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第三章
村を救う
しおりを挟む「ディルク殿、それは…?!」
「その話をする前に、まだ少しアシュレイに確認したいことがある。いいか?」
「なにを聞きたい?」
「アシュレイは、この部族とどんな関係がある?」
「私の母が、この部族の人だったんだ。」
「そうなのか?」
「母は昔、襲ってきた盗賊に拐われたそうだ。それは昨日分かった事だが、私の母が銀髪だったので、偶然出会ったマリーに付き添い、この村までやって来たんだ。マリーが心配だったのは本当だったけど、銀髪の人達の村に来てみたくてね。母の情報が少しでも欲しかったんだ。」
「アシュレイは母親を探していると言ってたものな。」
「ディルクも銀髪の部族を探していたのは驚いたが…」
「アシュレイがこの部族の宝である石を探していたのは?」
「母がいなくなった時に置いていった石が、この部族の宝だったんだ。石の効果で、他の石が何処にあるのかが分かる様になったから、石と母を探す旅をしていた。」
「そうだったんだな。」
「まだ何か知りたい事があるか?」
「アシュレイの事なら何でも知りたいが……そうか、分かった。ありがとう。」
いつもサラっと、ドキっとする事を平然とした顔で言う。
ディルクの言葉に一喜一憂してしまう自分がいる。
こんな気持ち初めてだ……
「それで村を助けられるとは、どう言う…?」
オルグがせっつく様に聞いてくる。
そうだ、それは私も気になる。
「闇の精霊の力を借りれば、どうにかなるかも知れない。」
「闇の精霊の…?」
「あぁ。俺にも精霊がついている。が、闇の精霊はいなくてな。」
「あんなに闇魔法が得意なのに?」
「練習すれば、アシュレイならすぐ出来る様になるんじゃないかな。俺はあの魔法を習得するのには時間がかかったが。」
「分かった。練習してみる。」
「ハハ、アシュレイは素直だな。」
「そ、それで、どうしたら村は?!」
「落ち着いて下さい。オルグ。ここからは俺達に任せて下さい。アシュレイ、手伝ってくれるか?」
「勿論だ。私が出来ることなら、何だってする。」
「アシュレイなら、きっとそう言うと思った。」
「俺も何でもするぞ!」
3人で顔を合わせて微笑みあう。
「それで、私は何をすればいい?」
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