超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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文化祭 その14

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文化祭 その14
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

文化祭2日目。
意識を取り戻した部長と竹田は今日もアルティメットメディアクリエイター部の部室で、文化祭の出し物であるおにぎり(ブラックボックス)を量産していた。
500円のおにぎりの購入するもよし、それに加え9500円を支払いメイド姿のヨシノの写真撮影するもよし。
このような、悪徳サービス営業が功を奏してか、アルティメットメディアクリエイター部の出し物である、おにぎりカフェはまぁまぁ繁盛していた。
おにぎりカフェに、とある親子が入ってくる。
どうやら母と娘だ。
娘のほうはまだ小さい。
母娘はメイド姿の部長に何やら相談している。
その途中、部室内に充満するお客さんたちの話し声や、カメラのシャッター音に何かを感じとってしまった娘が突然、奇声↓を上げる。
「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
「こらユメちゃん、急に叫ばないの!」
どうやら娘の名前は、ユメというらしい。
母親の指摘を無視したユメは奇声を上げるのをやめない。
「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
部長が気の毒そうに、ユメの母親に同情する。
「私の部員にも、いるんですよ、高校生にもなって、いろんな場所で急に叫びだす人...」
部長が言っているのはおそらく俺のことだろう。
なんか悔しかったので、俺もユメと同じく叫んでみた。
『キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼』
突然叫びだした俺に向かって写真撮影中のヨシノがなぜかキレる。
「うるせーわよ‼」
ヨシノの「うるせーわよ‼」がツボったのか、写真撮影をしていたマニア達が一斉に、「俺にも『うるせーわよ‼』くださいと」要求し始める。
それを聞いた部長が指パッチン。
部長の指パッチンに反応した副部長が募金箱を両手に持って、「うるわーわよ1回3000円」を連呼し始める。
竹田はまだ、出会い系サイトに登録して生まれて初めて金で買ったカノジョ・チュンシクを失ったショックから立ち直れないのか、部室で汗と涙を鼻水を流しながらスクワットをしていた。
とりあえず、部長の話が正しければ、ユメちゃんは交通事故で記憶喪失になり、他人とまともにコミュニケーションできない状態になってしまったらしい。
ではなぜ、わざわざ俺達、アルティメットメディアクリエイター部にそれを相談しに来たのだろうか。
「役所の方がおっしゃっていたんです、この学校に全人類が嫌がりそうなことを無料でボランティアしてくれる部活動が存在するって...」
おそらく、病院でも役所でも対応できず、たらい回しにされたあげく、アルティメットメディアクリエイター部にたどり着いたのだろう。
「ということで、山神君、おにぎりカフェは女子に任せて、アンタはユメちゃんをなんとかしなさい」
「なんとかしろって、いったいどうすればいんですか?」
「ユメちゃんをなんとかしろって言ってんの!できんの?できないの?え!できんの!じゃあおねがいしますからのレッツゴー‼」
「勝手に決めてレッツゴーしないでくださいよ‼大体、なんで俺だけ、竹田はどうするんですか?」
「見たでしょ?あのスクワット野郎。きのうの夜から寝ずにずっと、あの感じらしいわ、もう手遅れよ、とりあえずネットにさらされてデジタルタトゥーになるまで体液フルバーストしながらでスクワットしてればいいのよ、あんな奴」
こうして、部室を追い出された俺はユメとその母親と共に屋上に向かう。
人気のない屋上の静けさのせいか、ユメは音に反応せずにずっとニコニコしている。
「すいません、俺、あんまりこういうのわからなくて...」
頼りない俺の言葉を、ユメの母親・カナミがなぐさめてくれる。
「いいんですよ、相談に乗ってくれるだけで、助かります、役所も病院も全然、相手になってくれなくって...」
「これは、あくまで俺の個人的な意見ですけど、ユメちゃんの今の状態は時間が解決してくれると思います...」
「もう、1年です...」
「ふぇ?」
「この一年、交通事故で記憶を失いおかしくなってしまったユメは、私をママと呼んでくれません...近所にもご迷惑ばかりかけて、幼稚園も最近、追い出されてしまいました...」
「そ、そうっスか...ちなみに旦那さんは...」
「旦那は仕事のことばかりで、ろくに今のユメと向き合ってくれません...ユメがおかしくなる前はあんなにかわいがってくれたのに...今はまるでユメを疫病神みたいに扱うんです...」
「それは、ひどい...ひどすぎる、まず、カナミさんだけで抱え込まずに、旦那さんにもちゃんとユメちゃんと向き合ってもらいましょう、そして、ユメちゃんのこと、もっと近所の方や周りの人に根気強く説明して、わかってもらいましょう、俺も手伝いますから...」こうして俺はカナミさんとユメちゃんと共に、二人と旦那が済むマンションに向かう。

次回予告 文化祭 その15
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