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四章 家族編

九十五 今までで1番沢山書いた話だよね。

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 ヒムートに抱きしめられながら理性が飛ぶのを感じた。

 「ねぇヒムート。愛してるよ」
 「ヒムートも愛しています」

 もう無理だ。俺はもう我慢できない.......ヒムートとエッチがしたい.......。
 
 「ってああ!! 思考がエッチだぁああ!!」

 頭を打ち付ける。壁に頭を打ち付ける。衝撃が脳を揺さぶり少し落ち着く。
 
 「ヒカル様。落ち着いてください! ヒカル様はすでに三ヶ月経過しているのでエッチしても良いんですよ」
 「.............マジで?」
 「はい。むしろ今まで良く我慢しましたね」

 マジかよ.......エッチして良かったのかよ。良いと言われれば止まる必用など無い.......が。

 「誰とエッチしますか?」

 ロニエに問われる。誰とエッチするか?

 「ロニエですか? セレナですか? それとも.......」
 「ヒムートとする.......」
 「はいではしてきてください、ロニエは待っています、出来ますよね」
 「うん。できる」

 背中を押してくれるロニエに感謝する.......きっとロニエはわかっていたんだろう。こうなることが、全てロニエの計算通り.......な訳無いか。

 「ダーリン待って血が出ているわ、治してあげるわね」

 セレナが小さい手を後頭部に当てる。セレナの事を抱きしめる。

 「会いたかったよ.......セレナ.......」
 「ふふん。私を抱きたいのかしら?」
 「セレナを呼んでも来てくれないから心配したんだよ」
 「それは.......そうね.......許してくれるかしら?」
 「うん。セレナが何とも無いなら良いよ。愛してる」
 「あら、嬉しいわ、ロニエには言わなかったのにね」
 
 言われて、はて、とロニエを見るとニコニコしていた。そして分かった。

 「ロニエは常に愛しているから言う必用すら無いんだよ」
 「そうですね、ロニエも常にヒカル様を愛しているので言われなくても幸せです」
 「うん。でも言おうか、ロニエ大好き愛してる」
 「はい。ロニエもヒカル様を誰よりも愛しています」

 セレナを抱きしめていたらヒムートに抱きしめられた。モフッと。

 「王様今すぐしないならヒムートはしないです」
 「え?」
 「ヒムートはもう待たないんです。今すぐしますか? それとも三ヶ月待ちますか?」
 「行くすぐ行く、うんじゃあねロニエ、セレナ、1時間ぐらいしたら戻るから」

 セレナを投げ捨ててヒムートと急いで部屋にもどる。

 「だ、ダーリン!!」
 「セレナ.......止まっていたら、すぐにヒムートさんに取られますよ。ロニエは大丈夫ですがセレナさんは危ないと前に言いましたよね」
 「やられたわ、まさかダーリンに投げ捨てられるなんて!! あの子狙っていたわよ!」
 「ロニエは言いました。ヒムートさんは厄介と、セレナはもう過去の女ですね、ヒカル様の目にはヒムートさんしか映ってませんでしたよ」
 「ロニエだって同じじゃない! 焦りなさいよ!」
 「セレナ、ロニエが焦って無いように見えますか?」
 
 がたがたと小さく震えるロニエを見てセレナは驚愕する。

 「焦っているようね.......」
 「はい。焦りまくりです。どうやったらヒカル様とエッチせずにあんなに仲良くなれるんですか? ロニエはエッチしないと仲良くなれません」
 「お、落ち着きなさい! 大丈夫よダーリンはロニエの事を特別に思っているわよ」
 「その特別が無かったらロニエは既に泣いています.......ああ!! ヒカル様、わかってはいましたがロニエを選んほかったです」

 悲痛なロニエの叫びがこだましていることを光は知らない。

 「そんなに焦りまくりなのになんでダーリンとあの子を行かせたのよ!」
 「ヒカル様はきっと四日は帰ってきません、セレナさんは最大の力であの部屋の時間を進めてください! わかりますね」
 「なるほどね、ダーリンが飽きるまで抱かせるつもりね!」
 「はい。ヒカル様は勢いが強いですから、すぐにマンネリ化するでしょう.......、ロニエはヒムートさんの独壇場にはさせません!!」
 「流石ね.......私の時にロニエが敵に回らなくて良かったわ、これからも仲良くしましょうね」
 「良いですよ、セレナがヒカル様の三番目である限りロニエは協力を惜しみません」
 「待ちなさい! 私が1番でしょ?」

 ロニエはニヤリと笑って言う。

 「ロニエはヒカル様の目から誰をどれだけ愛しているかわかります」
 「何よそれ! 良いわね、それで今どうなのよ!」
 「先程まではロニエが1番でセレナさんがそれに追随して二番でした。しかし、今はヒムートさんがセレナさんの場所を奪い取りました。ヒカル様の愛は無限ではありません。奪われた愛は全てヒムートさんに乗りました、大きく引き離されていますよ、先程も投げられていたではありませんか、二番の時は何をしていても抱かれていませんでしたか?」

 「.......ロニエはどうなのよ」
 「ロニエは特別です。ヒカル様の1番最初の妻ですから.......あ互いに初めを交換しましたし。ヒカル様は常にロニエにメロメロです。.......ロニエがお願いしたらどんなことでもしてくれるでしょう..............でもロニエは特別に甘んじているだけでは満足しません。ロニエはヒカル様の絶対になります」

 決意を込めて見るのは王妃室今部屋で繰り広げられているているであろう事を思ってついつい口を開く。

 「.......ロニエがヒカル様の願いを全て叶えます.......必ず幸せになりましょうね」
 「ふふん。ロニエ、私を頼りなさいよ」
 「..............頼りないですね.......」
 「どういう意味よ!」

 ロニエはいつも光に向ける笑顔をセレナに向けた。

 「でもセレナはロニエの初めての友達です。大好きな親友です。信頼していますよ」

 その笑顔が眩しくてセレナは

 「何よそれ.......可愛いじゃない。いつもその顔をしていれば良いのよ」
 「そうですか.......ロニエはいつも変わらないと思いますが」
 「ふふん。全然違うわよ。それがロニエの本当の顔なのよね.......ダーリンと私にしか見せない顔なのね」

 全幅の信頼を寄せる相手にしか見せられない笑顔はロニエにとって意識している物じゃない。ロニエはいつも人に言い寄られていた為にいつも警戒するようになった。

 ロニエが笑わなくなったのは幼い頃だ.......それから光に会うまで一度として笑わ無かった。光に合ってからも他の人には一度して笑いかけなかった。だがセレナには.......

 「フフフ、セレナ、ヒムートさんに負けないようにしてくださいね」

 光に向ける笑顔を向けていた、ロニエの唯一無二の友であるから。

 「貴女幸せそうね.......」
 「そうですよ。ロニエは幸せなんです」
 「そう..............なら守らないといけないわね」
 「はい。必ず守ります」

 ロニエとセレナは..............


 さてと俺です天野光です。何か久しぶりな気がします。はい。
 まあ良いや。今はヒムートの服を剥いているところです。男共喜べ!
 はい。
 
 「王様は動かないでください」

 はい。こうね、言われたんです。今半年ぶりに発電しようかと言うところでね、こうねわかるよね......
 俺はね、ヒムートがエッチな奉仕をしてくれるのかと期待したわけですよ。ギンギンさせてね。そしたらね1時間放置です。びっくりです。ヒムートは俺をベッドに座らせた後、ずっと黙って本を読み出したのです。かなしかな。

 「ねぇヒムートエッチしないの?」
 「王様はヒムートとエッチしたいのですか?」
 「うん。めっちゃしたい」

 こうね囁きかけるようにね、言うわけですよ。しかし。

 「少し待ってください」

 とね言われました。
 またまた1時間経過しました。
 パタンとヒムートが本を閉じた! お! 遂に? と思ったら新しい本を取り出しました.......うん知ってた。そんな気がした。
 
 それからしばらくパラ..............パラとページをめくる音しかしなかった。けど本を読むヒムートを見てたら煩悩が消えていた。静寂の中ただ視線を一点に集中しているヒムートと二人きりでいるとがどれほど幸せなのかわかってしまったからだ。
 
 と、よこしまな気持ちが消えた頃。

 「王様」
 
 ヒムートが本を閉じて俺を呼んだ。

 「どうしたら子供が出来ますか?」
 「エッチして膣内に射精すれば良いんじゃないの?」

 正確なことを知っているわけじゃ無いが、コウノトリが運んで来るわけでも無いだろう。

 「それはもう何回もやりました.......でも出来ないです」
 
 うん。出来ない.......というか真面目に考えると.......

 「ヒムート.......そんなに子供産みたいの?」
 「産みたいです!」
 
 そう真面目に考えると、原因は一つしかない、というか実は最初から分かっていた.......気付かないふりをしていた。そもそもだロニエはともかくとしてあれだけ毎日セレナとエッチしているのに出来ないのはおかしい。セレナも実は気にしているし.......言わないけどお腹をさすったりしていることがある.......

 「そんなに産みたいの?」
 「産みたいです」

 どうやらヒムートの覚悟は強いらしい.......並ば俺も真実を告げる必要がある。

 「なら多分俺の精子じゃ無理だよ.......」
 「え?」

 そう原因があるのならそれは、俺の方だろう.......無精病.......そんな言葉があったような気がする.......
 だがしかし、そこまでヒムートが産みたいと言うなら方法はある。

 「方法その一、俺と別れて他の男と子作りする.......」
 
 これは仕方ない.......俺のせいだ。産みたいのに産めないなら別れるしかない.......。後でセレナにもそれとなく聞いておこう.......

 「方法その二、誰かに種をもらう.......アルラン当たりから貰おうか.......」

 子供ができる精子から子供を産む。定期的にアルランにヒムートとエッチしてもらえば出来るだろう.......嫌だけど.......まあ知り合いの中じゃアルランだろう.......イケメンだし.......ヘワタやノートンにヒムートと抱き合って欲しくないというのもあるが.......

 「馬鹿ぁ!!」

 と、ヒムートに本を投げ付けられた。後頭部に激突した。

 「王様の馬鹿ぁ」

 そのままヒムートが俺を抱きしめる.......
 俺に当たって落ちた本が開いていたので中が見えた.......文字は読めないが絵が書いてある。それは家族の絵だった.......お腹を膨らませた女のお腹を男が優しくさすっていた.......

 「ごめん.......ふざけた.......」
 「王様!! もういやです!! 二度と言わないで欲しいです」
 
 ヒムートの暖かい身体が俺を包む。

 「別れるなんて絶対に嫌です!! 王様に言われるのも嫌です!! もう二度と言わないで.......ヒムートは王様の子供しか産みたく無いですから.......」
 
 背中に手を回してさする。俺も本気で言った訳じゃない.......。

 「ならもう諦めてよ.......ヒムートの望みは叶わない.......ヒムートはきっと俺といる限り望みが叶うことは無い.......でも、それでもヒムートが俺を好きなら愛してるなら俺と一緒にいてよ」
 「嫌です!! ヒムートは諦めないです! 王様とヒムートの子供を産みたいです!」

 だからそれは.....................無理..............じゃない気がした。
 ピカンと閃いた。ぴらめいた! 古い? 知らない? ぴらめいた! 
 まあ良いや。

 「いや、ヒムートが産みたいなら産めるかもしれない.......」 
 「産みたいです!」
 「その前にヒムートエッチしたいんだけど」
 「それで産めますか?」
 「うん。なんとかする。ヒムートとエッチ出来たらなんとかする」
 「じゃあ! 沢山しましょう! 王様をヒムートが気持ち良くします」
 
 ヒムートが俺を信じてくれている、確証も聞かずに俺を信じてくれる。
 
 『ヒムートさんを信じてください』

 それで、ああなるほどと理解した。最初から問題は俺にあったようだ。ヒムートはきっとそれを知っていたんだ。だからずっと俺を待っていた。外をみながら俺を待っていた。何もしていなかった理由は何もすることが無かっただけだ。ロニエは俺とヒムートを閉じ込める前に言っていた。俺がヒムートを信じろと言っていた。

 キスをしようとしている。ヒムートの唇をかわして強く抱きしめる。

 「ヒムート。愛しているよ」
 「!?」
 「ああ、愛している.......大好きだよ、信じられる?」
 
 抱きしめているので顔は見えないけど確かにヒムートを感じる。

 「信じます! 王様の事を信じます!」
 「うん.......だったら俺も信じるよヒムートは俺を愛しているって、誰よりも俺を愛していてくれるって、ロニエやセレナと変わらない愛を俺にくれるって」

 ああ、足りないのは俺だ。ロニエは俺を変えることは出来ない.......ならどうするか俺を変られるヒムートを使った。ああ、だからロニエは何もしてくれなかった。この痛覚共有をコントロールするには俺が変わる必要があったのだから。

 「なら、誓おう。天野光は今ここに誓おう。俺の愛する妻の天野ヒムートに誓おう」

 言葉にするのは大切だ。思っているだけじゃ消えてしまう。だから言葉にする。

 「天野光は天野ヒムートの愛を信じると誓うよ.......」

 だからもう離さないと俺と離れた方が幸せなんて考えない。だって俺と居るのがヒムートにとっての幸せ何だから.......

 すっと何かが身体を抜けた気がした。それだけで頭がすっきりした。そして.......

 「あ! 王様!! 出来ます」
 「うん。今は良いよ。ヒムートとエッチする.......」
 
 俺はヒムートを抱いた。何回も抱いた。もっとと思っていたら。
 
 「王様.......やめてください!」
 「え?」
 「もう終わりです。ヒムートは戻ります。王様とヒムートの子供を作る方法が知りたいです! もうエッチはしました。戻ります」

 勝手に服を着はじめた.......まだまだこれからだったのに..............

 「王様! 子供が産めるようになったらいっぱいエッチしますから、もう終わりです」

 そして手を伸ばしてそういうヒムートの手をとって立ち上がる。

 「じゃあ出来るようになったら沢山抱いていい?」
 「はい! 王様とするのは好きです」

 ヒムートに手を引かれながら俺は決意を固める。
 扉の外に居るロニエを思いながら。

 外に出ると、ロニエが驚きの表情で迎えた。

 「ヒ、ヒカル様!? 随分と早かったですね.......」

 何だろう? 来ちゃいけないタイミングだったのかな?

 「ん? ロニエ何か隠してる? 俺と会えて喜ばないなんて変だよ」
 「!? そうですね.......ヒカル様と会えて喜びより先に驚きが来るなんてロニエは変です.......でもヒカル様.......まだ1時間程しか経っていませんよ」
 
 ああ、そうか、確かに俺はヒムートと数回エッチしてすぐに出てきたけど本当はもっとしたかった。それをロニエは言っているのか.......
 
 「うん。ヒムートがおしまいって言ったから途中でーーー」
 「ヒムートさん!! ヒカル様を拒んだのですか!! ヒカル様を満足させなかったのですか!! 許しませんよ!」

 と途中でロニエがヒムートにたいして声を荒げた。

 「ロニエ.......良いんだよ。怒らないで、怒ってるロニエはあまり好きじゃないよ.......笑っていてよ」
 「ヒカル様.......分かりました。ロニエがヒカル様の相手をします」
 「それダメ。ロニエは禁欲中でしょ?」
 「でもヒカル様が満足出来ないならロニエは!」

 そういうロニエを抱きしめて止める。

 「うん。その辺は後で良いや。今はあの子供の治療をしたいんだけど、セレナは?」
 「しばらく一人になると言っていました」
 「..............セレナ来て」
 「あらダーリンちょうど会いたかったわ」

 セレナは探す必要が無い。呼べば来る。俺はセレナを抱きしめてから。

 「何してたの?」
 「ダーリンが居ない間に私も三ヶ月過ごして居たのよ。これでダーリンは私を抱けるわよ、私もダーリンに早く抱かれたいわ」
 「!? セレナ.......謀りましたね、ロニエを出し抜くとはセレナもやりますね」
 
 ロニエが驚愕している。なるほど確かに俺とヒムートがエッチしている間に三ヶ月過ごして来るというアイデアは中々だ。
 今すぐ抱いてあげたい。けれども。

 「その前に、子供を治してあげよう。あれじゃあ痛いよ」
 「..............そうね.......ダーリン私を抱くわよね?」
 「ん? 抱くよ」
 「ダーリンは私を抱きたいわよね?」
 「ん? どうしたの? セレナの事を抱きたくない訳が無いじゃん」
 「過去の女じゃ無いわよね?」

 !? チラリとロニエを見ると、あからさまに顔を背けた。絶対にロニエがなんかした。セレナを煽った。

 「よし、セレナ分かった。今すぐ抱いてあげる。一杯抱いてあげる。ロニエに虐められても大丈夫だよ。俺はセレナが大好きだから」
 「ヒカル様!! ロニエは虐めてませんよ」
 「そうね.......ロニエは私の為に言ってくれたのよ.......ダーリン抱いて」

 ...............................................................耳元で涙目と涙声でそう囁かれたら理性が!!

 「王様!!」
 「っとそうだった。でもセレナを抱きたい.......いや子供を助けないと.......いやいや、ヒムートと約束を果たさないと.......ああああああ、ロニエどうにかして」
 「そうですね。ならセレナを抱きながら子供を助けましょう。ヒムートさんの約束とは何ですか?」
 「ああ、それね、ロニエ、ヒムートが子供産みたいんだって、なんとかして」

 ここに来てもロニエ頼みである.......

 「.......ヒカル様.......子供を先に治しましょう」
 「うん。分かった」
 
 まあ、ロニエ頼みであるけど。ロニエがそう話を逸らすだろうとは思っていた。
 ロニエは都合が悪いとすぐに話を逸らすからね。

 まぁ、やることは沢山あるのだ。一つ一つ片付けて行かないといけない。
 さてとセレナを抱く.......子供を助ける.......ヒムートの願いを叶える。取り敢えずこの三つだ。
 これに優先順位を.......

 「ヒカル様.......ロニエは.......」

 ロニエに袖を引かれた。一人で考えるなと言うことだろう.......なら。

 「ロニエ、ヒムートの願いが先だよ。子供を助けるよりヒムートの願いを叶えたい。セレナを抱くのも後だ」
 「.....................ロニエはヒカル様の子供を産みたくありません」

 ロニエが俺に懇願するように言う。

 「ダーリン.......少し強く抱きしめてくれるかしら?」
 「ん? 良いよ」

 セレナが何故かそうねだって来たので俺はセレナを強く抱きしめる。

 「ダーリンは私よりもその子の願いを叶えたいのね」
 「.......それは!」

 違うとは言えなかった.......だってそうなのだから。セレナはちゃんと禁欲はして俺とエッチをしようと言った。不安を押し殺してそういったはずだ。その不安を今すぐとってあげたい。それなのに俺はそれを選択しない。ヒムートの子供を産ませる方法をロニエに聞いている.......

 「ダーリンもっと強く抱きしめて」

 セレナを抱く力を強く強く強くする。

 「良いわよ.......ダーリン。私はダーリンが好きよ」
 「俺も好きだよ。行かないで」
 
 セレナが消えてしまう気がした。このままじゃセレナが.......そうなるくらいなら俺は!!
 俺は!! 俺は!!

 「俺はセレナが好きなのに.......」
 「そうね.......ダーリン、その気持ちはロニエも同じなのよ」
 「!?」

 そういわれて分かった。俺がロニエに何をお願いしているか.......

 「私はダーリンが好きよ。でももう、ロニエも好きなのよ、あんまり、いじめるのは良くないわ」
 「..............うん。ごめんロニエ」

 そうこれはそういうことだ。あきらかにロニエは子供の話を避けている。それはきっとロニエが踏み込んで欲しくない事だ。

 「..............ヒカル様は悪くありません。ロニエが悪いのです.......」
 「ロニエ.......ちょっと二人で話さない?」
 「.....................分かりました」
 「セレナ.......ヒムートごめん」

 セレナとヒムートに目で合図して二人きりにしてもらう。
 
 場所はロニエの部屋だ。
 心地の良い西日が部屋の中を射している。
 ピンクのカーテンが揺らぎ気持ちの良い風が吹き込む。そこにロニエが下を向いて落ち込んでいる。

 「ロニエ.......」
 「何ですか?」

 ロニエの返答に力が無い。

 「俺はロニエが一番好きだよ」
 「..............知っています。ロニエもヒカル様が一番好きです」

 前置きをしてから本題に入る。

 「ロニエ疲れてるでしょ?」
 「疲れてませんよ」

 がちょっと躊躇してしまいやめる。

 「ロニエ.......遠いいよ。抱きしめて良いかな?」
 「ダメです。ロニエは禁欲中です」
 
 最近ロニエを抱きしめてない。距離のあるロニエは少し悲しい。

 「ロニエは禁欲しないで良いや。エッチしたければ、エッチしようよ.......お願いロニエを感じさせてよ」
 「ロニエは.......!?」

 最後まで聞かずにロニエを抱き寄せた。そのまま胸を揉む。

 「駄目ですよ」
 「嫌だ。やめない」
 
 モミしだく。ドレスから胸を出して揉む。

 「ヒカル様.......ロニエにヒカル様を拒ませないでください」
 「なら拒まないでよ」

 頭を優しく押し返している。ロニエの胸をしゃぶる。入念にしゃぶる。

 「駄目です。ロニエはエッチしなくてもヒカル様のことが.......」
 「良いよ。建前はいらない。俺はロニエを犯したい」
 「駄目ですよ.......ヒカル様.......」

 首を抱き寄せて唇を奪う。ロニエの抵抗かロニエの感情が流れて来ない。

 「ロニエ.......大好き」
 「駄目です.......」

 ロニエの股間を触ってもう一度

 「大好き」
 「駄目です.......」

 ロニエにキスしてもう一度

 「大好き」
 「.......駄目です」

 ロニエの股間にぺニスを押し当てて

 「良いよね?」
 「..............ロニエのそこはヒカル様の物です..............我慢出来ませんか?」
 「ロニエだってもうトロトロになってるよ、やめていいの?」
 「禁欲はどうするのですか?」
 「キュンキュンしてるよ.......やめていいの? 入れてれて良いよね?」
 「駄目です.......」

 クチュクチュ、ドクンドクンとぺニスを通して俺に伝わるロニエが俺を求めていると伝わる。

 「なら無理矢理犯す」
 「駄目ですよ」
 「知らない!!」
 「!? ヒカル様ぁああ!」

 勢いでロニエに一気に奥まで入れた。俺のぺニスを離さないようにしている。

 「締め付けが凄いよ!」
 「.......ヒカル様ぁ」
 「うん。分かってるよ。沢山しよう.......」

 腰を振り俺の気持ち所を全力で味わう。それだけで

 「ひかるさまぁぁ..............ロニエはぁもうぅ!」

 ロニエが感じてくれる。俺も気持ちい。久しぶりのロニエの中だ堪能したいから限界まで堪える。
 ロニエの乱れる息を塞ぐようにキスをする。ロニエが舌を吸い付けて来る。

 ーーー.......大好きです! ヒカル様が大好きです! ヒカル様が大好きです!

 ついにロニエの心の声が漏れ出して来た。ロニエもフリフリして気持ち良さそうにしている。可愛い.......と油断したらついに! 

 びゅびゅーーーっ

 それに合わせてロニエがビクンとする。
 そしてほうけた顔で。

 「ヒカル様ぁ.......駄目です.......」
 「分かったよやめるよ」
 「!? 意地悪です.......ヒカル様は意地悪です」
 「何が駄目?」
 「抜いちゃ駄目です」
 「うん。沢山しよう。俺とロニエで我慢する方がおかしいよ。俺はロニエとエッチしたいんだよ」
 「ロニエもヒカル様とずっとエッチしたいです! 中に沢山だしてください!」

 ロニエが搾り取るように締め付けて来る。ああはロニエの頼みならいくらでも出してあげる。いやいくらでも出す。
 
 ロニエを何度も犯す。沢山犯す。時を忘れて犯す。ありったけ犯す。記憶が飛ぶまで犯す。倒れるまで犯す。

 白濁に沈むロニエがもう一度と求める。それに俺も答える。入れただけでイクような感覚だ。それでも入れる。そこにロニエが居るから、ロニエが大好きだから.......何度でも入れて出す。ロニエにキスしながら出す。ロニエを持ち上げながら出す。ロニエに出す。快感がもう普通になった頃......
 

 「ねぇロニエ、もう禁欲なんてしなくて良いよ」
 「そうですね.......ロニエとヒカル様の間で禁欲は要りませんね」
 「うん。だって俺、ロニエのエッチな所好きだもん」
 「ロニエもヒカル様のエッチな所が好きです」

 そう、俺はロニエのエッチな所が大好きだ、だから

 「ロニエには性欲処理をしてもらいたい」
 「はい。ロニエはヒカル様の性欲を満たしたいです。ヒカル様をエッチな目で見たいです」
 「うん。俺もロニエをエッチな目でみたい。というかさ俺とロニエでエッチしなかったら何するだって感じだよね」
 「そんなことはありませんが.......ヒカル様とまぐあう時がロニエにとって1番の幸せですよ」

 まあそういうことだ。ロニエを好きだイコール抱きたい。それで良い。

 「けどエッチしかしないのはやだよ」
 「ロニエはヒカル様とエッチしかしなくても良いですよ」
 「こら! .......ハハハ」

 楽しかった。ロニエがふざけたから。
 可愛いロニエ、俺のロニエ、俺の大事なロニエ、何よりも大事なロニエ。それがどんなときも俺の近くにいてくれる。

 「フフフ。大好きです.......永遠にお側に仕えます.......ヒカル様の1番であり続けます。大好きです」
 「うん。俺も永遠にロニエが大好きだよ」

 ロニエと俺の性欲は既に切っても切れない関係だ。今更それをどうにかしようなんて馬鹿だった。
 
 いつの間にかロニエが何時もの可愛いロニエに戻っていた。だから。


 「それで? 何を隠してるの?」

 ロニエを持ち上げて抱きしめながら尋ねる。

 「.......何のことですか?」
 
 キョトンと、まるで本当に何のことか分からないみたいに聞き返すロニエを見て溜め息。

 「ヒムートに子供が出来ない.......それってロニエが子供を欲しいと思わないからでしょ?」

 そう、あれだけエッチして出来ないなら俺の子種が悪い.......と最初は思った。だけど良く考えたら不要の能力であらゆる病気に掛からないんだから、無精病なんて悲しい病気? にも掛からないはずだ。だとしたらロニエの呪いが関係している。
 ロニエは俺の子供を産みたくない.......その思いを変えない限り.......

 「はぁ~~」

 と溜め息をつかれた。ロニエに。

 「え? ひどくない? 真面目に話してるのに」
 「ヒカル様、また一人で考えましたね、何故結論を出す前にロニエに相談しないのですか! 怒りますよ!」

 そんでむすーっとし始めた。

 「え? 違うの? ロニエが子供を産みたくないからじゃないの?」
 「ロニエはヒカル様の子供を確かに産みたくありませんよ。子供にヒカル様を取られるのが目に見えてるので嫌です。それにヒムートさんが子供が出来ないのにロニエの呪いが関係している可能性は極めて低いです! 何をどう考えたらロニエのせいなるんですか? ロニエを黒幕化しようとし過ぎです」

 目が点になる。
 確かにそうだ。一人で考え結論を出していた。

 「いやなら何で、さっき子供を先に助けようとか言ったの? 」

 そう、それでロニエが黒幕だと確信に至ったのだ。話をそらすロニエが何かを隠していると思って。

 「普通にヒムートさんの不妊を解決するより子供を助けた方が速いじゃないですか、不妊はすぐには治りませんよ、いくらロニエでもいますぐヒムートさんの不妊を治せる訳が無いじゃないですか」
 「うん。そうだね。そうだよ!」

 馬鹿か俺は、そうだよ! その通りだよ! 子供を助けるのは簡単だ。セレナが魔法で治している間、俺が痛みを引き受ければ良い。
 それに対してヒムートの不妊を解消するには最低でも二週間はかかる。ならばまず子供を治そうとするのは当然だ。
 
 「じゃああの意味深な顔は?」
 「?? 何ですか? ロニエはどうしたら良いのか考えていただけですが?」

 ストライク!

 「じゃあ、何でロニエは子供を産みたくないとか言ったの?」
 「ヒカル様がロニエも子供を産んで欲しそうな顔をしていたからです。まあヒカル様の説によると確かにロニエが子供を産もうとしなければいけませんね」

 ツゥーストライク!

 「じゃあじゃあ、ロニエの呪いと関係ある可能性が低い理由は!」
 「は? まさかヒカル様気づいていないのですか?」
 「ん? 何に?」
 「セレナが既に授かっていますよ」
 「!!」

 スリーストライク!! バッターアウト!!
 
 いやいや、ふざけている場合じゃない。今とんでもないことを聞いた気がした。

 「え、え、え、セレナ来るんだ!!」
 「ダーリン.......!! どうしたのよ? 慌てなくても良いわよ」

 取り敢えず転移してきたセレナの服を剥ごうとする。

 「ヒカル様落ち着いてください! まだまだ初期です見た目で分かる時期ではありません」
 「..............ロニエ!!」
 「大丈夫です、ロニエいます。落ち着いてください」
 「な、何なのよ!」

 取り敢えず思考が戻るまでに2時間かかった。

 「まず確認するよ。セレナが妊娠してるって本当?」

 対面に座るセレナに聞く。

 「そうね、本当よ。可愛い子を産むわ! 第一子よ」
 
 おお! 落ち着け落ち着け、大丈夫、

 「よっしゃああああああ!!」
 「どうしたのよ!」

 取り敢えず腹のそこから叫んでおいてセレナを抱きしめる。

 「ありがとうセレナ.......ありがとう」
 「何よ急に.......感謝何てしなくて良いのよ。ダーリンの子供を産むのは私の望なのよ」
 「それでもありがとうセレナ、嬉しい..............大好き」

 力強くけれど優しくセレナを抱く。まさかである。遂にである。俺の子供が生まれる.......まだ速いけど。

 「..............というかさ。セレナ、出来たんなら言おうよ、知らなかったんだけども」
 「そんなにダーリンが喜ぶとは思わなかったのよ、私の子供を下ろせって言われたら嫌じゃない!」
 「言わないよ! その娼婦の考えやめようよ! 普通に嬉しいよ」
 「ダーリンは私のことを愛しているけれど、子供まで愛してくれるかはわからないじゃない!」
 「分かったから、大声出しちゃ駄目だよ、赤ちゃんがびっくりしちゃうから」
 
 よし、生まれるまでセレナは絶対安静だ。
 暖かくした方が良いよな? 布団をかけてあげよう。
 
 「ほらセレナ浮いてないで布団に入って安静にしないと」
 「..............分かったわ」

 セレナをねせてあげる。

 「名前はどうしよう?」
 「今すぐ決めなくても大丈夫ですよ。まだ半年以上先の話ですから」
 
 半年は長いようで短い.......すぐ来ちゃう.......

 「ヒカル様まだ大丈夫ですよ。それよりセレナの容態が安定している間に子供を治してあげましょう」
 「そうだった.......でも、セレナやれそう?」
 「余裕よ! 私に任せなさい!」
 
 
 
 
 
 
 
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 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

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社長の奴隷

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【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

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