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炊き出しボランティア その1
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炊き出しボランティア その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
アルティメットメディアクリエイター部の部員たちは、竹田がムァンビキしてきた食材で制作された鍋を完食した。
部長の風見マイカが急に立ち上がり、部室のホワイトボードを右手でバンバン叩く。
「はい!注目ゥ‼」
部員達の視線が一斉に、風見マイカに集中する。
「では、こうして、新メンバーも加わったことだし、さっそく、次の活動内容について、お話したいと思います!拍手は?」
部員たちが、やる気のない拍手をする。
「実は昨日、役所から、またボランティアの依頼がありました!ボランティアの内容は...」部長がホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『炊き出し』と書かれていた。
「部長!どこで炊き出しするんですか?」
部長が再び、ホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
いや、口で言えよ。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『モンスターエリア』と書かれていた。
部員達から、深いため息が漏れる。
『モンスターエリア』とは、政府に安全性を認められているが、PGS(パブリックガーディアンズ)に所属していない自我のあるパブリックモンスター達が住んでいるエリアである。
しかし、『モンスターエリア』はPGSの監視下にあり、何らかのストレスによって自我を失い、暴走が認められたパブリックモンスターはPGSに処刑されてしまう。
では、なぜ、『モンスターエリア』が作られたのか説明しよう。
政府に安全性を認められたパブリックモンスターは2種類存在する。
①PGSに所属して、暴走したパブリックモンスターから、人間社会を守るパブリックモンスター。
②PGSに所属せずに、モンスターエリアで生活をしている、パブリックモンスター。
つまり、モンスターエリアは、パブリックモンスターを嫌う人間社会から隔離されたエリアである。
政府に安全性と認められたとはいえ、いつストレスで暴走するかわからないパブリックモンスター達が住んでいるモンスターエリアは、人間たちにとっては、危険な場所として認識されている。
俺は部長に質問する。
「部長!『無期限・食料配給制度』が施行されているのに、どうして、わざわざ、炊き出しなんてするんですか?」
「役所の職員が言うには、政府による食料配給が、モンスターエリアだけ無視されているらしいわ...」
「それって、つまり、モンスターエリアの人々は、政府から嫌がらせを受けているということですか?」
「それはどうかしら?モンスターエリアを管理しているのは政府から派遣されたPGSなのよね...」
「じゃあ、モンスターエリアで炊き出しボランティアをするってことは、遠回しに政府とPGSに喧嘩を売るってことですか?」
「それは、いまの段階ではなんとも言えないわ」
竹田が不満を口にする。
「給料が出るならまだしも、どうして、よりによって、モンスターエリアでボランティアなんてするんですかねぇ、金にもならないし、モンスターエリアの住人が暴走したら、めちゃくちゃ危ないっすよ!」
「いいでしょ、竹田君は普段からモンスターみたいな顔をしてるんだから!つーわけで、明日の炊き出しボランティアは全員強制参加で、朝7時に校門に集合!以上!解散‼」
部室から学生寮に戻る途中の道で竹田がぼやく。
「おい山神ィ!明日の炊き出しボランティア、行くのやめね?」
「そーゆうわけにはいかんだろ、部長が全員強制参加って言ってただろ?」
「でも、ボランティア中に、いきなりパブリックモンスターが暴走して、ケガでもさせられたらどうするんだよ!めっちゃ、あぶねーぞ!」
「そんなのは、モンスターエリアでなくたって、こっちでも同じだろ?俺たちの生きている現代社会でも、いつ人間がストレスで発狂して、パブリックモンスターになるかわからない。俺はできる限り、心無い人間やPGSの脅威から、パブリックモンスターになってしまった人たちを守りたいんだよ」
「いいよな、お前はある日、突然、断罪剣士と言う名の超能力者だもんな~」
「まぁ、全部、お前のせいだけどな」
「俺がパブリックモンスターになっちまったのは、俺のせいじゃない、俺の愛の告白を拒絶した、あの女が悪い」
めちゃくちゃだなぁ、おい。
俺は自室に戻る。
自室には監視目的で同居しているヨシノが俺のベットを占領して、爆睡していた。
俺は床に布団を敷いて、寝る。
次回予告 炊き出しボランティア その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
アルティメットメディアクリエイター部の部員たちは、竹田がムァンビキしてきた食材で制作された鍋を完食した。
部長の風見マイカが急に立ち上がり、部室のホワイトボードを右手でバンバン叩く。
「はい!注目ゥ‼」
部員達の視線が一斉に、風見マイカに集中する。
「では、こうして、新メンバーも加わったことだし、さっそく、次の活動内容について、お話したいと思います!拍手は?」
部員たちが、やる気のない拍手をする。
「実は昨日、役所から、またボランティアの依頼がありました!ボランティアの内容は...」部長がホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『炊き出し』と書かれていた。
「部長!どこで炊き出しするんですか?」
部長が再び、ホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
いや、口で言えよ。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『モンスターエリア』と書かれていた。
部員達から、深いため息が漏れる。
『モンスターエリア』とは、政府に安全性を認められているが、PGS(パブリックガーディアンズ)に所属していない自我のあるパブリックモンスター達が住んでいるエリアである。
しかし、『モンスターエリア』はPGSの監視下にあり、何らかのストレスによって自我を失い、暴走が認められたパブリックモンスターはPGSに処刑されてしまう。
では、なぜ、『モンスターエリア』が作られたのか説明しよう。
政府に安全性を認められたパブリックモンスターは2種類存在する。
①PGSに所属して、暴走したパブリックモンスターから、人間社会を守るパブリックモンスター。
②PGSに所属せずに、モンスターエリアで生活をしている、パブリックモンスター。
つまり、モンスターエリアは、パブリックモンスターを嫌う人間社会から隔離されたエリアである。
政府に安全性と認められたとはいえ、いつストレスで暴走するかわからないパブリックモンスター達が住んでいるモンスターエリアは、人間たちにとっては、危険な場所として認識されている。
俺は部長に質問する。
「部長!『無期限・食料配給制度』が施行されているのに、どうして、わざわざ、炊き出しなんてするんですか?」
「役所の職員が言うには、政府による食料配給が、モンスターエリアだけ無視されているらしいわ...」
「それって、つまり、モンスターエリアの人々は、政府から嫌がらせを受けているということですか?」
「それはどうかしら?モンスターエリアを管理しているのは政府から派遣されたPGSなのよね...」
「じゃあ、モンスターエリアで炊き出しボランティアをするってことは、遠回しに政府とPGSに喧嘩を売るってことですか?」
「それは、いまの段階ではなんとも言えないわ」
竹田が不満を口にする。
「給料が出るならまだしも、どうして、よりによって、モンスターエリアでボランティアなんてするんですかねぇ、金にもならないし、モンスターエリアの住人が暴走したら、めちゃくちゃ危ないっすよ!」
「いいでしょ、竹田君は普段からモンスターみたいな顔をしてるんだから!つーわけで、明日の炊き出しボランティアは全員強制参加で、朝7時に校門に集合!以上!解散‼」
部室から学生寮に戻る途中の道で竹田がぼやく。
「おい山神ィ!明日の炊き出しボランティア、行くのやめね?」
「そーゆうわけにはいかんだろ、部長が全員強制参加って言ってただろ?」
「でも、ボランティア中に、いきなりパブリックモンスターが暴走して、ケガでもさせられたらどうするんだよ!めっちゃ、あぶねーぞ!」
「そんなのは、モンスターエリアでなくたって、こっちでも同じだろ?俺たちの生きている現代社会でも、いつ人間がストレスで発狂して、パブリックモンスターになるかわからない。俺はできる限り、心無い人間やPGSの脅威から、パブリックモンスターになってしまった人たちを守りたいんだよ」
「いいよな、お前はある日、突然、断罪剣士と言う名の超能力者だもんな~」
「まぁ、全部、お前のせいだけどな」
「俺がパブリックモンスターになっちまったのは、俺のせいじゃない、俺の愛の告白を拒絶した、あの女が悪い」
めちゃくちゃだなぁ、おい。
俺は自室に戻る。
自室には監視目的で同居しているヨシノが俺のベットを占領して、爆睡していた。
俺は床に布団を敷いて、寝る。
次回予告 炊き出しボランティア その2
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