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裏切り者 その1
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裏切り者 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
清掃ボランティアの打ち上げで鍋を食べていた、俺と竹田と風見マイカ。
断罪剣の謎について俺に聞いてくるマイカ。
俺は情報不足で風見マイカになにも情報を提供することができない。
その時、突如、自室の窓があけ放たれ、PGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトが、不法侵入してくる。
カイトはマイカの疑問に答えるように告げる。
「PGSの医療施設から、色川ヨシノと、その弟、レオンが脱走した...我々PGSは奴らを捕らえるのに、君たちの協力を要請する...我々に協力してくれれば、お前たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい」
それは、つまり、ヨシノがPGSを裏切ったことを意味していた。
個人的には、断罪剣の謎よりも、どうして、ヨシノがPGSを裏切ったのかが気になった。
「カイト!どうして、ヨシノはPGSを裏切ったんだ?」
「どうやら、ヨシノは、レオンとの面会の際に『ある事実』を知ってしまったらしい...」「『ある事実』?」
「君は、レオンが、自分とヨシノの両親を殺したことは知っているね?」
「ああ、パブリックモンスターになったレオンが、自分の意思で、自らの両親を殺害した...!」
「そうだ、しかし、その犯行動機にはちゃんとした理由があった」
「理由?」
「色川レオンの両親は、パブリックモンスターに覚醒したレオンを、PGSに処刑させようとしていたらしい...」
「じゃあ、レオン君は自分の身を守る為に、両親を殺すしかなかった...」
「そうだ、それこそが、ヨシノが知ってしまった『ある事実』だ。レオンに同情したヨシノは、レオンの死刑を阻止するために、レオンと共にPGSの医療施設を脱走した」
「なるほど...要は、俺たちにヨシノをおびき出すエサになれってことか...!」
「その通りだ、ヨシノとレオンの捕獲が成功すれば、君たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい...」
「気に入らないな」
「何だとォ!」
「ヨシノは俺の友達だ、友達をだますなんて俺にはできねェ!」
「では、そこの竹田君と疾風の断罪剣士、君達はどうする?」
「とりあえず、PGSは死ね」
「貴様ァ!」
「私はそもそも、ヨシノと話したことがないわ、確か転校生よね、その子?」
「ええ、ヨシノも実は、俺と部長と同じ、断罪剣士なんです」
「じゃあ、仲間ってことね、じゃ、私もPGSには協力できないわ」
「では君たち3人は、友人であるヨシノを見捨てるのか!」
「見捨てるわけないだろ!ヨシノとレオン君は、俺たちが守る!」
竹田が異を唱える。
「3人って...それ、俺も入ってるの?」
俺は竹田の肩に手を乗せ、にこやかに告げる。
「当たり前だろ...!俺達...友達だろ...!」
「いや、全然嬉しくねぇし!」
「とりあえず、私たち『アルティメットメディアクリエイタ―部』はヨシノとレオン君をあなた達PGSから守る!それが私たちの答えよ!」
風見マイカの宣戦布告に竹田がキレる。
「部長ォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
「なるほど...つまり、君たちは我々PGSの敵になるということだな...!」
「PGSの敵じゃねぇ!ヨシノを傷つける奴らの敵だァ!」
「君たち『3人』の決意はわかった...我々PGSには、パブリックモンスターの脅威から罪なき、人々の命を守る使命がある、それを邪魔するなら容赦はしないぞ...!」
竹田がカイトに泣きながら頼む。
「ちょっと、まってくれよォ!俺はPGSと敵対するつもりはない!その『3人』の中に俺を入れるのはやめてくれぇぇぇぇッ!」
「諦めなさい、竹田君、私たち友達でしょ!」
「部長の言うとおりだぜ!俺達、友達だろ!」
カイトが自室から去る。
竹田が絶望して、叫ぶ。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
次回予告 裏切り者 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
清掃ボランティアの打ち上げで鍋を食べていた、俺と竹田と風見マイカ。
断罪剣の謎について俺に聞いてくるマイカ。
俺は情報不足で風見マイカになにも情報を提供することができない。
その時、突如、自室の窓があけ放たれ、PGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトが、不法侵入してくる。
カイトはマイカの疑問に答えるように告げる。
「PGSの医療施設から、色川ヨシノと、その弟、レオンが脱走した...我々PGSは奴らを捕らえるのに、君たちの協力を要請する...我々に協力してくれれば、お前たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい」
それは、つまり、ヨシノがPGSを裏切ったことを意味していた。
個人的には、断罪剣の謎よりも、どうして、ヨシノがPGSを裏切ったのかが気になった。
「カイト!どうして、ヨシノはPGSを裏切ったんだ?」
「どうやら、ヨシノは、レオンとの面会の際に『ある事実』を知ってしまったらしい...」「『ある事実』?」
「君は、レオンが、自分とヨシノの両親を殺したことは知っているね?」
「ああ、パブリックモンスターになったレオンが、自分の意思で、自らの両親を殺害した...!」
「そうだ、しかし、その犯行動機にはちゃんとした理由があった」
「理由?」
「色川レオンの両親は、パブリックモンスターに覚醒したレオンを、PGSに処刑させようとしていたらしい...」
「じゃあ、レオン君は自分の身を守る為に、両親を殺すしかなかった...」
「そうだ、それこそが、ヨシノが知ってしまった『ある事実』だ。レオンに同情したヨシノは、レオンの死刑を阻止するために、レオンと共にPGSの医療施設を脱走した」
「なるほど...要は、俺たちにヨシノをおびき出すエサになれってことか...!」
「その通りだ、ヨシノとレオンの捕獲が成功すれば、君たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい...」
「気に入らないな」
「何だとォ!」
「ヨシノは俺の友達だ、友達をだますなんて俺にはできねェ!」
「では、そこの竹田君と疾風の断罪剣士、君達はどうする?」
「とりあえず、PGSは死ね」
「貴様ァ!」
「私はそもそも、ヨシノと話したことがないわ、確か転校生よね、その子?」
「ええ、ヨシノも実は、俺と部長と同じ、断罪剣士なんです」
「じゃあ、仲間ってことね、じゃ、私もPGSには協力できないわ」
「では君たち3人は、友人であるヨシノを見捨てるのか!」
「見捨てるわけないだろ!ヨシノとレオン君は、俺たちが守る!」
竹田が異を唱える。
「3人って...それ、俺も入ってるの?」
俺は竹田の肩に手を乗せ、にこやかに告げる。
「当たり前だろ...!俺達...友達だろ...!」
「いや、全然嬉しくねぇし!」
「とりあえず、私たち『アルティメットメディアクリエイタ―部』はヨシノとレオン君をあなた達PGSから守る!それが私たちの答えよ!」
風見マイカの宣戦布告に竹田がキレる。
「部長ォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
「なるほど...つまり、君たちは我々PGSの敵になるということだな...!」
「PGSの敵じゃねぇ!ヨシノを傷つける奴らの敵だァ!」
「君たち『3人』の決意はわかった...我々PGSには、パブリックモンスターの脅威から罪なき、人々の命を守る使命がある、それを邪魔するなら容赦はしないぞ...!」
竹田がカイトに泣きながら頼む。
「ちょっと、まってくれよォ!俺はPGSと敵対するつもりはない!その『3人』の中に俺を入れるのはやめてくれぇぇぇぇッ!」
「諦めなさい、竹田君、私たち友達でしょ!」
「部長の言うとおりだぜ!俺達、友達だろ!」
カイトが自室から去る。
竹田が絶望して、叫ぶ。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
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