超地球救済戦記 真ダンザイオーΩ〈オメガ〉戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!愚かな人類は身長170cm以下の無職童貞ニートの俺が滅亡させる

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第十四話 パワハラで会社から自殺者が出ていることを知っていながら、自分の子供に社会参加を一般常識として強制してんじゃねぇよ!

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第十四話 パワハラで会社から自殺者が出ていることを知っていながら、自分の子供に社会参加を一般常識として強制してんじゃねぇよ!自分の子供が会社に就職して出勤してパワハラ受けた後に自殺して骨になって帰宅してくるのが一般常識なわけねぇだろ!
次の日の朝、目が覚めた俺の目に映ったのはパジャマを着たまま踊るミサキの姿だった。
 どうやらミサキがアイドル志望というのは本当のことらしい。
 「ありゃ?おこしちゃったかな…」
 「いや、いいよ別に…でもまだ五時か…。それにしてもあんなに飲んだのに随分と元気なんだな…」
 テーブルの上には中身が空っぽだと思われるビール缶が六つほど置いてあった。
 「そりゃ、今日バイト休みだし♪そうだ!コレ!」 
 ミサキが引き出しから出して俺に見せたのは履歴書だった。
 「今日は私が一緒に石川マサヒロ君のアルバイト捜し手伝うの付き合ってあげるよ!」
 「でも…求人誌とか…俺持ってないし…」 
 「そんなのコンビニでもらってくればいいんだよ!どうせタダだし!よっしゃ、私今からコンビニ行ってくる!」
 ミサキはそう言ってパジャマ姿のまま裸足にサンダルで早朝のコンビニへと出かけて行ってしまった。
 やっぱりなにかがおかしい。
 なぜ、俺みたいな無職童貞ゴミクズ野郎にいきなりキスをしてくるのか?
 なぜ、自分はフリーターのくせしてホームレスの俺の社会復帰を手助けしようとするのか?
 そして手首にあった傷跡。今のミサキは俺の知ってるミサキとは違う。
 そりゃ、もう長い間会っていなかったのだから何かしら変わってしまうのは当然なのだが、なにか納得いかない。
 俺の知ってるミサキ…俺が学生時代に告白したミサキと今のミサキは何かが違う。

 「ただいま、ほい」
 ミサキは海鮮風味のカップヌードルが入ったレジ袋から求人誌を取り出し、それを全裸のままクッションに座っている俺に向かって投げる。
 「このカップ麺、最強なんだから!」
 「知ってる」 
  全裸の俺はそう言ってすぐに求人誌を両手でビリビリに破いて電気ポッドの沸騰ボタンを押したミサキに向かってぶん投げた。
 「ちょっと、あんた!なんで破っちゃうのよ!ふざけんじゃないわよ!」
 怒ったミサキは俺の両肩に手を置くと何度も揺さぶってきた。泣いていた。 
 「ごめん…こうしたらミサキがどんな反応するのか急に気になっちゃって…気になっちゃって…」
 俺も全裸のままでなぜか泣いていた。
 「石川マサヒロ君…ごめん…そうだよね…石川マサヒロ君の気持ちを確かめないまま無理矢理社会復帰させようなんて…よくないよね…私…よかれと思ってはしゃぎすぎちゃったね…」
 「俺もごめん…俺…働きたくないって言ったら…きっとミサキに嫌われると思ったから…それで…どうしようって思って…それで…気付いたら…なんとなく…求人誌破いてた…」
 「ラーメンにお湯入れるね…熱湯」
 ミサキはレジ袋から出した二人分の海鮮風味のカップヌードルを両手に持って俺から足早に離れていく。
 全裸の俺は床に散らばった、さっきまで求人誌だった紙くずを拾い始める。
 「いただきます」
 「いただきます」
 三分後、俺とミサキは両掌を合わせて、海鮮風味のカップヌードルを食べ始めた。三分前の気まずさがまるで嘘みたいにおいしかった。
 「うん…うまいよ」
 「言ったでしょ!最強だって!」
 俺はさっきミサキを傷つけた。なのにミサキは海鮮風味のカップヌードルを称賛する俺に目元を泣きはらしたまま、ほほえんでくれる。
 俺はミサキからもらった履歴書の名前を書くところににマジックペンで働きたくないでござると記入してミサキに渡した。
 するとミサキはマジックペンで履歴書の志望動機の欄に働かざる者食うべからずと記入して俺に渡して口を開く。
 「ここにずっといるんだったら家の掃除ぐらいはきちんとやってよね」
 「うん…わかった…」
 ミサキの言う通り俺は本当にここにいていいのだろうか。
 朝食を摂り終えたミサキは電子ピアノを引きながらなにか歌い始めた。
 「どう?この曲」
 「い、いいと思うよ、歌もうまいし楽器も弾ける、ミサキはいつか必ずアイドルになれるよ」 
 「そうだといいんだけどね。ほら、最近、意味わかんない化け物がいろんなところで暴れまわってるっていうじゃない?なんかさ、そういうニュース見るとさぁ、もうすぐ人類が滅びちゃうかもしれないのにアイドルなんて目指す意味あるのかなぁ~なんて思っちゃうのよね」
 「だ…大丈夫だよ…そうならないように至高天に所属している人たちが毎日、銀装天使に乗ってがんばっているんだから!」
 「そ、そうよね、銀装天使が、正義のスーパーロボットがいればなんとかなるわよね?よし!練習練習!」
 ミサキは再び歌い始める。昔からミサキは人前で歌うのが好きな女の子だった
 クラスメイトの誰もがミサキが将来、アイドルになることを信じていた。
 でも俺の目的が人類を滅ぼすことである以上、そんなミサキのアイドルになりたいという夢が叶うことはないのかもしれない。
 俺が自分の道に迷って入ると、ミサキは携帯から鳴り響いてきた着信音にいったん歌と演奏をやめてしまう。
 携帯に耳を当てていたミサキはなんどかあいまいな返事を繰り返して携帯の通話の切った。
 「警察からね…お母さんとお父さんがアンノウンと銀装天使の戦いに巻き込まれて死んじゃったってお知らせがきたの…でもめんどくさいから、そっちでなんとかしてくださいって言って切っちゃった!」
 「それでミサキはいいのかい?」
 「うん…だってお母さんもお父さんも自分の娘の夢を馬鹿にするような人たちだったし、そんなの親でも何でもないよ」
 「それはミサキのことを心配して…」
 「そう、そこなのよ!私の両親は自分達が安心したいから私にアイドルになってほしくないだけなの!自分たちが安心するために、私に夢を諦めて、結婚して子供作って平和に暮らしてほしいっていうそういう考え方の人たちなのよ!
 普通、親だったら最後まで娘の味方でいるべきなのよ!だってそうでしょ?私、別に両親にも誰にもこんなくだらない世の中に産んでくれなんて頼んでないんだから。
 両親の勝手で産んでおいてそれで、今度は両親のために自分の心を殺して夢をあきらめろですって!そんなの私は認めない!いつかかならずアイドルになってあのクソ親共に謝罪させてやるんだから!でも…でも…」
 自分の意見を俺に向かって声高らかに語っていたミサキは急にしゃがみ込んでうなだれてしまう。床に涙が次々とこぼれ落ちていく。
 「ごめん…やっぱ…つらいわ…」
 そうだ、全裸の俺にはミサキにちゃんと説明する義務がある。
 実はミサキの両親が死んだのは全部俺のせいなんだ…。俺の目の前に糞ラノベに出てきそうな美少女が突然現れてさ、それで俺はその美少女と契約して地球の平和のために人類を地球から滅ぼす巨神、断罪王になったんだよな…それでその巨大化した時に、断罪王の足でがミサキの実家を踏みつぶしていたんだよ…そのせいでミサキの両親は死んでしまった…」
 「やさしいね…石川マサヒロ君は…でも、その作り話…意味不明過ぎて説得力なさすぎ…」
 「作り話なんかじゃない!本当の話さ!」 
 「ごめん…ちょっと外の空気吸ってくるね…」
 ミサキはそのまま、走って自宅から出ていってしまった。
 ミサキの手首に出来ていた傷を思い出した俺は、全裸のまますぐにミサキの後を追いかけた。でも自宅アパートを出て、どの方向を見ても走り去るミサキの後姿は見えなかった。
 一体どういうことだ?瞬間移動でもしたのだろうか?そして全裸の俺はあることに気付いた。
 ミサキの自宅アパートにすぐ近くに大きなサンゴ礁が立っていることに。
 その巨大生物を見た俺はふと頭によぎった最悪の可能性を否定するために自分の主観を全て捨ててあえて終末黙示録にリンクしてその生物の生態について調べた。
 終末黙示録にはこう記されていた。
 地球が人類から自分自信を守るためにあらゆる生命体を強制的に進化させた人食い人間および人食い人間に進化させる粒子をばら撒く生物のことを人類はアンノウンと呼んでいる。
 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
 タイミング的にはおそらく…そうなのかもしれない…でもよりによって…どうしてこのタイミングでミサキが…やっと…俺の居場所ができたと思ったのに…どうしてよりによって…ミサキがアンノウンに進化してしまうんだ…。
 次回予告
第十五話 断罪王 対 銀装天使アルマロス!タミエル!サルタエル!金目当ての結婚なんてしてんじゃねぇよ!金が欲しけりゃ自分で稼げ!金目当てで成立した婚姻関係に愛なんてあるわけねぇんだよ!本当に相手を愛しているなら相手の貯金残高とか収入なんて気にせず結婚出来るよなぁ!金目当てに婚活してるやつは全員、立ち食いそば屋でペペロンチーノ食いながら落雷に打たれろ!
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