225 / 391
山下テツヤ その10
しおりを挟む
山下テツヤ その10
カエデの狂撃波動により、狂人と化したテツヤは西村アサリの制止を振り切って、自分の頭部を何度も地面にぶつけ、瀕死状態になる。
狂撃波動とはコレ↓である。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤■鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤■鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤』
西村アサリはカエデと似た方法で自分の力を瀕死状態のテツヤの体内に注入する。
肉体から魂が離れていない状態のテツヤはアサリの行動によって一命をとりとめるも、
アサリ自身の肉体はテツヤに狂撃波動の力を渡してしまったことで消滅してしまっていた。
不完全な狂撃波動の使い手となったテツヤは自身の中にアサリが分離可能な狂撃波動として不完全な状態で存在していることを知る。
予想外の事態に驚嘆したカエデはそのまま、自分の目の前から去っていくテツヤを追いかけることもなく、ただ、見つめ続けていたのだった。
*
山下テツヤは長い長い回想を終えた。
これで、もう何度、あの輝かしい青春の日々を回想したことか。
回想した数を数えてみたが、100を超えたあたりで、めんどくさくなって回想するのをやめてしまった。
山下テツヤは、あの輝かしい青春の日々を回想する度に、自分の中の時計の針がずっと『あの日』のまま、止まっていることに気付いて、むなしくなる。
そう、それはテツヤ自身が『あの日』、先輩と引き換えに狂撃波動の使い手になってしまった日から、人間として、一歩も成長できていないことを証明していた。
『あの日』の後、人知を超えた狂撃波動の力を手に入れたテツヤは世界中を一人で旅していた。
しかし、その旅でテツヤが手に入れたのは、一時のやすらぎと、大切な人達を失った過去との対峙だった。
過去を振り返ることをやめたテツヤの目の前に、一人の美少女、テツヤの先輩・西村アサリと同じ姿をした狂撃波動が現れる。
「なんだ、今回はずいぶん、帰ってくるのが遅かったな...」
アサリの姿をした狂撃波動がテツヤに、テツヤから預かった財布を手渡す。
『映画を見た...そのあと、コンビニでおでんを買って公園で食った...』
「おでん、か...」
見た目こそ、西村アサリと同じではあるが、この西村アサリの姿をした狂撃波動にアサリの記憶は存在しない。
このアサリの姿をした狂撃波動は自我を持っており、ある程度、気晴らしをさせないと、飼い主であるテツヤの言うことを聞かないのだ。
テツヤは自分の『全て』である西村アサリの魂を取り戻すために、再びカエデの前に現れたのだ。
狂撃波動は人知を超えた、狂気の力。
常識を超えた力であれば、できないことはないはずだ。
しかし、テツヤの力だけでは限界があった。
だから。
カエデの持つ力の全てを手に入れることができれば、アサリの魂を取り戻すことができるかもしれないと思った。
確信はない、しかし、もう、テツヤにはそれに賭けるしかなかったのだ。
テツヤは目の前にいるアサリの姿をした狂撃波動がアサリ本人であることを知りながらも、つい呟いてしまう。
「おかえり」
アサリの姿をした狂撃波動はテツヤに何も言わずに、テツヤの体内に戻っていく。
テツヤは自分がとっくに壊れていることを自覚する。
それでも山下テツヤは歩みを止めない、アサリの姿をした狂撃波動と一つになったテツヤはそのまま、協会の屋上から立ち去った。
次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1
カエデの狂撃波動により、狂人と化したテツヤは西村アサリの制止を振り切って、自分の頭部を何度も地面にぶつけ、瀕死状態になる。
狂撃波動とはコレ↓である。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤■鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤■鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤』
西村アサリはカエデと似た方法で自分の力を瀕死状態のテツヤの体内に注入する。
肉体から魂が離れていない状態のテツヤはアサリの行動によって一命をとりとめるも、
アサリ自身の肉体はテツヤに狂撃波動の力を渡してしまったことで消滅してしまっていた。
不完全な狂撃波動の使い手となったテツヤは自身の中にアサリが分離可能な狂撃波動として不完全な状態で存在していることを知る。
予想外の事態に驚嘆したカエデはそのまま、自分の目の前から去っていくテツヤを追いかけることもなく、ただ、見つめ続けていたのだった。
*
山下テツヤは長い長い回想を終えた。
これで、もう何度、あの輝かしい青春の日々を回想したことか。
回想した数を数えてみたが、100を超えたあたりで、めんどくさくなって回想するのをやめてしまった。
山下テツヤは、あの輝かしい青春の日々を回想する度に、自分の中の時計の針がずっと『あの日』のまま、止まっていることに気付いて、むなしくなる。
そう、それはテツヤ自身が『あの日』、先輩と引き換えに狂撃波動の使い手になってしまった日から、人間として、一歩も成長できていないことを証明していた。
『あの日』の後、人知を超えた狂撃波動の力を手に入れたテツヤは世界中を一人で旅していた。
しかし、その旅でテツヤが手に入れたのは、一時のやすらぎと、大切な人達を失った過去との対峙だった。
過去を振り返ることをやめたテツヤの目の前に、一人の美少女、テツヤの先輩・西村アサリと同じ姿をした狂撃波動が現れる。
「なんだ、今回はずいぶん、帰ってくるのが遅かったな...」
アサリの姿をした狂撃波動がテツヤに、テツヤから預かった財布を手渡す。
『映画を見た...そのあと、コンビニでおでんを買って公園で食った...』
「おでん、か...」
見た目こそ、西村アサリと同じではあるが、この西村アサリの姿をした狂撃波動にアサリの記憶は存在しない。
このアサリの姿をした狂撃波動は自我を持っており、ある程度、気晴らしをさせないと、飼い主であるテツヤの言うことを聞かないのだ。
テツヤは自分の『全て』である西村アサリの魂を取り戻すために、再びカエデの前に現れたのだ。
狂撃波動は人知を超えた、狂気の力。
常識を超えた力であれば、できないことはないはずだ。
しかし、テツヤの力だけでは限界があった。
だから。
カエデの持つ力の全てを手に入れることができれば、アサリの魂を取り戻すことができるかもしれないと思った。
確信はない、しかし、もう、テツヤにはそれに賭けるしかなかったのだ。
テツヤは目の前にいるアサリの姿をした狂撃波動がアサリ本人であることを知りながらも、つい呟いてしまう。
「おかえり」
アサリの姿をした狂撃波動はテツヤに何も言わずに、テツヤの体内に戻っていく。
テツヤは自分がとっくに壊れていることを自覚する。
それでも山下テツヤは歩みを止めない、アサリの姿をした狂撃波動と一つになったテツヤはそのまま、協会の屋上から立ち去った。
次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる