慟哭の時

レクフル

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第二章

精霊の加護

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2人で話をしていると、目の前を、白くうっすら輝きながら、フワリとゆっくりと精霊が翔んできた。


「私は光の精霊、ルキス。やっとお話しが出来るようになりましたね。」

そう言って、にっこり微笑んだ。

「あ、私はアシュ…」

「ええ、知っていますよ。アシュリー。」

「え?違うぞ?アッシュはアシュレイだぞ!」

レクスがそう言っても、ルキスは微笑んだまま

「貴女には精霊の加護を。私は貴女が大好きなのです。」

頬に手を添えて言う。

「ルキス……私の事を知っているんだな……」

「ええ。もちろん。」

言いながらルキスは、緩やかに辺りを翔んでいる。

「何かあったらお呼びなさいな。貴女の力になりましょう。」

微笑んでルキスは言う。

「ありがとう……ルキス。」

「そこにいる焼きもちやきさんが怒っているから、私は退散いたしますわ。」

言ってルキスはどこかへ消えた。 


焼きもちやき?


ゾワリと私の左側に気配がしたので見てみると、左腕に絡み付くように、黒く漂う気の様なモノを纏った精霊がいた。

「やっと分かる様になったか、アシュリー。」

全身黒く、異様な雰囲気が漂っている。

「我は闇の精霊テネブレ。いつでも我を頼ると良い。お前の為なら力になろう。」


テネブレは私の周りをまとわりつくように回りながら、ニヤリと笑って、フッと消えて行った。



呆然としていると

「アッシュ!アッシュはアシュレイじゃないのか?!」

と、レクスが詰め寄る。

少し驚いて

「え?あ、あぁ……私の本当の名前はアシュリーって言うんだ。しかし、それを知っているなんて……」

「そっか……アシュリーだったのか……でも、どっちでもアッシュだ!」

私はレクスを見て

「そうだ。私はアッシュだ。」

言って微笑んだ。

「なら大丈夫だな!」

「そうだな。」

レクスと私は顔を見合せて笑い合う。




精霊の加護。




今までも私の近くにいたのか……


私は、私が思うより、1人ではなかったのかもしれない。


青い石の効果


それは、第六感が身に付くと言う事だった。


光と闇


溢れ出る魔力。


これは関係しているんだろうな……




「ところでさ、アッシュ。」

「ん?なんだ?」

「次はどこにいくのさ?」

「そうだな、今一番近そうなのは、紫の石の場所なんだ。
でも、近いって言っても、かなり遠いと思う。
すごく目を凝らしても、あまり光が見えないんだ。
南の方にありそうだから、とりあえずは南に向かうとするか……」

「そうか。じゃあ、南に行こう!2人で!」

「そうか、二人旅だな。」

「二人旅だ!」


私とレクスは足取りも軽く、南へ行くことにした。


レクスとの旅は、こうして始まった。





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