超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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伊倉アキオ その3

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伊倉アキオ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
いじめられっ子の高校生、伊倉アキオはある日突然、断罪者に覚醒して、自分をいじめていた生徒達を一人残らず包丁で斬殺した。
石間コウイチと助手の奈良見ルナは、伊倉アキオに弟を殺された女刑事・新田みくと共に逃走中の伊倉アキオを探し始める。
「おい新田、お前、アキオがいそうな場所に心当たりがあるのか?」
「ええ、伊倉アキオの目的がいじめっ子たちへの復讐なら、アキオは自分が高校に進学する前に通っていた中学校や小学校の元クラスメイトのいじめっ子たちもターゲットにしているはずよ」
「なるほど、この時間なら、まだギリギリ下校時間じゃないな」
「やっべ、私、工事用のヘルメットかぶってくるの忘れちゃいました!アキオって確か包丁持って逃走してるんですよね」
「諦めろ、奈良見。とっととアキオの元クラスメイトが通学している高校に行かないと、全てが手遅れになる」
「でも、ぶっちゃけさぁ、いじめっ子なんて守る価値ないと思うんですよね?」
アキオをいじめいていた弟を持つ新田みくの表情が難しい顔になる。
「おい奈良見、もうちょっと空気読めや...」
「す、すんませ~ん」
「いいのよ、奈良見さん、私も自分の弟がアキオに殺されていなければ、あなたと同じことを思っていたに違いないわ。でも、いざ、いじめ加害者とはいえ、自分の家族が被害者になってしまうと、誰が被害者で誰が加害者なのか、わからなくなっちゃうわよね...」
「新田、とりあえず、今は運転に集中しろ、お前がブルーになって事故ったらアキオの被害者がさらに増えるんだぞ」
「わかってるわよ、そんなこと...」
数分後、新田の運転する車がアキオの中学時代のクラスメイト達が一番多く通っている高校の近くに止まる。
車から降りた俺達はすぐに、その高校の校舎の中に入る。
新田みくが受付の事務員に警察証を見せて事情を説明する。
「どうやら、まだここにはアキオらしき人物は来ていないみたい...」
「逆に怪しいな、この高校は中学時代にアキオをいじめていた生徒達が一番多く通っている高校なんだろ?」
「もしかして、今日は疲れたから、明日に予定を変更しようとしたとか?」
「それはないな、今日中に警察がアキオが訪れそうな学校に警備を固めれば、アキオは自分の目的を達成しずらくなる」
「そうね、犯行予定の変更はアキオにとっても色々と都合が悪いわ...」
次の瞬間、見知らぬ生徒の頭部が俺達の目の前の床に転がってきた。
「また、お会いましたね、石間さん」
「アキオ...お前!」
「僕がターゲットを斬殺するのに、わざわざ正面から校舎に潜入すると思いました?」
突然現れたアキオと床に転がる生徒の頭部に、先程まで話していた受付の事務員と周りのクラスメイト達が悲鳴を上げる。
「アキオ、お前もう、いじめ加害者を全員、殺しちまったのか?」
「もちろん、断罪者の僕なら、何人、人間を殺しても、この国の法律では死刑にできない、殺らなきゃ損ですよ」
奈良見が俺に涙目で訴えてくる。
「そんじゃあ、まぁ、もう手遅れってことで、石間さん、私もう帰っていいですか?」
「ダメに決まってんだろぉ!」
「だってアキオは、この短時間でたぶん十数人殺してるんですよ!私たちじゃ勝てっこないですよ!」
「アキオを殺せる方法が一つだけあるわ...」
女刑事・新田みくが拳銃の銃口を全身血まみれのアキオに向ける。
「おい!新田ァ!お前、それじゃあ約束が違うぞぉ!」
「でも、アキオは断罪者に覚醒したことで、身体能力が向上しているのよ...もうこれしか方法がないわ」
「お前がアキオを殺したら、今度はお前が人殺しになるんだぞ...!」
「そんなの関係ないわ、この国の法律は心神喪失状態の殺人犯に優しすぎるわ、この国の法律でコイツを死刑にできないなら、私がコイツを直接、死刑にするまでよ」
「刑事さんさァ...なんで僕をそこまでして殺したいわけ?」
「あんたに弟を殺されたからに決まってるでしょ!」
「ああ、新田って、なんだ刑事さん、新田のお姉さんだったのか、ひゃ~そりゃ残念でしたァ~ご愁傷様ァッ!でも悪いけどさァ、おめぇの弟が先に僕の服脱がしたり、僕の顔を殴ったりしてきわけだからさァ、ぶっちゃけ、こっちは正当防衛なんですよねぇ!だから僕に殺されても文句は言えせ~ん!ヒャハッハッハッ!自業自得ゥッ!ヒャァオォォォッ‼」
銃声が二度、校舎内に響き渡る。
新田の打った銃弾が、アキオの両手を貫いていた。
「これで、もうアンタは人を殺せない...」
次に新田は銃口をアキオの頭部に向ける。
「おい新田ァ!それぐらいにしとけぇ!」
「おいおいなんだよそれ...僕はいじめ被害者だぞ!なのになんでいじめ加害者の遺族に復讐されなきゃいないんだよ!ふざけんなァ!僕はいじめ被害者だ!僕は正義なんだよォッ!僕は自力で断罪者に覚醒した天才なんだよ!
「おい、アキオ、お前、なんか勘違いしてねぇか?」
「石間さ~ん、そんなのどうでもいいんで早く僕のこと助けてくださいよォ!リンクマスターの仕事は断罪者を救うことじゃないんですかァ?」
「アキオ、お前は自力で断罪者に覚醒したんじゃない。お前が断罪者に覚醒したのは、お前が『アイツ』に狂撃波動を受けた影響だ、だからお前は天才でも何でもない、お前は、『アイツ』の計画に必要な操り人形に過ぎない...」
「そんなァ!嘘だァ!」
「ちょっと待ってくださいよ、石間さん、断罪王現象は自然災害だって、わたし大学で習いましたよ!」
「確かに奈良見の言う通り、断罪王現象は自然現象だ。しかし、正常な人間がある日突然断罪者になる根本的なきっかけを作っているのは『アイツ』の狂撃波動だ。『アイツ』に近距離及び、遠距離から脳内に狂撃波動を放たれた者は皆、自分の抱えている悩みやストレスが頂点に達すると、断罪者、つまり社会不適合者になってしまう。つまり、『アイツ』の狂撃波動は正常な人間を断罪者に変えてしまうのに必要なスイッチみたいなものなんだよ」
「それじゃあ...断罪王現象は実質、人為災害...!それより石間さん『アイツ』って誰ですか?」
「奈良見、その話は後だ。というわけで、新田、お前が真に復讐するべき相手はアキオじゃない、アキオに狂撃波動を放った『アイツ』だ。だからいますぐ銃をおろせ、お前がその銃口を向けるべき相手はアキオじゃない『アイツ』だ」
「ぼ、僕はだれにも狂撃波動なんて受けた覚えはないぞ...」
「おそらく、遠距離からいじめられている最中のお前を狙って、狂撃波動を撃たれたんだろ、つまり『アイツ』は今、どこからか、この状況を見ているはずだ...」
新田が懐に拳銃をしまう。
「石間君、その『アイツ』についての話、あとで詳しく聞かせてもらうわよ」
「へいへい。ということで、アキオ、とりあえず、おとなしくなってもらうぞ」
俺は右手でアキオの頭部をつかんで狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『アイツ』がアキオの脳内に放った狂撃波動が俺の放った狂撃波動により相殺される。
このようにして、断罪者は正常な状態へと戻るのだ。
気絶したアキオは俺が読んだ救急車に乗せれられて病院に向かう。
おそらく、死刑にはならず、断罪者収容所送りになるだろう。
「アキオは捕まえられても、結局誰も助けられなかった、今回は完全に俺の負けだ...今ごろ『アイツ』は近くでほくそ笑んでいるに違いない...」
俺と奈良見を乗せた新田の運転する車がリンクセンター石間へと向かう。

次回予告 すべてのはじまり
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