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28話 ジュンの考察
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「なぁ、気を悪くしたらごめん。
作戦の前にいくつか聞いていいか?」
「うん。いいよ。」
「まず、親のこと。母親が人間だった
場合、子供を宿して、育てるにしても
妖力で育てるんだ。人間でも多少、妖力を持っているが産める段階になるまでとなると無理がある。子供が成長すると比例して必要な妖力の量が多くなる。
母親の妖力が全て子に注がれて、子が生まれる前に母親の方に限界がきて、
母子共に亡くなることがほとんどだ。
オレの親戚が医者でね。母親が人間で、
母子共健康だ、なんてことは聞いたことがない。
父親が人間で母親が妖だと、可能だが、それだと父親が既に亡くなっているはずなんだ。
だからナツキの自己紹介は矛盾が生じていないとおかしいんだ」
ジュンはそう言って私を指さす
「すごいね。そこまで考えられるなんて正直、そこまで賢いとは思ってなかった。そうだよ。私は父親が人間で既に亡くなっている。どう足掻いても人間が妖と共に生きられる時間は短いんだ。
私が自己紹介の時にああ言ったのは、
同情されたくなかったから。でもジュンみたいに察しがいい人には意味なかったね。」
ナツキは吐き捨てるように淡々と答えた
「2週間って言ったのはなんでだ?」
「今まで学校に行っても殆どが、白い目で見られたから。典型的ないじめにもあった。教師に言っても、何も対処はしてくれず匙を投げられるのが当たり前だった。恨むなら自分の血を恨めって
最低な事を言われたこともあったけど
我慢した。
知ってる?この世界の学校って転校しても最低2週間は在籍しないといけないんだ。」
ナツキの瞳には光がなかった
「だからか」
「まぁ予防線ってところかな」
ナツキは困ったような笑顔で答える
「永住とかは考えないのか」
「んー、どうだろう」
「この街はいい奴らばかりだ。
チビたちも素直な生徒だと思うぜ」
瞳に明るさが少し戻ったような気がする「もうしばらく考えようかな」
「時間はまだある。
ゆっくり考えてくれ」
「密会なんて初々しいこと。
最近の若者は消極的ですね。
可愛らしく大いに結構です。」
「「校長先生!」」
ナツキと声が被る
そりゃ真後ろにいたら被るわな。
ものすごくニヤけていて、校長の威厳を感じさせることない顔に若干イラつく。
ナツキは冷たい目でただじっと見ていた
「別に密会っていうほどのことじゃないですよ。もう話は終わったので失礼します。」
そう言ってナツキは涼しい顔で話して、
オレの手を掴み、歩き出す。
「え、ナツキ!?校長先生失礼します」
挨拶もそこそこにしオレたちは校舎に戻る。
「うんうん。仲良きことは美しき哉」
誰もいなくなった校舎裏で私は呟く。
私はジュンと別れ家に帰る
「ただいま、母さん」
「おかえり、ナツキ。」
母さんは不安そうな表情で聞く
「ずいぶん遅かったけど何かあった?」
不安そうな顔はすぐに微笑みに変わった。
いつも転校初日に帰ってくると不安そうな顔をするが微笑みを浮かべるのは初めてた。
「どうかした?」
「ナツキ、何かいいことあった?
顔が嬉しそうよ」
「別に、なにも」
明日から頑張ろう
作戦の前にいくつか聞いていいか?」
「うん。いいよ。」
「まず、親のこと。母親が人間だった
場合、子供を宿して、育てるにしても
妖力で育てるんだ。人間でも多少、妖力を持っているが産める段階になるまでとなると無理がある。子供が成長すると比例して必要な妖力の量が多くなる。
母親の妖力が全て子に注がれて、子が生まれる前に母親の方に限界がきて、
母子共に亡くなることがほとんどだ。
オレの親戚が医者でね。母親が人間で、
母子共健康だ、なんてことは聞いたことがない。
父親が人間で母親が妖だと、可能だが、それだと父親が既に亡くなっているはずなんだ。
だからナツキの自己紹介は矛盾が生じていないとおかしいんだ」
ジュンはそう言って私を指さす
「すごいね。そこまで考えられるなんて正直、そこまで賢いとは思ってなかった。そうだよ。私は父親が人間で既に亡くなっている。どう足掻いても人間が妖と共に生きられる時間は短いんだ。
私が自己紹介の時にああ言ったのは、
同情されたくなかったから。でもジュンみたいに察しがいい人には意味なかったね。」
ナツキは吐き捨てるように淡々と答えた
「2週間って言ったのはなんでだ?」
「今まで学校に行っても殆どが、白い目で見られたから。典型的ないじめにもあった。教師に言っても、何も対処はしてくれず匙を投げられるのが当たり前だった。恨むなら自分の血を恨めって
最低な事を言われたこともあったけど
我慢した。
知ってる?この世界の学校って転校しても最低2週間は在籍しないといけないんだ。」
ナツキの瞳には光がなかった
「だからか」
「まぁ予防線ってところかな」
ナツキは困ったような笑顔で答える
「永住とかは考えないのか」
「んー、どうだろう」
「この街はいい奴らばかりだ。
チビたちも素直な生徒だと思うぜ」
瞳に明るさが少し戻ったような気がする「もうしばらく考えようかな」
「時間はまだある。
ゆっくり考えてくれ」
「密会なんて初々しいこと。
最近の若者は消極的ですね。
可愛らしく大いに結構です。」
「「校長先生!」」
ナツキと声が被る
そりゃ真後ろにいたら被るわな。
ものすごくニヤけていて、校長の威厳を感じさせることない顔に若干イラつく。
ナツキは冷たい目でただじっと見ていた
「別に密会っていうほどのことじゃないですよ。もう話は終わったので失礼します。」
そう言ってナツキは涼しい顔で話して、
オレの手を掴み、歩き出す。
「え、ナツキ!?校長先生失礼します」
挨拶もそこそこにしオレたちは校舎に戻る。
「うんうん。仲良きことは美しき哉」
誰もいなくなった校舎裏で私は呟く。
私はジュンと別れ家に帰る
「ただいま、母さん」
「おかえり、ナツキ。」
母さんは不安そうな表情で聞く
「ずいぶん遅かったけど何かあった?」
不安そうな顔はすぐに微笑みに変わった。
いつも転校初日に帰ってくると不安そうな顔をするが微笑みを浮かべるのは初めてた。
「どうかした?」
「ナツキ、何かいいことあった?
顔が嬉しそうよ」
「別に、なにも」
明日から頑張ろう
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