上 下
229 / 267
4章 ファイナルライブ

229話 怪談

しおりを挟む
翔さんが退院して、
お泊まり会をみんなで見て、
エゴサしたり、ミニライブや新曲披露 して夏休み中盤。

僕のスマホに七瀬さんから仕事の通知が入る。個人の仕事ではなく
Rainbow Roseの仕事。

「え、怪談?」
内容は夜の学校に行くというもの。
一応、もう許可は取っているらしい。

そこでスタッフが色々と仕掛けて
どんな反応かを見るというもの。
(勘のいい3人はすぐに気づきそう)

ー決行日、事務所ー
レッスンが終わり解散直後。
「あのさ、僕学校に宿題のプリント
置いてきちゃって。
ついてきてくれない?」

(こんな嘘、すぐに見破りそう)
3人は少し黙って
「今度の登校日に取りに行ったら?
まだ間に合うでしょ?」
(ごもっとも!さすが舞)
「あ、えっと・・・
それだと間に合いそうになくってさ」

「なんの?」
(鋭いな!類)
「し、習字!
習字を出す宿題なんだけど
その書き方が書いてあるプリント!」
「俺たち、去年出てないけど」
(ぐっ、)

「それに、クラスメイトに写真送ってもらった方が早いんじゃない?」
(だよね!蓮。
僕も言っててそう思った!嘘だけど!)

僕の慌てぶりに3人は眉を顰める。
「もしかして、何かの企画?」
(バレた!速攻で!)

「どうせ、夏休みだから怪談特集とか
じゃないの」
(ピンポイント!)
「あそこに雪希のスマホあるけど
不自然だし。もしかしてもうカメラ
回ってる?」
舞はカメラを回した状態のスマホを
指さす。
「もうダメじゃん!!」

思わず叫んだ。
どうせバレてるんだからと、一通り説明した。どんな仕掛けかは僕も知らない。

「なるほど、そんな企画が」
「私たち同じ学校だから不法侵入には、いや、不法だな」
「もう学校に許可とってるって」
「早いな、学校」

そして企画バレしたまま夜の学校に。
昇降口には教頭先生がいて鍵を
開けてくれた。

上履きに履き替えて俺たちは1年の教室に向かう。が、
「なんか、近くない?蓮」
「そんなことない」
「そう?」

(暗いの怖い?
でもかなり遅い時間になっても普通に
帰ってるし。この前の公園だってそんな素振りなかったのに)

雪希の教室に向かうと一枚のメモ用紙が。理科室とだけ書かれていた。
(理科室に向えってこと?)

理科室は東校舎の2階にある。

渡り廊下を歩き階段を登っていると舞があれ、と呟いた。
「どうしたの?」
「ここの階段って12段だよね、
13段な気がして、数え間違いかな」
「きっとそうだよ」

理科室のプレートが見えてきた。
「なんか理科室がよく出るっていう
よね。人体模型や骸骨が動いたり」
「舞のその情報源はどこ?」
特に気にすることなく言ったが
蓮の声は震えていた。

理科室の中にある次のメモには美術室。
「なにもなかったね」
「なにも起きなくていいよ」
舞と蓮の掛け合いをよそに
「ねぇ、あれ見て」
雪希は骸骨を指さす。
「「「「え、」」」」
骸骨は俺たちに向かって手を振っていた

ワンテンポ遅れて廊下は凄まじい
足音が響く。
「なにあれ、なにあれ!」
「雪希の言ってた仕掛け?!」
「僕、内容は知らないよ!?」

自分たちの学年の教室を走り抜き
美術室へ。次は体育館、
美術室では、部員が描いた絵が
飾られていた。

美術室はメモだけでなにもない。
それがまた不気味だ。
美術室から体育館までは階段を降りないといけない。
気をつけていこう。
「蓮、やっぱり近くない」
「い、今くらいいいだろ」
両肩を蓮は掴むが地味に痛い。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

その花は、夜にこそ咲き、強く香る。

木立 花音
青春
『なんで、アイツの顔見えるんだよ』  相貌失認(そうぼうしつにん)。  女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。  夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。  他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。  中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。  ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。  それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。 ※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品 ※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。 ※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。

ライオン転校生

散々人
青春
ライオン頭の転校生がやって来た! 力も頭の中身もライオンのトンデモ高校生が、学園で大暴れ。 ライオン転校生のハチャメチャぶりに周りもてんやわんやのギャグ小説!

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

夏の出来事

ケンナンバワン
青春
幼馴染の三人が夏休みに美由のおばあさんの家に行き観光をする。花火を見た帰りにバケトンと呼ばれるトンネルを通る。その時車内灯が点滅して美由が驚く。その時は何事もなく過ぎるが夏休みが終わり二学期が始まっても美由が来ない。美由は自宅に帰ってから金縛りにあうようになっていた。その原因と名をす方法を探して三人は奔走する。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

桑原家のツインズ!高校デビュー☆

みのる
青春
桑原家の『ツインズ』が、高校生になりました!誰しにも訪れた、あの青春時代…(懐)

処理中です...