1 / 7
第1話 婚約破棄ですって?
しおりを挟む
「セレナ!貴様のこれまでの数々の非道は目に余る!
よって、ここに貴様との婚約を破棄してくれるわ!」
私はサンフロール王国のオルステイン公爵家が長女、セレナ=オルステインですわ。
今、私に向かって婚約破棄を宣言したのは、この国の王太子で、私の婚約者の、いえ、たった今婚約破棄されたので元婚約者の、フリード=サンフロールですわ。
このような場で婚約破棄などと、
周りの貴族の方々も呆れたような目をしておられますわ。
「はて、私の非道とはなんのことでしょう?」
「とぼけないでください!これまで私にひどい事をたくさんしてきたじゃないですか!」
「は?」
「ひぃ、怖いわ~フリード~。」
「大丈夫だアイリ、私がついてるぞ。」
いやいや、誰ですかあの女の子。初めて見た顔ですわ。
私は1度見た顔は忘れないという自慢の特技があるのですが、あの方は存じ上げませんわ。
それに、王太子殿下はこんな大勢の前で浮気をしていることに気がついていないのかしら?
「おいセレナ!貴様はこの期に及んでまだ、アイリに何かしようというのか!なんてやつだ!」
はあ、何を言っているのやら。
「お言葉ですが殿下、わたくし、そこの令嬢を存じ上げないのですが。」
「なに!?貴様が散々いじめてきたアイリーン=デプス男爵令嬢ではないか!
まさか貴様!しらばっくれるつもりか!?」
「ですから殿下、わたくしその、デブス嬢?とは初対面だと申し上げております。」
「デブスではない!デプスだ!アイリーン、これまでのことを皆に知らしめるのだ。」
「は、はい。わたし~、この前も階段から~つきおとされて~。」
まったく、イライラする喋り方をする方ですわね。
「それはどこで、いつのことですか?」
「え、え~と、3日前の~、学園の階段です~。」
「わたくし、その日は王宮へ上がっておりまして、学園へは行っておりませんでした。」
「え!?え~と、それ以外にも!教科書を破られました!」
「それはいつですか?」
「えーと、ずっと前です!」
「そのようなことを言われてもわかりませんわ。第一、あなたは何クラスですか?」
「Cクラスです。」
いやいや、それって成績が残念な方々が通うクラスですよね?
そもそもCクラスは落ちこぼれですから、教室も棟が別のはずですわ。
「わたくしはSクラスです。SクラスとCクラスでは校舎が別ですから、わたくしがCクラスに行くことなどありませんし、 もし行ったとすれば、目撃した方がいるはずです。
それで、誰か目撃者でも?」
「そ、それは~。
フリード~怖いよ~。」
ハァ、まったく、なぜこんな茶番に付き合わなければならないのでしょうか。
もう疲れてきましたわ。
よって、ここに貴様との婚約を破棄してくれるわ!」
私はサンフロール王国のオルステイン公爵家が長女、セレナ=オルステインですわ。
今、私に向かって婚約破棄を宣言したのは、この国の王太子で、私の婚約者の、いえ、たった今婚約破棄されたので元婚約者の、フリード=サンフロールですわ。
このような場で婚約破棄などと、
周りの貴族の方々も呆れたような目をしておられますわ。
「はて、私の非道とはなんのことでしょう?」
「とぼけないでください!これまで私にひどい事をたくさんしてきたじゃないですか!」
「は?」
「ひぃ、怖いわ~フリード~。」
「大丈夫だアイリ、私がついてるぞ。」
いやいや、誰ですかあの女の子。初めて見た顔ですわ。
私は1度見た顔は忘れないという自慢の特技があるのですが、あの方は存じ上げませんわ。
それに、王太子殿下はこんな大勢の前で浮気をしていることに気がついていないのかしら?
「おいセレナ!貴様はこの期に及んでまだ、アイリに何かしようというのか!なんてやつだ!」
はあ、何を言っているのやら。
「お言葉ですが殿下、わたくし、そこの令嬢を存じ上げないのですが。」
「なに!?貴様が散々いじめてきたアイリーン=デプス男爵令嬢ではないか!
まさか貴様!しらばっくれるつもりか!?」
「ですから殿下、わたくしその、デブス嬢?とは初対面だと申し上げております。」
「デブスではない!デプスだ!アイリーン、これまでのことを皆に知らしめるのだ。」
「は、はい。わたし~、この前も階段から~つきおとされて~。」
まったく、イライラする喋り方をする方ですわね。
「それはどこで、いつのことですか?」
「え、え~と、3日前の~、学園の階段です~。」
「わたくし、その日は王宮へ上がっておりまして、学園へは行っておりませんでした。」
「え!?え~と、それ以外にも!教科書を破られました!」
「それはいつですか?」
「えーと、ずっと前です!」
「そのようなことを言われてもわかりませんわ。第一、あなたは何クラスですか?」
「Cクラスです。」
いやいや、それって成績が残念な方々が通うクラスですよね?
そもそもCクラスは落ちこぼれですから、教室も棟が別のはずですわ。
「わたくしはSクラスです。SクラスとCクラスでは校舎が別ですから、わたくしがCクラスに行くことなどありませんし、 もし行ったとすれば、目撃した方がいるはずです。
それで、誰か目撃者でも?」
「そ、それは~。
フリード~怖いよ~。」
ハァ、まったく、なぜこんな茶番に付き合わなければならないのでしょうか。
もう疲れてきましたわ。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

私はあなたの婚約者ではないんです!
凪ルナ
恋愛
3歳のとき、前世を思い出した私。私ことアメリア・レンドールは乙女ゲーム『サクラ咲く出会い〜君と恋する』(通称『サク君』)の悪役令嬢だった。『サク君』では、私は第三皇子の婚約者だったけど、ぶっちゃけ好みじゃないし、第三皇子の腹違いの兄のサブキャラな皇太子様の方が好きだった。前世を思い出した後、皇太子様の同級生な3つ上の兄に引っ付いて回った結果、皇太子様にも可愛がられるようになり、見事、皇太子エディック殿下の婚約者の座に収まる事が出来た。
これはそんな私が第三皇子に婚約破棄?されそうになり、私が第三皇子と頭お花畑ヒロインにざまぁすることから始まる物語である。
いや、1つ言わせて?
だから、そもそも私あなたの婚約者ではないんです!
ーーーーーーーーーーーー
なんかしばらく色々忙しかったし、色々細かい設定考えてたら更新遅くなりそう…。
元々ゆるゆるふわふわ設定だったもの。
ただいま、更新準備中。しばしお待ちください( ^ω^ )
お気に入り登録100件突破!(2019年1月31日)
お気に入り登録200件突破!(同日)
お気に入り登録300件突破!(同日)
投稿した次の日開いてみたら100件超えてて吃驚しています。
(えっ、これあってるよね?壊れてない?大丈夫?
あっ、壊れてないのね。おーけーおーけー)
ありがとうございます!
お気に入り登録1000件突破!(2019年2月1日)
お気に入り登録2000件突破!(同日)
お気に入り登録5000件突破!(2019年2月13日)
ありがとうございます!
【注】
作者は豆腐メンタルなので、誹謗中傷はおやめ下さい。
誤字脱字等の間違いは多いと思います。指摘してくださるとありがたいです。
感想への返信は遅くなると思います。
突発的に思いついた話なので、設定はゆるゆるです。
誤字脱字等をご指摘いただいたみなさん、ありがとうございました。
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」

冤罪で婚約破棄したくせに……今さらもう遅いです。
水垣するめ
恋愛
主人公サラ・ゴーマン公爵令嬢は第一王子のマイケル・フェネルと婚約していた。
しかしある日突然、サラはマイケルから婚約破棄される。
マイケルの隣には男爵家のララがくっついていて、「サラに脅された!」とマイケルに訴えていた。
当然冤罪だった。
以前ララに対して「あまり婚約しているマイケルに近づくのはやめたほうがいい」と忠告したのを、ララは「脅された!」と改変していた。
証拠は無い。
しかしマイケルはララの言葉を信じた。
マイケルは学園でサラを罪人として晒しあげる。
そしてサラの言い分を聞かずに一方的に婚約破棄を宣言した。
もちろん、ララの言い分は全て嘘だったため、後に冤罪が発覚することになりマイケルは周囲から非難される……。

【完結保証】「不貞を黙認せよ」ですって? いいえ、それなら婚約を破棄させていただきますわ
ネコ
恋愛
バニラ王国の侯爵令嬢アロマは、政略結婚で王弟殿下・マルスロッドと婚約した。
だが、マルスロッドには、アロマの親友・ナンシーと不貞行為をしているとの噂がたびたび……。
そのことをアロマが尋ねると、マルスロッドは逆上して「黙っていろ」と圧力をかける。
表面上は夫婦円満を装うものの、内心では深く傷つくアロマ。
そんな折、アロマはナンシーから「彼は本気で私を愛している」と告げられる。
ついに堪忍袋の緒が切れたアロマは、マルスロッドに婚約破棄を申し出る。
するとマルスロッドは「お前が不貞行為をしたことにするならいい」と言う。
アロマは不名誉な思いをしてでも、今の環境よりはマシと思ってそれを承諾する。
こうして、表向きにはアロマが悪いという形で婚約破棄が成立。
しかし、アロマは王弟相手に不貞行為をしたということで、侯爵家にいられなくなる。
仕方なくアロマが向かった先は、バニラ王国の宗主国たるエスターローゼン帝国。
侯爵令嬢という地位ですらなくなったアロマは一般人として帝国で暮らすことになる。
……はずだったのだが、帝国へ向かう途中に皇太子のライトと出会ったことで状況は一変してしまう。
これは、アロマが隣国で報われ、マルスロッドとナンシーが破滅する物語。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
婚約破棄された悪役令嬢が聖女になってもおかしくはないでしょう?~えーと?誰が聖女に間違いないんでしたっけ?にやにや~
荷居人(にいと)
恋愛
「お前みたいなのが聖女なはずがない!お前とは婚約破棄だ!聖女は神の声を聞いたリアンに違いない!」
自信満々に言ってのけたこの国の王子様はまだ聖女が決まる一週間前に私と婚約破棄されました。リアンとやらをいじめたからと。
私は正しいことをしただけですから罪を認めるものですか。そう言っていたら檻に入れられて聖女が決まる神様からの認定式の日が過ぎれば処刑だなんて随分陛下が外交で不在だからとやりたい放題。
でもね、残念。私聖女に選ばれちゃいました。復縁なんてバカなこと許しませんからね?
最近の聖女婚約破棄ブームにのっかりました。
婚約破棄シリーズ記念すべき第一段!只今第五弾まで完結!婚約破棄シリーズは荷居人タグでまとめておりますので荷居人ファン様、荷居人ファンなりかけ様、荷居人ファン……かもしれない?様は是非シリーズ全て読んでいただければと思います!
出ていけ、と言ったのは貴方の方です
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
あるところに、小さな領地を治める男爵家がいた。彼は良き領主として領民たちから慕われていた。しかし、唯一の跡継ぎ息子はどうしようもない放蕩家であり彼の悩みの種だった。そこで彼は息子を更生させるべく、1人の女性を送りつけるのだったが――
※コメディ要素あり
短編です。あっさり目に終わります
他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる