超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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第三十一話 断罪王Σと美少女飼育員アカネ。動物園の飼育員たちはなぜ動物を檻に閉じ込めて自由を奪うことに対して見て見ぬふりをするのだろうか?

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 第三十一話 断罪王Σと美少女飼育員アカネ。動物園の飼育員たちはなぜ動物が好きなのに動物を檻に閉じ込めて自由を奪うことに対して見て見ぬふりをするのだろうか?

僕はヨシヒロの家を出て、あえてまだ通ったことない道を進む。
目の前に広がる見たことのない景色が僕の心に多少の不安と刺激を与える。
僕は近所に動物園があったので、入園料を支払わずにフェンスを乗り越えて入園する。
なつかしいな、僕も小さいころはお母さんとよく動物園に行ったものだ。
それにしても残酷である。
動物園の中にいる動物園は頂点捕食者である人間たちの心に刺激を与えるためだけに拉致され、監禁される。
おそらく、人間たちの共通認識ではそれは、あたりまえのことなのだろう。
しかし、人間たちは人間が拉致され監禁されたとなると、それを法でもって裁く。
つまり、人間たちは自分たちより知能の低い生命体は人間と同等の扱う必要がないと思っているのだ。
なら、人間を超越した僕が僕より知能も身体能力も低い普通の人間を傷つけ、支配しても全く問題ないということだ。
僕は動物たちが閉じ込められている柵を次々と素手で破壊していく。
今まで人間たちに拉致・監禁されていた動物たちが一斉に園内を走り回る。
ライオン・ゾウ・トラ・キリン・パンダ・サル・クマ・サイ、様々な動物たちが園内で暴れまわり、動物園に僕以外の入園客の悲鳴や不満の言葉が飛び交う。
ライオン・トラ・クマが入園客を襲う。
ゾウは入園客を踏みつぶす。
サイは入園客に頭突きをする。
僕は園内で暴れる様々な種類の動物たちに向かって叫ぶ。
「これでいい、これでいいんだ!君たちは自由なんだ!」
自由を手に入れた動物たちは動物園を今まで自分たちを支配していた人間たちへの復讐を終えると、そのまま脱走して、各々が本能のままにどこかに向かって走っていく。
「あなた!こんなことしていったい何のつもりなんですか?」
ネームプレートにアカネと書かれた、飼育員の制服を着た美少女が僕に話しかけてきた。
アカネちゃんの言葉に僕は周りを見渡すと、園内には入園客と思われる死体が散乱していた。
「こんなこと?それはこっちのセリフだよ、人間ならなんの罪もない動物たちを拉致して監禁してもいいのかい?アカネちゃんが僕に拉致されて監禁されても、アカネちゃんは嫌じゃないのかい?」
「そりゃあ、拉致・監禁されるのは動物だって誰だって嫌です!でも、なんの関係もない入園客が死んでしまうのは絶対におかしいです」
「おかしい?どうしてかな?じゃあ、アカネちゃんは自分を拉致・監禁している人物に対して何の憤りも感じないというのかい?」
「そ、それは」
「動物たちは自分たちのことを動物たちより賢いと思い込んでいる哀れな人類の支配から解放されただけだ。現に人間が本当に動物たちより賢ければ、こんなに多くの入園者が死ぬこともなかった」
「わ、私はただ動物が好きだから!この仕事に就いたのよ!」
「好きだから、拉致・監禁するのかい?それじゃあ、犯罪者の犯行動機と大して変わらないよね、動物たちのことを本当に思っているなら、故郷に返すか、動物園から解放するべきなんだ。つまり君たちは犯罪者だ」
「犯罪者に犯罪者なんて言われたくありません!」
「残念でした、僕は犯罪者じゃないよ。だって僕は人間を超越した存在だからね。人間を超越した存在に人間達のための法なんて無に等しい」
「もう、とっくに他の飼育員たちが警察に通報しているはずよ!」
「あっそ、でもぜんぜんこないですねぇ~警察」
「きっと、外に逃げ出した動物を捕まえるのに大変なのよ!あなたが自分のことをどう正当化しようと、あなたは犯罪者なのよ!私は負けない!」
「私は負けない?じゃあ、どうしたら君は僕に勝てるのかな?」
「あなたが警察に捕まって法で裁かれた時よ!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σと化した僕の姿に、アカネちゃんが恐怖に全身を震わせている。
「この姿を見ても、まだ僕を愚かな人間達の方で裁けると君は思っているのかな?」
「な、なんなのよこれは!こんな動物見たことない」
「せっかくだからさ、警察がくるまで僕のことをアカネちゃんが飼育してくれよ」
「は?」
「だって、アカネちゃんは飼育員なんだろ?」
アカネちゃんが携帯で動物園内のスタッフに連絡を取っている。
「ちょっと待ってなさいよ...ねぇ!いつになったら警察来るのよ!」
「そ、それが、もうとっくに通報したんですが未だ、サイレンの音一つしません!」
断罪王Σと化した僕の超聴力がアカネちゃんの話し相手の言い訳の音声を拾い上げる。
「ほら、僕の言う通りだったでしょう?だから早く飼育しくれよ~」
「なら、条件があるわ」
「なに?」
「私があなたを飼育したら、ちゃんと警察に自首して」
「わかった。わかったから早く飼育してくれよ」
「ちゃんと携帯に音声を録音したからね。それで、飼育って具体的にどうすればいいの?」
「それは、こっちのセリフだよ。アカネちゃんは飼育員なんだろ?いつも動物たちにしてるみたいに飼育してくれればいいのさ」
「はぁ?あなたさっき、自分のことを人間を超越した存在って言ってたわよね?それなのに動物たちと同じように扱ってほしいってこと?もう、意味わかんなすぎ」
僕はアカネちゃんの腹部に軽く拳をぶち込む。
「さっきから、うだうだ言ってんじゃねぇよぉッ!おめぇ飼育員だろ?プロだろ?だったらできるだろうが!とっとと僕を飼育すればおめぇは僕に勝てるんだぜ!わざわざこっちからハンデを与えてんのに、なんだその態度は!この動物園は客に対する態度がなってねぇよ!だから、動物だって脱走するんだ!」
「痛っ... !動物を脱走させのはあなたのせいでしょ?」
「人のせいにするな!」
僕はアカネちゃんの鼻を手でつまんでねじる。
「入園料も払わずに不法入園した僕に気づけなかった時点で全部、あんた達の責任なんだよ!あんた達が僕の不法入園に気づいていれば、動物たちは客を殺して脱走しなかったかもしれない!そうだろ?」
「お願い!鼻ねじるのやめて!」
「なら、認めろ!今日動物園で起きたことは全部、アカネちゃんと動物園のスタッフのせいだって!認めたら手を離してやるよ!」
「嫌ッ!絶対認めない!だって絶対に私たちは悪くないもん!」
「なら、鼻から手は離さないぞ!鼻が潰れても知らないぞ!」
「勝手にしなさいよぉ!あ、あんたなんかに絶対負けないんだから!」
アカネちゃんが涙を流しながら僕に宣戦布告をしてくる。
僕はアカネちゃんの鼻から手を離す。
「泣いてるアカネちゃんが可愛いから、とりあえず鼻は潰さないでいてやるよ」
「なによ!私を哀れんでいるわけ?」
「ああ、そうさ、だからお礼に僕を飼育してくれよ!」
「だから、具体的にどう飼育すればいいのかわかんないのよ!」
「僕もそんなのわからないよ、ククク...」
「あんた、なに笑ってんのよ!あんた楽しんでいるんでしょ?私に飼育しろとか、自分でも意味のわからない無茶振りを私にして、それに苦悩する私を見て楽しんでるんでしょ?それで、また私に飼育しろって無茶振りするんでしょ?あんた人を馬鹿にするのもいい加減にしなさいよ!」
「ハハハ、よく気づいたね。そうだよ人間を超越した存在である僕はただ楽しみたいだけさ、君たち人間が動物たちを見下し蔑み、笑いものにするのと同じようにね」
「馬鹿にするんじゃないわよ」
「この動物園から脱走して動物たちもみんな同じことを思っているはずだ」
「だったら、とっとと私を殺しなさいよ」
「え?」
「よくわかんないけど、あんたの言う通り警察は来ない、力でもあんたに勝てるわけがない、このままあんたのおもちゃにされるぐらいだったら今すぐあんたに殺されたほうがマシよ!」
「だめだ!アカネちゃん、僕を飼育してよ!」
「もう、やめてそれ!どうせ、正解なんてないんでしょ?これ以上私の心を滅茶苦茶にしないで!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「お願い!もう、それ嫌ッ!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うるさい!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うあああああああッ!」
アカネちゃんが足元に落ちていた大きな石を両手に持って僕に襲いかかってくる。
僕の鋼鉄の腹部にアカネちゃんが手に持った大きな石が直撃して砕け散る。
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「ち、ちくしょうォッ!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うあああああああああああああッ!」
急に叫びだしたアカネちゃんは足元に落ちていた大きな石を両手に持つと自分の頭に思いっきりぶつけた。
アカネちゃんの頭部から流れていた大量の血がアカネちゃんの顔面を真っ赤に染める。
「これで私の勝ち逃げよ!どうだ!ざまぁみろ化け物!悔しかったらあの世まで追いかけてきなさいよ!」
頭からたくさんの血を流して僕に勝利宣言をしたアカネちゃんが倒れる。
自らを殺すことで、僕から解放されたアカネちゃん。
でも、自らを殺すことは決して勝利なんかじゃない。
言葉でも暴力でも僕には勝てないという現実から逃げるために自らを殺すのはむしろ敗北なのではないかと僕は思う。
冷たくなったアカネちゃんの顔は僕から解放されたせいか、とても安らかで幸せそうな顔をしていた。
だから僕はアカネちゃんの死体を食べて、動物園を退園した。

次回予告 第三十二話 断罪王Σと婚活美少女アヤカ。相手に尽くせば、尽くした分だけ相手から見返りが必ず返ってくることが当然だと思ってる女は俺とラップバトルを繰り広げながらジャズセッションしろ!
 
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