超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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梅原ノリオ その1

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梅原ノリオ その1
かけっこや、ボール遊び、人々が遊ぶ声であふれる日中の公園に一人の男がやってきた。
そして、男は公園の中心で急に衣服を脱ぎだした。
その男の名は梅原ノリオ。
        *
俺が勤務するリンクセンター石間に依頼人が入ってくる。
「どうも、以前、電話で予約した梅原です」
依頼人、梅原キヌさんが俺と、助手の奈良見ルナに頭を下げる。
そして、梅原キヌさんのとなりには、キヌさんの息子、梅原ノリオが立っていた。
「では依頼の内容について説明してもらってもいいですか?」
「はい、うちの息子のノリオがある日突然、大勢の人の前で服を脱いでしまいまして」
「なるほど。警察はそのことを知ってるんですか?」
「いえ、警察はまだウチには一度も来ていません」
「なぜ?」
「ノリオはとても足が早くて、人前で裸になってすぐに自宅まで全力疾走しているそうなんです。そうなのよね、ノリオ」
「うん、僕は学生のころから足が早いんです、だから警察が僕を捕まえることは不可能です」
「でも、我々が警察に通報すれば、君はもう警察からは逃げられないよ」
「無駄ですよ、衣服を着た状態から裸になることで僕の速度はよりスピードアップする」「とりあえず、断罪者か、ただの露出狂の犯罪者かどうかだけ確かめさせてもらいますね。ノリオ君、今、君が思っていることを、なんでもいいからこの紙に書いてよ」
断罪者。それは断罪王現象と呼ばれるある日突然、正常な社会人が社会不適合者になってしまう現象により、社会不適合者になってしまった人々の名称である。
梅原ノリオが白紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「これは重症ですね」
「やっぱりね。うちのノリオは普段、公務員の仕事をしているエリートなんです。そのノリオがある日突然、人の前で服を脱ぐなんて、断罪王現象以外に原因なんて考えられませんよ!」
「つまり、警察と会社にノリオ君の犯罪を特定されて逮捕される前に、我々にノリオ君をまともな状態にもどしてほしいということですね」
「そういうことです、お金ならいくらでも払います」
「でもキヌさんね、断罪王現象である日突然、断罪者、つまり社会不適合者になってしまう人たちにはみんな、断罪者になってしまう『きっかけ』があるんですよね」
「それはつまり、ノリオの心の闇がノリオを断罪者にしてしまったということですか?」「そういうことです、そこらへんをどうにかしないと、ノリオ君はまた人前で服を脱ぎ始めてしまうでしょうね」
「そんなのノリオに聞いてみなきゃわかりませんよ!」
「ノリオ君、ノリオ君はどうして人前で服を脱いじゃうのかな?」
「う~ん、頭の中で、なんかいきなり『いってこい』って言われたような気がして、それでみんなの前で服を脱ぐと、こう、なんというか、青空を自由に飛ぶ鳥になったような感じがして気持ちがいいんですよね」
ノリオ君の発言を聞いた奈良見ルナが必死に笑うのを我慢している。
「奈良見ィ!笑ってんじゃねェよォ!すいません、この助手まだ新人なものでして...とにかく、さっきのノリオ君の発言だけではノリオ君が断罪者になってしまった理由がわかりませんので、今日ご持参してもらった資料をもとに分析が済み次第、またご連絡させていただきます」
「それじゃあ、困るんですよ!ノリオが警察に捕まってしまったらノリオは会社を解雇されて本当の意味で社会不適合者になってしまうんです!今すぐ私の知っているノリオを返してください!」
「こちらにもできることと、できないことがあります。仮に今、ノリオ君を元に戻しても、ノリオ君がどうして人の前で服を脱いでしまうのか、その原因を突き止めて、ノリオ君自身が変わらないと、また同じあやまちが繰り返されます」
「じゃあ、私達家族はどうすればいいんですか!私と旦那は一生懸命、ノリオを教育してノリオの人生を『完成』させたのに、これでノリオが警察に捕まったら...」
ノリオの母親のキヌさんがいきなり泣き始める。
「とにかく、私共の分析が終わるまでノリオ君を外出させないように努力してください、我々に言えるのはそれだけです」
梅原キヌさんは渋々、ノリオの手を引いて、リンクセンター岩間から退室した。
「あのキヌっていう母親、ノリオ君の人生を『完成』させたって言ってましたね...」
「奈良見のくせになかなか鋭いじゃねぇか!俺もそこに引っかかった。この件を解決させるカギはおそらくそこにある...」

次回予告  梅原ノリオ その2
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