261 / 266
4章 ファイナルライブ
261話 相違
しおりを挟む
「・・・え、ライブが中止?」
「うん、急に決まったんだ。
あと、明日事務所に来て欲しい。
他の2人にも伝えて。」
「ま、待ってくだ」
電話を切りそうな雰囲気を遮るが
切られてしまった。
(なんで、急に。明日のためにずっと
頑張って、それに2人って。
3人じゃないの?)
切られてホーム画面はスッと暗くなる。
その夜、いくら待っても類は帰って
来なかった。
翌日の速報で知った。
類が昨夜に起きた事故で死んだこと。
ー事務所ー
まだ、信じられないまま私たちは
話し合う。今後について。
「実感がわかないことも、受け止める
時間が欲しいのもわかってる。
でもこういうことは早く決めないと
いけないんだ。この先、どうするか」
いつにも増して真剣な七瀬さん。
切り出したのは蓮だった。
「俺は、続けたいと思っています。
解散しても残ったメンバーで続けているグループはあります。
それに俺はまだ満足していない。
なにより類を解散の理由にしたく
ないんです」
「僕は蓮の意見に賛成できません」
蓮はゆっくりと雪希を見る。
予想外の反応だったんだろうな。
私だって内心驚いてる。
「類と2人でライブした時の反応を見て思ったんだ。4人じゃないと
ダメなんだって。蓮の意見も分かる。
でもアイドルでいる理由ってある?
個人の仕事も増えてきた。
これからも人気が衰えないって保証は
ない。だったら人気のあるうちに
解散して個人の仕事を優先した方がいいんじゃないかっていうのが僕の意見」
「舞ちゃんはどうかな」
4人でSTEPを超えることが夢だった。
でも3人で超えてもきっと、
ここに類がいたらって考えちゃう
だろうな。
どっちの意見も分かる。
「私はどちらでもいい、というのが本音です」
揺らぎすぎて決められない。
わ何度も私たちは話し合いをした。
七瀬さんは口を出すことなく見守って
いた。
そして
「本当に、いいんだね?」
「「「はい」」」
ー大晦日ー
挑戦状の他に最後だから詰め込んだ
仕事が忙しくてRainbow Roseの方を
全然見てなかった。
(舞たちはどんな活動してるのかな)
Rainbow Roseと打った時予測候補で
類と出てきたのでタップして
そして目を疑った。
事故で亡くなっていたなんて。
それが理由かは分からないけど
Rainbow Roseの公式HPで
に2年後に解散することを発表した。
(舞たちが決めたことなのに首を突っ込んだら駄目だよね)
ー帰宅後ー
(今日はビーフシチューにしようかな)
しばらくして
お皿とスプーンを4つ用意した。
4つ目に分けてから気がついた。
(当たり前はそう簡単に抜けないよね)
鍋に戻してシンクにおいた。
雪希と蓮と準備して食卓につく。
1人だけ空いた席、これから使われることはない食器たち。
手を合わせる。
「「「いただきます」」」
食事のタイミングがバラバラになってから4人揃って一緒に言うことも聞くことも少なくなっていた言葉。
でももう2度と4人揃うことはないんだ。
数日後、元旦。
蓮は実家に、雪希は祖父母の家に帰省
していて私だけが残っている状態。
ずっと録画だけしていて溜まっている
アニメを消化しているとインターホンが
なった。
(なんだろう、元旦なのに珍しい)
録画を止めて玄関に向かう。
そこには50代くらいの夫婦が
立っていた。
男性は微笑んでいた。
「うん、急に決まったんだ。
あと、明日事務所に来て欲しい。
他の2人にも伝えて。」
「ま、待ってくだ」
電話を切りそうな雰囲気を遮るが
切られてしまった。
(なんで、急に。明日のためにずっと
頑張って、それに2人って。
3人じゃないの?)
切られてホーム画面はスッと暗くなる。
その夜、いくら待っても類は帰って
来なかった。
翌日の速報で知った。
類が昨夜に起きた事故で死んだこと。
ー事務所ー
まだ、信じられないまま私たちは
話し合う。今後について。
「実感がわかないことも、受け止める
時間が欲しいのもわかってる。
でもこういうことは早く決めないと
いけないんだ。この先、どうするか」
いつにも増して真剣な七瀬さん。
切り出したのは蓮だった。
「俺は、続けたいと思っています。
解散しても残ったメンバーで続けているグループはあります。
それに俺はまだ満足していない。
なにより類を解散の理由にしたく
ないんです」
「僕は蓮の意見に賛成できません」
蓮はゆっくりと雪希を見る。
予想外の反応だったんだろうな。
私だって内心驚いてる。
「類と2人でライブした時の反応を見て思ったんだ。4人じゃないと
ダメなんだって。蓮の意見も分かる。
でもアイドルでいる理由ってある?
個人の仕事も増えてきた。
これからも人気が衰えないって保証は
ない。だったら人気のあるうちに
解散して個人の仕事を優先した方がいいんじゃないかっていうのが僕の意見」
「舞ちゃんはどうかな」
4人でSTEPを超えることが夢だった。
でも3人で超えてもきっと、
ここに類がいたらって考えちゃう
だろうな。
どっちの意見も分かる。
「私はどちらでもいい、というのが本音です」
揺らぎすぎて決められない。
わ何度も私たちは話し合いをした。
七瀬さんは口を出すことなく見守って
いた。
そして
「本当に、いいんだね?」
「「「はい」」」
ー大晦日ー
挑戦状の他に最後だから詰め込んだ
仕事が忙しくてRainbow Roseの方を
全然見てなかった。
(舞たちはどんな活動してるのかな)
Rainbow Roseと打った時予測候補で
類と出てきたのでタップして
そして目を疑った。
事故で亡くなっていたなんて。
それが理由かは分からないけど
Rainbow Roseの公式HPで
に2年後に解散することを発表した。
(舞たちが決めたことなのに首を突っ込んだら駄目だよね)
ー帰宅後ー
(今日はビーフシチューにしようかな)
しばらくして
お皿とスプーンを4つ用意した。
4つ目に分けてから気がついた。
(当たり前はそう簡単に抜けないよね)
鍋に戻してシンクにおいた。
雪希と蓮と準備して食卓につく。
1人だけ空いた席、これから使われることはない食器たち。
手を合わせる。
「「「いただきます」」」
食事のタイミングがバラバラになってから4人揃って一緒に言うことも聞くことも少なくなっていた言葉。
でももう2度と4人揃うことはないんだ。
数日後、元旦。
蓮は実家に、雪希は祖父母の家に帰省
していて私だけが残っている状態。
ずっと録画だけしていて溜まっている
アニメを消化しているとインターホンが
なった。
(なんだろう、元旦なのに珍しい)
録画を止めて玄関に向かう。
そこには50代くらいの夫婦が
立っていた。
男性は微笑んでいた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
二人きりの漂流記 ~学校一の美少女と無人島に漂着したので頑張ってみる~
絢乃
青春
一ノ瀬雅人は、ありふれた高校二年生。
ある夏の日、雅人や彼の通う学校の生徒・教師が海難事故に遭遇。
船から投げ出された雅人は、謎の無人島に漂着する。
そこには学校一の美少女・二階堂伊織の姿もあった。
奇跡的にも無事だった雅人たちは島の探索を開始。
そして、漂着した島がとんでもない場所だと突き止める。
待っていても救助は来ず、頼れる人は誰もいない――。
過酷な環境の中、雅人は伊織とともに生き抜くべく奮闘する。
島での生活を通じて、二人は絆を深めていく。
【小説家になろうで先行連載中!】
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
偏屈者は酔狂人と斯く踊る。
mimuo
青春
アンチ部活動の偏屈者が変わり者と関わっていくうちに自己を確立していく。そんな話です。半分嘘です。幽霊部ですが、オカルト系ではありません。
部活に行っていなかった人、現在進行形で行っていない方が本作品を読まれた場合、気分を害する可能性がございます。悪しからずご容赦下さいませ。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
美少女にフラれたらなぜかダウジング伊達メガネ女子が彼女になりました!?〜冴えない俺と彼女と俺をフった美少女の謎の三角な関係〜
かねさわ巧
青春
まてまてまて! 身体が入れ替わっているってどういうことだよ!? 告白した美少女は俺の好きになった子じゃなかったってこと? それじゃあ俺の好きになった子ってどっち?? 謎のダウジングから始まった恋愛コメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる