【本編完結済】前世の英雄(ストーカー)が今世でも後輩(ストーカー)な件。

とかげになりたい僕

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第二部

エグさを比べても

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 身体に力が入らない。
 というか、ユーリと恋人になってからというもの、毎週末必ずユーリに抱かれている気がする。しかも結構手酷く。
 前世まえと比べれば、確かに優しくなったのは事実だけれど、それは僕が死ぬ身体になったからではないかとも思えてくる。首を閉めれば普通に死ぬし、目を抜かれれば見えなくなるし。いや、そのまま出血死するのかな。
 なんにしろ、これでは僕の身体が保ちそうにない。僕は気怠い身体を叱咤し、なんとか上半身を持ち上げると「ユーリ」と視線を後ろにやった。

「ユーリ……、それ……」
「ん?」

 ユーリの手には、エグいくらい大きな、男性器を模した玩具が握られていた。

「待って、何、それ……」

 逃げるようにベッドに這い上がり、ユーリに向き直ってから、ずりずりと座り込んだままで後ろに下がる。トン、と背中が枕に当たり、それ以上下がれなくなったところで、僕は改めてユーリを見上げた。

「ね、ねぇ、まさか、そんなの、使わない、よね……?」

 どう見ても規格外だ。あんなもの、入るわけがない。女性なら入るのだろうか。
 いや、少なくとも僕には絶対に無理だ。
 ユーリが片足をベッドに乗せる。二人分の重みでベッドが深く沈み、スプリングの軋んだ音がした。

「これ以外にも試したいのはあったんだけど、リヒトはこういうの初めてでしょ? 抵抗ないように、俺のと似てるのを選んだから」
「そういう問題じゃ……」

 せめてもの抵抗に、背にあった枕を手に取ってユーリに投げつける。ユーリはそれを難なくかわしてみせると、その目に宿る光を一層強くした。

「ははは、リヒト、怖いの? 大丈夫だって。触手や強制発情より怖くないから」
「もう内側から腹を好き勝手にされてたまるか……!」

 ユーリの言う通り、あれらより多少マシかもしれないが、今の常識に当てはめて考えてもらいたい。

「それにこれ、俺のより小さいからリヒトなら呑み込めるよ」
「……ぇ」

 そう言われ、再びよく見てみる。
 確かに、ユーリのより、小さいかも……? いや、いや、だからって入れていい理由にはならないはず。
 僕はまた手元にあったボックスティッシュを手に取って「ふざけるな!」と投げつけた。よけるどころか片手で簡単にキャッチし床に放り投げると、ずりずりとユーリも距離を詰めてくる。

「そ、それならユーリのを……、ユ、ユーリのを入れればいい話だろ!? なんでわざわざ玩具を入れる必要があるんだ!」
「リヒトはそんなに俺のが好きなんだ。嬉しいな。だったらさ、どっちが入ってるかなんて、簡単にわかるよね?」

 にこりと笑うユーリが、僕に手を伸ばしてきた。こちらも拒否するために「来るな……!」と両手を突き出したけれど、その手を簡単に掴み返され、そのまま手首に手錠をかけられてしまう。

「こんなのどこからっ」
「いやぁ、便利だね、ホテルって。家に用意してもいいんだけど、リヒトに見つからないようにするの大変だしさ」

 ユーリは言いながら両手を上へ持っていき、手錠とベッドの端を紐で括りつけた。さらに僕の視界を奪うようアイマスクをつけると「これでよし」と愉しげな声をあげた。
 何も見えない中、衣擦れの音とスプリングの軋みがやけにはっきりと聞こえて、僕はたまらずユーリの名前を呼んだ。

「ユーリ、ユーリっ。やだ、やだよ、見えないのは、やだっ」
「見えたら当てられちゃうでしょ? 正解したら、ちゃんとご褒美あげるから」

 有無も言わさず、この嫌味なゲームに参加することを決められる。ここまでくると何を言っても無駄なので、僕は仕方なく従うことにした。
 大丈夫、玩具とユーリの違いくらい、わかるに決まってる……。
 足を開かれ、ずぷ、と圧迫感と共に何かが入ってくる。その冷たさに身体がぶるりと震え、なんだ案外わかりやすいじゃないかと、僕は安心して息をひとつ吐いた。

「これ、ユーリじゃない、よ……」
「流石リヒト。じゃ、ご褒美あげるよ」

 ユーリが優しく言い、僕の頬を軽く撫でてくれた。その手にすり寄るように顔を寄せた途端、中に入っていたモノが急にその獰猛さを現しだした。

「いっ……!? なに、なにこれっ」

 うねるように中で先端をくねらせ、右に左にと、僕の腸壁を押し広げようと動いている。

「やあっ、きもぢわるい、ごれ、やだあああ」

 ぐにぐにと無理やり中から内臓を圧迫されるような動きに、僕はソレを出そうと腰をくねらせた。けれどユーリに押さえられているのか、全く出ていく気配はない。

「ごほうびっで……、ユーリごほうびっでえええっ」
「うん、ご褒美。俺は入れてあげるとは言ってないよ?」
「ああああっ、ぬいでええ……っ」

 ごりごりと削られるような動きに、中だけでなく、僕の理性をも少しずつ削られるような感覚になってくる。

「抜いて、ね。でもリヒト、勃ってるよ」
「うぞっ」

 つつかれる感覚に、腰に甘い痺れが走る。こんな玩具で勃つなんて、ユーリの目の前なのに、反応しないようにすればするほど、感覚は研ぎ澄まされていき、確かに快楽を拾っていた。

「んんあっ、ああ、あああっ」

 うねる異物がしつこくしこりを撫で、肉壁を擦り、外に何かを出したくなる感覚を後押ししてくる。排尿にも近いそれに、僕はなんとか耐えようと足に力を入れる。
 ユーリもそれに気づき、軽く笑った後、

「潮、吹きそうなんでしょ? いいよ、リヒト。ほら」

と何かしらのスイッチを入れた。
 中に入っている異物の先端から、何かが出てきて、それは僕の奥のさらに奥をこつこつと突いている。優しくノックされるそれは、入ってはいけないところに入ろうとしているのがわかる。

「いやあああっ、あああ……っ、いぐっ、へんなの、ぐるううっ」

 その止まらない刺激に、僕はたまらず自身から何かを吐き出した。びくびくと震え、先端からは止まることなく漏らし続けている。

「ひぐっ、やだ、とって……、ユーリ……」

 顔が見たい。
 甘えた声で何度か呼ぶと、やっとアイマスクが外された。穏やかな笑みを浮かべたユーリを見て、終わったのかなと考える。
 けれどユーリは天井までそそり勃つソレを出し、見せつけるように僕の頬を緩くソレで撫でながら、

「俺も、気持ちよくしてね?」

と血の気が引くことを言ってのけた。
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