小林結城は奇妙な縁を持っている

木林 裕四郎

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化生の群編

怨念の炎

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 雛祈ひなぎは鳩が豆鉄砲をくらったように目を丸くしていたが、それが結城ゆうきたちと知り合ってから何度目になるか分からず、そろそろ数えるのも馬鹿らしくなってくる頃合だった。
 絶対に倒すことができず、逃亡も不可能。挑めば確実に命を奪われる。雛祈の悪路王あくろおうに対する評価はそんなところだった。
 たとえ雛祈、桜一郎おういちろう千冬ちふゆの持てる全戦力を投じても、わずかな時間だけ抵抗できるのがせいぜいだと、今でも雛祈の想定は変わらない。
 その悪路王が、雛祈の目の前で息絶えようとしている。角を折られ、肉体を裂かれ、魂までも両断され、敗北した姿を晒している。
 この光景が一時間前に想像できたかといえば、雛祈には逆立ちしても思い浮かべることができなかっただろう。
 だが、現に悪路王は地に伏し、もはや虫の息になっている。
 雛祈たちも協力したとはいえ、結城と、結城に付いている神霊たちは、鬼神一体を見事に討ち取ってしまったのだ。
 もし現場に居合わせなければ、もし神霊たちの出自を知らなければ、雛祈はこの結果を決して信じることができなかった。
 諸々の好条件が重なったのだとしても、結城と、それに連なる神霊たちは、『二十八家にじゅうはっけ』に属する家系が複数で挑まなければいけないような敵を、一時間足らずで倒してしまったのだ。
「はぁ~……」
 雛祈は深い深い溜め息を吐いた。ここまで来ると驚き疲れてしまって、もう呆れるしかなくなった。
 小林結城という青年を、雛祈の人物的、霊能者的な価値観で測ることは不可能だった。人間としては平凡かそれ以下。おまけに間が抜けている。霊能者としての資質など無いに等しい。その評価は今も同じだった。
 それが鬼神に挑み、討伐し、生還するなど、雛祈の経験則からすれば不条理極まりない。
 ただ、そんな能力だけ見れば凡庸な人間を、結城に付いた神霊たちは高く評価していたのだ。雛祈が見ている評価項目とは全く違ったものを。
 それがどういったものかは雛祈にもうまく表現できないが、鬼神・悪路王を倒した後ならば、少しくらいは解るような気がしていた。
(さて、あとは……)
 雛祈はうつ伏せで横たわる悪路王に目を向けた。右腕と下半身を斬り落とされ、角を折られ、両目も潰れ、魂までも破壊され、もはや死を待つだけの身となった鬼神には、当初の威圧感も覇気も感じられない。
(『魂を斬る』、か。普通なら『九字兼定くじかねさだ』のオリジナルでもなければできない芸当だけど、まさか本当にやってのけるとはね)
 結城に提案された際、雛祈は瘴気しょうきを斬ることでさえも、まともに信じられなかった。
 しかし、五百年を生き抜いてきた付喪神つくもがみならばあるいは、と思い、ただタイムリミットを待つよりもシロガネの切れ味に賭けた。
 結果、シロガネは瘴気も悪路王の魂も斬り裂いた。
(ひょっとして、シロガネあれっておおよそ切れないものがないんじゃ……)
 そこまで考えて、雛祈は背筋が寒くなった。本当にそうだった場合、妖刀村正を超える危険物認定をしなければならないが、敵に回せばどんな反撃に遭うか想像したくもなかった。
 同じことはマスクマンにも言えた。
 雛祈にはマスクマンの正体も、仮面が精霊界とのインターフェイスになっていることも見抜けていなかったが、その力を借り受けたらどうなるかは目の当たりにしていた。
 ただの人間にすぎなかった結城を、鬼神に匹敵するほどの魔人に変貌させてしまった。仮面さえ外されなければ、悪路王をそのまま倒せていたかもしれない。
 もしも使う人間と使い方を間違ったならば、もっと凄まじいことなっていたのでは、と思ったところで、雛祈は頭を振って想像を打ち消した。
 シロガネやマスクマンにしても、媛寿えんじゅやアテナと同様に、下手に手を出せばどうなるか分かったものではない。それこそ、触らぬ神に祟りなし。放っておくのが一番だった。
 それよりも問題は悪路王の方だ。
 雛祈はこれまでの話の内容から、元になった人間の魂を核に、相乗効果で強化した怨念を、呪術によって結合させた怨霊に近いものと推察していた。
 シロガネに魂を切断された悪路王は、穴の開いた袋から水が漏れ出ていくように、繋ぎとめていた怨念が解き放たれ、霧散していっている状態だった。
 もう少し時間をおけば、悪路王の貯蔵していた怨念は空になり、元になった人間の魂もこの世に留まれずに消えることだろう。
 現代に蘇った幻の鬼神は、これで本当の幻となるはずだった。
「……ク……クク……」
 雛祈は眉根を寄せた。もはや消滅するのを待つだけの悪路王が、なぜか含み笑いを零したからだ。
「何が可笑おかしいの?」
「ク……ク……本当に……最初に殺して……おくべきだった……」
 悪路王はもう首を動かす力さえない。目を向けている方向には誰もいない。もとより目は両方とも潰れている。だが、果たして誰のことを指しているのか、雛祈にはよく分かっていた。
「一番……弱いと……思った……奴が……一番……強かった……とは……ク……クク……」
 雛祈に答えているのか定かではないが、悪路王の言葉に、雛祈は同情と同意を禁じえなかった。
 負けるはずがないと思っていた最弱の存在に、完膚なきまでの敗北を喫したとあっては、気が狂っても何らおかしくない。
(私だったら絶対に発狂してるわ)
 しかし、何もかも後の祭りだった。悪路王にできることは、魂が消滅するまでの間、後悔と恨み言を吐き出すのがせいぜいだ。
 雛祈をはじめ、誰もがそう思っていた。
 村の方から爆発音と振動が伝わってくるまでは。
「なっ!?」
 雛祈が振り返ると、またも爆発が轟いた。

「な、何だぁ!?」
 山頂にいた九木は、急に響いた爆発音に面食らい、それが聞こえてきた方向へ反射的に目を向けた。
 見ると螺久道村らくどうむらの一部から火の手が上がっていた。
「ガス爆発、かな―――うおっ!?」
 九木が首を傾げていると、二回目の爆発が別のところから上がった。まるで小さな火山噴火のように、爆発で飛んだ破片は別のものに燃え移り、火の手を拡大させていく。
「ま、まさか爆弾でも仕掛けてあったとか!?」
「違う」
 九木の言ったことを、双眼鏡を手にした鈴鹿姫すずかひめがすぐに否定した。燃え盛る炎の特徴を注意深く見ている。
「私としたことが。まさかこんな芸当ができたなんて」
 村の各所で断続的に起こる爆発を見つめながら、鈴鹿姫は奥歯を噛み締めた。

「い、いったい何が!?」
「ク……ククク……」
「!?」
 次々と起こる謎の爆発に戸惑っていた雛祈だが、この状況で含み笑いを続ける悪路王に違和感を覚え、それが一つの結論へと繋がった。
「まさか……これは!」
 雛祈は振り返って悪路王を睨んだ。悪路王はまだ弱々しい含み笑いを続けている。それがかえって雛祈の予想を裏付けていた。
「村を焼き払うために、何を仕掛けてたの!」
 雛祈は悪路王に詰問した。村の人間を瘴気で苦しめた後、村を焼き尽くすと悪路王は言っていた。雛祈は悪路王自身が怨念を燃料として業火を放つつもりと読んでいたが、もしも全く別の手段を用意していたのだとしたら。
「クク……俺の……肉で……造った酒は……全部で……十三……村の……家々に……置かれて……」
「っ!?」
 雛祈はそれを聞いて確信した。悪路王の肉体で造った酒は、この場にある一つではなく複数あった。それが悪路王から切り離されても、まだ繋がっているなら。その酒にも悪路王の怨念が充分に溶け込んでいるなら。
 本体である悪路王の意思を起爆剤として、火の手を上げることができるかもしれない。
 十三個ある酒壷が全部爆発し、怨念の炎を拡散したならば、村一つを余裕で焼き払える。
 驚愕する雛祈のはるか後方で、また爆発音が轟いた。
「桜一郎! 今のは何度目の爆発?」
「十一だ、お嬢!」
 雛祈はもう一つ、最悪の事態に思い至った。鬼の酒が入った壷は十三個あると悪路王は言った。それは悪路王の首が入っていた酒壷も数に入っているということだ。
 最後の爆発は、やしろがあるこの空間を焼き払うためのものだった。
 そのことに雛祈が気付いた時には、ちょうど十二回目の爆発が起こっていた。
「桜一郎! 急いで酒壷あれを遠くへ投げて!」
「分かった!」
 雛祈の思惑を瞬時に理解した桜一郎は、指で指し示された酒壷を目掛けて駆け出した。
 桜一郎の豪腕ならば、たった一個の陶磁器を空へ投げ飛ばしてしまうくらいわけはない。
 しかし、爆発が起こる感覚はかなり短かった。おおよそ平均十五秒ほどで次の爆発が起こっている。
 このまま爆発物と化した酒壷を放り投げることができたとしても、桜一郎は爆風と衝撃の煽りを受けるかもしれない。
 それどころか、爆発の規模も判明していない状況では、たとえ距離を取ってもこの場を全て炎に埋め尽くされるかもしれない。
 桜一郎は焦っていた。間に合うか、煽りを受けるか、爆発するかの三つに一つだ。それでもむざむざと爆発させるよりは、被害が少なくできる可能性に賭けて地面を蹴る。
 だが、鬼の脚力であっても、たとえ酒壷の前まで辿り着けたとして、投げる予備動作の分、時間がかかってしまう公算が大きかった。
(間に合わな―――――ん?)
 全力で酒壷まで駆ける桜一郎の視界に、何か小さなものが割り込んできた。
 桜一郎よりもずっと酒壷に近い距離から、疾風はやてのように酒壷に向かって走りこみ、
「しゅーっとぉー!」
 振り上げた右足で高々と酒壷を宙に蹴り飛ばした。
「えっ!?」
「なっ!?」
 それを見ていた雛祈と桜一郎は驚いて目を丸くした。
 鬼の酒が入った壷を見事に蹴り上げたのは、赤い着物を着た少女の家神、媛寿だったのだ。
 壷は倒壊した社の前あたりで火に包まれ、空気を震わせながら爆発して炎を撒き散らした。
「うおっ!」
 近くまで来ていた桜一郎にも衝撃が伝わってくる。もっとも、媛寿が壷を蹴った時点で足を止めていたので、少し体を圧される程度で済んだ。
 腕で爆風から顔を庇っていた桜一郎の腹部に、丸まった媛寿が飛んできてぽすんと収まった。
「おっと。大丈夫か?」
「ふへ~」
 腹に当たってきた媛寿を受け止めた桜一郎が無事を確かめると、媛寿は爆風で吹き飛ばされたせいで目を回していた。
媛寿こいつが壷を先に蹴っていなければ、確実に爆発に巻き込まれていたな)
 爆発のタイミングから逆算すれば、桜一郎はどうあっても間に合っていなかった。
 媛寿は雛祈と桜一郎よりも先に、見事に爆発する酒壷の処理を果たした。

 一回目の爆発が起こった直後である。
「HΛ1↑(おい、媛寿)!」
「なに、ますくまん?」
 マスクマンに呼ばれた媛寿は、ちょうどシロガネの同田貫どうたぬきを左袖に収納したところだった。
 悪路王を下した以上、早く結城を病院に連れて行こうと、媛寿は帰り支度のために各々の装備品を回収しているところだった。
「I☆5↑BΞ4↓(あの壷おもいっきり蹴れ。なんかイヤな予感がするんだ)!」
「え? なんで?」
「GΠ8←AΣ2→(何でもいいから蹴れ。それですぐにここをオサラバするぞ)!」
「けるって……ドイルくんみたいなのでいいの?」
「OΦ1→(それでいいから早く)!」
「ま、まって! いまあてなさまのいれてるとこ!」
 マスクマンに急かされる媛寿だったが、アテナの神盾アイギスは媛寿と比べればサイズがありすぎるので、四次元袖の下に入れるのは時間がかかっていた。
 それが終わった頃には十二回目の爆発が起こり、媛寿は雛祈や桜一郎よりも早く動くことができたのだ。

「SΓ7↓(ふ~、ギリギリ間に合ったな)」
 媛寿が蹴った酒壷の爆発を見届けたマスクマンは安堵の息を吐いた。
 マスクマンの嗅覚と直感は、壷の中の酒に危険なにおいを感じ取っていた。火を入れれば一瞬で爆発する火薬庫のような印象を覚えたからだ。
 その時には鬼の肉から造った酒だからだと思っていたが、村で爆発が起こった際、直感したイメージが結びつき、いち早く酒壷が爆発物になりえると勘付いた。
 爆発の規模は別として、危険物であるならば少しでも遠ざけなければならない。
 だが、結城、アテナ、シロガネは力を使い果たしてグロッキー状態。特に結城はもう気を失っている。
 マスクマン自身も擬似体が不完全で、まともな身体能力は発揮できない。
 唯一、媛寿だけは全身すすまみれだったが、特に負傷もなく健在だった。
 媛寿が『名探偵ドイル』の主人公を真似て酒壷を蹴り飛ばしたおかげで、爆発による火炎と衝撃は誰にも被害をもたらさなかった。
 もしその場で爆発していれば、威力を見る限り結城たちが効果範囲に入っていた可能性は大きかった。
(BΩ9←Fω1→(だがのんびりしてもいられないな。異常に火の回りが速い))
 マスクマンは壷が爆発した辺りを見た。岸壁に設えられた社の跡に火が着き、すでに篝火以上に煌々こうこうと燃え盛っている。火の端はまるで炎の腕となったように延び、近くにあるものを次々と容赦なく火に包んでいく。
「Hυ1→Fπ2→(急いでここを離れるぞ。すぐに辺り一面が火の海になる)!」
 マスクマンは雛祈たちに呼びかけると、シロガネを持ったままの結城と、アテナを引き摺って移動を開始した。

 後に残ったのは、もう含み笑いさえなくなって横たわる悪路王だけだった。雑草を伝わってきた怨念の炎が、悪路王の体に届き、端から燃え移っていった。
 今や悪路王の怨念は、シロガネに斬られた傷によって全てが零れて霧散していた。留まっているのは、百五十年前に鬼神・悪路王の元になった、一人の人間の魂のみ。
 纏わりついていた怨念を失った核としての魂は、虚無感だけしか持っていなかった。それは官軍をかたるごろつき共を血祭りに上げた時と全く同じだった。
 悪路王は悟った。自身の中に生じた本当の怨念は、百五十年前にすでに立ち消えていたということを。それでも纏わりついた怨念が、天に昇ることも、地に堕ちることも許さなかった。
 朱月灯恵あかつきともえが抱いた悲哀と怨嗟に、かつての自身を重ねたのは確かだった。それが偶発的に生まれた鬼、すなわち自身が発端であったことに自責の念を覚えたことも本当だった。
 そうして惨たらしい因習に対する復讐に手を貸し、螺久道村に終止符を打つことを決めた。
 朱月灯恵を止められたとは思えないが、悪路王は最初に気付くべきだったと後悔した。
 悪路王自身がよく知っていたのだ。復讐の後に残るのは、今まさにこころを埋め尽くしている虚無感だけだったと。
 復讐心はどの感情よりも突出して強い。しかし、その強さは身の内側に存在するあらゆるものを、それこそ魂を炉にくべて燃やすことで得られるものだった。
 その未来さきにあるものさえ一緒に燃やして。
 ならば後に残るものは何かといえば、何もない。正真正銘の虚無だけ。
 朱月灯恵が最終的に復讐を決断したとしても、悪路王は最初に伝えなければならなかったのだ。
 復讐の後には、生きることも死ぬこともない、地獄よりも耐え難い虚無しかないことを。
「……」
 燃え移った炎は悪路王の肉体の大部分に拡がっていた。
 今さら痛みなど感じていないが、炎に包まれていく中で、悪路王は結城が言っていたことを思い出していた。
『せめて最期にちょっとでも笑えなきゃ、良い人生だったって言えないじゃないか』
 灯恵に対して結城が言ったその言葉を、悪路王はようやくまともに受け止められた気がした。
(確かに……こんな終わりは……嫌だ……な……)
 全身を炎に焼かれながら、悪路王の意識は消滅した。
 最期に心に浮かんだのは、灯恵への謝罪か、結城への感謝か、あるいは百五十年前に置いてきた後悔かも分からない、複雑で、とても小さな思いだった。 
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