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三章 ハーレム編

七十七 本当の気持ちだよね。

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 石の天井と石の壁、そこは俺とロニエが一緒に初めて暮らした場所。
 ここにヒムートを連れてきた訳は.......まあよくわからない。
 ヒムートは城に戻りたいと言う。俺はそれが嫌だ。
 
 「ただのわがままだね。ヒムートに俺を好きでいてもらいたかっただけか.......」

 その場に居る全員が沈黙してる中、俺はそう呟いた。
 居心地を悪そうにしているヒムートを見る。体育座りで長いドレスが土で汚れてしまっていた。まあ俺が担いでここまで走ったからだけど。

 「取り敢えずイリア達は2階を見てきて」
 
 イリアに視線を送って言うと、イリアは素直に従った。アルランもロリコン.......元ヒースランド王も赤魔女もそれに追従した。
 四人だけとなった部屋で俺は.......

 「ヒムートに会いたかっただけだったのに.......なんでこんな事になってるんだろうな」
 「ヒカル様.......」

 俺を心配してくれるロニエを抱くこともしないままただ時だけが過ぎた。

 「いい加減にしなさいよ!!」

 沈黙を破ったのはセレナだった。セレナはヒムートをバシッと指指し言った。

 「ダーリンを今でも好きなんでしょう!! 見てれば分かるわよ」

 そう言った。
 セレナは次に俺に抱き着こうとしたのでひょいと避ける。

 「なんで避けるのよ!!」
 「何と無く」

 重い空気が俺の口を閉ざさせる。話したいことが沢山あった。話すべき事が沢山あった。聞きたい事も沢山あった。でも口が開かない。心細そうに俺と視線を合わせてクレナイヒムートを見てると何も言えなくなる。

 「ヒムートは帰りたいんだっけ?」
 「.......帰ってクルックル様の容態を見なければ行けません」

 嫉妬に燃えすらしなかった.......もうヒムートの心は俺に無いから。

 「そうか.......そうだよね。よし分かった。じゃあそうしようか」
 「っーー!?」

 ビクンと反応したヒムートが初めて顔をあげた。その目には大量の涙が浮かんでいた。

 「なんかさヒムートと話したかったけどもう良く分からなくなっちゃった。だから.......帰りたいなら帰って良いよ。無理矢理連れて来ちゃったけど。ロニエもそれで良いよね」
 「はい。ヒカル様がその方が良いと思うならそれで良いと思います」
 「よし.......それじゃあそうしよう」

 心にもやもやした物があるが仕方ない。そういう事もある。時間が解決してくれる訳じゃないし。

 「じゃあ行こうか、城の近くまで送るよ、セレナ、変装とかできる?」
 「もちろんよ」

 ヒムートに手を伸ばして立ち上がらせようとしたら、またビクンとされた。

 「えっと。俺そんなに怖い?」
 「.......」

 答えてくれなかった。まあさっきから何度も怖がられているし、怖いのだろう。そりゃ無理矢理拉致して来たからしかない.......か。

 「というか、俺の事嫌いになった?」
 「.......」

 これにも答えてくれなかった。相当嫌われてるのかも知れない。まあそれだけの事はあったから仕方ないか。

 「そうだ、 忘れてた。ヒムート俺の事殴って」
 「ヒカル様.......」

 かつてロニエと決めた事だ。嫌いになって離婚したい時は俺を殴ると決めた。

 「まあ、天野流のお別れみたいな物だよ。気楽にね」
 「.......」

 ヒムートは動こうとせず、石の壁に背を預けてただ涙を流し続けた。
 仕方ないのでヒムートに近付いて手をとる。またビクンとされたが仕方ない。

 「体は成長したけど手は小さいままだね」
 「!?」

 ヒムートの人差し指を優しく内に倒す。

 「まあ色々あったけど俺はヒムートに会えてよかったよ」

 ヒムートの中指を倒す。

 「ロニエやセレナもそうだったと思う。楽しそうにしてたしね」

 薬指も倒す。そして小指も倒す。

 「ありがとう。ヒムート俺を幸せにしてくて」

 親指も優しく倒した。拳になったヒムートの手を包み込むように握る。小さい手だ。そして氷にの様に冷たい。

 「そしてごめんね。こんな駄目な俺と結婚させちゃって」

 やっぱりあの時ヒムートが俺に告白したときにちゃんともう少し待つんだった。
 震える手で俺の胸にヒムートの拳をぶつける。

 それをロニエが止めた。

 「それは違いますよ。ヒカル様はまだヒムートさんと結婚なんてしてませんよ」
 「!?」
 「ヒムートさんもしっているのでしょう? 見ていましたよね。セレナさんの時を」
 
 喋らないヒムートはただ泣いていた。

 「だからヒカル様それは必要ありません。ヒカル様はヒムートさんを一度も抱いてはいないのですから」
 「そうだけど.......一応」
 「必要ありません」

 言い切られた。まあ必要無いなら良いか。

 「ヒムート、よかったね。まだ結婚してなかったって。クルックルがヒムートの初めての旦那さんだよ。ああ、そう考えると俺マジで邪魔だけじゃん」
 「そうですね。結婚を邪魔されたらロニエは悲しくて泣いてします」
 「ああ、だからヒムートずっと泣いているのか、早く戻してあげないとね」
 「そうですね。そうしましょう」

 俺の涙はとうに枯れた。

 「なら、友人としてヒムートを城に送るよ」
 
 そう言ってヒムートを背負った。

 「セレナよろしく」
 「任せなさい」

 俺はそのまま城へと向かった。ゆっくりとした足取りだが確実に城へと近付いて行く。
 沈黙が続いたが多分本当の最後だろう。ヒムートはお姫様で俺は大罪人だ。
 だからか言葉でた。ヒムートを妻と思って居たときには出なかった言葉が出た。

 「ロニエとね約束したんだ。俺と結婚する人は皆幸せにするって.......だからねよかったよ。ヒムートが俺と結婚してなくて、今ヒムート幸せじゃないもんね。俺にヒムートを幸せにする資格なんて無かったんだよ」
 
 答えないヒムートに話しつづける。

 「でも羨ましいな。クルックルはこんなに綺麗で可愛くなったヒムートに愛して貰えるなんてね」

 城が近付いて来た。

 「ここまでにしとくよ」

 ヒムートを降ろして背中を押した。

 「ほら行きな、あそこがヒムートの帰る場所だよ」

 背中を押しても動かないヒムートをどうしようかと思う。
 
 「じゃあ俺達は行くから.......帰るんだよ」
 「そう.......じゃあね。ヒムート・ゼントブルク様」
 「ヒムートさん縁があったらまた会いましょう」

 背中を向けて歩き出す。セレナとロニエと共に歩き出す。ここでヒムートとの道は違えた。
 足が止まった。

 「また、やっぱり嫌だですか?」
 「嫌だけど.......違うよこれは」

 そう違う。だって

 「ダーリンを放しなさい! 銀髪馬鹿」

 そう俺の服を掴んで止めたのはヒムートだったから。
 
 「おうさまぁ~。行かないで~」

 ヒムートが遂に口を開いた。行かないでと開いた。だったら俺は。

 「うん。行かない」

 それを受け入れる。理由は必要ないヒムートがそう願ったのならそうしよう。

 「ううぅ.......ずっと.......待ってました.......王様を.......ずっと待ってました」
 「うん。ごめん」
 「王様と.......結婚したかったです.......ずっと王様のお嫁様になりたかったです」

 過去形、それがヒムートの言葉だ。

 「でも、ヒムートは成長してしまいました。大きくなってしまいました」
 「ん?」
 「だからもうヒムートは王様のお嫁様にはなれないです.......ううぅ.......ううう」

 ん? なんで成長するとなれないんだ?

 「クルックル様にも沢山良くしてもらったからもう.......もう断れません」
 「ん?」

 んん? 良くして貰ったら断れないの?

 「だから王様。大きいヒムートに最後に子供をください」
 「ん? ちょっと待って」

 よくわからない。子供をください? え? 子供? あげる? 

 「ロニエ、ヒムート何言ってるの?」
 「そうですね。ヒムートさんは『最後にエッチして』と言っています」
 「いやいや、これから嫁に行く子を抱く訳には.......いやいや、そもそもいきなりどうしたんだよ」

 頭が追いつかない。

 「いきなりではありませんよ。ずっとヒムートさんは、言っていましたよ。ヒカル様の子供が欲しいと、ヒカル様のお嫁様になりたいと、言っていたではありませんか」
 「そうだけど.......」

 そういえばヒムートは結婚してから.......いやしてないけど、まさか。

 「ヒムートは天野流の結婚がしたかったの?」
 「セレナちゃんだけずるいです。ヒムートも王様と結婚したかったのに.......でもヒムートは大きくなってしまいました」
 「大きくなったらいけないの?」
 「王様は小さくないと愛してくれない.......」
 
 ちらりとロニエを見る。ロニエの背は俺の腰ぐらいだ。セレナを見ても、地面にたったら俺の股間に口がちょうど来るくらいだ。つまりロリだ。そしてヒムートは俺の胸ぐらいだ。うん。流石にロリじゃない。

 「ヒムート.......それ本気で言ってるの?」
 「王様は大きくないと愛してくれないもん」
 「流石にそこまでロリコンじゃないよ!!」

 つい大声で叫んでしまった。兵士に見つかった。

 「ロニエがどうなろうと俺はロニエを愛せる。たとえ成長して大きくなろうがおばさんになろうが関係ない」
 「おばさんにはなりません。ロニエは決しておばさんにはなりません!! ヒムートの理想であり続けます」

 ロニエが五月蝿い。今はほっとこう。

 「俺はセレナが......」
 「何よ!! 何かに例えなさいよ!」
 「うん。こうして五月蝿くても愛してる」
 
 セレナ何だろう、ずっと子供みたいな感じだ。

 「だからヒムートが俺を選んでくれるなら、どんなヒムートだろうと愛して見せる。背の高さとか見た目とか関係ないんだよ」

 何と無く本当に何と無くヒムートを抱きしめた。

 「ほら、ヒムートを抱くとこんなに興奮する」
 「王様!!」

 アレが途端に大きくなったのにヒムートが気づいた。

 「それにヒムートは綺麗になったんだよ。男だったら誰もがヒムートとエッチしたいぐらいにヒムートは綺麗になったんだよ」
 「王様はヒムートの事まだ愛してくれていますか?」
 「うん。愛してる。ほら体がヒムートを求めてる」

 強くヒムートを抱きしめる。

 「なら結婚してくれますか?」
 「だからそれは俺の台詞だよ。結婚してよヒムート。俺は結婚しない人を抱きたくはならないから」
 「ヒムートを置いて行きませんか?」
 「うん。もう絶対置いてかない。三年も放置しない。だから俺と結婚してよ」

 何度目だろう。ヒムートにプロポーズするのは前はヒムートがしてたのに今度は俺が何度もしてる。

 「王様ぁ。ヒムートはずっと王様と結婚.......」
 「姫!!」

 クルックルがいた。いつの間にか大量の兵士に囲まれている。

 「世と結婚するのだろう? 早くそいつから離れて世の元に来い」
 「クルックル様.......」

 ヒムートはクルックルを力無く見た。クルックルの容貌は焼けただれて腫れ上がっていた。少し前に見たあの優しそうなカオツキデは無くなっていた。

 「この!! まだヒカル様を邪魔しますか!! セレナさん!」
 「任せなさい! 燃えなさい」
 「ロニエ!! セレナ!! 辞めて」
 「「嫌よ(です)」」

 ぼうぼうに燃え盛るクルックルは苦痛を浮かべながら一歩前に足を踏み出した。

 「姫!! 世は姫を離さないぞ。そいつみたいにいなくなりはしないぞ! 姫と共に成長するぞ!! 姫だけを愛してやるぞ!」

 そう言った。

 「何を! 貴方がしてきた事を私が知らないとでも思っているんですか!!」
 「世は!! もうそんなことはしない! 世は姫にあって変わった! 世は姫を愛してる!! 姫を泣かせていたお前には姫は渡せん!! 姫よまた悲しむ事になるぞ! 世は姫を悲しませないぞ! 世と結婚してくれるのだろう」

 また一歩近付いた。熱い筈なのにいたい筈なのに、それでもヒムートを愛すると言った。
 きっとクルックルはヒムートを本気で愛してるんだろう。それどころか俺がいない間、ヒムートを支えていてくれたのかも知れない。
 だから、俺はクルックルを認めた。

 「ロニエ、セレナ。俺は今のクルックルならヒムートを幸せに出来ると思う。だから申し訳辞めて、怒りを鎮めて、ヒムートの愛した人を殺さないで」
 「..............ヒカル様は優し過ぎます」
 「そうね、でもダーリンのお願いならそうするわ」
 
 セレナがクルックルを燃やすのを辞めた。ロニエももうしないだろう。今何かすれば俺は悲しくなる。それをロニエはしない。

 「セレナ。クルックルを治して」
 「.......それは嫌よ!! それだけは嫌よ!!」
 「お願い.......」
 「.......分かったわよ」

 セレナがクルックルを治す。クルックルの肌が健康になっていった。

 「クルックル.......ヒムートを愛しているんだな」
 「ああ、世は貴様よりも姫を愛している」

 俺の愛は分割されてるしそうかもしれない。

 「クルックルじゃあ、ヒムートに選んでもらおう。それでお互い納得しよう」
 「良いだろう! 世は世と結婚してくれると言った姫を信じる」

 俺はヒムートを放して距離をとった。五歩ほど、この距離はクルックルとヒムートの距離と同じだ。

 「ヒムート。分かるよね。ヒムートが選ぶんだよ」
 「.......王様ぁ.......クルックル様」

 キョロキョロと何度も迷うヒムート。

 「ふふん。ダーリン以外を愛してる時点で、ダーリンの妻になる資格は無いわよ」
 「それはセレナとロニエだけです。ヒムートさんは一度もヒカル様だけを愛するとは誓っていません」
 「.......まあ良いわよ。私はダーリンしか愛さないからね」
 「ロニエもヒカル様だけしか愛せません」

 なんかセレナとロニエが言っているが無視する。

 「ヒムート。俺はヒムートだけを愛さない。ロニエが一番大事だし、セレナだっていないともう駄目になっちゃったんだ。だからきっとクルックルの方がヒムートを幸せに出来るのかもしれない」
 「そうですね.......ロニエは訂正します。クルックル.......さんは、ヒムートさんを愛しています。けして一年以内に悲惨な死を迎える事も無いでしょう。それにヒカル様にはロニエがいます。セレナさんもいます。ヒムートさんはまた悲しい思いもするでしょう。辛い思いもするでしょう。ヒカル様と結婚しないほうが幸せになれるでしょう」
 「ふふん。貴女はもう要らないのよ、ダーリンは私を貴女以上に愛してくれたわよ」
 
 まあそういうことだ。もうセレナが居ないと駄目なくらいにはセレナを愛している。毎日エッチしたいと思っている。何度も俺を近くで守り続けてくれたセレナを俺は愛している。

 「我は姫だけしか愛さないぞ! 他の妃は取らない! 姫だけを抱く。姫を満足させてやる!」
 「もちろん俺はセレナを抱く。ロニエも抱く。ヒムートも抱くけどね、今セレナの体に夢中だからヒムートを満足させてあげられないかもね」
 「ふふん。私の勝ちよ」

 セレナがロニエに胸をはっている。

 「今だけはまって居るんです。ロニエの体は嵌まる嵌まらない以前の話です。勝ち誇らないでください」
 「うん。ロニエは別格だよ。毎日どころかどんな時も抱くもん」
 「フフフ。良いですよ。ロニエもどんな時もヒカル様に見を委ねます」

 あれ? 何の話をしてるんだろう。確かヒムートに選んでもらおうとしてたのに.......

 「まあ良いや。まあ天野家はそんな感じたよ。どう考えてもゼントブルク家の方が良いね。うん。だから本当にもう止めはしない。ヒムートが結婚したい方を選べば良い」
 
 男二人から告白されるヒムートのモテぶりだ。というかノートンもアルランも告白してるし二人所の騒ぎじゃない。

 「別にどっちも願い下げだって言うなら..............そうか」

 ヒムートはクルックルの手をとった。悔いは無い。ヒムートは必ず幸せになれる。男らしくこれ以上ごねる事はし無い。

 「結局.......その程度なのね」
 「.......そうですか。ヒカル様行きましょう。ロニエが慰めてあげます」
 「あ! 狡いわよ! 私がダーリンを慰めるのよ!」
 「ヒカル様はどっちに慰めてもらいたいですか?」
 「ん? んー。セレナかな。ロニエとは愛し合いたい」
 「そうですか.......。ならヒムートさんに任せます」
 「ふふん。当たり前じゃない! 私に任せなさい!」

 とか言ってセレナが飛びついてきたから避ける。

 「まあ、ロニエが居るから俺は落ち込んで無いけどね」
 「フフフ。ヒカル様帰りましょうか」
 「待ちなさいよ!!」

 そう、そこまで凹んでない。ヒムートは幸せになれるはずだ。だから凹んでない。

 「何故だ!!」

 が。クルックルが叫んだので足を止めた。

 「私はクルックル様の事を愛してません!!」
 「世と結婚したいと言ったではないか!」

 なんか揉めてる。どうしよう。帰って良いのかな?

 「申し訳ありません。国を守りたかっただけです」
 「そんな! 世を嫌いなのか?」
 「嫌いでは無いです。でも好きでもないです」
 「な!」

 なんか聞き覚えのある台詞が聞こえた。ヒムートを振った時の俺の台詞だ。

 「クルックル様に抱かれたく無いです。私は光様の子供を産みたいんです!!」
 「嘘だ! 嘘だ!!」

 ヒムートはクルックルを辛辣に振っていた。そして今度は俺の方に走ってきた。

 「王様~結婚してくれる~大きくても結婚してくれる~」
 「ん? ヒムート良いの?」
 「ヒムート・ヒースランドです」

 名乗った。ヒムートが名乗った。

 「私を王様のお嫁様にしてください!!」
 「いや.......だから俺が結婚しようって頼んだんだけど?」
 「王様の子供をください~」

 駄目だ。話が出来ない。

 「ふふん。仕方ないわね。私に任せなさい」

 セレナがそう言ってヒムートに何かをした。

 「は! また私はまた.......光様、ヒムートはヒカル様と結婚します」
 「おお。会話になった。セレナ何したの?」
 「ちょっと冷静になるようにしてあげたのよ」

 そんな事まで出来るのか.......

 「ずっと光様を待ってました。でもセレナちゃんがセントラルを滅亡させたと聞いて光様はもうこの世に居ないと思いました。そんな時、クルックル様が何度も私に求婚をしてくれました。そして反乱で天野王国を守れなかった時、私はクルックル様と結婚して力をつけようと思いました。光様に託された国を守るために」

 そうか.......だからヒムートはクルックルと結婚しようとしてたのか。

 「でもセレナちゃんがヒカル様は生きてると教えてくれて、嬉しくて会いに行きたかったのですが私は成長してしまったから.......。本当はクルックル様に体を触られるのも嫌でした。クルックル様が光様の部屋で眠るのも、光様の椅子に座るのも嫌でした」
 
 ヒムートの本音が漏れる。

 「ちょっと効き過ぎたみたいね」

 どうやらセレナの仕業みたいだ。

 「光様が来てくれてヒムートに結婚しようと言ってくれた時、本当は涙が出るほどうれしかっです、光様に抱き上げられた時、心臓が止まるほど幸せでした。離れたい無いです。光様と離れたくないです。光様! ヒムートはクルックル様なんかと結婚したくなんて無いです。光様が.......光様ぁあああ」

 涙腺と感情を崩壊させるヒムートを抱きしめた。
 ここまで、ヒムートが気持ちを教えてくれた、ならば俺はもう一度ヒムートに言う。

 「ヒムート結婚しよう」
 「王様~。大好きです」
 「あ! 何してるのよ! ダーリンが触ったら折角の魔法がーーー」
 「王様のお嫁様にしてください!!」
 「ダメ見たいね」

 どうやらセレナの魔法の効力が切れたようだ。

 「うん。帰ってすぐにしてあげる」
 「いまー。王様~。ヒムートは今が良いです~」
 「え?」
 「王様の子供が欲しいです」

 今って今? でもこれヒムート普通の状態じゃ無いんだよな。

 「セレナもう一回」
 「もう無駄よ。ダーリンにメロメロ過ぎてどうしようも無いわ」
 「でもそんな状態じゃ結婚出来ないよ」
 「良いのではありませんか? どうせヒムートさんはヒカル様と正常な状態でまぐわる事は出来ませんよ」
 「王様~ずっとこの時を待ってました」

 どうなんだろう? 良いのかな? ヒムートを犯しちゃって。

 「いや駄目だ。アジトに帰ってからじっくりと楽しむ。セレナ。ロニエ。急いで帰ろう」
 「まあそれでもいいわ」
 「はい」

 よし天野流の結婚をヒムートとしないといけない。

 「姫よ! 行かないでくれ」
 「王様~ヒムートは王様のーーー」
 「姫!! くそ!! 兵士達姫を救い出すのだ!!」
 「おい! そりゃあ男らしくないよ。クルックル見損なった」

 折角認めたのに.......

 「ダーリン。無茶はしないからここは私に任せてくれないかしら?」
 「.......傷一つおったら許さないよ」
 「大丈夫よ。それより私をちゃんと呼んでからにするのよ」
 「うん。じゃあ任せた」
 「ふふん。任されたわ」

 セレナなら大丈夫だろう。

 「セレナさん」
 「任せなさい」
 「フフフ。流石です。セレナさんお願いします」

 なんかロニエがへら~と笑っていたが今は良いだろう。
 セレナを残してアジトに走った。
 

 
 


 
 

 

 
 →→→→→→→コメント

 「俺は!! そこまでロリコンじゃね~よ!!」
 「いえいえ。ヒカル様はロリコンさんですよ。誇ってください。例えば......」

テイク2 ロリコンの場合

 「でも、ヒムートは成長してしまいました。大きくなってしまいました」
 「ん?」
 「だからもうヒムートは王様のお嫁様にはなれないです.......ううぅ.......ううう」
 「ああ。成長したヒムートには興味無いよ」
 ガーン!!

 「こんな感じですかね
 「いや......流石に無いよ」


 ヒムート編もうちょっとだけ続きます。

 個人的に此処のヒムートと光の思いが通じる場面とセレナ編のセレナが光に選ばれて抱かれる場面の挿絵が欲しい。
 因みに五十万文字突発しました。本当に毎回読んでくれている読者様や此処まで読んでくれている読者様。感謝です。
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