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4章 ファイナルライブ
238話 亀裂
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「やっちゃったねー」
「やっちゃったかー」
仕事から帰ってきた類と雪希に
さっきのことを話したらその返し。
「自分でも間違えたって思ってる」
「長く一緒にいても、
分からない事ってたくさんあるよね。
でも、相手の気持ちを汲まないとダメ
だよ、蓮」
(年下に正論を言われるのは
ダメージすごいな)
「わかってるよ」
謝ろうにもどれも上部だけな気がして、
それに、
「あ、舞」
「ごめん、もう出ないと」
「ねぇ」
「先生に呼ばれてて後でね」
(あっれー、ものすごい避けられてる)
なんで逃げるか聞きたいけど
ー相手の気持ちを汲まないとー
無理やり問い詰めたら余計拗れそう。
(避けられている時は迫らない方が
いい?でもズルズル引きずるのは・・・)
頭を抱えて悩む蓮は面白かった。
そのあと、俺は蓮の部屋に行ってみると
面白いくらいに不貞腐れていた。
「蓮、情緒大丈夫?」
「・・・」
(無視ですか)
「ベット座るね」
口だけで返事は待たずベットに腰掛けた
「座っていいって言ってないけど」
「ダメだった?」
すぐ立とうとすると
「別にいいけど」
(めんどくさいな)
「その苛立ちは誰に向けて?」
「自分」
(だよね)
「なんであんなこと言ったんだろう」
膝を抱えて珍しく弱っているのは珍しい
「蓮ってあれでしょ。
好きな子イジメちゃうタイプ、
それで後で後悔するんだよ。
普段ならはいはいって適当に流すけど
あの場合はダメだよ」
(まぁ、俺も雪希と衝突したから
人のこと言えないけど)
「言っておくけど、舞との仲を取り
持つことはしないからね」
「流石の俺もそこまで
落ちぶれてないよ」
「雪希、舞はどうだった?」
俺の部屋にいた雪希は首を横に振る
「舞はなんであんな返事したんだろう
って」
「蓮も言ってた。2人とも変なところで
意地を張るからね」
頷く雪希はため息をついた
「どうすればいいんだろう。
僕たちがなにかをするのは根本的な解決にならないし」
「驚いた。てっきり僕たちが促してみる?とか聞くと思ったのに」
大袈裟に演技をすると口を尖らせた
「僕だって成長するんだよ。
考えだって変わるんだから」
「なんて言って謝ればいい」
誰に聞くでもなく、口に出た言葉。
さっきから長いため息を繰り返す。
(蓮が言ったのは冗談だって言うのは
分かってた。でも焦って余裕がなくて、
怒鳴って籠るとか、子供だな)
ーそれは辛いなー
(そんな優しさを勝手に期待して)
「バッカみたい」
そんなこんなで結局、蓮に謝る事は
できずにあっという間に夏休みは終わり
に近づく。
街の至る所に夏祭りのポスターが
目に入る。
今月の頭にもポスターは貼ってあった
けど集客ラストスパートだから数が
増えて嫌でも目に入る。
夏祭り当日にCD発売予定だけど
私と蓮だけ成果がいまいち。
レコーディングもうまくいかない
(分かってる。蟠りがあるから
気持ちよく曲に気持ちを乗せられない)
最初から最後まで明るい曲だけど
空回りな気がする。
「夏祭り、一緒に行かない?」
紗南からのメールに行くと言ったが正直
気乗りはしない。
部屋でパートを口ずさんでいると
類がノックして入ってきた。
「よかったら練習しない?」
「・・・うん」
数十分、類と練習をして大分改善された
「ありがとう、類」
数日後、再びあったレコーディングで
OKが出た。
それで夏休み中の仕事は終わった。
残すは夏祭りのみ。
「やっちゃったかー」
仕事から帰ってきた類と雪希に
さっきのことを話したらその返し。
「自分でも間違えたって思ってる」
「長く一緒にいても、
分からない事ってたくさんあるよね。
でも、相手の気持ちを汲まないとダメ
だよ、蓮」
(年下に正論を言われるのは
ダメージすごいな)
「わかってるよ」
謝ろうにもどれも上部だけな気がして、
それに、
「あ、舞」
「ごめん、もう出ないと」
「ねぇ」
「先生に呼ばれてて後でね」
(あっれー、ものすごい避けられてる)
なんで逃げるか聞きたいけど
ー相手の気持ちを汲まないとー
無理やり問い詰めたら余計拗れそう。
(避けられている時は迫らない方が
いい?でもズルズル引きずるのは・・・)
頭を抱えて悩む蓮は面白かった。
そのあと、俺は蓮の部屋に行ってみると
面白いくらいに不貞腐れていた。
「蓮、情緒大丈夫?」
「・・・」
(無視ですか)
「ベット座るね」
口だけで返事は待たずベットに腰掛けた
「座っていいって言ってないけど」
「ダメだった?」
すぐ立とうとすると
「別にいいけど」
(めんどくさいな)
「その苛立ちは誰に向けて?」
「自分」
(だよね)
「なんであんなこと言ったんだろう」
膝を抱えて珍しく弱っているのは珍しい
「蓮ってあれでしょ。
好きな子イジメちゃうタイプ、
それで後で後悔するんだよ。
普段ならはいはいって適当に流すけど
あの場合はダメだよ」
(まぁ、俺も雪希と衝突したから
人のこと言えないけど)
「言っておくけど、舞との仲を取り
持つことはしないからね」
「流石の俺もそこまで
落ちぶれてないよ」
「雪希、舞はどうだった?」
俺の部屋にいた雪希は首を横に振る
「舞はなんであんな返事したんだろう
って」
「蓮も言ってた。2人とも変なところで
意地を張るからね」
頷く雪希はため息をついた
「どうすればいいんだろう。
僕たちがなにかをするのは根本的な解決にならないし」
「驚いた。てっきり僕たちが促してみる?とか聞くと思ったのに」
大袈裟に演技をすると口を尖らせた
「僕だって成長するんだよ。
考えだって変わるんだから」
「なんて言って謝ればいい」
誰に聞くでもなく、口に出た言葉。
さっきから長いため息を繰り返す。
(蓮が言ったのは冗談だって言うのは
分かってた。でも焦って余裕がなくて、
怒鳴って籠るとか、子供だな)
ーそれは辛いなー
(そんな優しさを勝手に期待して)
「バッカみたい」
そんなこんなで結局、蓮に謝る事は
できずにあっという間に夏休みは終わり
に近づく。
街の至る所に夏祭りのポスターが
目に入る。
今月の頭にもポスターは貼ってあった
けど集客ラストスパートだから数が
増えて嫌でも目に入る。
夏祭り当日にCD発売予定だけど
私と蓮だけ成果がいまいち。
レコーディングもうまくいかない
(分かってる。蟠りがあるから
気持ちよく曲に気持ちを乗せられない)
最初から最後まで明るい曲だけど
空回りな気がする。
「夏祭り、一緒に行かない?」
紗南からのメールに行くと言ったが正直
気乗りはしない。
部屋でパートを口ずさんでいると
類がノックして入ってきた。
「よかったら練習しない?」
「・・・うん」
数十分、類と練習をして大分改善された
「ありがとう、類」
数日後、再びあったレコーディングで
OKが出た。
それで夏休み中の仕事は終わった。
残すは夏祭りのみ。
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