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4章 ファイナルライブ
261話 相違
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「・・・え、ライブが中止?」
「うん、急に決まったんだ。
あと、明日事務所に来て欲しい。
他の2人にも伝えて。」
「ま、待ってくだ」
電話を切りそうな雰囲気を遮るが
切られてしまった。
(なんで、急に。明日のためにずっと
頑張って、それに2人って。
3人じゃないの?)
切られてホーム画面はスッと暗くなる。
その夜、いくら待っても類は帰って
来なかった。
翌日の速報で知った。
類が昨夜に起きた事故で死んだこと。
ー事務所ー
まだ、信じられないまま私たちは
話し合う。今後について。
「実感がわかないことも、受け止める
時間が欲しいのもわかってる。
でもこういうことは早く決めないと
いけないんだ。この先、どうするか」
いつにも増して真剣な七瀬さん。
切り出したのは蓮だった。
「俺は、続けたいと思っています。
解散しても残ったメンバーで続けているグループはあります。
それに俺はまだ満足していない。
なにより類を解散の理由にしたく
ないんです」
「僕は蓮の意見に賛成できません」
蓮はゆっくりと雪希を見る。
予想外の反応だったんだろうな。
私だって内心驚いてる。
「類と2人でライブした時の反応を見て思ったんだ。4人じゃないと
ダメなんだって。蓮の意見も分かる。
でもアイドルでいる理由ってある?
個人の仕事も増えてきた。
これからも人気が衰えないって保証は
ない。だったら人気のあるうちに
解散して個人の仕事を優先した方がいいんじゃないかっていうのが僕の意見」
「舞ちゃんはどうかな」
4人でSTEPを超えることが夢だった。
でも3人で超えてもきっと、
ここに類がいたらって考えちゃう
だろうな。
どっちの意見も分かる。
「私はどちらでもいい、というのが本音です」
揺らぎすぎて決められない。
わ何度も私たちは話し合いをした。
七瀬さんは口を出すことなく見守って
いた。
そして
「本当に、いいんだね?」
「「「はい」」」
ー大晦日ー
挑戦状の他に最後だから詰め込んだ
仕事が忙しくてRainbow Roseの方を
全然見てなかった。
(舞たちはどんな活動してるのかな)
Rainbow Roseと打った時予測候補で
類と出てきたのでタップして
そして目を疑った。
事故で亡くなっていたなんて。
それが理由かは分からないけど
Rainbow Roseの公式HPで
に2年後に解散することを発表した。
(舞たちが決めたことなのに首を突っ込んだら駄目だよね)
ー帰宅後ー
(今日はビーフシチューにしようかな)
しばらくして
お皿とスプーンを4つ用意した。
4つ目に分けてから気がついた。
(当たり前はそう簡単に抜けないよね)
鍋に戻してシンクにおいた。
雪希と蓮と準備して食卓につく。
1人だけ空いた席、これから使われることはない食器たち。
手を合わせる。
「「「いただきます」」」
食事のタイミングがバラバラになってから4人揃って一緒に言うことも聞くことも少なくなっていた言葉。
でももう2度と4人揃うことはないんだ。
数日後、元旦。
蓮は実家に、雪希は祖父母の家に帰省
していて私だけが残っている状態。
なつみさんからは帰ってきたら?
と言われたけどそんな気になれず
残っている。
ずっと録画だけしていて溜まっている
アニメを消化しているとインターホンが
なった。
(なんだろう、元旦なのに珍しい)
録画を止めて玄関に向かう。
そこには50代くらいの夫婦が
立っていた。
男性は微笑んでいた。
「うん、急に決まったんだ。
あと、明日事務所に来て欲しい。
他の2人にも伝えて。」
「ま、待ってくだ」
電話を切りそうな雰囲気を遮るが
切られてしまった。
(なんで、急に。明日のためにずっと
頑張って、それに2人って。
3人じゃないの?)
切られてホーム画面はスッと暗くなる。
その夜、いくら待っても類は帰って
来なかった。
翌日の速報で知った。
類が昨夜に起きた事故で死んだこと。
ー事務所ー
まだ、信じられないまま私たちは
話し合う。今後について。
「実感がわかないことも、受け止める
時間が欲しいのもわかってる。
でもこういうことは早く決めないと
いけないんだ。この先、どうするか」
いつにも増して真剣な七瀬さん。
切り出したのは蓮だった。
「俺は、続けたいと思っています。
解散しても残ったメンバーで続けているグループはあります。
それに俺はまだ満足していない。
なにより類を解散の理由にしたく
ないんです」
「僕は蓮の意見に賛成できません」
蓮はゆっくりと雪希を見る。
予想外の反応だったんだろうな。
私だって内心驚いてる。
「類と2人でライブした時の反応を見て思ったんだ。4人じゃないと
ダメなんだって。蓮の意見も分かる。
でもアイドルでいる理由ってある?
個人の仕事も増えてきた。
これからも人気が衰えないって保証は
ない。だったら人気のあるうちに
解散して個人の仕事を優先した方がいいんじゃないかっていうのが僕の意見」
「舞ちゃんはどうかな」
4人でSTEPを超えることが夢だった。
でも3人で超えてもきっと、
ここに類がいたらって考えちゃう
だろうな。
どっちの意見も分かる。
「私はどちらでもいい、というのが本音です」
揺らぎすぎて決められない。
わ何度も私たちは話し合いをした。
七瀬さんは口を出すことなく見守って
いた。
そして
「本当に、いいんだね?」
「「「はい」」」
ー大晦日ー
挑戦状の他に最後だから詰め込んだ
仕事が忙しくてRainbow Roseの方を
全然見てなかった。
(舞たちはどんな活動してるのかな)
Rainbow Roseと打った時予測候補で
類と出てきたのでタップして
そして目を疑った。
事故で亡くなっていたなんて。
それが理由かは分からないけど
Rainbow Roseの公式HPで
に2年後に解散することを発表した。
(舞たちが決めたことなのに首を突っ込んだら駄目だよね)
ー帰宅後ー
(今日はビーフシチューにしようかな)
しばらくして
お皿とスプーンを4つ用意した。
4つ目に分けてから気がついた。
(当たり前はそう簡単に抜けないよね)
鍋に戻してシンクにおいた。
雪希と蓮と準備して食卓につく。
1人だけ空いた席、これから使われることはない食器たち。
手を合わせる。
「「「いただきます」」」
食事のタイミングがバラバラになってから4人揃って一緒に言うことも聞くことも少なくなっていた言葉。
でももう2度と4人揃うことはないんだ。
数日後、元旦。
蓮は実家に、雪希は祖父母の家に帰省
していて私だけが残っている状態。
なつみさんからは帰ってきたら?
と言われたけどそんな気になれず
残っている。
ずっと録画だけしていて溜まっている
アニメを消化しているとインターホンが
なった。
(なんだろう、元旦なのに珍しい)
録画を止めて玄関に向かう。
そこには50代くらいの夫婦が
立っていた。
男性は微笑んでいた。
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