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第三十二話 断罪王Σと婚活美少女アヤカ 相手に尽くせば必ず相手から見返りが返ってくることが当然だと思ってる女は俺とラップバトルを繰り広げろ
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第三十二話 断罪王Σと婚活美少女アヤカ。相手に尽くせば、尽くした分だけ相手から見返りが必ず返ってくることが当然だと思ってる女は俺とラップバトルを繰り広げながらジャズセッションしろ!
動物園を出て街中を歩いていると、ティッシュを配っている女の子がいた。
ティッシュを配っている女の子の横を通ると、当然のごとく女の子がティッシュを僕の眼の前に突き出してくる。
女の子からもらったティッシュには婚活パーティーという文字が書かれていた。
どうやら明日、このティッシュに記されている場所で婚活パーティーとやらが開催されるらしい。
「こんな回りくどいことはせずに、普通にナンパすりゃいいのに」
次の日、僕はヒマだったので白のランニングシャツに半ズボンを着用して婚活パーティーの開催場所に行くことにした。
婚活パーティーの開催は高級ホテルの広い一室で行われており、室内にはナンパする度胸もない臆病者の男女が大勢いた。
まぁ、僕もこの見た目だから女の子をナンパしたことはないんだけどね。
室内には丸いテーブルがいくつか設置されていた。
テーブルの上にはおいしそうな料理がたくさんおいてあった。
アリスと契約する前なら、いますぐ料理に飛びついていたところだが、今の僕には人間の食べ物はあまりおいしく感じないので、ちょっと胸が切なくなった。
「ねぇ、あんた冷やかしでしょ?」
ツインテールが特徴的な黒いドレスに身を包んだ美少女が僕に話しかけてきた。
「よくわかるね」
美少女の胸元につけられたネームプレートにはアヤカと書かれていた。
「そりゃあ、その恰好を見ればわかるわよ」
美少女は僕に指をさして服装のおかしさを指摘してくる。
「アヤカちゃんは僕と結婚したいの?」
「ハァ?そんなわけないでしょ!私はただ婚活パーティーに場違いな服装で出席しているあんたが不思議だな~と思って話しかけてみただけよ、勘違いしないでよね」
「アヤカちゃんはどんな男の人と結婚したいんだい?」
「そりゃあ、もちろん高収入のイケメンよ」
「じゃあ、高収入のイケメンだったら、どんなに性格が悪くても結婚するんだね」
「そうね、どうせ結婚するなら、性格がすごくいいイケメン貧乏人より性格がものすごく悪い高収入のイケメンと結婚するわ」
「そっか、まぁお金は大事だからね」
アヤカちゃんは僕の胸元につけられたネームプレートを興味深そうに見ている。
「ふ~ん、あんた宅間セメルって言う名前なんだ。あんたは今日はここに何しに来たの?最初は料理目当てかな~なんて思ってたけど、料理も全然食べてないみたいだし」
「うん、僕はただ暇だから、ここに来ただけなんだ」
「ふ~ん、ねぇ、セメルさんは特技とかってなんかあるの?」
「どうしたのいきなり?」
「暇つぶしに来たとか、ウソついたって無駄よ、アンタ、本当は出会いが欲しくてここに来たんじゃないの?」
「僕はアヤカちゃんに嘘なんかついてないよ」
「まぁ、とにかくさ、せっかく来たんだから変な意地張ってないでさ、私が練習台になってあげるから、なんか特技教えてよ~」
どうやら、アヤカちゃんは僕のことを婚活パーティーに参加したけど緊張のあまり誰とも話せないから、変な意地を張って自分の殻に閉じこもっているかわいそうな男と勘違いしているらしい。
僕は本当に暇つぶしに来ただけなのに。
でも、まぁ、いいか。
「僕の特技はね、人を食べることかな」
アヤカちゃんの表情が一瞬凍りつく。
アヤカちゃんは僕が冗談を言っていると勘違いしてるのか、すぐに作り笑いをする。
「なにそれ~おもしろ~い!」
「いいよ、そんなにわざとらしくリアクションしなくても」
アヤカちゃんが肘で僕の胸を突っついてくる。
どうやら、今度は僕の方からアヤカちゃんに質問したほうがいいみたいだ。
「アヤカちゃんの特技は何ですか?」
「え~と私も人を食べることかな~なんてね、アハハハハ...」
「アヤカちゃんはなにか勘違いしてるようだから一応言っておくけど、僕は本当に暇だからここに来ただけだし、人間を食べているの本当なんだよ!」
「そ、そうなの?だったらごめんなさい、余計なお世話だったわよね...」
「ごめんね、僕もちょっと言い過ぎたよ」
「いいの、私も実は緊張しててさ、正直あんまり男の人と話したことないのよ、だから会場で一人ポツンと寂しそうにしてたセメルさんを見て、同類だと思って、勇気を出して話しかけてみただけなのよ...」
「そっか僕はアヤカちゃんと同類なのか」
「あ、あまり深い意味はないわよ」
「なら今すぐ格の違いを見せてあげるよ。シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
婚活パーティー会場に悲鳴が上がる。
断罪王Σに変神した僕は近くにいた名前も知らない女性を食べる。
大勢の人々が悲鳴を上げながら婚活パーティー会場の出口に向かって走り出す。
僕は近くにあったテーブルを二つ両手に持つと、婚活パーティー会場の出口に向かって放り投げる。
婚活パーティー会場の出口が大きな二つのテーブルに塞がれてしまう。
僕は高速移動して入口から外に出ようとする卑怯者を食べる。
僕が入口の前に立ちふさがることで婚活パーティーに参加した人々の退路はなくなってしまった。
大勢の男女が出口をふさいでいるテーブルを横にずらそうとしている。
「悪あがきしてんじゃねぇぇよぉぉぉぉぉッ!」
僕は鋼鉄の皮膚に覆われた人差し指を伸ばして、テーブルを横にずらして会場から逃げ出そうしている人びとを、焼き鳥みたいに串刺しにする。
「いいか、僕から逃げようとするやつらは全員、コイツらみたいに串刺しにしてやるからな!」
「セ、セメルさん...?」
「これで僕がウソをついてないことがわかっただろ?僕は君みたいな普通の人間と一緒にすんじゃねぇよ!僕は人類を超越した生命体、断罪王Σなんだよ」
「じゃ、じゃあ、私のせいでこんなことに...」
「そうだね、アヤカちゃんが自分の価値観で僕という人間の価値を決めつけ、哀れみ、同情するから僕は自分の名誉のために断罪王Σに変神して人を食べるしかなかった」
「じゃあ、殺すなら私だけにしてください!関係ない人たちは会場から出してあげてください」
「だめだ、連帯責任だ。どうせ、ここにいるやつらはみんな白のランニングシャツに半ズボンで婚活パーティーに出席した僕を内心嘲笑っていたはずだ!だから、ここにいるやつらは全員きょうここで僕の栄養になってもらう」
婚活パーティーの参加者たちの悲痛に満ちた言葉と互いに争いあう声が会場を満たす。
「いやだぁッ!死にたくねぇよぉ!」
「こんなのあんまりよ!」
「ねぇ、どうして外の人たちは助けてくれないの?」
「俺、さっき携帯で警察に電話したけど」
「私も結構前に警察に電話したわ」
「なら、なんで警察はこないんだ?」
「そんなの私に聞かないでよ」
「婚活パーティーに白のランニングシャツ着て出席するやつを内心、馬鹿にしていったい何が悪いんだよ!」
「そうよ、自分がモテないからってみんなに八つ当たりして、最低よ!」
死の恐怖を前に少し前まで、結婚という明るい未来を夢見て婚活パーティーに参加した人々の心が、どんどん壊れていく光景はとても見ごたえがあって面白い。
僕の心が満たされていく。
自らの死を覚悟した婚活パーティーの参加者たちは床に散らばった皿やフォーク、ナイフなどの食器を手に持つと僕に向かって投げてくる。
「どうせ俺達に助かる道はないんだ!なら、もう何も恐れることはない!」
「そうよ!どうせ殺されるなら、怖いものなしよ!」
「そうだ!俺達がお前の卑怯な脅しに屈するとおもったら大間違いだぁ!」
婚活パーティーの参加者たちが命がけで投げてきた食器や物が僕の鋼鉄の皮膚に直撃する。
しかし、断罪王Σである僕の皮膚感覚はそれを痛みとして認識することはなかった。
婚活パーティーの参加者たちは僕になんのダメージも与えられなかったことを知りながらも、目から涙を流して色々な物を投げてくる。
「僕はただお前たちが気に喰わなかっただけだ!どいつもこいつも異性と喋って幸せそうな顔しやがってよぉッ!いいか?勘違いしてんじゃねぇぞぉ?おめぇらは被害者じゃねぇッ!おめぇらの幸せそうな顔が僕を怒らせ、悲しませた!つまり加害者はおめぇらで被害者はこの僕だァッ!だから加害者のおめぇらが被害者の僕になにされても、僕に文句を言う資格はねぇんだよぉ!」
僕は怒りの言葉を発すると同時に全身から鋼鉄のトゲを生やし、それを全方位に伸ばす。鋼鉄のトゲが婚活パーティーの参加者達の肉体に突き刺さる。
僕は身動きの取れなくなった婚活パーティーの参加者達の肉を少しずつ時間をかけて味わう。
「い、痛いよぉぉぉぉぉぉッ!」
「お、お願い!ゆ、許してぇッ!い、いや痛い痛い痛い痛い!」
「うぐあああああああああッ!痛ってぇよぉぉぉぉぉッ!」
「ど、どうして私たちがこんな目に、痛い!お願い!やめて痛い!」
「外の連中はいったいどうなってる!なんで警察はいつになっても助けにこねぇんだ?」
そして、僕が味わう最後の一人はアヤカちゃんだった。
「アヤカちゃんは僕にやさしくしてくれたからね、一番最後にしてあげたよ」
目の前の惨劇に放心状態になっているアヤカちゃんの口が開く。
「子供のころからずっと...好きな男の人のお嫁さんになるのが夢だったの...でも、大人になるにつれて、お金がないと幸せになれないんじゃとか、イケメンじゃないと長続きしないんじゃないかとか色々考え込むようになって...でも、なんかよくわかんないけど、今になって気づいたわ...私はきっと好きな人がそばにいてくれれば、お金とか顔とはそんなのどうでもよかったのかもしれないってことに...もっと早く気づいていればこんな欲と打算と血に塗れた婚活パーティ―になんか参加せずに済んだのかもね」
「そんなこと言わないでよアヤカちゃん、アヤカちゃんがそれに気づけなかったおかげで、僕は今、こうして美味しい思いができるんだからさ、そんじゃいただきます」
僕はアヤカちゃんを食べた。
次回予告 第三十三話 断罪王Σと美少女料理人マリナ。二次元の嫁がいる人間を馬鹿にする既婚者は買い物の支払いの際にお釣りを永遠に受け取るな!
動物園を出て街中を歩いていると、ティッシュを配っている女の子がいた。
ティッシュを配っている女の子の横を通ると、当然のごとく女の子がティッシュを僕の眼の前に突き出してくる。
女の子からもらったティッシュには婚活パーティーという文字が書かれていた。
どうやら明日、このティッシュに記されている場所で婚活パーティーとやらが開催されるらしい。
「こんな回りくどいことはせずに、普通にナンパすりゃいいのに」
次の日、僕はヒマだったので白のランニングシャツに半ズボンを着用して婚活パーティーの開催場所に行くことにした。
婚活パーティーの開催は高級ホテルの広い一室で行われており、室内にはナンパする度胸もない臆病者の男女が大勢いた。
まぁ、僕もこの見た目だから女の子をナンパしたことはないんだけどね。
室内には丸いテーブルがいくつか設置されていた。
テーブルの上にはおいしそうな料理がたくさんおいてあった。
アリスと契約する前なら、いますぐ料理に飛びついていたところだが、今の僕には人間の食べ物はあまりおいしく感じないので、ちょっと胸が切なくなった。
「ねぇ、あんた冷やかしでしょ?」
ツインテールが特徴的な黒いドレスに身を包んだ美少女が僕に話しかけてきた。
「よくわかるね」
美少女の胸元につけられたネームプレートにはアヤカと書かれていた。
「そりゃあ、その恰好を見ればわかるわよ」
美少女は僕に指をさして服装のおかしさを指摘してくる。
「アヤカちゃんは僕と結婚したいの?」
「ハァ?そんなわけないでしょ!私はただ婚活パーティーに場違いな服装で出席しているあんたが不思議だな~と思って話しかけてみただけよ、勘違いしないでよね」
「アヤカちゃんはどんな男の人と結婚したいんだい?」
「そりゃあ、もちろん高収入のイケメンよ」
「じゃあ、高収入のイケメンだったら、どんなに性格が悪くても結婚するんだね」
「そうね、どうせ結婚するなら、性格がすごくいいイケメン貧乏人より性格がものすごく悪い高収入のイケメンと結婚するわ」
「そっか、まぁお金は大事だからね」
アヤカちゃんは僕の胸元につけられたネームプレートを興味深そうに見ている。
「ふ~ん、あんた宅間セメルって言う名前なんだ。あんたは今日はここに何しに来たの?最初は料理目当てかな~なんて思ってたけど、料理も全然食べてないみたいだし」
「うん、僕はただ暇だから、ここに来ただけなんだ」
「ふ~ん、ねぇ、セメルさんは特技とかってなんかあるの?」
「どうしたのいきなり?」
「暇つぶしに来たとか、ウソついたって無駄よ、アンタ、本当は出会いが欲しくてここに来たんじゃないの?」
「僕はアヤカちゃんに嘘なんかついてないよ」
「まぁ、とにかくさ、せっかく来たんだから変な意地張ってないでさ、私が練習台になってあげるから、なんか特技教えてよ~」
どうやら、アヤカちゃんは僕のことを婚活パーティーに参加したけど緊張のあまり誰とも話せないから、変な意地を張って自分の殻に閉じこもっているかわいそうな男と勘違いしているらしい。
僕は本当に暇つぶしに来ただけなのに。
でも、まぁ、いいか。
「僕の特技はね、人を食べることかな」
アヤカちゃんの表情が一瞬凍りつく。
アヤカちゃんは僕が冗談を言っていると勘違いしてるのか、すぐに作り笑いをする。
「なにそれ~おもしろ~い!」
「いいよ、そんなにわざとらしくリアクションしなくても」
アヤカちゃんが肘で僕の胸を突っついてくる。
どうやら、今度は僕の方からアヤカちゃんに質問したほうがいいみたいだ。
「アヤカちゃんの特技は何ですか?」
「え~と私も人を食べることかな~なんてね、アハハハハ...」
「アヤカちゃんはなにか勘違いしてるようだから一応言っておくけど、僕は本当に暇だからここに来ただけだし、人間を食べているの本当なんだよ!」
「そ、そうなの?だったらごめんなさい、余計なお世話だったわよね...」
「ごめんね、僕もちょっと言い過ぎたよ」
「いいの、私も実は緊張しててさ、正直あんまり男の人と話したことないのよ、だから会場で一人ポツンと寂しそうにしてたセメルさんを見て、同類だと思って、勇気を出して話しかけてみただけなのよ...」
「そっか僕はアヤカちゃんと同類なのか」
「あ、あまり深い意味はないわよ」
「なら今すぐ格の違いを見せてあげるよ。シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
婚活パーティー会場に悲鳴が上がる。
断罪王Σに変神した僕は近くにいた名前も知らない女性を食べる。
大勢の人々が悲鳴を上げながら婚活パーティー会場の出口に向かって走り出す。
僕は近くにあったテーブルを二つ両手に持つと、婚活パーティー会場の出口に向かって放り投げる。
婚活パーティー会場の出口が大きな二つのテーブルに塞がれてしまう。
僕は高速移動して入口から外に出ようとする卑怯者を食べる。
僕が入口の前に立ちふさがることで婚活パーティーに参加した人々の退路はなくなってしまった。
大勢の男女が出口をふさいでいるテーブルを横にずらそうとしている。
「悪あがきしてんじゃねぇぇよぉぉぉぉぉッ!」
僕は鋼鉄の皮膚に覆われた人差し指を伸ばして、テーブルを横にずらして会場から逃げ出そうしている人びとを、焼き鳥みたいに串刺しにする。
「いいか、僕から逃げようとするやつらは全員、コイツらみたいに串刺しにしてやるからな!」
「セ、セメルさん...?」
「これで僕がウソをついてないことがわかっただろ?僕は君みたいな普通の人間と一緒にすんじゃねぇよ!僕は人類を超越した生命体、断罪王Σなんだよ」
「じゃ、じゃあ、私のせいでこんなことに...」
「そうだね、アヤカちゃんが自分の価値観で僕という人間の価値を決めつけ、哀れみ、同情するから僕は自分の名誉のために断罪王Σに変神して人を食べるしかなかった」
「じゃあ、殺すなら私だけにしてください!関係ない人たちは会場から出してあげてください」
「だめだ、連帯責任だ。どうせ、ここにいるやつらはみんな白のランニングシャツに半ズボンで婚活パーティーに出席した僕を内心嘲笑っていたはずだ!だから、ここにいるやつらは全員きょうここで僕の栄養になってもらう」
婚活パーティーの参加者たちの悲痛に満ちた言葉と互いに争いあう声が会場を満たす。
「いやだぁッ!死にたくねぇよぉ!」
「こんなのあんまりよ!」
「ねぇ、どうして外の人たちは助けてくれないの?」
「俺、さっき携帯で警察に電話したけど」
「私も結構前に警察に電話したわ」
「なら、なんで警察はこないんだ?」
「そんなの私に聞かないでよ」
「婚活パーティーに白のランニングシャツ着て出席するやつを内心、馬鹿にしていったい何が悪いんだよ!」
「そうよ、自分がモテないからってみんなに八つ当たりして、最低よ!」
死の恐怖を前に少し前まで、結婚という明るい未来を夢見て婚活パーティーに参加した人々の心が、どんどん壊れていく光景はとても見ごたえがあって面白い。
僕の心が満たされていく。
自らの死を覚悟した婚活パーティーの参加者たちは床に散らばった皿やフォーク、ナイフなどの食器を手に持つと僕に向かって投げてくる。
「どうせ俺達に助かる道はないんだ!なら、もう何も恐れることはない!」
「そうよ!どうせ殺されるなら、怖いものなしよ!」
「そうだ!俺達がお前の卑怯な脅しに屈するとおもったら大間違いだぁ!」
婚活パーティーの参加者たちが命がけで投げてきた食器や物が僕の鋼鉄の皮膚に直撃する。
しかし、断罪王Σである僕の皮膚感覚はそれを痛みとして認識することはなかった。
婚活パーティーの参加者たちは僕になんのダメージも与えられなかったことを知りながらも、目から涙を流して色々な物を投げてくる。
「僕はただお前たちが気に喰わなかっただけだ!どいつもこいつも異性と喋って幸せそうな顔しやがってよぉッ!いいか?勘違いしてんじゃねぇぞぉ?おめぇらは被害者じゃねぇッ!おめぇらの幸せそうな顔が僕を怒らせ、悲しませた!つまり加害者はおめぇらで被害者はこの僕だァッ!だから加害者のおめぇらが被害者の僕になにされても、僕に文句を言う資格はねぇんだよぉ!」
僕は怒りの言葉を発すると同時に全身から鋼鉄のトゲを生やし、それを全方位に伸ばす。鋼鉄のトゲが婚活パーティーの参加者達の肉体に突き刺さる。
僕は身動きの取れなくなった婚活パーティーの参加者達の肉を少しずつ時間をかけて味わう。
「い、痛いよぉぉぉぉぉぉッ!」
「お、お願い!ゆ、許してぇッ!い、いや痛い痛い痛い痛い!」
「うぐあああああああああッ!痛ってぇよぉぉぉぉぉッ!」
「ど、どうして私たちがこんな目に、痛い!お願い!やめて痛い!」
「外の連中はいったいどうなってる!なんで警察はいつになっても助けにこねぇんだ?」
そして、僕が味わう最後の一人はアヤカちゃんだった。
「アヤカちゃんは僕にやさしくしてくれたからね、一番最後にしてあげたよ」
目の前の惨劇に放心状態になっているアヤカちゃんの口が開く。
「子供のころからずっと...好きな男の人のお嫁さんになるのが夢だったの...でも、大人になるにつれて、お金がないと幸せになれないんじゃとか、イケメンじゃないと長続きしないんじゃないかとか色々考え込むようになって...でも、なんかよくわかんないけど、今になって気づいたわ...私はきっと好きな人がそばにいてくれれば、お金とか顔とはそんなのどうでもよかったのかもしれないってことに...もっと早く気づいていればこんな欲と打算と血に塗れた婚活パーティ―になんか参加せずに済んだのかもね」
「そんなこと言わないでよアヤカちゃん、アヤカちゃんがそれに気づけなかったおかげで、僕は今、こうして美味しい思いができるんだからさ、そんじゃいただきます」
僕はアヤカちゃんを食べた。
次回予告 第三十三話 断罪王Σと美少女料理人マリナ。二次元の嫁がいる人間を馬鹿にする既婚者は買い物の支払いの際にお釣りを永遠に受け取るな!
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