21 / 405
友宮の守護者編
面会室にて
しおりを挟む
「本当にあなたではないのですね、エンジュ?」
「ち、ちがうもん!」
「B☆9←(訳:前にもやらかしてるからなぁ)」
「ちがうもん!」
「可能性は、大きい」
「ちがうんだもん! う~・・・」
警察からの連絡を受けて、四人は刺松市警察署の前まで来ていた。今回、まともな交渉ができそうなのがアテナということで、彼女は黒のスーツにタイトスカートという出で立ち。マスクマンは仮面を隠れせるフード付きのジャンパー。シロガネは目立つエプロンドレスを隠すケープ。そして媛寿は通常着こなしている薄桃色の振袖だが、風呂敷で犬小屋を背負っているという珍妙な格好になっている。
座敷童子は家に憑く。普段は古屋敷に憑いているか、名前に住居を表す『城』の字を持つ結城に憑いて外に出るかするのだが、今は結城がいないので外に出られなかった。しかし、結城が警察に捕まったと聞いては居ても立ってもいられない。かと言って正式な手順も踏まずに外に出れば、彼女の能力は『家を離れた』と判断し、古屋敷が傾いてしまう。
泣く泣く媛寿は庭先に置いてあったオンボロの犬小屋を代用した。『家』や『住居』の概念があるなら憑くことが可能で、持ち運べるならそのまま移動もできる。効果範囲内での乗換えなら、どこにも不運は発生しないので、結城からは『特急の乗り換え切符みたいだ』といわれていた。
ただ、彼女にも憑く家の好みがあるので、犬小屋に憑いて移動するというのは、断じて愉快な話ではなかった。
「警察に捕まるとは、ただ事ではない不運ですよ。結城は特に何もしていないはずですし。本当にあなたの力のせいではないのですね?」
「う~、ち~が~う~も~ん・・・・・・たぶん」
「N●4→H£11(訳:今たぶんって言ったか? 聞こえたぞ)」
媛寿の力は無意識的に発動し、それも彼女の機嫌によって大きく左右される。基本的には小さな幸運を引き寄せるのだが、機嫌が悪ければ日常ではあり得ないような凶運に見舞われることがある。以前、結城たちが住んでいたアパートが見事にペシャンコになったのは、媛寿がプツンと切れたのが原因だったりする。
なので結城が警察に捕まったのは、媛寿の力が作用したのではないかと、皆は疑っていた。媛寿自身も身に覚えがない、はずなのだが。
「とにかく、入る。結城に、面会」
警察署の前で審議し続けている三人を促すように、シロガネは早々に入り口へ歩き出した。なぜか『監獄プレイ、監獄プレイ』と呟いている気がするが、そこは誰も突っ込まない。
このまま言い合っていても仕方がないので、三人もシロガネに続いて警察署へ入っていった。
受付に事情を説明した四人は、刑事ドラマでよくあるガラスで区切られた面会室に通された。アテナが長寿刑事ドラマの『ベストパートナー』によく出てくる部屋の内装に関心気味にしていたら、向かいのスペースから警察官に付き添われた結城が入ってきた。警察官は面会者たちの容貌に目を丸くしていたが、結城はごく自然にガラスの仕切り板の前に腰掛けた。
「ちょっとやつれましたね、ユウキ」
「・・・まだ入って二時間も経ってませんよ、アテナ様」
「冗談です。こういう場面で言ってみたかっただけです」
「ゆうき~!」
結城とアテナが話していると、べそをかいた媛寿がガラスに顔を押し当ててきた。
「み、みんなが、えぐっ、ゆうきがつかまったのが、ひくっ、えんじゅのせいだってイジメる~」
「いや、そんなことはない・・・と思うよ。媛寿が本気出したら捕まるどころじゃすまないだろうから、安心して。とりあえず泣き止んでくれるかな。さっき一緒に留置所に入ってた二人がいきなり腸捻転と急性盲腸で運ばれてったから」
「ぐずっ・・・ずびっ・・・うん」
「それより何で犬小屋背負ってんの?」
落ち着きはしたが、結城に犬小屋のことを指摘されて恥ずかしくなったのか、媛寿は仕切り板からフェードアウトした。
「A$4←BM(訳:で、結局なんで捕まったんだよ?)」
「僕にもよく分からないんだよ。拾得物の件で来たら、いきなり留置所に通されちゃって。あっ、でも扱いが悪かったわけじゃないよ。カツ丼のお新香つきとお茶ももらえたし。座布団も用意されてたし」
「なら、あと半日延長」
結城の話になぜかシロガネが食いついてきた。また無表情ながら、目が爛々と輝いている。
「扱いが悪くなくても居心地良いわけじゃないよ、シロガネ。あと何で半日なの? 中途半端でしょ」
シロガネはケープの中から一冊の文庫本を取り出し、差し入れ用の隙間から結城に渡した。タイトルは『ドMメイドは監獄プレイがお好き』とある。ヨーロッパ書院ガールズ文庫である。
「・・・・・・やらないよ?」
次にシロガネは牛革の鞭と鎖付きの手枷を取り出した。無表情だが頬は紅潮している。心なしか呼吸も荒い。
「だから、やらないって」
「心配ない。最初は痛い、でもすぐに気持ちよくなる。結城が」
「ぼ、僕がやられるの!?」
ごくりと喉を鳴らすシロガネ。結城はいつもの不穏な空気を感じていた。よく見ればマスクマンが部屋の一番後ろまで下がっている。
結城は思った。ヤ、ヤられる。
得体の知れない恐怖に後退りしようとした時、面会者側のスペースに新たに人が入ってきた。
「あっ、小林くん。ここにいたのか!」
ドアを開けて入室してきたのは、くたびれた帽子とコートを纏った知人の刑事、九木だった。相変わらず世界をまたにかける怪盗の三代目を追っていそうな出で立ちである。
「九木刑事?」
「いやぁ~すまない。小林くんに用事あったんだけど、山に入っても鹿の大群にエサをたかられたり、崖から滑り落ちたりで全然家に辿り着けなくってさぁ。もう頭にきたから拾得物の件で来署したら留置所でもどこでも入れとけって最寄の警察署に頼んどいたら、ホントに留置所に入れたって言われたんだからなぁ、ハハハ。言い出したオレが驚いちゃったよ」
九木は事情を説明しながら呑気に笑っているが、結城を始めとした他の者は一切笑えない。ガラス板の前でうずくまっていた媛寿が、ドス黒いオーラを立ち昇らせていたのだから。
「あなたが原因だったのですね、クキ・・・・・・」
「けど連絡もらった時、待遇は良くするようにって言っておいたから、他の奴よりはずっと好待遇だったろ? カツ丼はオレが出すように言ったんだぜ? どうだった、警察で食べるカツ丼ってやっぱ一味違うだろ?」
「まぁ、確かに味は違いましたけど・・・・・・」
「そうだろ、そうだろ? ところで媛寿ちゃん、なんでそんなボロい犬小屋しょってんの? ついに小林くんトコからお引越しかい? なんならオレんトコに来る? ちょっと汚いけど」
媛寿は顔を伏せたままスタスタと九木の前まで歩いていった。もちろん九木の元へ引っ越すのではない。右足を思い切り後ろへ振り、勢いをつけて蹴り上げた。九木の股間のモノを。
「ギイィヤアアアァ!!!」
昼にさしかかろうとしている刺松市警察署に、天にも届きそうな悲鳴がこだました。
「ち、ちがうもん!」
「B☆9←(訳:前にもやらかしてるからなぁ)」
「ちがうもん!」
「可能性は、大きい」
「ちがうんだもん! う~・・・」
警察からの連絡を受けて、四人は刺松市警察署の前まで来ていた。今回、まともな交渉ができそうなのがアテナということで、彼女は黒のスーツにタイトスカートという出で立ち。マスクマンは仮面を隠れせるフード付きのジャンパー。シロガネは目立つエプロンドレスを隠すケープ。そして媛寿は通常着こなしている薄桃色の振袖だが、風呂敷で犬小屋を背負っているという珍妙な格好になっている。
座敷童子は家に憑く。普段は古屋敷に憑いているか、名前に住居を表す『城』の字を持つ結城に憑いて外に出るかするのだが、今は結城がいないので外に出られなかった。しかし、結城が警察に捕まったと聞いては居ても立ってもいられない。かと言って正式な手順も踏まずに外に出れば、彼女の能力は『家を離れた』と判断し、古屋敷が傾いてしまう。
泣く泣く媛寿は庭先に置いてあったオンボロの犬小屋を代用した。『家』や『住居』の概念があるなら憑くことが可能で、持ち運べるならそのまま移動もできる。効果範囲内での乗換えなら、どこにも不運は発生しないので、結城からは『特急の乗り換え切符みたいだ』といわれていた。
ただ、彼女にも憑く家の好みがあるので、犬小屋に憑いて移動するというのは、断じて愉快な話ではなかった。
「警察に捕まるとは、ただ事ではない不運ですよ。結城は特に何もしていないはずですし。本当にあなたの力のせいではないのですね?」
「う~、ち~が~う~も~ん・・・・・・たぶん」
「N●4→H£11(訳:今たぶんって言ったか? 聞こえたぞ)」
媛寿の力は無意識的に発動し、それも彼女の機嫌によって大きく左右される。基本的には小さな幸運を引き寄せるのだが、機嫌が悪ければ日常ではあり得ないような凶運に見舞われることがある。以前、結城たちが住んでいたアパートが見事にペシャンコになったのは、媛寿がプツンと切れたのが原因だったりする。
なので結城が警察に捕まったのは、媛寿の力が作用したのではないかと、皆は疑っていた。媛寿自身も身に覚えがない、はずなのだが。
「とにかく、入る。結城に、面会」
警察署の前で審議し続けている三人を促すように、シロガネは早々に入り口へ歩き出した。なぜか『監獄プレイ、監獄プレイ』と呟いている気がするが、そこは誰も突っ込まない。
このまま言い合っていても仕方がないので、三人もシロガネに続いて警察署へ入っていった。
受付に事情を説明した四人は、刑事ドラマでよくあるガラスで区切られた面会室に通された。アテナが長寿刑事ドラマの『ベストパートナー』によく出てくる部屋の内装に関心気味にしていたら、向かいのスペースから警察官に付き添われた結城が入ってきた。警察官は面会者たちの容貌に目を丸くしていたが、結城はごく自然にガラスの仕切り板の前に腰掛けた。
「ちょっとやつれましたね、ユウキ」
「・・・まだ入って二時間も経ってませんよ、アテナ様」
「冗談です。こういう場面で言ってみたかっただけです」
「ゆうき~!」
結城とアテナが話していると、べそをかいた媛寿がガラスに顔を押し当ててきた。
「み、みんなが、えぐっ、ゆうきがつかまったのが、ひくっ、えんじゅのせいだってイジメる~」
「いや、そんなことはない・・・と思うよ。媛寿が本気出したら捕まるどころじゃすまないだろうから、安心して。とりあえず泣き止んでくれるかな。さっき一緒に留置所に入ってた二人がいきなり腸捻転と急性盲腸で運ばれてったから」
「ぐずっ・・・ずびっ・・・うん」
「それより何で犬小屋背負ってんの?」
落ち着きはしたが、結城に犬小屋のことを指摘されて恥ずかしくなったのか、媛寿は仕切り板からフェードアウトした。
「A$4←BM(訳:で、結局なんで捕まったんだよ?)」
「僕にもよく分からないんだよ。拾得物の件で来たら、いきなり留置所に通されちゃって。あっ、でも扱いが悪かったわけじゃないよ。カツ丼のお新香つきとお茶ももらえたし。座布団も用意されてたし」
「なら、あと半日延長」
結城の話になぜかシロガネが食いついてきた。また無表情ながら、目が爛々と輝いている。
「扱いが悪くなくても居心地良いわけじゃないよ、シロガネ。あと何で半日なの? 中途半端でしょ」
シロガネはケープの中から一冊の文庫本を取り出し、差し入れ用の隙間から結城に渡した。タイトルは『ドMメイドは監獄プレイがお好き』とある。ヨーロッパ書院ガールズ文庫である。
「・・・・・・やらないよ?」
次にシロガネは牛革の鞭と鎖付きの手枷を取り出した。無表情だが頬は紅潮している。心なしか呼吸も荒い。
「だから、やらないって」
「心配ない。最初は痛い、でもすぐに気持ちよくなる。結城が」
「ぼ、僕がやられるの!?」
ごくりと喉を鳴らすシロガネ。結城はいつもの不穏な空気を感じていた。よく見ればマスクマンが部屋の一番後ろまで下がっている。
結城は思った。ヤ、ヤられる。
得体の知れない恐怖に後退りしようとした時、面会者側のスペースに新たに人が入ってきた。
「あっ、小林くん。ここにいたのか!」
ドアを開けて入室してきたのは、くたびれた帽子とコートを纏った知人の刑事、九木だった。相変わらず世界をまたにかける怪盗の三代目を追っていそうな出で立ちである。
「九木刑事?」
「いやぁ~すまない。小林くんに用事あったんだけど、山に入っても鹿の大群にエサをたかられたり、崖から滑り落ちたりで全然家に辿り着けなくってさぁ。もう頭にきたから拾得物の件で来署したら留置所でもどこでも入れとけって最寄の警察署に頼んどいたら、ホントに留置所に入れたって言われたんだからなぁ、ハハハ。言い出したオレが驚いちゃったよ」
九木は事情を説明しながら呑気に笑っているが、結城を始めとした他の者は一切笑えない。ガラス板の前でうずくまっていた媛寿が、ドス黒いオーラを立ち昇らせていたのだから。
「あなたが原因だったのですね、クキ・・・・・・」
「けど連絡もらった時、待遇は良くするようにって言っておいたから、他の奴よりはずっと好待遇だったろ? カツ丼はオレが出すように言ったんだぜ? どうだった、警察で食べるカツ丼ってやっぱ一味違うだろ?」
「まぁ、確かに味は違いましたけど・・・・・・」
「そうだろ、そうだろ? ところで媛寿ちゃん、なんでそんなボロい犬小屋しょってんの? ついに小林くんトコからお引越しかい? なんならオレんトコに来る? ちょっと汚いけど」
媛寿は顔を伏せたままスタスタと九木の前まで歩いていった。もちろん九木の元へ引っ越すのではない。右足を思い切り後ろへ振り、勢いをつけて蹴り上げた。九木の股間のモノを。
「ギイィヤアアアァ!!!」
昼にさしかかろうとしている刺松市警察署に、天にも届きそうな悲鳴がこだました。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる