慟哭の時

レクフル

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第四章

光るピンクの石

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帝城から帰ってから、俺はどうやら丸一日眠っていたようだった。

起きると着替えさせられていて、きちんとベッドで寝かされていた。


「リディ様!気付かれましたか?!」

「…ミーシャか。」

「もう!心配させないで下さい!」

「ただ寝ていただけだろう?」

「違いますよ!倒れていたんですから!」

「ハハ、大丈夫だ。ちょっと長く寝ただけだ。」

「そんな事言ってたら、ゾラン様に怒られますからねっ!」

「俺を怒ってくれるのか、ゾランは……」

「あ、お腹すいてますよね?食事を持ってきますね!」

「あぁ。頼む。」



窓から外を見ると、もう外は暗くなって、空には星が見え始めていた。

思ったよりも精神的にダメージを受けていたようだな。

情けない。こんなことですぐに寝込むとは。

そう思っていると、ノックが聞こえてゾランがやって来た。


「遅いお目覚めですね。リドディルク様」

「寝不足でな。久々にゆっくり出来た。」

「そう言う事にしたいんですね…」

「そう言う事だ。」

「分かりました。しかし、これからはどこに行くのも、必ず私がついて行きますので!」


そう言うと、少し怒った感じでゾランは出て行った。

少しして料理が運ばれてきて、ベッドでそれを食べる。

俺は病人か、と言うと、ミーシャにそうです!と言われてしまった。

少し長く寝ただけなのに、皆大袈裟だな。

しかし、インタラスの王都に行こうと思っていたのに、今日は行けなかったな。

明日出発する事にしよう。

食事が終わってから動こうとすると、何故かミーシャに寝てろと言われた。

本当に病人扱いをする。



空に輝く星を見ながら、アシュリーの事を思い浮かべる。

首飾りの石が不意に光だした。

が、すぐにそれは消えた。

この石は、相手の事を想って握ると、片割れの石が輝き、相手の脳に直接話しかける事ができるのだ。

アシュリーが俺を想ってくれていたんだろうか。

そう感じて、今度は俺から石を握りしめてアシュリーを想う。

そうして、アシュリーと話をすることができた。


アシュリーの声が聞こえると、本当に心が安らいで行く。


気持ちも体も、すっかり軽くなった。 


明日こそ姉に会いに行くとしよう。



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