされる方に、以下のリンク先で簡単なアンケートを行っています。
https://forms.gle/wgW8k1N5Vma7ZJgw7
結果は後日、こちらのエッセイで発表します。
よろしかったらご協力願います。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる