85 / 100
85話 心残り
しおりを挟む
卒業の日がどんどん近づく
オレはカズハと廊下で立ち話をする
「ジュンっていつこの街を出る予定?」
「卒業の日がして3日後かな」
「3日・・・」
「なぁ、カズハって・・・いや、なんでもない。」
「どうしたの、急に」
カズハは軽く笑い教員室へ歩いて行く。
ロクのこと好きなのか、と聞こうとしたがやめた。
オレはお互いがお互い好きなのはみてわかる。
伊達に友達をやってたわけじゃないから。
でも、事実確認してどうするんだ。
それを聞いてオレが何かできるわけじゃない。
自分のこともできないのに他のことができるわけない。
「自分のこと、か」
(自分の気持ちにはとっくに気づいてる。でもそれを言って駄目だったら。
この関係が壊れることの方がオレは嫌だ。それに、駄目だったとして
今まで通り、接することができるほどオレは器用じゃない)
オレはカズハの歩いて行った廊下を見る
(これからは小さな亀裂が大きな溝になることもあるのかもな)
その日の夜、私が部屋でくつろいでいるとミズキさんが部屋に来た。
「ミズキさん、どうしたんですか?」
「ちょっといいか?」
「私は、いいですけど」
部屋にいたロクは察したのか、ミズキさんに会釈をして出て行った。
とりあえず部屋にとおし、冷蔵庫にあるお茶を出す。
「ありがとう」
お茶を少し飲み私に聞く
「単刀直入に聞くけど、カズハって卒業式は袴なのか?」
「えっと、ごめんなさい。そういうのはまだ」
「まぁ、女の子1人だしな」
「はい。」
「あまり焦るなと言いたいけど、そろそろ時間ないしな」
「そう、なんですよね。」
「ちなみにアタシの時はみんな袴だった。」
「袴、ですか。明日2人と相談してみます」
「そっか。急にごめん、カズハ。おやすみ」
「おやすみなさい、ミズキさん」
翌日
「服装、ねぇ」
「先輩たちはほとんど袴でしたね」
「じゃあ私たちも?ジュン?」
ジュンはなにか考えていた。
「別に袴にこだわらなくていいんじゃないか?」
ジュンが予想外のことを言い出した
「え?」
「卒業式は必ず袴じゃないといけないとかはないだろ?」
「そうですけど・・・」
私だけじゃなくロクも困惑している
「卒業式ってこの学校でチビたち、先生達といられる最後の日だからこそ今までと変わらない、いつも通りのオレで卒業したい。」
「いつも通り、ですか。」
いつも通り、私は
「いいんじゃないかな」
「カズハ様」
「この世界の卒業式ってどういうのが当たり前なのかはわからない。
ても卒業式って卒業生、わたしたちが主役でしょ?少しわがまま言ってもいいんじゃないかなって」
「先生には怒られそうですけどね」
「というと」
「俺も賛成ですよ、やりましょうよ。俺たちなりの卒業式を」
「カズハ、ロク。ありがとう」
(ナツキと卒業式やりたかったな)
オレはナツキの机を見る。
「4人で卒業したかったね」
「これから交流が減ってしまうんで
しょうか」
カズハとロクはそれが心残りらしい、
もちろん、オレも。
「ジュンってナツキと文通、してるの?」
「え、うん。ナツキに合格したことを伝えて。返事には、合格おめでとうって書いてあって、近況報告が書いてあって、
最後に・・・」
「最後に?」
「いや、なんでもない」
直接言うことは出来ないから少し早いけど
卒業、おめでとう
オレはカズハと廊下で立ち話をする
「ジュンっていつこの街を出る予定?」
「卒業の日がして3日後かな」
「3日・・・」
「なぁ、カズハって・・・いや、なんでもない。」
「どうしたの、急に」
カズハは軽く笑い教員室へ歩いて行く。
ロクのこと好きなのか、と聞こうとしたがやめた。
オレはお互いがお互い好きなのはみてわかる。
伊達に友達をやってたわけじゃないから。
でも、事実確認してどうするんだ。
それを聞いてオレが何かできるわけじゃない。
自分のこともできないのに他のことができるわけない。
「自分のこと、か」
(自分の気持ちにはとっくに気づいてる。でもそれを言って駄目だったら。
この関係が壊れることの方がオレは嫌だ。それに、駄目だったとして
今まで通り、接することができるほどオレは器用じゃない)
オレはカズハの歩いて行った廊下を見る
(これからは小さな亀裂が大きな溝になることもあるのかもな)
その日の夜、私が部屋でくつろいでいるとミズキさんが部屋に来た。
「ミズキさん、どうしたんですか?」
「ちょっといいか?」
「私は、いいですけど」
部屋にいたロクは察したのか、ミズキさんに会釈をして出て行った。
とりあえず部屋にとおし、冷蔵庫にあるお茶を出す。
「ありがとう」
お茶を少し飲み私に聞く
「単刀直入に聞くけど、カズハって卒業式は袴なのか?」
「えっと、ごめんなさい。そういうのはまだ」
「まぁ、女の子1人だしな」
「はい。」
「あまり焦るなと言いたいけど、そろそろ時間ないしな」
「そう、なんですよね。」
「ちなみにアタシの時はみんな袴だった。」
「袴、ですか。明日2人と相談してみます」
「そっか。急にごめん、カズハ。おやすみ」
「おやすみなさい、ミズキさん」
翌日
「服装、ねぇ」
「先輩たちはほとんど袴でしたね」
「じゃあ私たちも?ジュン?」
ジュンはなにか考えていた。
「別に袴にこだわらなくていいんじゃないか?」
ジュンが予想外のことを言い出した
「え?」
「卒業式は必ず袴じゃないといけないとかはないだろ?」
「そうですけど・・・」
私だけじゃなくロクも困惑している
「卒業式ってこの学校でチビたち、先生達といられる最後の日だからこそ今までと変わらない、いつも通りのオレで卒業したい。」
「いつも通り、ですか。」
いつも通り、私は
「いいんじゃないかな」
「カズハ様」
「この世界の卒業式ってどういうのが当たり前なのかはわからない。
ても卒業式って卒業生、わたしたちが主役でしょ?少しわがまま言ってもいいんじゃないかなって」
「先生には怒られそうですけどね」
「というと」
「俺も賛成ですよ、やりましょうよ。俺たちなりの卒業式を」
「カズハ、ロク。ありがとう」
(ナツキと卒業式やりたかったな)
オレはナツキの机を見る。
「4人で卒業したかったね」
「これから交流が減ってしまうんで
しょうか」
カズハとロクはそれが心残りらしい、
もちろん、オレも。
「ジュンってナツキと文通、してるの?」
「え、うん。ナツキに合格したことを伝えて。返事には、合格おめでとうって書いてあって、近況報告が書いてあって、
最後に・・・」
「最後に?」
「いや、なんでもない」
直接言うことは出来ないから少し早いけど
卒業、おめでとう
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
【完結】後宮の化粧姫 ~すっぴんはひた隠したい悪女ですが、なぜか龍皇陛下に迫られているのですが……?!~
花橘 しのぶ
キャラ文芸
生まれつきの顔の痣がコンプレックスの後宮妃、蘭月(らんげつ)。
素顔はほぼ別人の地味系女子だが、他の誰にも負けない高い化粧スキルを持っている。
豪商として名を馳せている実家でも、化粧スキルを活かした商品開発で売上を立てていたものの、それを妬んだ兄から「女なのに生意気だ」と言われ、勝手に後宮入りさせられる。
後宮の妃たちからは、顔面詐欺級の化粧と実家の悪名により、完全無欠の美貌を持つ悪女と思われているのだった。
とある宴が終わった夜、寝床を抜け出した先で出会ったのは、幼いもふもふ獅子の瑞獣、白沢(はくたく)。そして、皇帝―漣龍(れんりゅう)だった。
すっぴんを見せたくないのにも関わらず、ぐいぐいと迫ってくる漣龍。
咄嗟に「蘭月付の侍女である」と嘘をつくと、白沢を保護して様子を定期報告するよう頼まれる。
蘭月付の侍女として、後宮妃として、2つの姿での後宮ライフが始まっていく。
素顔がバレないよう、後宮妃としてはひっそり過ごそうと決めたものの、化粧をきっかけに他の妃たちとの距離もだんだんと縮まり、後宮内でも目立つ存在になっていって——?!
すっぴんはひた隠したい化粧姫蘭月と、そんな彼女を自分のものにしたい皇帝の中華後宮恋愛ファンタジー!
龍神様の婚約者、幽世のデパ地下で洋菓子店はじめました
卯月みか
キャラ文芸
両親を交通事故で亡くした月ヶ瀬美桜は、叔父と叔母に引き取られ、召使いのようにこき使われていた。ある日、お金を盗んだという濡れ衣を着せられ、従姉妹と言い争いになり、家を飛び出してしまう。
そんな美桜を救ったのは、幽世からやって来た龍神の翡翠だった。異界へ行ける人間は、人ではない者に嫁ぐ者だけだという翡翠に、美桜はついて行く決心をする。
お菓子作りの腕を見込まれた美桜は、翡翠の元で生活をする代わりに、翡翠が営む万屋で、洋菓子店を開くことになるのだが……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
後宮に住まうは竜の妃
朏猫(ミカヅキネコ)
キャラ文芸
後宮の一つ鳳凰宮の下女として働いていた阿繰は、蛇を捕まえたことで鳳凰宮を追い出されることになった。代わりの職場は同じ後宮の応竜宮で、そこの主は竜の化身だと噂される竜妃だ。ところが応竜宮には侍女一人おらず、出てきたのは自分と同じくらいの少女で……。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
吾輩はネコである。名前はちび太。
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
キャラ文芸
作家志望の「ご主人様」と、同居するネコの「ちび太」が織りなす
へーわでゆるーい日常。
ときどき「いもうと」。
猫の「ちび太」視点です。
しゃべれないけど言葉を解すのでちょっとだけファンタジー。
異世界転生しません。
チートありません。
天狼、ドラゴン、精霊神竜、ロボット倒しません。
荷電粒子砲うちません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる