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一ノ瀬紅羽の場合
48話
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なんなんだよ、あいつ!
たかだか電話一本で一緒に帰れなくなるなんて。
定時退社出来た僕は、同じく定時退社した颯介とエントランスで一旦別れ、昼に言われた通り、先に帰路についていた。一人で帰るのは随分久しぶりで、少しだけ寒い。僕は寒さを誤魔化すようにマフラーを口元まで上げた。
「ケーキかぁ」
通り過ぎる人たちの、そのほとんどが、小さな箱を持ち幸せそうな笑顔を浮かべすれ違う。子供がはしゃいで「サンタさん来るかな」と無邪気に尋ね、母親が「いい子にしてるから来るわよ」と微笑む。
僕もいつかああなるのかなぁ、なんて考えるだけで頬が緩んだ。いやいや、今はまだ早いし、一人でニヤけてるなんてただの不審者だ。引き締めないと。
「買うか」
といっても、今からケーキ屋さんは無理だから、コンビニで買うしかないんだけど。
颯介の家までの道にコンビニはないし、お昼にお世話になったコンビニに行くしかない。あそこにはケーキがあったし。
少しだけ引き返して、颯介の家から離れていく。そんなに遅くはならないだろうし、連絡は入れなくていいかな。颯介がどこに行ったのかは知らないが、僕より遅いなんてことはないはずだ。
通りを外れ、いつものコンビニが見えてくる。
ケーキと、それからお酒も買おう。足取りも軽くなる。高ぶる気持ちを抑え、足早に向かっ――
「お久しゅう、紅羽クン」
「……え?」
横から伸びてきた手に引っ張られ、僕はコンビニ横の細道へと引き摺られた。口を塞がれ、背後からかけられた声は、一生、聞くことはないと思ってたものだった。
なんなら、聞きたいとも思っていなかった。
異動したんじゃなかったのか? なんでここにいるんだ? あぁ、でも、そんなことより。
早く、早くここから逃げないといけない。頭ではそうわかっているのに、身体があの時の恐怖を、屈辱を、諦めを覚えていて、動くことが出来ない。鞄を両手に抱えて、僕は震える身体ごと抱きしめる。
「あれー? チョーカーつけてるやん」
のっぺりとした口調のあいつが、とぼけた口調で笑う。途端に息が出来なくなって、僕は「……ぁ」と掠れた声を出すのが精一杯になってしまう。
「Ωの真似事? 颯介クンにつけろ言われたん? あぁ、それとも」
伸びた指先が、髪を掬うように触れる。耳の裏側をねっとりと、不気味に、あの日のことを思い出させるように滑っていく。そうして奴は笑いながら、
「あの日みたいに、噛まれんようにするため?」
と鳥肌が立つ声色で後ろから耳を甘噛してきた。
「ひ、い……」
途端、気持ちの悪さとは別の感覚に全身が震え、ぞわりと全身の毛穴が開いた気がした。
周囲に、ふわりと甘い、いや、花のような香りがして、それは僕を惹きつける。あんなに動こうとしなかった身体を、いとも簡単に動かしたその香りは、背後に立つ八重さんから漂っていたものだった。
「……ッ、紅羽クン。ジブン、Ωやったん?」
「ぇ、ぁ……」
振り向かされ、壁に肩を押しつけられた。八重さんが、ギラついた目で僕を見ていた。口の端からは、抑えきれない涎がダラダラと溢れ出している。呼応するように、僕も全身の血が沸騰でもしてるのかと思うぐらいに身体が熱く、口からは荒い息が繰り返し吐き出された。
この状態を、颯介でたまに見ていた。
ラットだ。同様に僕もまた、ヒートを起こしている。
「あー、そか、わかったわ。紅羽クンが、ボクの運命の番やったんやね」
「うん……、めい?」
“運命の番”。
それは魂で結ばれた相手で、出逢えば必ず惹かれ合う存在。βだった僕には、それがとてもロマンチストに見えて、結ばれる人がいるなんて羨ましいなぁなんて思ってた。
なぁ、昔の僕。
運命はそんなに綺麗なものじゃなかったよ。どうして颯介じゃないんだろう。どうしてこんなに惹かれてしまう相手が、よりにもよって、僕を虐げた人なんだろう。
「前に会うた時は全く匂いせんかったはずなんやけど……。まぁ、ええわ。紅羽クン。その邪魔なチョーカー、外してくれるよね?」
自分でわかる。今、噛まれたら、僕はその人と番ってしまう。
駄目だ。こいつは僕を傷つけた張本人だぞ。うなじを差し出しちゃ駄目だ。なのに――
「ほら、早く外そうや」
抗えない。暗示でもかけられたように、僕は自分のチョーカーに軽く触れた。けれど、カツン、と指先に当たった少し固い感触に、ふと意識が戻ってくる。止まった僕に苛ついたのか、八重さんが「紅羽クン」と語尾を強めた。
「運命の番に会えるなんて、滅多にないんやで? 普通は、ここで番うもんよ」
「ふつう……?」
“普通”。
それは僕が望んでいたものじゃないか。
βはβらしく普通に学校を出て、就職して、βと結婚して、子どもを育てて、普通に生きる。それを望んでいた。
そう。確かに望んでいたんだ。
「普通、かぁ……。はは」
抱えていた鞄を、八重の爪先に落ちる位置で落としてやった。ガゴンッと鈍い音がしたかと思えば、八重が「いっ!?」と痛みで飛び退く。そりゃ痛いだろうさ。中には分厚いファイルと、資料の本が入っているのだから。
「αだからΩと? βだからβと? そんなの関係ないよな、颯介。だったら僕だって、運命なんてクソ喰らえだ」
僕はにやりと笑い、左手の親指の付け根を噛んだ。
飛びかかっていた理性が、痛みで戻ってくる。けれど頭にかかったモヤは完全に晴れず、すぐにまた欲望に呑まれそうになってしまう。
「はは……、すごいな、颯介は。本能に抗うのが、こんなにつらいなんて」
また指を噛んで、痛みで強引に理性を引き戻す。気を抜けば、すぐにでも八重に擦り寄って、うなじを差し出してしまいそうだった。
「何、ごちゃごちゃ言っとんのや! Ωなら大人しくヤられんのが役目やろ!」
右頬を殴られて、体が横に吹っ飛んだ。生ゴミの山に突っ込んで、隠れていた猫が鳴き声を上げ逃げていく。頭から被った汁物が、酷く鼻についた。
「くっさい臭いさせたΩが、αに楯突こうとすな!」
「臭いよ、あぁ、僕は生ゴミ臭いさ。普通、そんなやつに“好き”なんて言わないよな。でもいるんだよ。腐臭漂わせる僕が好きだって言う、やばいやつが」
「少しは黙っとれや」
八重に胸ぐらを掴まれ、そのまま口を塞がれた。息苦しさと吐き気が込み上げる中、僕は侵入してきた八重の舌に歯を立てる。肩をびくつかせた八重が僕から離れ、忌々しそうに睨みつけてきた。
「そんなにボクに犯されたいようやなぁ」
「はッ……。相変わらず頭沸いてるな、あんた」
口の端から伝う血を、袖で拭う。
「僕をΩにしたのは颯介だ」
「ジブンの番はボクや! あんな、あんな施設育ちのαが……」
「違う。僕の……」
僕の運命は、魂に決められたものじゃない。
自分の運命も、番も、幸せも、僕が決めるものだ。
「運命なんて関係ない! 僕は……、僕はあんたのΩじゃない!」
「こんの、クソΩがああああ!」
八重が拳を振り上げる。また殴られると思って、歯を食いしばって目を閉じた――けれど、構えていた痛みはこなくて、僕は目を開ける。
「そ……、すけ……」
八重の背後に立った颯介が、その振り上げた腕を掴んでいた。道からうっすらと差し込む逆光で、その表情まではよく見えなかったけれど。
たかだか電話一本で一緒に帰れなくなるなんて。
定時退社出来た僕は、同じく定時退社した颯介とエントランスで一旦別れ、昼に言われた通り、先に帰路についていた。一人で帰るのは随分久しぶりで、少しだけ寒い。僕は寒さを誤魔化すようにマフラーを口元まで上げた。
「ケーキかぁ」
通り過ぎる人たちの、そのほとんどが、小さな箱を持ち幸せそうな笑顔を浮かべすれ違う。子供がはしゃいで「サンタさん来るかな」と無邪気に尋ね、母親が「いい子にしてるから来るわよ」と微笑む。
僕もいつかああなるのかなぁ、なんて考えるだけで頬が緩んだ。いやいや、今はまだ早いし、一人でニヤけてるなんてただの不審者だ。引き締めないと。
「買うか」
といっても、今からケーキ屋さんは無理だから、コンビニで買うしかないんだけど。
颯介の家までの道にコンビニはないし、お昼にお世話になったコンビニに行くしかない。あそこにはケーキがあったし。
少しだけ引き返して、颯介の家から離れていく。そんなに遅くはならないだろうし、連絡は入れなくていいかな。颯介がどこに行ったのかは知らないが、僕より遅いなんてことはないはずだ。
通りを外れ、いつものコンビニが見えてくる。
ケーキと、それからお酒も買おう。足取りも軽くなる。高ぶる気持ちを抑え、足早に向かっ――
「お久しゅう、紅羽クン」
「……え?」
横から伸びてきた手に引っ張られ、僕はコンビニ横の細道へと引き摺られた。口を塞がれ、背後からかけられた声は、一生、聞くことはないと思ってたものだった。
なんなら、聞きたいとも思っていなかった。
異動したんじゃなかったのか? なんでここにいるんだ? あぁ、でも、そんなことより。
早く、早くここから逃げないといけない。頭ではそうわかっているのに、身体があの時の恐怖を、屈辱を、諦めを覚えていて、動くことが出来ない。鞄を両手に抱えて、僕は震える身体ごと抱きしめる。
「あれー? チョーカーつけてるやん」
のっぺりとした口調のあいつが、とぼけた口調で笑う。途端に息が出来なくなって、僕は「……ぁ」と掠れた声を出すのが精一杯になってしまう。
「Ωの真似事? 颯介クンにつけろ言われたん? あぁ、それとも」
伸びた指先が、髪を掬うように触れる。耳の裏側をねっとりと、不気味に、あの日のことを思い出させるように滑っていく。そうして奴は笑いながら、
「あの日みたいに、噛まれんようにするため?」
と鳥肌が立つ声色で後ろから耳を甘噛してきた。
「ひ、い……」
途端、気持ちの悪さとは別の感覚に全身が震え、ぞわりと全身の毛穴が開いた気がした。
周囲に、ふわりと甘い、いや、花のような香りがして、それは僕を惹きつける。あんなに動こうとしなかった身体を、いとも簡単に動かしたその香りは、背後に立つ八重さんから漂っていたものだった。
「……ッ、紅羽クン。ジブン、Ωやったん?」
「ぇ、ぁ……」
振り向かされ、壁に肩を押しつけられた。八重さんが、ギラついた目で僕を見ていた。口の端からは、抑えきれない涎がダラダラと溢れ出している。呼応するように、僕も全身の血が沸騰でもしてるのかと思うぐらいに身体が熱く、口からは荒い息が繰り返し吐き出された。
この状態を、颯介でたまに見ていた。
ラットだ。同様に僕もまた、ヒートを起こしている。
「あー、そか、わかったわ。紅羽クンが、ボクの運命の番やったんやね」
「うん……、めい?」
“運命の番”。
それは魂で結ばれた相手で、出逢えば必ず惹かれ合う存在。βだった僕には、それがとてもロマンチストに見えて、結ばれる人がいるなんて羨ましいなぁなんて思ってた。
なぁ、昔の僕。
運命はそんなに綺麗なものじゃなかったよ。どうして颯介じゃないんだろう。どうしてこんなに惹かれてしまう相手が、よりにもよって、僕を虐げた人なんだろう。
「前に会うた時は全く匂いせんかったはずなんやけど……。まぁ、ええわ。紅羽クン。その邪魔なチョーカー、外してくれるよね?」
自分でわかる。今、噛まれたら、僕はその人と番ってしまう。
駄目だ。こいつは僕を傷つけた張本人だぞ。うなじを差し出しちゃ駄目だ。なのに――
「ほら、早く外そうや」
抗えない。暗示でもかけられたように、僕は自分のチョーカーに軽く触れた。けれど、カツン、と指先に当たった少し固い感触に、ふと意識が戻ってくる。止まった僕に苛ついたのか、八重さんが「紅羽クン」と語尾を強めた。
「運命の番に会えるなんて、滅多にないんやで? 普通は、ここで番うもんよ」
「ふつう……?」
“普通”。
それは僕が望んでいたものじゃないか。
βはβらしく普通に学校を出て、就職して、βと結婚して、子どもを育てて、普通に生きる。それを望んでいた。
そう。確かに望んでいたんだ。
「普通、かぁ……。はは」
抱えていた鞄を、八重の爪先に落ちる位置で落としてやった。ガゴンッと鈍い音がしたかと思えば、八重が「いっ!?」と痛みで飛び退く。そりゃ痛いだろうさ。中には分厚いファイルと、資料の本が入っているのだから。
「αだからΩと? βだからβと? そんなの関係ないよな、颯介。だったら僕だって、運命なんてクソ喰らえだ」
僕はにやりと笑い、左手の親指の付け根を噛んだ。
飛びかかっていた理性が、痛みで戻ってくる。けれど頭にかかったモヤは完全に晴れず、すぐにまた欲望に呑まれそうになってしまう。
「はは……、すごいな、颯介は。本能に抗うのが、こんなにつらいなんて」
また指を噛んで、痛みで強引に理性を引き戻す。気を抜けば、すぐにでも八重に擦り寄って、うなじを差し出してしまいそうだった。
「何、ごちゃごちゃ言っとんのや! Ωなら大人しくヤられんのが役目やろ!」
右頬を殴られて、体が横に吹っ飛んだ。生ゴミの山に突っ込んで、隠れていた猫が鳴き声を上げ逃げていく。頭から被った汁物が、酷く鼻についた。
「くっさい臭いさせたΩが、αに楯突こうとすな!」
「臭いよ、あぁ、僕は生ゴミ臭いさ。普通、そんなやつに“好き”なんて言わないよな。でもいるんだよ。腐臭漂わせる僕が好きだって言う、やばいやつが」
「少しは黙っとれや」
八重に胸ぐらを掴まれ、そのまま口を塞がれた。息苦しさと吐き気が込み上げる中、僕は侵入してきた八重の舌に歯を立てる。肩をびくつかせた八重が僕から離れ、忌々しそうに睨みつけてきた。
「そんなにボクに犯されたいようやなぁ」
「はッ……。相変わらず頭沸いてるな、あんた」
口の端から伝う血を、袖で拭う。
「僕をΩにしたのは颯介だ」
「ジブンの番はボクや! あんな、あんな施設育ちのαが……」
「違う。僕の……」
僕の運命は、魂に決められたものじゃない。
自分の運命も、番も、幸せも、僕が決めるものだ。
「運命なんて関係ない! 僕は……、僕はあんたのΩじゃない!」
「こんの、クソΩがああああ!」
八重が拳を振り上げる。また殴られると思って、歯を食いしばって目を閉じた――けれど、構えていた痛みはこなくて、僕は目を開ける。
「そ……、すけ……」
八重の背後に立った颯介が、その振り上げた腕を掴んでいた。道からうっすらと差し込む逆光で、その表情まではよく見えなかったけれど。
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