【本編完結済】前世の英雄(ストーカー)が今世でも後輩(ストーカー)な件。

とかげになりたい僕

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第一部

快楽に溶けていく

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 ユーリが髪を掻き上げる。金の髪に隠れた目がギラギラと光っていて、それはまるで獲物を狙う肉食獣のようだ。

「ほんと、リヒトの泣き顔っていいよね」
「ば、ばかに……っ」
「してないよ、してない」

 後孔に熱をあてられ、僕は「ひうっ」と小さく息を呑んだ。けれどそこから進められることはなく、何度も何度も緩く入口辺りを擦られるだけ。その穏やかすぎる刺激に思わず「はやく……」と口走る。

「早く? リヒト、早く……どうしてほしいの?」
「ぁ……っ」

 先端が入れられる感覚に足がぴくりと反応する。もう僕の身体も心もぐずぐずで、早くラクにさせてほしくて、僕は自分から求めるように腰をユーリに押しつけた。
 だけどユーリは嘲笑うように僕から引き抜き「リヒト」と玉袋をやわやわと揉みだした。

「ああっ、ひい、ん……はっ」
「何をしてほしい? ね、リヒトは言えるでしょ?」
「ん、んんっ……」

 何をほしいかなんてわかってるくせに。
 思い通りに言うなんて悔しい。だけど身体は素直にユーリを求めてやまず、僕は顔を手で覆い隠しながら「……い」と消え入るように小さく呟いた。

「うん、何?」
「ユーリのが、ほしい……っ。ユーリのでイかせて、ほしいっ……」

 あぁもうやだ、恥ずかしい。
 終わったら頭を叩いて、それからたくさん罵倒して、あと――

「あ、え……」

 いきなり内臓を押される感覚が全身を走り、僕はそそり勃つ自身から、ドロドロと白濁を静かに流した。

「え、え……?」

 止まることのない白濁に自分でも驚きを隠せず、困惑の目をユーリに向けた。ずっと足が痙攣し、後孔はひくひくと動き、ユーリの形を覚えようとしっかりと締めつけている。

「はは、リヒト、甘イキしてる」
「やらっ、なに、とまんな……」

 そのまま中をごりごりと擦られ、僕は止まらない快楽に頭が焼き切れそうな感覚に陥る。出ているはずなのに全く止まらず、むしろ快楽から逃がすことを許さない動きは、僕にみっともない声を上げさせる。

「あああっ、ひっ、やら、やらあっ」

 激しく腰を打ちつけられ、部屋内に肌のぶつかる音と、僕の声が反響して、それがさらに僕を興奮させる。もう自身からは何も出なくなったのか、とろとろと透明な汁が出て、それが腹を伝い、僕の胸までおりてきた。

「やっ、あん、ああっ、あああ……っ」

 もうとっくに理性なんてものはなくなっていた。ユーリから与えられる快楽に、僕も腰を振ってただただ応えた。

「ユー、リ……っ。これ、やらあっ、こわい、こわいいいっ」

 自分が自分でなくなってしまうような、そんな感覚が身体を支配していく。最奥を突かれ、しこりを激しく擦られ、もう何がなんだか自分でもよくわからない。

「ひ、ひぐっ、あああ……っ」
「くっ、リヒト……っ」
「ああ、あああああっ」

 腹の中に生暖かい感触が広がり、それが僕を満たしていく。肩で息をするよう胸を大きく上下させ、なんとか肺に酸素を取り込んだ。

「ユーリ……、ん……? あれ、ぬいて、ない?」

 むしろまだ中で形を保持して、ゆるゆると肉壁を擦り続けている。

「リーヒト」
「ひっ」

 足をおろしてくれたものの、ユーリは僕から出ていく気配はない。むしろ僕の手を取り身体を起こすと、そのまま背中に手を回し、僕を落ち着かせるように撫でてくれた。

「ユーリ……?」

 啄むように唇を軽く合わせた後、ユーリが僕の首筋をねっとりと舐める。委ねるよう「んっ、ん……」とされるがままに身を任せていると、ギリッと痛みが走り僕は軽く飛び上がる。

「印。上手くついた」
「ちょっ、と……。な、内出血でよかっただろう……!?」
「そんなんじゃ足りないよ」

 ぐり、と中にある質量が増す。

「リヒトの血も、肉も、心も、過去も未来だって、誰にも渡さない。全部俺のものだよ」
「……っ、ば、か」

 下から突き上げられる波に呑まれながら、僕は真っ白になりかける頭で必死に答える。

「ぼくの、ぜんぶ、は……っ、ユーリのもの、に、きまってる、だろっ」

 ユーリの目が一瞬見開かれ、それから嬉しそうに、子供のようにくしゃりと頬を緩ませた。

「リヒト……、好きだ、好きだよ」
「ぼ、くも……すき、すきだ、ユーリっ」

 下から激しく腰をぶつけられ、脳が溶けるほどの快楽を植えつけられ、僕は目の前が白くなるのを感じながら、ユーリの身体にしがみついた。
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