超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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文化祭 その18

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文化祭 その18
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺は交通事故による記憶喪失で頭がおかしくなってしまったユメちゃんを、マンションの住人たちにわかってもらえるように、ユメちゃん新聞を制作した。
俺はマンションに住む奇想天外な住人たちにユメちゃん新聞を配り終え、ユメちゃんの家に戻る。
そこで待っていたのは、家の壁にクレヨンでアレ↓を書いていたユメちゃんだった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
奇声を上げる俺を見て、ユメちゃんは笑っていた。
俺の奇声でユメちゃんの母親であるカナミさんが目を覚ます。
「カナミさん、ユメちゃん新聞、マンションの人たちに全員配り終えました」
「わざわざ、ごめんね、本当に助かったわ、これでマンションに住むみんながユメのこと、ちゃんとわかってくれるといいのだけど...」
「わかってくれますよ、きっと...」
「私も山神君みたいに、ユメちゃん新聞をいろんな人に配ろうと思っているの、そうすればもっとたくさんの人にユメのことを知ってもらえると思うから...」
「そうですね、どんな重い事情を抱えていても、話し合えば、みんないつか、ユメちゃんのこと、わかってくれますよ...」
次の瞬間、インターホンが室内に鳴り響く。
どうやら、ユメちゃんの父親のトオルさんが帰宅したそうだ。
トオルさんはユメちゃんがクレヨンで壁に書いたアレ↓を見て怒りをあらわにする。。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「いったいなんなんだ、このわけのわからんイラスト↑は‼」
トオルさんがユメちゃんをにらむ。
トオルさんが怒っていることが理解できないユメちゃんは、トオルさんに向かって、にっこりと笑う。
「お前!バカにしてんのか!このクソガキィィッ!」
怒声を上げるトオルさんの右手がユメちゃんに向かって伸びる。
俺は急いで、トオルさんとユメちゃんの間に入って、叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
「どけぇッ!コイツ...俺のことをバカにしやがって...‼」
「トオルさん、ユメちゃんはトオルさんを挑発しているんじゃないんです!」
「なんだと!」
「ユメちゃんはトオルさんにほめてほしいんですよ、壁に描いたアレ↓を...」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「コレ↑のいったいどこをほめろというんだ!こんなわけのわからん絵、これも全部、カナミ、お前のしつけがなっていないからだ!」
「そんな、ひどい...ユメが一生懸命、描いたのに...」
トオルさん大声でカナミさんを怒鳴る。
「こんな頭のおかしい娘、生まれてこなければよかったんだ!カナミ、お前にわかるか?俺が近所のまともな子供達を見るたびに、どれだけ、俺のプライドが傷つけられるのか!こんな頭のおかしい娘のために、毎日、頑張って働いている俺はいったい何なんだ!」
「それはいくらなんでも言い過ぎよ、一番つらいのはみんなに理解してもらえないユメなのよ、あの交通事故に遭ってから、ユメは誰にも理解されない世界で生きてきたのよ!私たち親がユメを理解してあげなくて、いったい誰がユメを理解してあげられるの?」
「じゃあ、お前に、ユメがクレヨンで壁に描いたアレ↓を理解できるのか‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「理解できるわけないでしょ‼」
両親が大声で言い争う姿を見たユメちゃんが泣き叫び始める。
まずいぞ、ユメちゃんがうるさくすると、また近所からクレームが来てしまうかもしれない...。
室内に響き渡るインターホンの音、俺の悪い勘が当たってしまった。
玄関のドアを開けると、やはり以前、騒音のクレームを言いに来た隣部屋の老人が立っていた。
隣部屋の老人は俺の制止を振り切って、廊下を進んでいく。
そして、隣部屋の老人がトオルさんに向かって言い放つ。
「大声でケンカしてるから、隣から全部聞こえてたぞ!あんたそれでもユメちゃんの父親か!あんたはコレを呼んでも、まだユメちゃんのことが理解できないのか!」
トオルさんを叱る隣部屋の老人が、手に持っていたユメちゃん新聞をトオルさんに向かって突き出す。
ユメちゃん新聞には、頭がおかしくなってしまったユメちゃんについての説明と原因、近隣住民達への理解を求める文章が書いてあった。
予期せぬ隣部屋の住人のフォローに、カナミさんが感動して泣いている。
トオルさんが膝を床に着けて、嘆く。
「わかっているさ、わかっているんだ!でも俺はどうしても今のユメに、以前のまともだったころのユメと同じように接することができないんだ!」
隣部屋の老人がトオルさんをさとす。
「前も今も、ユメちゃんはユメちゃんだろ...!少なくともアンタとカナミさんの理想のために、この理不尽だらけの世界に生まれ、強制的に押し付けられてしまったユメちゃんに、アンタたち両親が見返りを求めるのは、どう考えても間違ってるよ!それと、カナミさん、今まで、カナミさんの苦労も知らずに騒音ごときで騒いで、悪かったね、正直、反省している...」
「いえ、ご迷惑をおかけしたのは私たちですから...それに、ユメちゃん新聞を書いたのは、ボランティアの山神君なんです...」
隣部屋の老人が山神ムサシを真剣な表情で見つめている。
「そうか...その制服、偏差値最底辺高アルティメット・ジーニアス学園だろ...学園の評判の悪さは国内でもトップクラスだが、ユメちゃんためにこの新聞を書いて配った今の君はカッコいいぞ!」
「あ、ありがとうございます...」
ユメちゃん新聞の配布は決して無意味ではなかった。
こうして父親にも理解してもらえないユメちゃんを、隣部屋の老人のように、ユメちゃん新聞を通して理解してくれる人が1人でもいたのだから。

次回予告 文化祭 その19
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「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

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