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『西崎アリス』その1
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『西崎アリス』その1
ある日突然、社会人が社会不適合者になってしまう現象、『断罪王現象』。
俺、石間コウイチは断罪王現象で社会不適合者になってしまった『断罪者』を正常な状態に戻し、再び社会につなげる『リンクマスター』の仕事をしている。
そして、俺が勤務するリンクセンター石間に電話で予約をしていた依頼主が訪問してきた。
「あの、先週、予約した西崎アリスの母のエミコですけど...」
「ああ、西崎さんですね、それじゃあ、そこのソファーに座ってください。おい奈良見!茶を3人分用意してくれ!」
奈良見ルナは俺の助手で、新人リンクマスターである。
「お茶のお湯はヤカンと電気ポッド、どっちで沸かしたお湯のほうがいいですかね?」
「電気ポッドに決まってんだろォ!いい加減、学習しろォ!」
「それで、私の娘のアリスのことなんですけど...」
「ああ、すいません、娘のアリスさんがどうかしましたか?」
「はい、実は娘のアリスが電車の中や、学校の教室の中で『G』をしてしまうんです...」
「『G』?ですか...?」
「はい『G』です...」
「その『G』って、いったいどんな『G』ですか?」
「あの...その...体の大事なところを自分でいじるほうの『G』です...」
「ああ...そっちの『G』ですね...」
「クスッ...」
「おい奈良見ィッ!なに笑ってんだ!ぶっ殺すぞォ‼さっさと茶ァ入れろォッ!」
「すみません、うちの助手が...あいつ義務教育過程を修了してないんですよ...」
「そ、そうなんですか...?」
「うっせぇ!適当なこと言ってんじゃねぇよ!とっくに修了しとるわい!」
「それでは、まず、アリスさんが本当に断罪者かどうか、チェックのほうをさせてもらいますね」
「はい、おねがいします...」
「それじゃあ、アリスちゃん、この白紙に今、君が思っていること、なんでもいいから書いてごらん?」
「わかりました...」
アリスが白紙に書いたのがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ご愁傷さまです」
「そんな!うちの娘はもう元には戻らないんですか?」
「それは、これから調査・分析します、こちらが電話で要求したアリスちゃんの資料は今日、ご持参ですか?」
「はい、コレです」
俺はアリスちゃんの母親のエミコさんから、アリスちゃんの情報について記された書類を受け取る。
西崎アリス。
学生。父と母の三人暮らし。父母ともに25歳。成績は普通、スポーツも普通。趣味は友達と遊ぶこと。ある日突然、自宅の室内だけでなく、学校の教室や電車の中で『G』を始めてしまうようになり、現在、不登校。
「わっかりました、それでは分析の後に、こちらから連絡させてもらいますね」
「はい、よろしくお願いします...」
エミコさんはそう言って俺に頭を下げて、アリスちゃんと手を繋いでリンクセンター石間から出ていった。
「なァ、奈良見、お前も学生の頃は教室や電車の中で『G』してたのか?」
「するわけねぇだろ!つーか、茶ァ!せっかく入れたのにどうして誰も飲まないのよォッ!」
「そんなもんだろ、どこも...それより、今回の件はかなり、難しいな...奈良見はこの件、どう見てる?」
「そーっすね、まァ、『G』をする場所はともかく、この年の女の子ならまァ、普通に『G』はしますよね、もちろん自分の部屋ですけど」
「奈良見はどんな『G』してたんだ?」
奈良見ルナがコップに入った熱々のお茶を俺の顔面にぶっかけてきた。
「あっちぃなァァッ!なにすんじゃボゲェッ!」
「ボゲェは貴様じゃクソボゲカス‼女に普通そういうこと聞くかァ?」
「まぁ、このアリスちゃんはおそらく、もともと性欲の強い女性だったんだろうな、それで、『なんらかの理由』でその性欲に歯止めが効かなくなった...」
「その『なんらかの理由』って?」
「この資料に記されている、アリスちゃんの両親の年齢をよく見ろ」
「『父母ともに25歳』...かなり若いですねぇ...もしかして!」
「なんだ、奈良見のくせにめずらしく勘がいいじゃないか、つまりそういうことだ」
次回予告 『西崎アリス』その2
ある日突然、社会人が社会不適合者になってしまう現象、『断罪王現象』。
俺、石間コウイチは断罪王現象で社会不適合者になってしまった『断罪者』を正常な状態に戻し、再び社会につなげる『リンクマスター』の仕事をしている。
そして、俺が勤務するリンクセンター石間に電話で予約をしていた依頼主が訪問してきた。
「あの、先週、予約した西崎アリスの母のエミコですけど...」
「ああ、西崎さんですね、それじゃあ、そこのソファーに座ってください。おい奈良見!茶を3人分用意してくれ!」
奈良見ルナは俺の助手で、新人リンクマスターである。
「お茶のお湯はヤカンと電気ポッド、どっちで沸かしたお湯のほうがいいですかね?」
「電気ポッドに決まってんだろォ!いい加減、学習しろォ!」
「それで、私の娘のアリスのことなんですけど...」
「ああ、すいません、娘のアリスさんがどうかしましたか?」
「はい、実は娘のアリスが電車の中や、学校の教室の中で『G』をしてしまうんです...」
「『G』?ですか...?」
「はい『G』です...」
「その『G』って、いったいどんな『G』ですか?」
「あの...その...体の大事なところを自分でいじるほうの『G』です...」
「ああ...そっちの『G』ですね...」
「クスッ...」
「おい奈良見ィッ!なに笑ってんだ!ぶっ殺すぞォ‼さっさと茶ァ入れろォッ!」
「すみません、うちの助手が...あいつ義務教育過程を修了してないんですよ...」
「そ、そうなんですか...?」
「うっせぇ!適当なこと言ってんじゃねぇよ!とっくに修了しとるわい!」
「それでは、まず、アリスさんが本当に断罪者かどうか、チェックのほうをさせてもらいますね」
「はい、おねがいします...」
「それじゃあ、アリスちゃん、この白紙に今、君が思っていること、なんでもいいから書いてごらん?」
「わかりました...」
アリスが白紙に書いたのがコレ↓だ。
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「そんな!うちの娘はもう元には戻らないんですか?」
「それは、これから調査・分析します、こちらが電話で要求したアリスちゃんの資料は今日、ご持参ですか?」
「はい、コレです」
俺はアリスちゃんの母親のエミコさんから、アリスちゃんの情報について記された書類を受け取る。
西崎アリス。
学生。父と母の三人暮らし。父母ともに25歳。成績は普通、スポーツも普通。趣味は友達と遊ぶこと。ある日突然、自宅の室内だけでなく、学校の教室や電車の中で『G』を始めてしまうようになり、現在、不登校。
「わっかりました、それでは分析の後に、こちらから連絡させてもらいますね」
「はい、よろしくお願いします...」
エミコさんはそう言って俺に頭を下げて、アリスちゃんと手を繋いでリンクセンター石間から出ていった。
「なァ、奈良見、お前も学生の頃は教室や電車の中で『G』してたのか?」
「するわけねぇだろ!つーか、茶ァ!せっかく入れたのにどうして誰も飲まないのよォッ!」
「そんなもんだろ、どこも...それより、今回の件はかなり、難しいな...奈良見はこの件、どう見てる?」
「そーっすね、まァ、『G』をする場所はともかく、この年の女の子ならまァ、普通に『G』はしますよね、もちろん自分の部屋ですけど」
「奈良見はどんな『G』してたんだ?」
奈良見ルナがコップに入った熱々のお茶を俺の顔面にぶっかけてきた。
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「ボゲェは貴様じゃクソボゲカス‼女に普通そういうこと聞くかァ?」
「まぁ、このアリスちゃんはおそらく、もともと性欲の強い女性だったんだろうな、それで、『なんらかの理由』でその性欲に歯止めが効かなくなった...」
「その『なんらかの理由』って?」
「この資料に記されている、アリスちゃんの両親の年齢をよく見ろ」
「『父母ともに25歳』...かなり若いですねぇ...もしかして!」
「なんだ、奈良見のくせにめずらしく勘がいいじゃないか、つまりそういうことだ」
次回予告 『西崎アリス』その2
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