超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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歓迎会 その2

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歓迎会  その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

近くの駅で色々あった俺は、警察に追いかけられていた竹田と遭遇する。
どうやら竹田はまた、ムァンビキをしてきたらしい。
俺の所属する部活動、アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカの疾風の断罪剣フーガセイバーの力で、無事、警察から逃げきれた俺と竹田。
俺と共に、部室に帰還した竹田が安堵のため息とともに告げる。
「ふぇ~!部長のおかげで助かったァ~!つーか、空飛べるとか便利ですね、部長の断罪剣...」
「ふぇ~!じゃねぇんだよォ!おめぇ自分がなにしたかわかってんのかァ!」
「だってぇ、部長に頼まれたんだもん!」
「部長ォォッ!アンタも部員になにさせてんだァァッ!」
「いいでしょ、私も手伝ったんだからァ!」
「そういう問題じゃねぇだろォ!」
「とりあえず、とっとと歓迎会の準備始めるわよ!」
「誰の?」
「そんなの決まってるでしょ!ヨシノちゃんの歓迎会よ!」
そう、あの工藤リンカとの戦いの後、一度PGS(パブリックガーディアンズ)を裏切ったヨシノはPGSから再び、俺の監視任務を任されたのだった。
本来であれば、PGSを裏切った者は処刑されるはずなのだ。
しかし、理由は不明だが、PGSは断罪剣の所有者を特別視している。
そのため、凍結の断罪剣ヘイルセイバーの使い手である、ヨシノは処刑されずに再び、俺の監視任務を任されることになった。
実に不気味である。
「ヨシノがアルティメットメディアクリエイター部に入部するって言ったんですか?」
「言ってないわよ、別に」
「別にって、そんなのヨシノが、かわいそうですよ」
「かわいそうじゃない!」
「なにを根拠にそういうこと言ってるんですか?」
「私が、かわいそうじゃないって言ったら、かわいそうじゃないのよォ!」
「もう、めちゃくちゃだなァァッ!ヴォイィィッ‼」
「で、竹田君は休憩してないでとっとと鍋の準備して!副部長もアニメ見てないで、竹田君のこと手伝って!山神くんは、ヨシノちゃん呼んできて!」
「まだ授業中ですよ」
「うるさい!」
うるさいのはおめぇだボケ。
俺はとりあえず、部長に言われた通り、ヨシノを探しに行く。
教室では、英語の授業を行われていた。
クラスメイトの誰もが、好き勝手に遊んでいる中、ヨシノだけが真面目に授業を受けていた。
俺はヨシノに話しかける。
「おい、ヨシノォ!こんなとこで何やってんだよォ!」
「うるせーわよ!真面目に授業、受けてんのよ!」
「部長が、歓迎会するって」
「誰の?」
「ヨシノの歓迎会」
「私、あんなおかしな部活動に入るなんて一言も言ってないんだけど」
「でも、先輩が、ヨシノがかわいそうだから歓迎会するって...」
「マジで意味がわからないんですけど...」
俺もだよ。
「きっと、部長は、レオン君が死んで、落ち込んでるヨシノを慰めたいんだろ?」
「それってさ、歓迎会じゃなくて、『偲ぶ会』でしょ。そんで、アンタはともかく、どうして、風見マイカが私にそこまでしようとするわけ?」
「実は、ヨシノとレオン君がPGS(パブリックガーディアンズ)を裏切ったって話を、カイトから聞いたとき、その場に部長も竹田もいたんだよ、それで、『みんなでいっしょに』、ヨシノとレオン君を助けようって決意したんだ、まぁ、結果はダメだったけどさ...」
「『みんなでいっしょに』...って、風見マイカは最後の方にアンタを助けに来ただけで、竹田君に関しては、アンタを助けに来なかったわよねぇ...」
「うん...一応、電話はしたんだけどさ、部長はその時、副部長と部室でアニメ見てたっぽい」
「竹田君は?」
「知らん」
「わかったわよ、行けばいいんでしょ、行けば!」
「アルティメットメディアクリエイター部に入部してくれるのか?」
「するわけねーわよ!アンタたちが歓迎会だと思い込んでいる偲ぶ会に出席するだけよォ!」
俺は英語の授業を放棄したヨシノ共に、アルティメットメディアクリエイター部の部室に向かう。
「でもさぁ、お前、PGSを裏切ったのに、よく、ここに戻ってこれたよなぁ...」
「私たち断罪剣士はそれだけ、PGSにとって、貴重な存在だってことでしょ」
「なんで、PGSはそんなに断罪剣士を特別扱いするんだ?」
「知らねーわよ!あっ...ここね...!」
部室のドアのガラスの部分には直接、黒のマジックペンでアルティメットメディアクリエイター部と描かれていた。
「普通、こーゆうのって、紙に書いて、ドアに貼るわよねぇ...」
「まぁ、ここは偏差値最低辺高のアルティメットジーニアス学園だからな、普通なんて発想は捨てたほうが楽だぜ!」
「大体、アルティメットメディアクリエイター部ってなによ!」
「そりゃあ、アルティメットなメディアをクリエイターする部活のことだよ...」
「説明になってねーわよ!」
ヨシノがドアを開ける。
ヨシノが部室に入った瞬間、クラッカーの音が鳴る。
部室のテーブルの中央には、ガスコンロの上に乗った鍋が湯気を立てていた。
サンタクロースの格好をした部長と副部長と竹田が一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマ...」
バタン。
3バカが最後まで言い終わる前に、ヨシノが部室のドアを閉める。
ヨシノが俺に真顔で問いかける。
「今、何月?」
「3月です」
「帰る」

次回予告 歓迎会 その3
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