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7話

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 真っ白な天井、そこにかかるシーリングライト。明かりは恥ずかしいから消してほしいと言ったら、薄暗くだけされた。薄オレンジの明かりを背景にする十三とさは、いつも見る姿よりもなんだか頼もしくて、それだけで動悸が激しくなる。

「んん……」

 スエットをまくられ、両方の乳首をくりくりとこねくり回される。たまに右を爪先で弾かれ、左を強く引っ張られ、そのたびに僕の口からは厭らしい声が溢れた。

「やっ、ふぅんんっ」
「先輩、ここ、こうされるの好きです?」

 ツンと立った右側を親指と人差し指でつままれ、そのまま緩く上下に動かされる。

「ひあぁっ」

 途端に腰が飛び跳ね、僕は自身から軽く白濁を滴らせた。

「は……、これだけでイクとか、先輩弱すぎですって」
「ひ、ぐ……っ、だっ、て」

 自分でシたことが、ないわけじゃない。でもどうにもそれは気持ちよくなくて、ここまでの快楽を得たことなんてなかった。
 初めて“気持ちいい”というのを知って、そしてそれが十三の手から与えられたものだとわからせられて、僕は色んな感情がごちゃ混ぜになる。もうなんて言ったらいいのかわからず、とりあえず顔を見られたくなくて、両腕で顔を隠した。

「先輩、顔、隠さないでください」
「い、いやだっ」

 絶対に変な顔をしているに違いない。仮にも僕を好きだと言ってくれる十三には、そんな変顔を晒したくはなかった、のに。

「紅羽さん」
「……っ、せんぱいを、つけろって……! んあっ」

 反論しようとしたところに、左の突起を十三の舌が這い、あろうことかそのまま吸われた。ちゅっ、ちゅっと小さな音を立てながら、何度も角度を変え、時にきつく時に優しく吸われていく。

「ん、はぁ、んんっ」

 カリッと甘噛までされたのに、不思議とそれは痛みなど全く感じず、むしろ僕の胸の中に甘い痺れを残す。お腹の奥がきゅうっと締まるような、なんだか切ない感覚に、僕は堪らず「そ、すけ」とやつの名前を呼んで手を伸ばしていた。

「紅羽さん……っ」

 身体を少し起こした十三が僕の腕を首に回させる。そのまま唇を合わせれば、互いの唾液が混ざり合い、僕の口の端を伝っていく。
 僕より厚く少し固い舌が、僕の舌裏を這うように犯す。どう応えればいいのか、どう舌を動かせばいいのかわからない僕は、ただその動きを受け入れることしか出来ない。

「ふ……、んくっ」

 少し苦しくなって、我慢出来ずに口呼吸をした。僕から送られた酸素に驚いたのか、十三が口を離してから「先輩……」と何か言いたげに僕を少し冷ややかな目で見てきた。

「鼻で息してください。これじゃ毎回、人口呼吸になっちゃいますよ」
「そんな、言われて、も……」

 僕は真っ赤であろう顔を隠すために、ぐいと腕に力を込めて、少しだけ十三との距離を詰める。そうして肩口に顔を埋めるようにしてから、

「きんちょ、して……、ぐちゃぐちゃで、わかんなくなる……からっ」

となんとかそれだけを口にした。

「……っ、紅羽さん」

 余裕のない声で名前を呼ばれて、十三の大きな腕で抱きしめられる。僕にはもう“先輩”と訂正する余裕もなくて、必死でその身体を抱きしめ返す。腰に回されていた十三の両手が、僕の尻をやわやわと揉み出し、その指先が窄みを掠めた。

「ふぁっ……!?」

 いきなりの刺激にまた身体が跳ねる。勃ち上がる熱は恥ずかしいくらいにスエットを押し上げて、そこには濃い染みを作っている。

「紅羽さん、壁側、向いてくれます……?」

 荒い息づかいの十三に言われるままに、少し気怠い身体を動かす。体の右側を下にするように寝て壁側を向けば、今度は背後から十三に抱きしめられる。その際にうなじをねっとりと舐められ、緩く噛まれた。

「へぁ!? な、なんでっ、かん……!?」
「紅羽さんβでしょ。番わないから大丈夫ですよ」
「そ、そういう、もんだいじゃ」

 何度も何度も噛まれ、そのたびに労るように舐められ、首筋に熱い息がかかる。
 僕はβだ。何度噛んだって十三の言う通り番うことはなく、それが無性に切ない。

「紅羽さん、ちょっと……挿入いれないから……っ」
「ぇ……?」

 十三に左足を軽く持ち上げられたかと思えば、股間部分に何か熱いモノが押し当てられた。それが十三のモノだと気づくよりも早く、十三はぬるぬると腰を動かし始めた。

「あ、あん……っ、やだ、これっ」
「足、しっかり閉じてて……っ」

 太ももの合間を、十三の固くて太いモノが出入りしている。直接挿入いれられたわけでもないのに、腰を打ちつけてくる動きが心地よくて、僕の口からは自然と涎とともに声が溢れ出していく。

「ぅぅん……っ、はっ、ああっ」

 さらに十三の左手で自身の竿を握られ、先をぐりぐりと親指でこねられる。

「ど……じ、は、やらあっ」
「紅羽さん、声、抑えて……っ」
「んっ、んああぁ、ひうっ」

 出ちゃうんだから仕方ないだろ! と言いたいのに、僕の口から違う声しか出ない。

「く、そっ」

 左手は僕の竿を握り込んだままで、右手をなんとか動かした十三が僕の口を塞ぐ。

「んんーっ、ふーーっ」
「いい子だから、ちょっと声、我慢してください」
「ふうっ、んんんっ」

 竿と窄みの間の、何もないはずの場所を執拗に擦られ、僕は自然に身体ががくがくと震えだした。視界に花火が弾けるような感覚と、次に身体の中から何かが込み上げてきて――

「んん……っ」

 僕は思いきり、十三のベッドを汚す羽目になってしまった。
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