100 / 100
最終回 あなたと共に
しおりを挟む
よかった、ジュンとナツキが結ばれて
(おめでとう、ふたりとも)
私は蚊帳の外
「カズハ」
と思っていたら呼ばれた。
「何、ジュン」
「行かなくていいのか。」
「え?」
「もう、カズハを縛るものはない。
今1番会いたい人に会いに行け。」
「ジュン、ありがとう。私、行ってくる」
そう言い私は式場を飛び出した。
ベールはない。服はミズキさんからの借り物。ミズキさんはこうなるって分かってたのかな。だからあたしの服にしろって、汚してもいいからって言ったのかな。
どこにいるのか検討もつかない。
でも止まる余裕はない。
そもそも電車で行く距離を走るなんて
ほぼ無謀だよね。確信はない。
でも走った方がいいって勘がいう。
電柱に手をつき、肩で大きく息をする、
正直きつい、肺が痛い。
でも、誰かに取られてから傷つくよりマシだ。
いや、取られたとしても機会を窺って
奪えばいい。
ーわがままになってもいいんだよー
俺はもう我慢はしない。
(私は彼に)
(俺は彼女に)
((会いたい))
走り続けて
「カズハ様」
会えたという安心感から私は膝をつく。
「大丈夫ですか。」
お互い肺を酷使したのか2人して
息がすごく上がっている。
「電車、使えばよかったね」
「そう、ですね。」
「気が、ついたら、走っ、ていて、止まれなかった」
「俺、もです」
そして数分、お互いに息が整ってきた頃、
「ところで結婚式はどうなったんですか」
「あー、それは」
私は一連の出来事を話す。
新郎がジュンだった事。
式はジュンの父親の計画だった事。
そしてジュンとナツキが結ばれた事。
「そんな事になっていたんですね。」
呆れていたと思ったら急に真剣になった。
「カズハ様」
「はい」
「俺は使いの立場としてカズハ様に接する事で自分の気持ちを
封じ込めていました。困らせるだけ、主だからと理由をつけて。
でも、もう我慢はしません。」
「う、うん?」
いまいち意図がわからない。
「カズハ様、これからは主ではなく、妻、として隣にいてくれませんか」
ロクは顔を真っ赤にしていった。
これ以上ない幸せ、でも一抹の不安が
「それは地位と名誉のため?」
「え?」
「ごめんなさい、あの時、実は立ち聞きしてて」
そう、あの時、私は聞き耳を立てていたのでそのことは知っている。
自分でも最低だと思っている。
「俺は正直、地位と名誉はどうでもいいんです。
でも、強いて言うならあなたの隣にいることが俺にとって最高の地位と名誉です」
「カズハさん、俺と結婚してくれますか」
キャパオーバーしそう
「・・・はい」
ロクは私を抱きしめて言った
「絶対にあなたを幸せにしてみせます」
抱きしめたと思ったらすぐに離れ
「覚悟しててくださいね」
そう言いロクはニヤッとして
「カズハ」
私の胸は高鳴る、自分で思っているより私はロクに溺れているらしい
「うん」
「ちなみにカズハって言ったの2回目なんだ」
「2回、やっぱりあの時」
「うん、実は言っていたんだ」
「やっぱり」
「その服、似合ってるよ、」
「あ、ありがとう」
照れる私にロクは顔を近づけ、耳元で
「綺麗だ、誰よりも」
と、囁いた。
咄嗟に耳を隠したが、意味ないだろう。
そんな私を見て、ロクはクスリと笑い
もう一度私を抱きしめる。
その後俺とカズハ、ジュンとナツキは入籍。
ミズキ様にはすごく祝福してもらった。
ジュンはリョウという相部屋の人に羨ましがられたらしい。カズハは遺産を一度は相続したもののこれからの生活の頭金だけ取り
他は施設などに寄付をし、余ったお金は
役所に提出した。
変わる日常の中にも変わらないものがある。
俺は変わらないものをこれからも大切にする。
「どうしたの、ロク」
俺の笑みにカズハは問いかける
「なんでもないよ、カズハ」
俺は不思議がるカズハの口にキスをする。
(おめでとう、ふたりとも)
私は蚊帳の外
「カズハ」
と思っていたら呼ばれた。
「何、ジュン」
「行かなくていいのか。」
「え?」
「もう、カズハを縛るものはない。
今1番会いたい人に会いに行け。」
「ジュン、ありがとう。私、行ってくる」
そう言い私は式場を飛び出した。
ベールはない。服はミズキさんからの借り物。ミズキさんはこうなるって分かってたのかな。だからあたしの服にしろって、汚してもいいからって言ったのかな。
どこにいるのか検討もつかない。
でも止まる余裕はない。
そもそも電車で行く距離を走るなんて
ほぼ無謀だよね。確信はない。
でも走った方がいいって勘がいう。
電柱に手をつき、肩で大きく息をする、
正直きつい、肺が痛い。
でも、誰かに取られてから傷つくよりマシだ。
いや、取られたとしても機会を窺って
奪えばいい。
ーわがままになってもいいんだよー
俺はもう我慢はしない。
(私は彼に)
(俺は彼女に)
((会いたい))
走り続けて
「カズハ様」
会えたという安心感から私は膝をつく。
「大丈夫ですか。」
お互い肺を酷使したのか2人して
息がすごく上がっている。
「電車、使えばよかったね」
「そう、ですね。」
「気が、ついたら、走っ、ていて、止まれなかった」
「俺、もです」
そして数分、お互いに息が整ってきた頃、
「ところで結婚式はどうなったんですか」
「あー、それは」
私は一連の出来事を話す。
新郎がジュンだった事。
式はジュンの父親の計画だった事。
そしてジュンとナツキが結ばれた事。
「そんな事になっていたんですね。」
呆れていたと思ったら急に真剣になった。
「カズハ様」
「はい」
「俺は使いの立場としてカズハ様に接する事で自分の気持ちを
封じ込めていました。困らせるだけ、主だからと理由をつけて。
でも、もう我慢はしません。」
「う、うん?」
いまいち意図がわからない。
「カズハ様、これからは主ではなく、妻、として隣にいてくれませんか」
ロクは顔を真っ赤にしていった。
これ以上ない幸せ、でも一抹の不安が
「それは地位と名誉のため?」
「え?」
「ごめんなさい、あの時、実は立ち聞きしてて」
そう、あの時、私は聞き耳を立てていたのでそのことは知っている。
自分でも最低だと思っている。
「俺は正直、地位と名誉はどうでもいいんです。
でも、強いて言うならあなたの隣にいることが俺にとって最高の地位と名誉です」
「カズハさん、俺と結婚してくれますか」
キャパオーバーしそう
「・・・はい」
ロクは私を抱きしめて言った
「絶対にあなたを幸せにしてみせます」
抱きしめたと思ったらすぐに離れ
「覚悟しててくださいね」
そう言いロクはニヤッとして
「カズハ」
私の胸は高鳴る、自分で思っているより私はロクに溺れているらしい
「うん」
「ちなみにカズハって言ったの2回目なんだ」
「2回、やっぱりあの時」
「うん、実は言っていたんだ」
「やっぱり」
「その服、似合ってるよ、」
「あ、ありがとう」
照れる私にロクは顔を近づけ、耳元で
「綺麗だ、誰よりも」
と、囁いた。
咄嗟に耳を隠したが、意味ないだろう。
そんな私を見て、ロクはクスリと笑い
もう一度私を抱きしめる。
その後俺とカズハ、ジュンとナツキは入籍。
ミズキ様にはすごく祝福してもらった。
ジュンはリョウという相部屋の人に羨ましがられたらしい。カズハは遺産を一度は相続したもののこれからの生活の頭金だけ取り
他は施設などに寄付をし、余ったお金は
役所に提出した。
変わる日常の中にも変わらないものがある。
俺は変わらないものをこれからも大切にする。
「どうしたの、ロク」
俺の笑みにカズハは問いかける
「なんでもないよ、カズハ」
俺は不思議がるカズハの口にキスをする。
0
お気に入りに追加
10
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
薔薇と少年
白亜凛
キャラ文芸
路地裏のレストランバー『執事のシャルール』に、非日常の夜が訪れた。
夕べ、店の近くで男が刺されたという。
警察官が示すふたつのキーワードは、薔薇と少年。
常連客のなかにはその条件にマッチする少年も、夕べ薔薇を手にしていた女性もいる。
ふたりの常連客は事件と関係があるのだろうか。
アルバイトのアキラとバーのマスターの亮一のふたりは、心を揺らしながら店を開ける。
事件の全容が見えた時、日付が変わり、別の秘密が顔を出した。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
金沢ひがし茶屋街 雨天様のお茶屋敷
河野美姫
キャラ文芸
古都・金沢、加賀百万石の城下町のお茶屋街で巡り会う、不思議なご縁。
雨の神様がもてなす甘味処。
祖母を亡くしたばかりの大学生のひかりは、ひとりで金沢にある祖母の家を訪れ、祖母と何度も足を運んだひがし茶屋街で銀髪の青年と出会う。
彼は、このひがし茶屋街に棲む神様で、自身が守る屋敷にやって来た者たちの傷ついた心を癒やしているのだと言う。
心の拠り所を失くしたばかりのひかりは、意図せずにその屋敷で過ごすことになってしまいーー?
神様と双子の狐の神使、そしてひとりの女子大生が紡ぐ、ひと夏の優しい物語。
アルファポリス 2021/12/22~2022/1/21
※こちらの作品はノベマ!様・エブリスタ様でも公開中(完結済)です。
(2019年に書いた作品をブラッシュアップしています)
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
喫茶・憩い場
深郷由希菜
キャラ文芸
どこかの街の、路地裏の奥まったところ。
そこに、一軒の喫茶店がある。
店主、マスターと看板猫だけがいる穏やかな喫茶店に訪れる人々は・・・?
※第2回キャラ文芸大賞にエントリーしています。
常夜の徒然なる日常 瑠璃色の夢路
蒼衣ユイ/広瀬由衣
キャラ文芸
瑠璃のたった一人の家族である父・黒曜が死んだ。
瑠璃に残されたのは黒曜が教えてくれた数珠造りとその道具だけだった。
一人になった瑠璃の元に、宙を泳ぐ鯉を連れた青年が現れる。
青年は魂の住む世界『常夜(とこよ)』にある『鯉屋』の若旦那で黒曜の知り合いだと言った。
黒曜の仕事は魂の理を守る道具を作ることで、教え込まれた数珠造りがその技術だった。
常夜には黒曜の力が必要だから黒曜の仕事を引き継いでほしいと頼まれる。
孤独になった瑠璃は未知の世界で新たな生活に踏み出すことになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
お気に入り登録ありがとうございます。
これからも、楽しみと思って頂けるような作品にしたいと思います。