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野球勝負‼ その2
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野球勝負‼ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートによる新人アイドルたちへの枕営業の強要。
欠本ユートは、この悪事を世間に公表する条件として、野球勝負を提案してきた。
俺たちの野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』が、大手芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に勝利することができれば、欠本ユートは自らの悪行を世間に告白する。
しかし、俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーがプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に敗北した場合は、『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバー全員が欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』しなければならないのだ。
実力差があまりにも大きすぎる、この試合、おそらく誰もが『下半身ムラ村田イガーズ』に勝目がないと言うだろう。
しかし、依頼人である秋田さんや、秋田さんの娘、そして実は水虫だった『勃起佐賀69』のメンバー・瀬戸内あんちくしょうや、欠本のせいで心に一生消えない傷を負ったアイドルたちの無念を晴らすために、この野球勝負、絶対に負けるわけにはいかない。
竹田が学生寮から持ってきた資料、美少女野球作品の漫画やDVDから、野球の知識を得た俺たちは、次に、試合に必要不可欠な部員の補充を開始した。
俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーは現在、俺と竹田と部長と副部長とヨシノの、わずか5人。
試合に必要な人数は、あと4人。
『中絶ドラグーンズ』との野球勝負まで、あと一週間。
ぜってぇに負けらんねぇ戦いがここにあンだわ。
俺はまず、メンバー補充のために、近所の人達から得た情報を元に、都内の土手に向かう。
俺は、都内の土手でホームレス生活をしているらしい元PGS(パブリックガーディアンズ)のメンバーである霧島カイトに話しかける。
そう、霧島カイトは以前、ユメちゃんの一件の際に、俺の断罪剣ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカーにより、超能力を失い、超能力者たちで構成されたPGSを退職してしまったのだ。
それに加え、モンスターエリアからのパブリックモンスターたちの人間社会への移民である、就職難は避けられないのだ。
「やぁ!カイト君!元気?」
「お前は山神ムサシ!いったい誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!」
俺にキレ散らかすカイトの周りには白いアヒルが歩いている。
「悔しい...ですよね...?」
「ンめっちゃくっちゃ悔しい...って、やかましいわァッ‼こっちは高校生と漫才してる暇はないんだ!どっか言ってくれ‼」
「カイトさん、僕は土手に漫才しに来たんじゃないんです!ヨシノから聞きました、カイトさんは学生時代、野球部だったって!」
「それがどうしたんだ!」
俺は、カイトに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほどな...それで、僕の力が必要なわけか、面白い!...元PGSの隊員として、アイドルファンとして、世の中の不正を見過ごすわけにはいかない!力になろう!」
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』に元PGSの霧島カイトが加わった。
次に俺はPGSの本部に入る。
いつかのダンス大会の一件で俺の安全性のアピールに成功したおかげか、PGSのスタッフたちは皆、俺にフレンドリーだった。
俺はPGSの本部にあるジムで腕立て伏せをしている、大地の断罪剣士・工藤リンカに話しかける。
「野球、やんね?」
「なんだ藪から棒に、ケンカ売ってるんですか?」
俺が死の断罪剣である漆黒のライフセイバーの黒いパブリックブレイカーで切断した、リンカの腕には義手が付いていた。
「お前、よかったな、その義手」
「PGSの医療技術を舐めないでください、リハビリが終われば、私は戦線に復帰できます、それよりとっとと用件を言ってください、目ざわりです」
俺は工藤リンカに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほど...それで、私の力が必要なわけですね、まぁ、PGSの隊員として、アイドルファンの1人として、世の中の不正を見過ごすわけにはいきませんからね、力になりますよ」
さすが、アイドルユニット『アスベスト』のアイドルイベントにカイトと共に参加していただけのことはある。
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』にPGSで大地の断罪剣士・工藤リンカが加わった。
試合に必要なメンバーはあと二人。
俺はリンカともに、PGS本部のロビーで待っててもらったカイトと合流する。
久々の再開にもかかわらず、リンカがカイトを煽る。
「久しぶりですね、霧島カイトさん、PGS退職からの路上生活...悔しい...ですよね...?」「貴様ァ‼」
「なにするんですか!やめてください!二人ともケンカしないでくださいよ!それでお二人に聞きたいことがあります‼」
「なんだ?」
「なんですか?」
「雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所です!」
「混沌の断罪剣士...?ああ、モンスターエリアでフューラーと共に、存在が確認された断罪剣士の少女のことか、すっかり忘れてたよ...」
「カイトさんはもう、PGSのメンバーじゃないので、別に覚えている必要ないですよね...」
「貴様ァ!」
「なにするんですか!やめてください!ちょっと二人とも、ケンカしないでくださいよ!」リンカが携帯片手に、雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所を説明し始める。
「噂によれば、どうやら奴ら、最近ここによく出没するらしい」
リンカが俺に見せた携帯の画面には、白いローブを身にまとった仮面の男と、美少女が肩を並べて釣り堀で釣りをしている姿を写っていた。
「とても、PGSと冷戦状態にある反政府組織のメンバーとは思えんな、これでは...」
カイトの指摘に、俺とリンカは同意せざるおえない。
俺たち3人はPGSの本部を出て、反政府組織の中核である雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の少女がよく出没する釣り堀に向かった。
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
次回予告 野球勝負‼ その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートによる新人アイドルたちへの枕営業の強要。
欠本ユートは、この悪事を世間に公表する条件として、野球勝負を提案してきた。
俺たちの野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』が、大手芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に勝利することができれば、欠本ユートは自らの悪行を世間に告白する。
しかし、俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーがプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に敗北した場合は、『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバー全員が欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』しなければならないのだ。
実力差があまりにも大きすぎる、この試合、おそらく誰もが『下半身ムラ村田イガーズ』に勝目がないと言うだろう。
しかし、依頼人である秋田さんや、秋田さんの娘、そして実は水虫だった『勃起佐賀69』のメンバー・瀬戸内あんちくしょうや、欠本のせいで心に一生消えない傷を負ったアイドルたちの無念を晴らすために、この野球勝負、絶対に負けるわけにはいかない。
竹田が学生寮から持ってきた資料、美少女野球作品の漫画やDVDから、野球の知識を得た俺たちは、次に、試合に必要不可欠な部員の補充を開始した。
俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーは現在、俺と竹田と部長と副部長とヨシノの、わずか5人。
試合に必要な人数は、あと4人。
『中絶ドラグーンズ』との野球勝負まで、あと一週間。
ぜってぇに負けらんねぇ戦いがここにあンだわ。
俺はまず、メンバー補充のために、近所の人達から得た情報を元に、都内の土手に向かう。
俺は、都内の土手でホームレス生活をしているらしい元PGS(パブリックガーディアンズ)のメンバーである霧島カイトに話しかける。
そう、霧島カイトは以前、ユメちゃんの一件の際に、俺の断罪剣ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカーにより、超能力を失い、超能力者たちで構成されたPGSを退職してしまったのだ。
それに加え、モンスターエリアからのパブリックモンスターたちの人間社会への移民である、就職難は避けられないのだ。
「やぁ!カイト君!元気?」
「お前は山神ムサシ!いったい誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!」
俺にキレ散らかすカイトの周りには白いアヒルが歩いている。
「悔しい...ですよね...?」
「ンめっちゃくっちゃ悔しい...って、やかましいわァッ‼こっちは高校生と漫才してる暇はないんだ!どっか言ってくれ‼」
「カイトさん、僕は土手に漫才しに来たんじゃないんです!ヨシノから聞きました、カイトさんは学生時代、野球部だったって!」
「それがどうしたんだ!」
俺は、カイトに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほどな...それで、僕の力が必要なわけか、面白い!...元PGSの隊員として、アイドルファンとして、世の中の不正を見過ごすわけにはいかない!力になろう!」
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』に元PGSの霧島カイトが加わった。
次に俺はPGSの本部に入る。
いつかのダンス大会の一件で俺の安全性のアピールに成功したおかげか、PGSのスタッフたちは皆、俺にフレンドリーだった。
俺はPGSの本部にあるジムで腕立て伏せをしている、大地の断罪剣士・工藤リンカに話しかける。
「野球、やんね?」
「なんだ藪から棒に、ケンカ売ってるんですか?」
俺が死の断罪剣である漆黒のライフセイバーの黒いパブリックブレイカーで切断した、リンカの腕には義手が付いていた。
「お前、よかったな、その義手」
「PGSの医療技術を舐めないでください、リハビリが終われば、私は戦線に復帰できます、それよりとっとと用件を言ってください、目ざわりです」
俺は工藤リンカに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほど...それで、私の力が必要なわけですね、まぁ、PGSの隊員として、アイドルファンの1人として、世の中の不正を見過ごすわけにはいきませんからね、力になりますよ」
さすが、アイドルユニット『アスベスト』のアイドルイベントにカイトと共に参加していただけのことはある。
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』にPGSで大地の断罪剣士・工藤リンカが加わった。
試合に必要なメンバーはあと二人。
俺はリンカともに、PGS本部のロビーで待っててもらったカイトと合流する。
久々の再開にもかかわらず、リンカがカイトを煽る。
「久しぶりですね、霧島カイトさん、PGS退職からの路上生活...悔しい...ですよね...?」「貴様ァ‼」
「なにするんですか!やめてください!二人ともケンカしないでくださいよ!それでお二人に聞きたいことがあります‼」
「なんだ?」
「なんですか?」
「雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所です!」
「混沌の断罪剣士...?ああ、モンスターエリアでフューラーと共に、存在が確認された断罪剣士の少女のことか、すっかり忘れてたよ...」
「カイトさんはもう、PGSのメンバーじゃないので、別に覚えている必要ないですよね...」
「貴様ァ!」
「なにするんですか!やめてください!ちょっと二人とも、ケンカしないでくださいよ!」リンカが携帯片手に、雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所を説明し始める。
「噂によれば、どうやら奴ら、最近ここによく出没するらしい」
リンカが俺に見せた携帯の画面には、白いローブを身にまとった仮面の男と、美少女が肩を並べて釣り堀で釣りをしている姿を写っていた。
「とても、PGSと冷戦状態にある反政府組織のメンバーとは思えんな、これでは...」
カイトの指摘に、俺とリンカは同意せざるおえない。
俺たち3人はPGSの本部を出て、反政府組織の中核である雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の少女がよく出没する釣り堀に向かった。
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
次回予告 野球勝負‼ その3
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