238 / 266
4章 ファイナルライブ
238話 亀裂
しおりを挟む
「やっちゃったねー」
「やっちゃったかー」
仕事から帰ってきた類と雪希に
さっきのことを話したらその返し。
「自分でも間違えたって思ってる」
「長く一緒にいても、
分からない事ってたくさんあるよね。
でも、相手の気持ちを汲まないとダメ
だよ、蓮」
(年下に正論を言われるのは
ダメージすごいな)
「わかってるよ」
謝ろうにもどれも上部だけな気がして、
それに、
「あ、舞」
「ごめん、もう出ないと」
「ねぇ」
「先生に呼ばれてて後でね」
(あっれー、ものすごい避けられてる)
なんで逃げるか聞きたいけど
ー相手の気持ちを汲まないとー
無理やり問い詰めたら余計拗れそう。
(避けられている時は迫らない方が
いい?でもズルズル引きずるのは・・・)
頭を抱えて悩む蓮は面白かった。
そのあと、俺は蓮の部屋に行ってみると
面白いくらいに不貞腐れていた。
「蓮、情緒大丈夫?」
「・・・」
(無視ですか)
「ベット座るね」
口だけで返事は待たずベットに腰掛けた
「座っていいって言ってないけど」
「ダメだった?」
すぐ立とうとすると
「別にいいけど」
(めんどくさいな)
「その苛立ちは誰に向けて?」
「自分」
(だよね)
「なんであんなこと言ったんだろう」
膝を抱えて珍しく弱っているのは珍しい
「蓮ってあれでしょ。
好きな子イジメちゃうタイプ、
それで後で後悔するんだよ。
普段ならはいはいって適当に流すけど
あの場合はダメだよ」
(まぁ、俺も雪希と衝突したから
人のこと言えないけど)
「言っておくけど、舞との仲を取り
持つことはしないからね」
「流石の俺もそこまで
落ちぶれてないよ」
「雪希、舞はどうだった?」
俺の部屋にいた雪希は首を横に振る
「舞はなんであんな返事したんだろう
って」
「蓮も言ってた。2人とも変なところで
意地を張るからね」
頷く雪希はため息をついた
「どうすればいいんだろう。
僕たちがなにかをするのは根本的な解決にならないし」
「驚いた。てっきり僕たちが促してみる?とか聞くと思ったのに」
大袈裟に演技をすると口を尖らせた
「僕だって成長するんだよ。
考えだって変わるんだから」
「なんて言って謝ればいい」
誰に聞くでもなく、口に出た言葉。
さっきから長いため息を繰り返す。
(蓮が言ったのは冗談だって言うのは
分かってた。でも焦って余裕がなくて、
怒鳴って籠るとか、子供だな)
ーそれは辛いなー
(そんな優しさを勝手に期待して)
「バッカみたい」
そんなこんなで結局、蓮に謝る事は
できずにあっという間に夏休みは終わり
に近づく。
街の至る所に夏祭りのポスターが
目に入る。
今月の頭にもポスターは貼ってあった
けど集客ラストスパートだから数が
増えて嫌でも目に入る。
夏祭り当日にCD発売予定だけど
私と蓮だけ成果がいまいち。
レコーディングもうまくいかない
(分かってる。蟠りがあるから
気持ちよく曲に気持ちを乗せられない)
最初から最後まで明るい曲だけど
空回りな気がする。
「夏祭り、一緒に行かない?」
紗南からのメールに行くと言ったが正直
気乗りはしない。
部屋でパートを口ずさんでいると
類がノックして入ってきた。
「よかったら練習しない?」
「・・・うん」
数十分、類と練習をして大分改善された
「ありがとう、類」
数日後、再びあったレコーディングで
OKが出た。
それで夏休み中の仕事は終わった。
残すは夏祭りのみ。
「やっちゃったかー」
仕事から帰ってきた類と雪希に
さっきのことを話したらその返し。
「自分でも間違えたって思ってる」
「長く一緒にいても、
分からない事ってたくさんあるよね。
でも、相手の気持ちを汲まないとダメ
だよ、蓮」
(年下に正論を言われるのは
ダメージすごいな)
「わかってるよ」
謝ろうにもどれも上部だけな気がして、
それに、
「あ、舞」
「ごめん、もう出ないと」
「ねぇ」
「先生に呼ばれてて後でね」
(あっれー、ものすごい避けられてる)
なんで逃げるか聞きたいけど
ー相手の気持ちを汲まないとー
無理やり問い詰めたら余計拗れそう。
(避けられている時は迫らない方が
いい?でもズルズル引きずるのは・・・)
頭を抱えて悩む蓮は面白かった。
そのあと、俺は蓮の部屋に行ってみると
面白いくらいに不貞腐れていた。
「蓮、情緒大丈夫?」
「・・・」
(無視ですか)
「ベット座るね」
口だけで返事は待たずベットに腰掛けた
「座っていいって言ってないけど」
「ダメだった?」
すぐ立とうとすると
「別にいいけど」
(めんどくさいな)
「その苛立ちは誰に向けて?」
「自分」
(だよね)
「なんであんなこと言ったんだろう」
膝を抱えて珍しく弱っているのは珍しい
「蓮ってあれでしょ。
好きな子イジメちゃうタイプ、
それで後で後悔するんだよ。
普段ならはいはいって適当に流すけど
あの場合はダメだよ」
(まぁ、俺も雪希と衝突したから
人のこと言えないけど)
「言っておくけど、舞との仲を取り
持つことはしないからね」
「流石の俺もそこまで
落ちぶれてないよ」
「雪希、舞はどうだった?」
俺の部屋にいた雪希は首を横に振る
「舞はなんであんな返事したんだろう
って」
「蓮も言ってた。2人とも変なところで
意地を張るからね」
頷く雪希はため息をついた
「どうすればいいんだろう。
僕たちがなにかをするのは根本的な解決にならないし」
「驚いた。てっきり僕たちが促してみる?とか聞くと思ったのに」
大袈裟に演技をすると口を尖らせた
「僕だって成長するんだよ。
考えだって変わるんだから」
「なんて言って謝ればいい」
誰に聞くでもなく、口に出た言葉。
さっきから長いため息を繰り返す。
(蓮が言ったのは冗談だって言うのは
分かってた。でも焦って余裕がなくて、
怒鳴って籠るとか、子供だな)
ーそれは辛いなー
(そんな優しさを勝手に期待して)
「バッカみたい」
そんなこんなで結局、蓮に謝る事は
できずにあっという間に夏休みは終わり
に近づく。
街の至る所に夏祭りのポスターが
目に入る。
今月の頭にもポスターは貼ってあった
けど集客ラストスパートだから数が
増えて嫌でも目に入る。
夏祭り当日にCD発売予定だけど
私と蓮だけ成果がいまいち。
レコーディングもうまくいかない
(分かってる。蟠りがあるから
気持ちよく曲に気持ちを乗せられない)
最初から最後まで明るい曲だけど
空回りな気がする。
「夏祭り、一緒に行かない?」
紗南からのメールに行くと言ったが正直
気乗りはしない。
部屋でパートを口ずさんでいると
類がノックして入ってきた。
「よかったら練習しない?」
「・・・うん」
数十分、類と練習をして大分改善された
「ありがとう、類」
数日後、再びあったレコーディングで
OKが出た。
それで夏休み中の仕事は終わった。
残すは夏祭りのみ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
夏の終わりに目覚めたら
茉白いと
青春
高校二年の萩野遼希は、同じ園芸部に所属する柊汐音から意味ありげな発言をされたことがきっかけで交流するようになっていた。しかしとあることから、汐音が隠していた「秘密」を知ることになり──。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
彼女たちをトップアイドルに育てるのが俺が生まれた大きな理由の一つだったりするわけであり。
てたまろ
キャラ文芸
主人公、雨木川還流(あまぎかわかえる)の前に現れた宝城キルト、彼の持っていた見たことの無い不思議な人形が還流(かえる)の夢の中に出て来て運命を感じる。
その人形をきっかけに還流とキルトは女の子を集めネオ・アイドルという新しいジャンルに挑戦するが様々な妨害により事務所が倒産寸前の危機に追い込まれてしまう。
デビュー曲、セカンドシングルと惨敗で後がない、サードシングルで起死回生を図る。
ネオ・アイドルグループ『プリミアムフォー』個性豊かな4人の女の子たちの成長物語でもある。
王城臣(おうぎおみ)
小学5年生、小1から事務所に入所、テレビの教育バラエティー番組に出演していた、明るいキャラで人気もあり多くの支持を集めている。主人公とは兄妹の様な関係。
許斐心(このみこころ)
高校1年生、中三の時ひょんなことから舞台に立つことになりそのまま事務所へ入所、本人はアイドル志望ではなく女優として活動していきたい。
須賀彗夏(すがすいか)
高校2年生、プリミアムフォーのリーダー、積極的で行動力がありメンバーをまとめる力がある、ダンサー志望でストリートダンスをしていた所スカウトされる。
出雲伊莉愛(いずもいりあ)
高校2年生、彗夏とは中学からの付き合い、身長170、5センチ、高身長から見せるダンスはダイナミックで迫力があり定評がある。アニメや漫画が好きでオタク、妄想癖あり。
多くの涙や恋愛模様その他夢や目標に向かって進んでいく、そんな物語です。
【完結】Nurture ずっと二人で ~ サッカー硬派男子 × おっとり地味子のゆっくり育むピュア恋~
丹斗大巴
青春
硬派なサッカー男子 × おっとり地味子がゆっくりと愛を育むピュアラブストーリー
地味なまこは、ひそかにサッカー部を応援している。ある日学校で乱闘騒ぎが! サッカー部の硬派な人気者新田(あらた)にボールをぶつけられ、気を失ってしまう。その日から、まこの日常が変わりだして……。
✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴*
サッカー部の硬派男子
未だ女性に興味なしの
新田英治
(やばい……。
なんかまだいい匂いが残ってる気がする……)
×
おっとり地味子
密かにサッカー部を応援している
御木野まこ
(どうしよう……。
逃げたいような、でも聞きたい……)
✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴*
便利な「しおり」機能をご利用いただくと読みやすくて便利です。さらに「お気に入り」登録して頂くと、最新更新のお知らせが届きますので、こちらもご活用ください。
転校生とフラグ察知鈍感男
加藤やま
青春
まず朝、転校生と曲がり角でぶつかります。その転校生と同じクラスになります。恋に落ちます。
予想外の展開も裏切りもハラハラもありませんが、ほっと安心しながら読める作品です。
次の展開を予想しながら、その予想が当たるのをお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる