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10話 二人の道程③
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翌朝、いつものようにフィグネリアの部屋へノアは赴き、そして魔力を渡してフラフラとなりながら部屋から出てくる。それを待ち受けるリアムに支えられ、ノアは使用人部屋へと戻る。
ノアがベッドで横になって眠りにつくと、リアムは部屋から出て仕事に励む。
普段と変わらぬいつもどおりの事だが、今日はノアは少し休んでから起きて、そっと部屋から出てリアムの様子を見に行く事にした。
昨日の背中の傷は、誰かに何かで殴られた跡じゃないかとノアは考えた。きっと背中だけじゃなかった筈だ。思うよりも魔力を持って行かれた感じがしたからだ。
見れていない他の所にもきっと、もっと傷はあったんじゃないだろうか。そんなふうに考え、なぜそうなったのかを知るべくノアは動き出した。
とはいえ、ここに来てからノアはリアムがいつどんな仕事をしているのかあまり把握していなかった。ノアが仕事をするのは夕方頃からで、一番しなければならない事は魔力を回復させる事だとフィグネリアに言われているから、あまり体力の必要な仕事をしていなかった。
厨房で食器を洗ったり手紙の仕分けしたり、繕い物をしたり取り入れられた洗濯物を畳んだり……
その時間リアムは別の場所で仕事をしているようだった。だから日中リアムの行動がノアはよく分かっていない。
ノアが無理をして体力を使い、翌朝魔力が全開していなければフィグネリアからお仕置きされる。前のように足蹴にされるのはよくあることで、鞭打ちをされる事もある。
そう思い出してふと気づく。リアムの傷は鞭打ちをされた時に出来る傷ではないのか、と。
リアムが何か失態をおかしたのかとノアは考えた。それでもあんなに酷い怪我を負わせるのは間違っている。
まだ覚束ない足取りでノアはヨタヨタとリアムを探す。
邸の外に出て庭園を見る。そこには誰もいなかった。
庭園には四阿があって、その反対側には古びた小屋があった。そこに庭師が使う道具を置いてあるのかもと思いつつ、庭師のおじさんとは仲が良くも悪くもなかったから、リアムについて聞こうかとそちらへ向かう事にした。
しかしその小屋へ近づくと、中から何やら音が聞こえるのだ。何かを打ち付けるような音や、呻き声らしき音。
ノアは段々と怖くなったが止まる事はせずに、恐る恐る小屋へ近づき、朽ちて隙間がある木の扉から中をそっと垣間見た。
そこで見たのは、リアムが後ろ手で拘束された状態で、フィグネリアに鞭で打ち付けられていた場面だった。
「きゃっ! リ、リアムっ!!」
「誰?!」
驚いて思わずノアは声を上げてしまった。そしてすぐにフィグネリアに気づかれてしまった。
勢いよく扉を開けるフィグネリアは、ニヤッと笑いながらノアを見つめた。そして襟首を鷲掴みにし、小屋の中へと放り投げる。
「なんでお前がこんな所にいるのよ。魔力を回復させるのに休んでるんじゃなかったの? それとも回復しているのに休みたいから嘘を言ってたの?」
「ち、違い、ます! リアムが、その、しっ、心配でっ!」
「やっぱりお前がコイツの傷を治したのね? お前の魔力は全てわたくしの物なのよ! それを何勝手に使ってくれてるの!!」
勢いよく振り上げられた鞭は、今度はリアムではなくノアに向けられた。思わず体を縮めてギュっと目を閉じたが、バシッとする音はすれど痛みは襲ってこなかった。
恐る恐る目を開けると、自分の目の前にはリアムが立っていた。
「リアムっ!」
「ノア……ここに来ちゃ……駄目だ……」
「だってっ!」
「あーもう、煩いわねぇ。コイツはねぇ。わたくしの遊び道具なの。その為にここに連れて来られたの。だからわたくしがどうしたって文句は言えないのよ。分かる?」
「ひ、酷いですっ! 止めて下さい!」
「酷い? それはお前の方でしょう? 本当はお前一人だけをここに連れてくるつもりだったのよ。魔力を譲渡させるのが一番だったけど、わたくしの玩具の役目もして貰う予定だったの。それをコイツがしゃしゃり出てきたのよ。代わりになるからって」
「リアムが……?」
「わたくしは本当は、男より女を懲らしめたいの。少しでも見目の良い女は幼くても許せないしね。男は侍らせておけば良いんだもの」
「な、なら止めてください! お願いしますっ!」
「なんでお前の言うことを聞かなきゃなんないのよ。いい? お前達はわたくしの奴隷なの。だからわたくしは何をしても許されるのよ」
「そんな……!」
「お前は勝手に魔法を使ったわね。だからお仕置きが必要ね。お前達をちゃんと躾てやらないとね」
そう言ってフィグネリアは遠慮なく鞭を振るっていった。リアムはノアに鞭が届かないように庇い続け、傷だらけになっていった。
そうこうしているうちに従者が
「予定の時間です」
と呼びに来たので、フィグネリアは仕方ないとばかりに鞭を放おり投げ、小屋から颯爽と出ていった。
庇われたと言っても、ノアも腕や肩、頬に傷をつくっている。しかしそれよりもリアムの状態か酷かった。
その場に崩れ落ちるようにして倒れたリアムに、ノアは泣きながら縋り続けるのだった。
ノアがベッドで横になって眠りにつくと、リアムは部屋から出て仕事に励む。
普段と変わらぬいつもどおりの事だが、今日はノアは少し休んでから起きて、そっと部屋から出てリアムの様子を見に行く事にした。
昨日の背中の傷は、誰かに何かで殴られた跡じゃないかとノアは考えた。きっと背中だけじゃなかった筈だ。思うよりも魔力を持って行かれた感じがしたからだ。
見れていない他の所にもきっと、もっと傷はあったんじゃないだろうか。そんなふうに考え、なぜそうなったのかを知るべくノアは動き出した。
とはいえ、ここに来てからノアはリアムがいつどんな仕事をしているのかあまり把握していなかった。ノアが仕事をするのは夕方頃からで、一番しなければならない事は魔力を回復させる事だとフィグネリアに言われているから、あまり体力の必要な仕事をしていなかった。
厨房で食器を洗ったり手紙の仕分けしたり、繕い物をしたり取り入れられた洗濯物を畳んだり……
その時間リアムは別の場所で仕事をしているようだった。だから日中リアムの行動がノアはよく分かっていない。
ノアが無理をして体力を使い、翌朝魔力が全開していなければフィグネリアからお仕置きされる。前のように足蹴にされるのはよくあることで、鞭打ちをされる事もある。
そう思い出してふと気づく。リアムの傷は鞭打ちをされた時に出来る傷ではないのか、と。
リアムが何か失態をおかしたのかとノアは考えた。それでもあんなに酷い怪我を負わせるのは間違っている。
まだ覚束ない足取りでノアはヨタヨタとリアムを探す。
邸の外に出て庭園を見る。そこには誰もいなかった。
庭園には四阿があって、その反対側には古びた小屋があった。そこに庭師が使う道具を置いてあるのかもと思いつつ、庭師のおじさんとは仲が良くも悪くもなかったから、リアムについて聞こうかとそちらへ向かう事にした。
しかしその小屋へ近づくと、中から何やら音が聞こえるのだ。何かを打ち付けるような音や、呻き声らしき音。
ノアは段々と怖くなったが止まる事はせずに、恐る恐る小屋へ近づき、朽ちて隙間がある木の扉から中をそっと垣間見た。
そこで見たのは、リアムが後ろ手で拘束された状態で、フィグネリアに鞭で打ち付けられていた場面だった。
「きゃっ! リ、リアムっ!!」
「誰?!」
驚いて思わずノアは声を上げてしまった。そしてすぐにフィグネリアに気づかれてしまった。
勢いよく扉を開けるフィグネリアは、ニヤッと笑いながらノアを見つめた。そして襟首を鷲掴みにし、小屋の中へと放り投げる。
「なんでお前がこんな所にいるのよ。魔力を回復させるのに休んでるんじゃなかったの? それとも回復しているのに休みたいから嘘を言ってたの?」
「ち、違い、ます! リアムが、その、しっ、心配でっ!」
「やっぱりお前がコイツの傷を治したのね? お前の魔力は全てわたくしの物なのよ! それを何勝手に使ってくれてるの!!」
勢いよく振り上げられた鞭は、今度はリアムではなくノアに向けられた。思わず体を縮めてギュっと目を閉じたが、バシッとする音はすれど痛みは襲ってこなかった。
恐る恐る目を開けると、自分の目の前にはリアムが立っていた。
「リアムっ!」
「ノア……ここに来ちゃ……駄目だ……」
「だってっ!」
「あーもう、煩いわねぇ。コイツはねぇ。わたくしの遊び道具なの。その為にここに連れて来られたの。だからわたくしがどうしたって文句は言えないのよ。分かる?」
「ひ、酷いですっ! 止めて下さい!」
「酷い? それはお前の方でしょう? 本当はお前一人だけをここに連れてくるつもりだったのよ。魔力を譲渡させるのが一番だったけど、わたくしの玩具の役目もして貰う予定だったの。それをコイツがしゃしゃり出てきたのよ。代わりになるからって」
「リアムが……?」
「わたくしは本当は、男より女を懲らしめたいの。少しでも見目の良い女は幼くても許せないしね。男は侍らせておけば良いんだもの」
「な、なら止めてください! お願いしますっ!」
「なんでお前の言うことを聞かなきゃなんないのよ。いい? お前達はわたくしの奴隷なの。だからわたくしは何をしても許されるのよ」
「そんな……!」
「お前は勝手に魔法を使ったわね。だからお仕置きが必要ね。お前達をちゃんと躾てやらないとね」
そう言ってフィグネリアは遠慮なく鞭を振るっていった。リアムはノアに鞭が届かないように庇い続け、傷だらけになっていった。
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