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九月に書いた短編
さみしい。2
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リヒトが自慰をしていた。
最初は扉を開けようか迷った。けれど、部屋の中から微かに聞こえた「早く帰ってこい」の言葉に我慢が効かなくなって、でも同時にリヒトの行為を見たいのもあって、なるべく音を立てずに寝室に入った。
色んな感情や欲情がごちゃ混ぜになったリヒトは、いつもより惚けた表情で俺を受け入れて、されるがままに押し倒されてくれた。
「で、リヒトはどこをどう弄ってたの?」
リヒトの左足を持ち上げて、うち太ももに強めに吸い付いてやりながら尋ねてみる。リヒトは恥ずかしさで耳まで真っ赤にしながら「そ、こ……っ」と言いかけ、ハッとしたように両腕で顔を隠してしまった。
これは『してない』と嘘をつくつもりだろうか。まぁ、それを言ったとして、今さら止めるつもりもないけど。
「……たりなく、て」
「ん……?」
いつも違う反応に、つい間抜けな返しをしてしまった。
「だから、自分じゃたりな、くて……っ」
恥ずかしさがキャパオーバーしたのか、リヒトがグズりだした。対して俺は、リヒトの予想外の返しに自身の熱が痛いほどに昂っているのを感じた。
「何それ。リヒト、可愛い……」
「かわいく、なんか……ひゃあっ」
我慢も効かずにリヒトの窄みに口づけ、中に舌を差し込んだ。くちゅ、という水音が寝室に響き、俺の唾液がリヒトの尻を伝って散らかった服に染みを残す。
「あああっ、やだ、はずかしい、やだあっ」
「は……、恥ずかしいわりにもうトロットロだね」
リヒトの竿の先端からはトロトロと先走りが溢れ、それがリヒトの泣き顔にぽたぽたと零れていく。
「あーあ。このまま出したら自分にかかっちゃうよ? どうしよっか」
口を離して、わざと見せつけるように唇をぺろりと舐める。袖で顔を隠したリヒトがふるふると身体を震わせる様が酷く煽情的で、それが俺の加虐心に火をつけていく。
「ひぐっ、いや……、やだ……」
「なんだっけ、自分じゃ足りなかったんだっけ。そうだ。久しぶりで解さないといけないし、いっぱい中、可愛がってあげるね」
「や、だっ……。いま、いれたら、でちゃ」
出ちゃうとか可愛すぎ。
今すぐにでもリヒトの中に俺のを挿入て、ぐずっぐずのドロドロにしてやりたい。何も考えられなくして、ただただ快楽に喘いでてほしい。
でもそれを必死に理性で押し込んで、まずは人差し指を浅く差し入れた。
「ひあっ!?」
さっき自分で言った通り、リヒトは身体を小刻みに震わせ軽く達した。先端から吐き出された白濁が、リヒトの顔だけでなく黒髪にまで飛び散る。
「濃いね。本当に自分で出来なかったんだ」
達したばかりでぴくぴくと動く竿から、まだ零れる欲を軽く指で掬って舐める。喉に張り付くくらいに濃いそれは、リヒトが久しぶりなことを示していた。
さらに指を少し進め、中のしこりを軽く押し込んでやる。リヒトが小さく声を上げ、指をきゅうきゅうと締めつけた。
「ふあぁっ、や、そこ……っ」
「ここ、好きだもんね。しばらく可愛がれてなかったし、先にこっちを」
と二、三回軽く擦ったところで、ぷしゅっとリヒトから透明の液体が吹き出された。
「は……? え、ちょ……」
「ぁ……ぇ?」
出した本人が一番気づいてないようで、顔やら髪にかかった潮を拭うこともせずに朧げに天井を見つめている。
その姿に一瞬理性が飛びかけ、いや先に拭かないとと思い直し、リヒトの腰を一旦降ろしてから手近な服で顔を拭いてやる。
「リヒト、流石にちょっと、エロすぎ……。そんなんじゃ最後まで保たないんじゃない?」
拭いた後の服をベッドの下に放り、抱き起こして向かい合わせの格好を取る。リヒトを俺に跨がらせてやれば、甘えるように首筋に頬を擦り寄せてきた。
「ユーリ、の、におい……」
「……っ、あんま煽んないで」
こっちはこれでも必死なのだ。
壊さないよう、傷つかないよう、今度こそ大事にしたいのに。
抱えるように腕を回し、リヒトの窄みに指先を再び埋めていく。ひと際強く引き締めるリヒトのナカは、こっちが蕩けそうなほどに熱い。
「あっ、あぁっ」
指を二本に増やして、じっとり、慣らすようにナカを擦り、緩く抜き差しをする。惚けた顔のリヒトの腕に微かに力が込められ、リヒト自身からどくどくと白濁が零れた。二人の間に飛び散ったそれは、まだ依然としてどろりと濃いままだ。
「またイッちゃったね。気持ちいい?」
「は……、んんんっ、ひもち、いい……」
リヒトは俺にしがみついて、寄せる快楽に耐えきれないとばかりに肩を緩く噛んでくる。その姿がやけに官能的で、腰にぞくりと痺れが走る。俺は昂ぶる自身を取り出しリヒトのモノと一緒に握り込むと「リヒトっ」と貪るように唇を重ねた。
「ふ、んん……はっ、あっ」
飲みきれない唾液がリヒトの顎を伝うのを舐め取って「ね」と吐息混じりに言葉を吐き出す。
「もう挿入ていい?」
「ん……、はや、く、ユーリの……って、じゅんび、してない……!」
「準備って」
ここまできて? と言いたいのを飲み込んで、俺は握り込んだ手を上下に動かした。
「やあっ、とま……いっしょは……っ」
「待ったをかけられる、こっちの身にも、なって、よ……ッ」
既にリヒトが出した白濁と、互いの先走りが混じり合って、くちゅくちゅと厭らしい音が鼓膜を揺さぶる。右手でリヒトのナカを、左手で二人分の熱を扱けば、リヒトはまた呆気なく身体を震わせた。
俺もほぼ同時に欲を吐き出せば、同じくらい濃い白濁がリヒトの胸だけでなく顔まで飛び散った。
「ん……、にがい」
唇についた俺のをぺろりと舐めて、リヒトが小さく呟いた。まだ余裕のある姿に少しだけ頭にきたから、俺は軽くリヒトを抱き上げた。
「は、あ? おろせ!」
リヒトが足をバタつかせて逃れようとするのを、腕に力を込めて押さえつけ「準備」と意地悪く笑ってやった。
「必要ですよね? 俺、それくらいやりますよ。いつもやってましたし?」
「や、だって、それじゃ……」
もちろん、ただの準備で終わらせるつもりなんてないし。でもその前に、水分くらいは取らないとな、なんて考えながら、まずは冷蔵庫へと向かった。
最初は扉を開けようか迷った。けれど、部屋の中から微かに聞こえた「早く帰ってこい」の言葉に我慢が効かなくなって、でも同時にリヒトの行為を見たいのもあって、なるべく音を立てずに寝室に入った。
色んな感情や欲情がごちゃ混ぜになったリヒトは、いつもより惚けた表情で俺を受け入れて、されるがままに押し倒されてくれた。
「で、リヒトはどこをどう弄ってたの?」
リヒトの左足を持ち上げて、うち太ももに強めに吸い付いてやりながら尋ねてみる。リヒトは恥ずかしさで耳まで真っ赤にしながら「そ、こ……っ」と言いかけ、ハッとしたように両腕で顔を隠してしまった。
これは『してない』と嘘をつくつもりだろうか。まぁ、それを言ったとして、今さら止めるつもりもないけど。
「……たりなく、て」
「ん……?」
いつも違う反応に、つい間抜けな返しをしてしまった。
「だから、自分じゃたりな、くて……っ」
恥ずかしさがキャパオーバーしたのか、リヒトがグズりだした。対して俺は、リヒトの予想外の返しに自身の熱が痛いほどに昂っているのを感じた。
「何それ。リヒト、可愛い……」
「かわいく、なんか……ひゃあっ」
我慢も効かずにリヒトの窄みに口づけ、中に舌を差し込んだ。くちゅ、という水音が寝室に響き、俺の唾液がリヒトの尻を伝って散らかった服に染みを残す。
「あああっ、やだ、はずかしい、やだあっ」
「は……、恥ずかしいわりにもうトロットロだね」
リヒトの竿の先端からはトロトロと先走りが溢れ、それがリヒトの泣き顔にぽたぽたと零れていく。
「あーあ。このまま出したら自分にかかっちゃうよ? どうしよっか」
口を離して、わざと見せつけるように唇をぺろりと舐める。袖で顔を隠したリヒトがふるふると身体を震わせる様が酷く煽情的で、それが俺の加虐心に火をつけていく。
「ひぐっ、いや……、やだ……」
「なんだっけ、自分じゃ足りなかったんだっけ。そうだ。久しぶりで解さないといけないし、いっぱい中、可愛がってあげるね」
「や、だっ……。いま、いれたら、でちゃ」
出ちゃうとか可愛すぎ。
今すぐにでもリヒトの中に俺のを挿入て、ぐずっぐずのドロドロにしてやりたい。何も考えられなくして、ただただ快楽に喘いでてほしい。
でもそれを必死に理性で押し込んで、まずは人差し指を浅く差し入れた。
「ひあっ!?」
さっき自分で言った通り、リヒトは身体を小刻みに震わせ軽く達した。先端から吐き出された白濁が、リヒトの顔だけでなく黒髪にまで飛び散る。
「濃いね。本当に自分で出来なかったんだ」
達したばかりでぴくぴくと動く竿から、まだ零れる欲を軽く指で掬って舐める。喉に張り付くくらいに濃いそれは、リヒトが久しぶりなことを示していた。
さらに指を少し進め、中のしこりを軽く押し込んでやる。リヒトが小さく声を上げ、指をきゅうきゅうと締めつけた。
「ふあぁっ、や、そこ……っ」
「ここ、好きだもんね。しばらく可愛がれてなかったし、先にこっちを」
と二、三回軽く擦ったところで、ぷしゅっとリヒトから透明の液体が吹き出された。
「は……? え、ちょ……」
「ぁ……ぇ?」
出した本人が一番気づいてないようで、顔やら髪にかかった潮を拭うこともせずに朧げに天井を見つめている。
その姿に一瞬理性が飛びかけ、いや先に拭かないとと思い直し、リヒトの腰を一旦降ろしてから手近な服で顔を拭いてやる。
「リヒト、流石にちょっと、エロすぎ……。そんなんじゃ最後まで保たないんじゃない?」
拭いた後の服をベッドの下に放り、抱き起こして向かい合わせの格好を取る。リヒトを俺に跨がらせてやれば、甘えるように首筋に頬を擦り寄せてきた。
「ユーリ、の、におい……」
「……っ、あんま煽んないで」
こっちはこれでも必死なのだ。
壊さないよう、傷つかないよう、今度こそ大事にしたいのに。
抱えるように腕を回し、リヒトの窄みに指先を再び埋めていく。ひと際強く引き締めるリヒトのナカは、こっちが蕩けそうなほどに熱い。
「あっ、あぁっ」
指を二本に増やして、じっとり、慣らすようにナカを擦り、緩く抜き差しをする。惚けた顔のリヒトの腕に微かに力が込められ、リヒト自身からどくどくと白濁が零れた。二人の間に飛び散ったそれは、まだ依然としてどろりと濃いままだ。
「またイッちゃったね。気持ちいい?」
「は……、んんんっ、ひもち、いい……」
リヒトは俺にしがみついて、寄せる快楽に耐えきれないとばかりに肩を緩く噛んでくる。その姿がやけに官能的で、腰にぞくりと痺れが走る。俺は昂ぶる自身を取り出しリヒトのモノと一緒に握り込むと「リヒトっ」と貪るように唇を重ねた。
「ふ、んん……はっ、あっ」
飲みきれない唾液がリヒトの顎を伝うのを舐め取って「ね」と吐息混じりに言葉を吐き出す。
「もう挿入ていい?」
「ん……、はや、く、ユーリの……って、じゅんび、してない……!」
「準備って」
ここまできて? と言いたいのを飲み込んで、俺は握り込んだ手を上下に動かした。
「やあっ、とま……いっしょは……っ」
「待ったをかけられる、こっちの身にも、なって、よ……ッ」
既にリヒトが出した白濁と、互いの先走りが混じり合って、くちゅくちゅと厭らしい音が鼓膜を揺さぶる。右手でリヒトのナカを、左手で二人分の熱を扱けば、リヒトはまた呆気なく身体を震わせた。
俺もほぼ同時に欲を吐き出せば、同じくらい濃い白濁がリヒトの胸だけでなく顔まで飛び散った。
「ん……、にがい」
唇についた俺のをぺろりと舐めて、リヒトが小さく呟いた。まだ余裕のある姿に少しだけ頭にきたから、俺は軽くリヒトを抱き上げた。
「は、あ? おろせ!」
リヒトが足をバタつかせて逃れようとするのを、腕に力を込めて押さえつけ「準備」と意地悪く笑ってやった。
「必要ですよね? 俺、それくらいやりますよ。いつもやってましたし?」
「や、だって、それじゃ……」
もちろん、ただの準備で終わらせるつもりなんてないし。でもその前に、水分くらいは取らないとな、なんて考えながら、まずは冷蔵庫へと向かった。
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