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ダンス大会 その4
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ダンス大会 その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
地球の深層である『内核』に存在する謎の生命体。
その謎の生命体こそが、人間をストレスによって怪物もしくは異能者にしてしまう、パブリックブレイク現象の原因だった。
PGS(パブリックガーディアンズ))による内核の調査を、政府がようやく承認したことにより、PGSは近いうちに内核に潜む、謎の生命体との交渉を実行するらしい。
そして、その交渉がうまくいけば、人類はパブリックブレイク現象の脅威から解放されることになる。
しかし、交渉が失敗すれば、人類の残りわずかな余命の安全性を重視するために、全てを消滅させる、死を司る断罪剣・漆黒のライフセイバーを持つ危険因子である俺は、全世界に敵視されることになる。
俺はそれまでに、パブリックモンスターを人間に戻す力を持つ、生命の断罪剣・ライフセイバーの力でもって、俺という存在そのものを世界にとって危険人物ではないことを証明しなければならない。
それは、それとして。
ダンス大会練習日・二日目。
俺達、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒は皆、不完全な人間・『Ⅾ』達と、校庭でダンスの練習をしていた。
今回のダンス大会の課題曲はなんと、お笑い芸人、オクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』なのだ。
不完全な人間である『Ⅾ』達に、『不完全人間』を歌って踊らせるダンス大会運営に怒りをむき出しにして、練習一日目をサボった『Ⅾ』のみなさん。
しかし練習二日目の今日は、なんと真面目にダンスの練習をしていた。
さすが『Ⅾ』は普段から、施設の行事としてダンスを踊っているだけ、あってダンスのキレがちがう。
まあ、頭のキレは、おそらく普通の人間以下だろうけどな。
不完全な人間である『Ⅾ』達が『不完全人間』を歌って踊る姿を見る者達は、おもに二つに分かれていた。
一つは、『Ⅾ』達に同情する者。
二つ目は『Ⅾ』達を侮辱する者。
「なぁ、竹田、お前はどっちなんだ?」
俺は女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊りながら、女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊っている竹田に聞いてみた。
「なにが?」
「『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「どう思うって、まぁ『Ⅾ』だからさ、やっぱ男も女も、顔がみんな同じだな~って、思うよ...」
「そうじゃなくて、『不完全人間』を踊っている『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「まぁ、普通にダンスうまいと思うけど」
そりゃあ、『Ⅾ』の取柄なんて、ダンスとしいたけ栽培ぐらいなんだぜ、俺達より、ダンスうまくて当然だよ、ダンスうまくなかったら、この世界に存在してる価値ないぜ!」
「パブリックモンスターを体を張って守ってるお前から、まさかそんな差別的な言葉で出てくるとはな...」
「別に差別してるわけじゃないよ、だって、よく考えてみろよ、『Ⅾ』は、国からいろんな保障や支援を受けている、でも『Ⅾ』のほとんどが普通の人間に対する劣等感を克服するために、普通の人間が働いている社会に参加しようとする、俺はそれがちょっとおかしなことだと思ってる」
「まぁ、確かに、『Ⅾ』は国から金、もらってるもんな、しかも、その金は国民が国に納めたZEI銀だ」
「そう、確かに『Ⅾ』のやつらもさ、定期的に国から支給された金だけじゃあ、色々と生活に苦があるんだろうけどさ、俺達普通の人間は、基本的に働かなくちゃ、一円ももらえない。なのに、『Ⅾ』達は普通の人間たちの社会活動の場に参加しようとしてくる、はっきり言って俺はものすごく迷惑だと思っている」
「まぁ、実際聞いた話じゃ、やっぱり『Ⅾ』が普通の人間が働いている職場にくると、結構トラブルが起きるって聞くもんな...」
「そりゃ、そうだろ、俺達、普通の人間が『Ⅾ』の目線に合わせて社会活動なんてしてたらストレスがたまって当然だ。『Ⅾ』は自分たちが社会的弱者であるということを自覚している、だからこそ、人間社会の中でなにか困難にぶつかると、自分たちが社会的弱者であることを武器にして、普通の人間たちに対して、『Ⅾ』をその困難から救うことは当たり前のことだと普通の人間に主張してくる。なら、最初から『Ⅾ』は社会に参加するべきじゃないと俺は思う、『Ⅾ』は国から定期的に金をもらっている、その金があれば、ちゃんとした施設に入ることだってできるんだ、普通の人間は金がなければ、住む場所を獲得できない、はっきり言って『Ⅾ』にはちゃんと自分の身の程を知ってもらって、社会には参加しないでほしい」
「でも、『Ⅾ』がそーゆー施設に入所したら、『Ⅾ』はもう外には出られないってことだろ?それってちょっと、かわいそうじゃないか?」
「でも、俺の知り合いにいるぜ、子供が『Ⅾ』で近所に迷惑をかけるからって理由で、両親に施設にぶち込まれた『Ⅾ』がね。この国は基本的に少数より、大多数の意見を尊重するだろ?ならより多くの人間の幸福を尊重するために、『Ⅾ』はみんな、生まれた瞬間に、そーゆー施設に閉じ込めておくべきだと、俺は思う」
「まぁ、確かにな、『Ⅾ』は犯罪を犯しても、普通の人間と比べて刑が軽いもんな...」
「ああ、弱者保護の思想は、結局、真面目に生きている人間たちの足を引っ張るだけだ、この国は普通の人間だけでも、1年に1万人近くの自殺者を出しているんだぜ、『Ⅾ』の生活しやすい社会環境を作る前に、まず、1万人の自殺者が出ない社会環境を作るほうが先だろ」
明日は、いよいよダンス大会当日である。
次回予告 ダンス大会 その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
地球の深層である『内核』に存在する謎の生命体。
その謎の生命体こそが、人間をストレスによって怪物もしくは異能者にしてしまう、パブリックブレイク現象の原因だった。
PGS(パブリックガーディアンズ))による内核の調査を、政府がようやく承認したことにより、PGSは近いうちに内核に潜む、謎の生命体との交渉を実行するらしい。
そして、その交渉がうまくいけば、人類はパブリックブレイク現象の脅威から解放されることになる。
しかし、交渉が失敗すれば、人類の残りわずかな余命の安全性を重視するために、全てを消滅させる、死を司る断罪剣・漆黒のライフセイバーを持つ危険因子である俺は、全世界に敵視されることになる。
俺はそれまでに、パブリックモンスターを人間に戻す力を持つ、生命の断罪剣・ライフセイバーの力でもって、俺という存在そのものを世界にとって危険人物ではないことを証明しなければならない。
それは、それとして。
ダンス大会練習日・二日目。
俺達、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒は皆、不完全な人間・『Ⅾ』達と、校庭でダンスの練習をしていた。
今回のダンス大会の課題曲はなんと、お笑い芸人、オクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』なのだ。
不完全な人間である『Ⅾ』達に、『不完全人間』を歌って踊らせるダンス大会運営に怒りをむき出しにして、練習一日目をサボった『Ⅾ』のみなさん。
しかし練習二日目の今日は、なんと真面目にダンスの練習をしていた。
さすが『Ⅾ』は普段から、施設の行事としてダンスを踊っているだけ、あってダンスのキレがちがう。
まあ、頭のキレは、おそらく普通の人間以下だろうけどな。
不完全な人間である『Ⅾ』達が『不完全人間』を歌って踊る姿を見る者達は、おもに二つに分かれていた。
一つは、『Ⅾ』達に同情する者。
二つ目は『Ⅾ』達を侮辱する者。
「なぁ、竹田、お前はどっちなんだ?」
俺は女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊りながら、女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊っている竹田に聞いてみた。
「なにが?」
「『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「どう思うって、まぁ『Ⅾ』だからさ、やっぱ男も女も、顔がみんな同じだな~って、思うよ...」
「そうじゃなくて、『不完全人間』を踊っている『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「まぁ、普通にダンスうまいと思うけど」
そりゃあ、『Ⅾ』の取柄なんて、ダンスとしいたけ栽培ぐらいなんだぜ、俺達より、ダンスうまくて当然だよ、ダンスうまくなかったら、この世界に存在してる価値ないぜ!」
「パブリックモンスターを体を張って守ってるお前から、まさかそんな差別的な言葉で出てくるとはな...」
「別に差別してるわけじゃないよ、だって、よく考えてみろよ、『Ⅾ』は、国からいろんな保障や支援を受けている、でも『Ⅾ』のほとんどが普通の人間に対する劣等感を克服するために、普通の人間が働いている社会に参加しようとする、俺はそれがちょっとおかしなことだと思ってる」
「まぁ、確かに、『Ⅾ』は国から金、もらってるもんな、しかも、その金は国民が国に納めたZEI銀だ」
「そう、確かに『Ⅾ』のやつらもさ、定期的に国から支給された金だけじゃあ、色々と生活に苦があるんだろうけどさ、俺達普通の人間は、基本的に働かなくちゃ、一円ももらえない。なのに、『Ⅾ』達は普通の人間たちの社会活動の場に参加しようとしてくる、はっきり言って俺はものすごく迷惑だと思っている」
「まぁ、実際聞いた話じゃ、やっぱり『Ⅾ』が普通の人間が働いている職場にくると、結構トラブルが起きるって聞くもんな...」
「そりゃ、そうだろ、俺達、普通の人間が『Ⅾ』の目線に合わせて社会活動なんてしてたらストレスがたまって当然だ。『Ⅾ』は自分たちが社会的弱者であるということを自覚している、だからこそ、人間社会の中でなにか困難にぶつかると、自分たちが社会的弱者であることを武器にして、普通の人間たちに対して、『Ⅾ』をその困難から救うことは当たり前のことだと普通の人間に主張してくる。なら、最初から『Ⅾ』は社会に参加するべきじゃないと俺は思う、『Ⅾ』は国から定期的に金をもらっている、その金があれば、ちゃんとした施設に入ることだってできるんだ、普通の人間は金がなければ、住む場所を獲得できない、はっきり言って『Ⅾ』にはちゃんと自分の身の程を知ってもらって、社会には参加しないでほしい」
「でも、『Ⅾ』がそーゆー施設に入所したら、『Ⅾ』はもう外には出られないってことだろ?それってちょっと、かわいそうじゃないか?」
「でも、俺の知り合いにいるぜ、子供が『Ⅾ』で近所に迷惑をかけるからって理由で、両親に施設にぶち込まれた『Ⅾ』がね。この国は基本的に少数より、大多数の意見を尊重するだろ?ならより多くの人間の幸福を尊重するために、『Ⅾ』はみんな、生まれた瞬間に、そーゆー施設に閉じ込めておくべきだと、俺は思う」
「まぁ、確かにな、『Ⅾ』は犯罪を犯しても、普通の人間と比べて刑が軽いもんな...」
「ああ、弱者保護の思想は、結局、真面目に生きている人間たちの足を引っ張るだけだ、この国は普通の人間だけでも、1年に1万人近くの自殺者を出しているんだぜ、『Ⅾ』の生活しやすい社会環境を作る前に、まず、1万人の自殺者が出ない社会環境を作るほうが先だろ」
明日は、いよいよダンス大会当日である。
次回予告 ダンス大会 その5
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