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文化祭 その1
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文化祭 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
『K国』、それは俺たちの住んでいる国の領海によくミサイルを落としてくる国だ。
その『K国』で軍事利用されているパブリックモンスターが俺達の国に侵入した。
それはともかく、俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園では、今年で第12660回目になる文化祭が行われていた。
文化祭開会式行われいてる校庭では、『校長』が音量が爆音に調整されたマイクを片手に壇上でなぜかフィリピンで複数の女性と遊んだ話をしている。
『校長』の、とても教育者とは思えない内容の話が爆音で生徒や近隣住民の鼓膜を刺激する。
そして、最後に在校生代表として、アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカが校長から受け取った爆音マイクで選手宣誓のような一言を言い放って、文化祭開会式が終了した。
教室に戻った俺たちに、担任教師から真っ赤な表紙の文化祭のしおりが配布される。
文化祭のしおりのタイトルには『第12660回・我が秘密の文化祭』と記されていた。
竹田が文化祭のしおりをもらったクラスメイト達の気持ちを代弁するように担任教師に向かって疑問する。
「先生、文化祭のしおりのタイトルの意味がわかりません」
「そのタイトルは校長がつけたんだよ、だからあんまり細かいことは気にするな」
「そっか、校長が決めたならしかたないですね」
竹田の言葉に周りの生徒達が同調する。
「校長なら、しかたないよな」
「そうよ、だって校長よ」
「大体、12660回目ってなんだよ、このクソバカ学校、ジョーモン時代からあったってことか?」
「そんなわけねーじゃん!あの校長、やっぱ頭おかしいぜ!」
「ま、しかたねーよな、テロリストが逃走中なのに文化祭開催しちゃう、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の校長だもんな」
「それで、山神君、『我が秘密の文化祭』っていったいどういう意味?」
「担任が言ってただろ?細かいことは気にするなって、それよりヨシノ、お前この後どうするんだ?」
「部長から、おにぎりカフェ手伝えって言われてる」
「お前も、あのブラックボックスの布教活動に加担させられていたのか...」
「なによ、ブラックボックスって?」
ブラックボックスとは俺達アルティメットメディアクリエイター部の文化祭の出し物『おにぎりカフェ』唯一のメニュー、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりである。
「ああ、そっか、ヨシノは昨日、試食してないんだっけ」
「うん」
「ブラックボックスっていうのは、まぁ、わかりやすく言えば、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりだ」
「ふ~ん、素手で握って四角形のおにぎりとか、どう考えても売れるとは思えないんだけど」
「部長が言うにはブラックボックスはおにぎり界のイノベーションだとか、なんとか...」「その話、もうやめよ、なんか頭、痛くなってきた...」
だよな、校長といい、ブラックボックスといい、転校生のヨシノには偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園のノリはちょっとキツかったのかもしれない。
こうして、俺と竹田とヨシノは、食中毒の生産工場もといブラックボックスの生産工場である部室に移動を開始した。
部室のホワイトボードには文化祭仕様なのか、馴染み深いアレ↓が描かれていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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部室ではすでに、メイド服に身を包んだ部長の風見マイカと、副部長の杉原ヒカリが素手でおにぎりと言う名のブラックボックスを握っていた。
「部長、せめて、食中毒防止のために、ビニール手袋ぐらいしましょうよ」
「なによ!私の手が汚いって言うの?ねぇ、アイドルマニアの竹田君?アンタ、押しのアイドルが素手で握ったおにぎりと、ビニール手袋つけた手で握ったおにぎり、どっち食べたい?」
「無論、素手...」
「でしょ、つまりそういうことよ、おわかりか山神君」
「いや、全然わかんねーよ!説明にすらなってねーよ!」
「ということで、ヨシノちゃん、アンタもウチの部員なんだからメイド服着なさい」
「どうして着る必要があるんですかね...」
「そんなのおにぎりカフェだからに決まってるでしょ!カフェにはねメイドがいるの!おそらく!そしてかわいいメイドがいる店には自然と客が集まるの!そして始まる!私のブラックボックスもとい四角形ツナマヨおにぎりによるマイ・イノベーション‼こうしてアルティメットメディアクリエイター部の功績は未来永劫世界に語り継がれるのよ!」
「山神君、なんか私、また頭痛くなってきた...」
部長の話を聞いて頭痛を訴えるヨシノを山神ムサシと竹田が鬼の形相でにらんでいる。
その顔はヨシノに言外に、こう言っている。
お前だけこの地獄から逃げるのは許さん、と。
「いいわ、いいわよヨシノちゃん!女子高生の頭痛!女の頭痛と言えば、アレ!女性限定で一か月に何回かあるアレよ‼想像してみなさい!美少女メイド目当てに、このカフェを訪れた女をろくに知らない豆腐メンタルの童貞男子高校生どもは、頭痛にもだえるヨシノちゃんのその姿から必ず、アレを想像し、いやらしい妄想をするに違いない!」
くだらん想像をする前に、素手で握られたブラックボックスを食べたお客さんの身に起きる危険をまず想像しろ。
部室のドアが開く音がする。
ブラックボックス生産工場・おにぎりカフェの本日1人目の犠牲者もとい、お客さんは黒のロリータドレスに身を包んだ少女だった。
部長が叫ぶ。
「へい、いらっしゃい!」
ここは一応、カフェのはずである。
「その黒くて四角いのちょうだい...」
客の言葉に部長がショックを受けたように顔面蒼白になる。
「............これ、一応、おにぎり...なんですよね...」
「おにぎりって何?」
「え、おにぎり知らないの?」
「私、最近、こっちに来たから、日本の食べ物よくわかんないのよね」
「あ、そうでしたか...それじゃあ、アルティメットメディアクリエイターおにぎりツナマヨ味、一個500円で~す!」
ぼったくりである。
ヨシノが部長が開発した人類初のブラックボックスの被験者である黒のロリータドレス少女をにらんでいる。
「ヨシノ、あの被験者じゃなくて...あの、お客さんに見覚えがあるのか?」
「おにぎりは知らないのに、日本語はしゃべれる、この事実から山神君はどんな結論を出す?」
「うそだろ?もしかして、あの女の子が...」
「国内に逃亡中の『K国』のパブリックモンスターの1人である可能性が高いわね...」
次の瞬間、黒のロリータドレス少女がヨシノではなく、俺に憎しみを込めた視線を向けてきた。
まるで、仲間の仇を見つけたように...。
次回予告 文化祭 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
『K国』、それは俺たちの住んでいる国の領海によくミサイルを落としてくる国だ。
その『K国』で軍事利用されているパブリックモンスターが俺達の国に侵入した。
それはともかく、俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園では、今年で第12660回目になる文化祭が行われていた。
文化祭開会式行われいてる校庭では、『校長』が音量が爆音に調整されたマイクを片手に壇上でなぜかフィリピンで複数の女性と遊んだ話をしている。
『校長』の、とても教育者とは思えない内容の話が爆音で生徒や近隣住民の鼓膜を刺激する。
そして、最後に在校生代表として、アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカが校長から受け取った爆音マイクで選手宣誓のような一言を言い放って、文化祭開会式が終了した。
教室に戻った俺たちに、担任教師から真っ赤な表紙の文化祭のしおりが配布される。
文化祭のしおりのタイトルには『第12660回・我が秘密の文化祭』と記されていた。
竹田が文化祭のしおりをもらったクラスメイト達の気持ちを代弁するように担任教師に向かって疑問する。
「先生、文化祭のしおりのタイトルの意味がわかりません」
「そのタイトルは校長がつけたんだよ、だからあんまり細かいことは気にするな」
「そっか、校長が決めたならしかたないですね」
竹田の言葉に周りの生徒達が同調する。
「校長なら、しかたないよな」
「そうよ、だって校長よ」
「大体、12660回目ってなんだよ、このクソバカ学校、ジョーモン時代からあったってことか?」
「そんなわけねーじゃん!あの校長、やっぱ頭おかしいぜ!」
「ま、しかたねーよな、テロリストが逃走中なのに文化祭開催しちゃう、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の校長だもんな」
「それで、山神君、『我が秘密の文化祭』っていったいどういう意味?」
「担任が言ってただろ?細かいことは気にするなって、それよりヨシノ、お前この後どうするんだ?」
「部長から、おにぎりカフェ手伝えって言われてる」
「お前も、あのブラックボックスの布教活動に加担させられていたのか...」
「なによ、ブラックボックスって?」
ブラックボックスとは俺達アルティメットメディアクリエイター部の文化祭の出し物『おにぎりカフェ』唯一のメニュー、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりである。
「ああ、そっか、ヨシノは昨日、試食してないんだっけ」
「うん」
「ブラックボックスっていうのは、まぁ、わかりやすく言えば、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりだ」
「ふ~ん、素手で握って四角形のおにぎりとか、どう考えても売れるとは思えないんだけど」
「部長が言うにはブラックボックスはおにぎり界のイノベーションだとか、なんとか...」「その話、もうやめよ、なんか頭、痛くなってきた...」
だよな、校長といい、ブラックボックスといい、転校生のヨシノには偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園のノリはちょっとキツかったのかもしれない。
こうして、俺と竹田とヨシノは、食中毒の生産工場もといブラックボックスの生産工場である部室に移動を開始した。
部室のホワイトボードには文化祭仕様なのか、馴染み深いアレ↓が描かれていた。
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「部長、せめて、食中毒防止のために、ビニール手袋ぐらいしましょうよ」
「なによ!私の手が汚いって言うの?ねぇ、アイドルマニアの竹田君?アンタ、押しのアイドルが素手で握ったおにぎりと、ビニール手袋つけた手で握ったおにぎり、どっち食べたい?」
「無論、素手...」
「でしょ、つまりそういうことよ、おわかりか山神君」
「いや、全然わかんねーよ!説明にすらなってねーよ!」
「ということで、ヨシノちゃん、アンタもウチの部員なんだからメイド服着なさい」
「どうして着る必要があるんですかね...」
「そんなのおにぎりカフェだからに決まってるでしょ!カフェにはねメイドがいるの!おそらく!そしてかわいいメイドがいる店には自然と客が集まるの!そして始まる!私のブラックボックスもとい四角形ツナマヨおにぎりによるマイ・イノベーション‼こうしてアルティメットメディアクリエイター部の功績は未来永劫世界に語り継がれるのよ!」
「山神君、なんか私、また頭痛くなってきた...」
部長の話を聞いて頭痛を訴えるヨシノを山神ムサシと竹田が鬼の形相でにらんでいる。
その顔はヨシノに言外に、こう言っている。
お前だけこの地獄から逃げるのは許さん、と。
「いいわ、いいわよヨシノちゃん!女子高生の頭痛!女の頭痛と言えば、アレ!女性限定で一か月に何回かあるアレよ‼想像してみなさい!美少女メイド目当てに、このカフェを訪れた女をろくに知らない豆腐メンタルの童貞男子高校生どもは、頭痛にもだえるヨシノちゃんのその姿から必ず、アレを想像し、いやらしい妄想をするに違いない!」
くだらん想像をする前に、素手で握られたブラックボックスを食べたお客さんの身に起きる危険をまず想像しろ。
部室のドアが開く音がする。
ブラックボックス生産工場・おにぎりカフェの本日1人目の犠牲者もとい、お客さんは黒のロリータドレスに身を包んだ少女だった。
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「へい、いらっしゃい!」
ここは一応、カフェのはずである。
「その黒くて四角いのちょうだい...」
客の言葉に部長がショックを受けたように顔面蒼白になる。
「............これ、一応、おにぎり...なんですよね...」
「おにぎりって何?」
「え、おにぎり知らないの?」
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「あ、そうでしたか...それじゃあ、アルティメットメディアクリエイターおにぎりツナマヨ味、一個500円で~す!」
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ヨシノが部長が開発した人類初のブラックボックスの被験者である黒のロリータドレス少女をにらんでいる。
「ヨシノ、あの被験者じゃなくて...あの、お客さんに見覚えがあるのか?」
「おにぎりは知らないのに、日本語はしゃべれる、この事実から山神君はどんな結論を出す?」
「うそだろ?もしかして、あの女の子が...」
「国内に逃亡中の『K国』のパブリックモンスターの1人である可能性が高いわね...」
次の瞬間、黒のロリータドレス少女がヨシノではなく、俺に憎しみを込めた視線を向けてきた。
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