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七章 冒険編
百七十六 後の祭りだよね
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銅鑼の音が鳴り響いてノートンとヘワタの戦いが始まる直前。
「ヒカル様。ロニエを降ろしてください」
そういった。
それは俺にとって珍しい何てものでは無かった。
ロニエが自分から降りたいと言うなんて......
「ロニエ? ......分かったよ」
「ありがとうございます。ロニエの代わりに暫くセレナでも抱いてください」
俺は少し悲しかったけれどロニエロニエを降ろしてあげた。するとロニエは空中に浮いているセレナをひょいと俺に渡してゆっくりと歩み始めた。
どこへ? それは......
「へへへへへぇえええい~」
「ヘワタ!?」
ヘワタが吹っ飛んできた。どうやら開始早々ノートンに負けたようだ。全く見てなかったのもあるが余りにも速く勝負が付きすぎて......
「ヘワタ~!! 大丈夫か?」
俺はちょうど近くに吹っ飛んできたヘワタを介抱するために駆け寄って声をかける。
余りにも実力差が有りすぎたんだ。
ヘワタは俺の胸元の服を縋るように握りしめて死に行く歴戦の戦士の最後の様に力無く言った。
「ロニエちゃん......に踏まれたいっす......」
「ヘワタ~!!」
俺は力の限り叫んだ。ヘワタの無念を代弁するつもりで空に向かって力の限り。
「ねぇ。ダーリンそんなに叫ぶほど悲しいのかしら? 悲しいのなら治すわよ?」
「いや、全然、何と無くノリで治さなくて良いよセレナの力が勿体ないし」
チョンチョンセレナが服を引っ張り不思議そうな顔で聞いてきたので素直に答えてボロボロのヘワタを投げ捨てる。
ヘワタがノートンに負けようがボロボロになろうがどうでもいいのからね。
そのまま、俺はセレナを抱きしめて話を戻すことにする。
そう、ロニエだ! ロニエが俺から降りたいと言って足を進めたのだ。ロニエが向かったその先は!
グニリ。
「ヘワタさん。これで良いですか?」
「へい! ロニエちゃん大好きっす」
......普通にヘワタの顔を足で強めに踏んでいた。
そして、ロニエはヘワタに優しい笑顔を向けて
「ロニエはヘワタさんの事嫌いですよ。正直気持ち悪いです」
「へへへへえええ!」
「と言うのは冗談ですよ」
「ロニエちゃ~ん!!」
「因みにロニエに触ったらヘワタさんともう二度と口を聞いてあげませんよ」
めっちゃ楽しそうにヘワタをからかっていた。ロニエは実はどエスかもしれない。
ロニエにハイヒール履かせて鞭持たせたら完璧だろう。なにそれ今度やろうそそるわ。
ロニエはヘワタの事を遠慮無く踏み抜いてからヘワタが落とした短剣を拾った。
「では遊びは終わりです。ヘワタさんこの剣は借りますね」
「へ、へい!」
ロニエと短剣の全く似合わない組み合わせでゆっくりとノートンの待つ闘技場の舞台の上へと上がっていく。
「え? ロニエ! まってよ俺もーー」
「駄目ですよ。ヒカル様。これはロニエの戦いです。ロニエに任せてください。ヒカル様の膝の上はロニエのものです。何人足りとも奪わせる訳には行かないのです」
小さな背中で大きな信念を背負ってロニエ立つ。
剣王ノートンのその前に、不釣り合いな短剣を携えて敵対した。
「ノートンさん。ここからが本番です。今度はロニエ自らお相手しましょう」
「ガハハハハ......悪いことはいわねーぜロニエボス。他に助っ人がいないならあきらめるんだな、ですぜ」
ロニエを前にして豪快に笑いながらノートンは忠告する。
ノートンの言う通りだ、辞めてほしい......ロニエの柔らかい優しい大好きな手で剣なんて握らないで欲しい。
そんな俺の気持ちをしってか知らずかロニエは短剣を投げ捨てた。
「フフフ。ノートンさん。この勝負の賞品にヒカル様の近くにいる権利がある以上ロニエが引くことはありませんよ。例えこの身が血に染まろうとヒカル様の側に仕える権利は渡しません。それだけは絶対に譲れません」
「......ロニエ......ボス......」
ロニエの揺るぎ無い信念を感じ取ったノートンが瞳を揺らしてロニエの小さな身体を見つめた。
そう、これは最初からロニエから俺の横にいる権利を奪う戦いだった。
だから満場一致でロニエが最後を戦うことが決まった。
だから、メルディもルミアもイリアも真剣に勝とうとした。
それを誰よりも理解していたのは紛れもなくロニエだった。
けど......いくらロニエでも......俺の隣いる権利がかかっているとしてもセレナですら勝つことのできなかったノートンと正面から戦うのはムリがある。
何年も共に暮らしロニエのスペックの高さは知っているけど戦闘能力だけは俺と同じで皆無だった。
そんなロニエがノートンと戦ったら......恐ろしい結果になる。
傷つくロニエの姿を俺は見ないといけないのか?
「いや、でもロニエは運動神経が悪くないしもしかして普通に強いのかも!?」
ロニエが戦う所を見たことが無いのはいつも俺が抱き抱えて居たからだ......ならば戦えばロニエは最強!?
そんな期待が高まる程ロニエは堂々とノートンと向かい合った。
そして最後のたたかい始まった。
「フフフ。ヒカル様をかけて戦う素敵です。最初に言いますね。ロニエはヒカル様がかかっている以上死ぬまで負けるつもりはありません」
「ガハハハハ......そうか、なら行きますぜ!」
会話は終わりとばかりにノートンが油断無くロニエへ急接近した。
......ノートンの奴、ロニエに触ったら許さないぞ。
ロニエはセレナやデリカとは違って俺しか触れない神聖な聖女なんだからな。
近付くノートンの魔の手に対しロニエはぴくりとも動かなかった。というか動けなかったのだろう。
普通にノートンの動きに反応出来なかったそれだけだ。
やっぱりロニエは常人。万に一つの勝ち目も無いのだ。
「!」
ノートンの剣がロニエに当たる寸前でピタリと止まった。
制止したことでようやく視認出来たのかロニエは一瞬瞳を動かして驚きあらわにした。が、それだけだった。
ノートンが止まらなければ一瞬後には血に染まるかもしれない状況でロニエは両手を前で組んで強い瞳だけ残して悠然とただまっすぐ立っていた。
勝ち目はシロート目に見ても無いことが分かるのに......
剣を降りおろせばその時点でノートンの勝ち、ロニエは傷をおい負けるだろう。
「ダーリン止めても良いのかしら?」
「いや......さっき俺が言って止まらなかったんだ。今止めてもロニエは止まらない。最後まで見守るしかないよ」
「でもそれじゃああの子は!」
「分かってる......けど。俺はロニエを止められない」
「ダーリン......」
無傷のロニエを止めることは出来ない。でもノートンに負けたロニエなら止めることはできる。
今にも止めたい気持ちを歯を食いしばって耐えてその時を待つ。
会場の観客達もその異様さを感じ取ったのか誰もが言葉を失い見守っていた。
「おいおい。ロニエボス。怪我する前に......」
「ロニエは引きません! そう既に言いましたよ。問答は無用です。ロニエに勝ちたければその剣でロニエを貫いて下さい」
「......」
ノートンは剣をロニエに向けたまま笑みをを消した。
真剣な眼差しでロニエを見た後。
「やっぱりロニエボスはいい女だぜ! 流石はボスの女だ」
そういってロニエに向けていた剣を降ろした。
「良いのですか? ヒムートさんの為に勝たなくても」
「ガハハハハ。辞めてくだせいよ。ロニエボスを傷つけられね~ぜ。ボスに嫌われちまう。ボスの女に手は出せねえ、これは絶対にだぜ。特にロニエボスはボスの気に入りだかんな。俺の負けだぜ」
結局、ノートンは一度もロニエ達を傷つける事はしなかった。
誰に対しても、それはノートンの俺に対しての忠誠の証。ノートンという男は俺の身内を傷つけない。
「フフフ。ノートンさん。これからもヒカル様の盾であってくださいね」
「言われなくてもボスは永遠に俺のボスだぜ、ロニエ・ボス。も、だぜ」
「それはとても心強いです。ヒカル様が居なかったら惚れてしまう所でした」
「ボスに殺される。辞めてくれ」
こうして、剣王ノートンが剣を引いたことによりロニエとノートンの頂上決戦はロニエの勝ちでおわった。
■■■■■
「ノートン! ひどいです! ロニエちゃんをやっつけて欲しかったです!」
全てが終わった後は後夜祭となった。人々が踊り食べ笑う。興奮するようにいくつも戦いを語り継いで戦士達を讃えていた。
そんな中快進撃を繰り広げたノートンにヒムートがビシビシと平手を喰らわせて居た。
そんなヒムートの平手をガシッとつかみ取って椅子に無理矢理座らせている。
「悪かったぜ、ガキンチョ。ロニエボスには勝てなかったぜガハハハハ」
「笑い事では無いです! 王様の膝の上が!」
「ガミガミしてると皆に本性がばれるぜ?」
「! 皆様方本日は応援ありがとうございました」
「「おおーー!!」」
「「ヒムート様~握手してください!」」「「女神様~!!」
もちろん後夜祭と言うことで出ていた選手達に観客が触れ合う機会を与えている。
ヒムートもセレナもデリカもメルディもイリアもアルランでさえ人込みに囲まれている。
その中でも決勝を制したノートンとヒムートの人気は、はかりしないものがあった。握手をねだるその様はもはやトップアイドルの様だ。
「剣王だ~剣王剣王! 僕と戦って~」
「ガハハハハ。良いぜあとでな」
ノートンも大人気だ。子供達に好かれて好かれ。
「フフフ。男の子も女の子も強い者に惹かれますからね」
「だね。ロニエもノートンに惹かれたんでしょ? 浮輪だよ」
「嫉妬しなくても大丈夫ですよ。ノートンさんがロニエの好印象なのは確かですが、ヒカル様はロニエの全てを捧げる殿方ですから、番ですよ」
「ロニエ!」
「ヒカル様!」
可愛いロニエは堂々と俺の膝を一人で占領してご満悦だ。
「で、なんで俺達の所には誰も来ないの?」
「ヒカル様が......恐すぎ......偉大過ぎて近寄れないだけですよ。皆さん本当はヒカル様と言葉を交わしたくて仕方ないと思いますよ」
「ふーん。俺って怖いんだ」
「いえ、全くそんなことはありませんよ」
「ロニエの嘘つき」
「さて、何のことでしょうか?」
とまあ。一番人気が無いのは俺とロニエだったりした。
男に絶大の人気を誇るヒムート。子供達や戦士達の人気を得ているノートン。そして人気無い俺とロニエ。
因みに子供達に人気といえば外せないのはやはりルミアだろう。
ふさふさな身体が気に入ったのか男女問わず子供達に乗りまくられている。
『やっ! そこ触っちゃだめぇ~だよっ! えッ? そこも駄目~。ちょっとだめってばっ! お兄ちゃんじゃないと!(グルルル! グルルルグルルルグルルル)』
子供達は容赦無くヒムートの大きな身体を触りまくる。ふさふさしてて気持ちいいのだろう。その気持ちは痛いほど分かる。でもルミアは女の子だからあんまり乱暴にしないであげてほしい。
「辞めなさい! その子はダーリンのモノよ。もっと丁寧に扱いなさい!」
『セレナお姉ちゃん! ありがとう!』
流石はセレナだ様子を見てルミアを助けている。因みに俺達に悪意もって近付く輩は全てセレナの結界に灰に変えられるので注意だ。だが子供には悪意など無いのだ。だから。
「あ! 魔女様だ~」「魔女様~」「可愛い」
「ちょっ! なによ! 何なのよ! 駄目よ! 私もダーリンのーー」
標的がルミアからセレナにうつり揉みくちゃされていた。
セレナも大人気だ、セレナの人気は子供から大人まで全ての層がある。流石はセレナだ。
逆にデリカはコアなファンが多い。油の乗った......デブリンが多いこと多いこと。流石に可哀相なのでおさわり禁止の立て札を立ててあげた。人の嫁を欲情の篭った目で見るな!!
グヘヘ。でも困ってるデリカを見るのは実に良い。
変なファンと言うの点に置いてはイリアも負けていない。
イリアのファンは何故か地位の低い人が多い。言葉悪く言えば皆貧乏臭いのだ。それに対して差別するつもりも区別するつもりも無いが事実イリアは貧乏人から好かれるそう言う性質なのかも知れない。
何やらイリアがニタニタ笑っていたのが気になるところだ。何か悪いことを考えている気がする。
やっぱり同じ血が流れていてもロニエとは大違いだ。ロニエはそんな下品に割らない。
へらーっ。
「ヒカル様。ヒカル様。もっと強く抱きしめてください。ここにいる全ての方に見られるように。ロニエを幸せを全ての人々に見せつけてください」
「良いよ。ロニエは可愛いからいっぱい抱きしめるよ。可愛いよロニエ可愛いよロニエ」
「嗚呼! 嗚呼! ロニエは幸せです」
うん。笑い方も可愛いな。
因みにメルディはここにいない。人前に出るのを恥ずかしがって城で休んでいる。
後でメルディも可愛がってあげたい......エッチをしようとするとルミアが怒るからしないけどね。
速くルミアを元の姿に戻さないといけない。
そうだ!
「色々あって忘れてたけどツネキ族の里? だっけ行かないとね」
俺がその言葉を言った瞬間ロニエ以外のハーレムメンバー全員の鋭い視線を感じた。
「え? 何? 急に」
「ヒカル様。その話は後でにしましょう。皆さんもですよ。優勝したのはロニエです他言は認めません。今はお祭りを楽しむ時です」
「そうそう皆顔怖いよ。楽しく行こうよ、ね?」
ロニエと俺が諭すと皆渋々という感じで騒ぎに興じはじめるのだった。
「ヘワタさーん! キャー!!」「キャー!」
あ! そうそう、ヘワタもちょっと若い女の子達から人気が出た。ロニエ達には敵わないまでも結構可愛い子もいる。あれでヘワタのハーレムが出きるかもしれない。
「へい! 邪魔ッス! 俺はロニエちゃん一筋ッス!」
......ムリだな。うん。ヘワタはロニエの魅力にメロメロ過ぎるなうん。
「ヒカル様。ヒカル様。キスしてください」
「うん。良いよ」
こうして祭は朝方まで続いた。
世界最強決定戦。優勝ロニエ。準優勝ノートン。三位セレナ。ランク外ヘワタ。
全然世界なんて規模で開いてない即興の大会だけれど。因みにこの大会は年々規模を広がってセントラルの武道大会として有名になり初代優勝者。覇王の嫁にして失われたノースカロライナ国の姫ロニエ・ノースカロライナ(天野ロニエ)の名が代々残ることになるがロニエが大会に出たのは俺がかかったこの大会だけだったりする。
因みに二回目からは優勝はセレナの独壇場となったのだった。
まあつまり最強はロニエだったということだな。
ーーーーーー以下駄文ーーーーーー
ええっと武道大会編終了です。
結構真面目に戦ってしまいましたが、これはグランドドラゴン襲来編で結構戦闘描写が楽しかったので挑戦してみました。
色んな組み合わせを考えましたがノートンとセレナは絶対戦わせようとしていました。先代剣王ジークフリードと魔女セレナの蒸し返しですね。あの時はジークが手を抜きましたが今回のノートン(剣王)は本気でしたね。でもお互い力を制限して居たので結局中途半端ですが......
魔女王と剣王が本気で戦うとお互い無傷ではすみそうにないですね。
後はノートンとデリカでぶつけましたがセレナとデリカの魔女対決も面白そうでしたね。あんた何なのよ! というデリカの叫びは誰もがそう思ったかも知れません。本当にノートン何者なんだよ。最初期のメンバーで生きているのはノートンと光そしてロニエだけですからね。
因みにノートンとメルディの師弟対決もありだったのですが、それをやるとアルランが無双し始めそうなので辞めました。あの戦いで剣王が一番苦戦したのがアルランです。アレを決勝に持ってくるわけにはいかないので。
とまあ。こんな感じが裏事情です。
真面目に戦ったり戦わなかったりしてましたがどうでしたか?
この戦いでイリアもデリカもメルディもアルランも少しずつ変化しましたが主人公! お前! 本当見てただけだな!
はい。あいもかわらず何もしない光くんでした。
次は本当にルミア編に入ります。長かったよ~ルミア編に何度入ろうとしてきたか、入れなくてアルランが魔王化してそのまま大戦に足を突っ込んだりね。でも準備は整いました。これでツネキ族の里以外に光くんが行こうとする事は無いはずです、多分。
「ヒカル様。ロニエを降ろしてください」
そういった。
それは俺にとって珍しい何てものでは無かった。
ロニエが自分から降りたいと言うなんて......
「ロニエ? ......分かったよ」
「ありがとうございます。ロニエの代わりに暫くセレナでも抱いてください」
俺は少し悲しかったけれどロニエロニエを降ろしてあげた。するとロニエは空中に浮いているセレナをひょいと俺に渡してゆっくりと歩み始めた。
どこへ? それは......
「へへへへへぇえええい~」
「ヘワタ!?」
ヘワタが吹っ飛んできた。どうやら開始早々ノートンに負けたようだ。全く見てなかったのもあるが余りにも速く勝負が付きすぎて......
「ヘワタ~!! 大丈夫か?」
俺はちょうど近くに吹っ飛んできたヘワタを介抱するために駆け寄って声をかける。
余りにも実力差が有りすぎたんだ。
ヘワタは俺の胸元の服を縋るように握りしめて死に行く歴戦の戦士の最後の様に力無く言った。
「ロニエちゃん......に踏まれたいっす......」
「ヘワタ~!!」
俺は力の限り叫んだ。ヘワタの無念を代弁するつもりで空に向かって力の限り。
「ねぇ。ダーリンそんなに叫ぶほど悲しいのかしら? 悲しいのなら治すわよ?」
「いや、全然、何と無くノリで治さなくて良いよセレナの力が勿体ないし」
チョンチョンセレナが服を引っ張り不思議そうな顔で聞いてきたので素直に答えてボロボロのヘワタを投げ捨てる。
ヘワタがノートンに負けようがボロボロになろうがどうでもいいのからね。
そのまま、俺はセレナを抱きしめて話を戻すことにする。
そう、ロニエだ! ロニエが俺から降りたいと言って足を進めたのだ。ロニエが向かったその先は!
グニリ。
「ヘワタさん。これで良いですか?」
「へい! ロニエちゃん大好きっす」
......普通にヘワタの顔を足で強めに踏んでいた。
そして、ロニエはヘワタに優しい笑顔を向けて
「ロニエはヘワタさんの事嫌いですよ。正直気持ち悪いです」
「へへへへえええ!」
「と言うのは冗談ですよ」
「ロニエちゃ~ん!!」
「因みにロニエに触ったらヘワタさんともう二度と口を聞いてあげませんよ」
めっちゃ楽しそうにヘワタをからかっていた。ロニエは実はどエスかもしれない。
ロニエにハイヒール履かせて鞭持たせたら完璧だろう。なにそれ今度やろうそそるわ。
ロニエはヘワタの事を遠慮無く踏み抜いてからヘワタが落とした短剣を拾った。
「では遊びは終わりです。ヘワタさんこの剣は借りますね」
「へ、へい!」
ロニエと短剣の全く似合わない組み合わせでゆっくりとノートンの待つ闘技場の舞台の上へと上がっていく。
「え? ロニエ! まってよ俺もーー」
「駄目ですよ。ヒカル様。これはロニエの戦いです。ロニエに任せてください。ヒカル様の膝の上はロニエのものです。何人足りとも奪わせる訳には行かないのです」
小さな背中で大きな信念を背負ってロニエ立つ。
剣王ノートンのその前に、不釣り合いな短剣を携えて敵対した。
「ノートンさん。ここからが本番です。今度はロニエ自らお相手しましょう」
「ガハハハハ......悪いことはいわねーぜロニエボス。他に助っ人がいないならあきらめるんだな、ですぜ」
ロニエを前にして豪快に笑いながらノートンは忠告する。
ノートンの言う通りだ、辞めてほしい......ロニエの柔らかい優しい大好きな手で剣なんて握らないで欲しい。
そんな俺の気持ちをしってか知らずかロニエは短剣を投げ捨てた。
「フフフ。ノートンさん。この勝負の賞品にヒカル様の近くにいる権利がある以上ロニエが引くことはありませんよ。例えこの身が血に染まろうとヒカル様の側に仕える権利は渡しません。それだけは絶対に譲れません」
「......ロニエ......ボス......」
ロニエの揺るぎ無い信念を感じ取ったノートンが瞳を揺らしてロニエの小さな身体を見つめた。
そう、これは最初からロニエから俺の横にいる権利を奪う戦いだった。
だから満場一致でロニエが最後を戦うことが決まった。
だから、メルディもルミアもイリアも真剣に勝とうとした。
それを誰よりも理解していたのは紛れもなくロニエだった。
けど......いくらロニエでも......俺の隣いる権利がかかっているとしてもセレナですら勝つことのできなかったノートンと正面から戦うのはムリがある。
何年も共に暮らしロニエのスペックの高さは知っているけど戦闘能力だけは俺と同じで皆無だった。
そんなロニエがノートンと戦ったら......恐ろしい結果になる。
傷つくロニエの姿を俺は見ないといけないのか?
「いや、でもロニエは運動神経が悪くないしもしかして普通に強いのかも!?」
ロニエが戦う所を見たことが無いのはいつも俺が抱き抱えて居たからだ......ならば戦えばロニエは最強!?
そんな期待が高まる程ロニエは堂々とノートンと向かい合った。
そして最後のたたかい始まった。
「フフフ。ヒカル様をかけて戦う素敵です。最初に言いますね。ロニエはヒカル様がかかっている以上死ぬまで負けるつもりはありません」
「ガハハハハ......そうか、なら行きますぜ!」
会話は終わりとばかりにノートンが油断無くロニエへ急接近した。
......ノートンの奴、ロニエに触ったら許さないぞ。
ロニエはセレナやデリカとは違って俺しか触れない神聖な聖女なんだからな。
近付くノートンの魔の手に対しロニエはぴくりとも動かなかった。というか動けなかったのだろう。
普通にノートンの動きに反応出来なかったそれだけだ。
やっぱりロニエは常人。万に一つの勝ち目も無いのだ。
「!」
ノートンの剣がロニエに当たる寸前でピタリと止まった。
制止したことでようやく視認出来たのかロニエは一瞬瞳を動かして驚きあらわにした。が、それだけだった。
ノートンが止まらなければ一瞬後には血に染まるかもしれない状況でロニエは両手を前で組んで強い瞳だけ残して悠然とただまっすぐ立っていた。
勝ち目はシロート目に見ても無いことが分かるのに......
剣を降りおろせばその時点でノートンの勝ち、ロニエは傷をおい負けるだろう。
「ダーリン止めても良いのかしら?」
「いや......さっき俺が言って止まらなかったんだ。今止めてもロニエは止まらない。最後まで見守るしかないよ」
「でもそれじゃああの子は!」
「分かってる......けど。俺はロニエを止められない」
「ダーリン......」
無傷のロニエを止めることは出来ない。でもノートンに負けたロニエなら止めることはできる。
今にも止めたい気持ちを歯を食いしばって耐えてその時を待つ。
会場の観客達もその異様さを感じ取ったのか誰もが言葉を失い見守っていた。
「おいおい。ロニエボス。怪我する前に......」
「ロニエは引きません! そう既に言いましたよ。問答は無用です。ロニエに勝ちたければその剣でロニエを貫いて下さい」
「......」
ノートンは剣をロニエに向けたまま笑みをを消した。
真剣な眼差しでロニエを見た後。
「やっぱりロニエボスはいい女だぜ! 流石はボスの女だ」
そういってロニエに向けていた剣を降ろした。
「良いのですか? ヒムートさんの為に勝たなくても」
「ガハハハハ。辞めてくだせいよ。ロニエボスを傷つけられね~ぜ。ボスに嫌われちまう。ボスの女に手は出せねえ、これは絶対にだぜ。特にロニエボスはボスの気に入りだかんな。俺の負けだぜ」
結局、ノートンは一度もロニエ達を傷つける事はしなかった。
誰に対しても、それはノートンの俺に対しての忠誠の証。ノートンという男は俺の身内を傷つけない。
「フフフ。ノートンさん。これからもヒカル様の盾であってくださいね」
「言われなくてもボスは永遠に俺のボスだぜ、ロニエ・ボス。も、だぜ」
「それはとても心強いです。ヒカル様が居なかったら惚れてしまう所でした」
「ボスに殺される。辞めてくれ」
こうして、剣王ノートンが剣を引いたことによりロニエとノートンの頂上決戦はロニエの勝ちでおわった。
■■■■■
「ノートン! ひどいです! ロニエちゃんをやっつけて欲しかったです!」
全てが終わった後は後夜祭となった。人々が踊り食べ笑う。興奮するようにいくつも戦いを語り継いで戦士達を讃えていた。
そんな中快進撃を繰り広げたノートンにヒムートがビシビシと平手を喰らわせて居た。
そんなヒムートの平手をガシッとつかみ取って椅子に無理矢理座らせている。
「悪かったぜ、ガキンチョ。ロニエボスには勝てなかったぜガハハハハ」
「笑い事では無いです! 王様の膝の上が!」
「ガミガミしてると皆に本性がばれるぜ?」
「! 皆様方本日は応援ありがとうございました」
「「おおーー!!」」
「「ヒムート様~握手してください!」」「「女神様~!!」
もちろん後夜祭と言うことで出ていた選手達に観客が触れ合う機会を与えている。
ヒムートもセレナもデリカもメルディもイリアもアルランでさえ人込みに囲まれている。
その中でも決勝を制したノートンとヒムートの人気は、はかりしないものがあった。握手をねだるその様はもはやトップアイドルの様だ。
「剣王だ~剣王剣王! 僕と戦って~」
「ガハハハハ。良いぜあとでな」
ノートンも大人気だ。子供達に好かれて好かれ。
「フフフ。男の子も女の子も強い者に惹かれますからね」
「だね。ロニエもノートンに惹かれたんでしょ? 浮輪だよ」
「嫉妬しなくても大丈夫ですよ。ノートンさんがロニエの好印象なのは確かですが、ヒカル様はロニエの全てを捧げる殿方ですから、番ですよ」
「ロニエ!」
「ヒカル様!」
可愛いロニエは堂々と俺の膝を一人で占領してご満悦だ。
「で、なんで俺達の所には誰も来ないの?」
「ヒカル様が......恐すぎ......偉大過ぎて近寄れないだけですよ。皆さん本当はヒカル様と言葉を交わしたくて仕方ないと思いますよ」
「ふーん。俺って怖いんだ」
「いえ、全くそんなことはありませんよ」
「ロニエの嘘つき」
「さて、何のことでしょうか?」
とまあ。一番人気が無いのは俺とロニエだったりした。
男に絶大の人気を誇るヒムート。子供達や戦士達の人気を得ているノートン。そして人気無い俺とロニエ。
因みに子供達に人気といえば外せないのはやはりルミアだろう。
ふさふさな身体が気に入ったのか男女問わず子供達に乗りまくられている。
『やっ! そこ触っちゃだめぇ~だよっ! えッ? そこも駄目~。ちょっとだめってばっ! お兄ちゃんじゃないと!(グルルル! グルルルグルルルグルルル)』
子供達は容赦無くヒムートの大きな身体を触りまくる。ふさふさしてて気持ちいいのだろう。その気持ちは痛いほど分かる。でもルミアは女の子だからあんまり乱暴にしないであげてほしい。
「辞めなさい! その子はダーリンのモノよ。もっと丁寧に扱いなさい!」
『セレナお姉ちゃん! ありがとう!』
流石はセレナだ様子を見てルミアを助けている。因みに俺達に悪意もって近付く輩は全てセレナの結界に灰に変えられるので注意だ。だが子供には悪意など無いのだ。だから。
「あ! 魔女様だ~」「魔女様~」「可愛い」
「ちょっ! なによ! 何なのよ! 駄目よ! 私もダーリンのーー」
標的がルミアからセレナにうつり揉みくちゃされていた。
セレナも大人気だ、セレナの人気は子供から大人まで全ての層がある。流石はセレナだ。
逆にデリカはコアなファンが多い。油の乗った......デブリンが多いこと多いこと。流石に可哀相なのでおさわり禁止の立て札を立ててあげた。人の嫁を欲情の篭った目で見るな!!
グヘヘ。でも困ってるデリカを見るのは実に良い。
変なファンと言うの点に置いてはイリアも負けていない。
イリアのファンは何故か地位の低い人が多い。言葉悪く言えば皆貧乏臭いのだ。それに対して差別するつもりも区別するつもりも無いが事実イリアは貧乏人から好かれるそう言う性質なのかも知れない。
何やらイリアがニタニタ笑っていたのが気になるところだ。何か悪いことを考えている気がする。
やっぱり同じ血が流れていてもロニエとは大違いだ。ロニエはそんな下品に割らない。
へらーっ。
「ヒカル様。ヒカル様。もっと強く抱きしめてください。ここにいる全ての方に見られるように。ロニエを幸せを全ての人々に見せつけてください」
「良いよ。ロニエは可愛いからいっぱい抱きしめるよ。可愛いよロニエ可愛いよロニエ」
「嗚呼! 嗚呼! ロニエは幸せです」
うん。笑い方も可愛いな。
因みにメルディはここにいない。人前に出るのを恥ずかしがって城で休んでいる。
後でメルディも可愛がってあげたい......エッチをしようとするとルミアが怒るからしないけどね。
速くルミアを元の姿に戻さないといけない。
そうだ!
「色々あって忘れてたけどツネキ族の里? だっけ行かないとね」
俺がその言葉を言った瞬間ロニエ以外のハーレムメンバー全員の鋭い視線を感じた。
「え? 何? 急に」
「ヒカル様。その話は後でにしましょう。皆さんもですよ。優勝したのはロニエです他言は認めません。今はお祭りを楽しむ時です」
「そうそう皆顔怖いよ。楽しく行こうよ、ね?」
ロニエと俺が諭すと皆渋々という感じで騒ぎに興じはじめるのだった。
「ヘワタさーん! キャー!!」「キャー!」
あ! そうそう、ヘワタもちょっと若い女の子達から人気が出た。ロニエ達には敵わないまでも結構可愛い子もいる。あれでヘワタのハーレムが出きるかもしれない。
「へい! 邪魔ッス! 俺はロニエちゃん一筋ッス!」
......ムリだな。うん。ヘワタはロニエの魅力にメロメロ過ぎるなうん。
「ヒカル様。ヒカル様。キスしてください」
「うん。良いよ」
こうして祭は朝方まで続いた。
世界最強決定戦。優勝ロニエ。準優勝ノートン。三位セレナ。ランク外ヘワタ。
全然世界なんて規模で開いてない即興の大会だけれど。因みにこの大会は年々規模を広がってセントラルの武道大会として有名になり初代優勝者。覇王の嫁にして失われたノースカロライナ国の姫ロニエ・ノースカロライナ(天野ロニエ)の名が代々残ることになるがロニエが大会に出たのは俺がかかったこの大会だけだったりする。
因みに二回目からは優勝はセレナの独壇場となったのだった。
まあつまり最強はロニエだったということだな。
ーーーーーー以下駄文ーーーーーー
ええっと武道大会編終了です。
結構真面目に戦ってしまいましたが、これはグランドドラゴン襲来編で結構戦闘描写が楽しかったので挑戦してみました。
色んな組み合わせを考えましたがノートンとセレナは絶対戦わせようとしていました。先代剣王ジークフリードと魔女セレナの蒸し返しですね。あの時はジークが手を抜きましたが今回のノートン(剣王)は本気でしたね。でもお互い力を制限して居たので結局中途半端ですが......
魔女王と剣王が本気で戦うとお互い無傷ではすみそうにないですね。
後はノートンとデリカでぶつけましたがセレナとデリカの魔女対決も面白そうでしたね。あんた何なのよ! というデリカの叫びは誰もがそう思ったかも知れません。本当にノートン何者なんだよ。最初期のメンバーで生きているのはノートンと光そしてロニエだけですからね。
因みにノートンとメルディの師弟対決もありだったのですが、それをやるとアルランが無双し始めそうなので辞めました。あの戦いで剣王が一番苦戦したのがアルランです。アレを決勝に持ってくるわけにはいかないので。
とまあ。こんな感じが裏事情です。
真面目に戦ったり戦わなかったりしてましたがどうでしたか?
この戦いでイリアもデリカもメルディもアルランも少しずつ変化しましたが主人公! お前! 本当見てただけだな!
はい。あいもかわらず何もしない光くんでした。
次は本当にルミア編に入ります。長かったよ~ルミア編に何度入ろうとしてきたか、入れなくてアルランが魔王化してそのまま大戦に足を突っ込んだりね。でも準備は整いました。これでツネキ族の里以外に光くんが行こうとする事は無いはずです、多分。
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