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4章 ファイナルライブ
217話 雲泥の差
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友達をやっていれば大体わかってしまう
「午後、暇?」
「ま、まぁ」
「じゃあ、遊ぼうよ」
紗南のキラキラとした目が思い浮かぶほど楽しそうな紗南。
一旦、切ってスタッフさんに聞くと
友達はモザイクかけるから大丈夫と
言われ、また電話をかけて
行き先を決める。
私は家に一度帰り、TVシャツ、
ハーフパンツ、通気性のいいレギンス、
をトートバックに入れて戻ってきた。
「雪希、私ちょっと友達と遊びに
行ってくるね」
寝室を開けると書き終えた手紙を封筒に入れていた。
「わかった。いってらっしゃい、
気をつけてね」
「うん」
近くにいたスタッフさんにも声をかけて
私は事務所を出る。
ー正午ー
待ち合わせ場所で紗南を待っている。
「ねぇ、あれってRainbow Roseの
舞じゃない?」
「ほんとだ、なにかの撮影?」
(紗南、早く来て)
こうジロジロ見られるのはいい気が
しないな。
「ごめーん、遅れた」
私の心情とは裏腹に元気な声で走って
くる紗南。
「それで今日は紗南のリクエストで
アスレチック場にしたけど、
なんでそこにしたの?」
「活動だけじゃ体力つかないかなって」
(私はそれに付き合わされるのか。
まぁいいけど。私も動きたかったし)
さっきより人が増えた気がする。
(なんで?)
「隣にいる子って本物かな」
「あの子?何かしてるの?」
「スミレ女子校で生まれたアイドル
グループ、フラワーの1人。
紗南ちゃんに似てるなって」
私は思わず紗南の両肩を掴んだ
「な、なに?」
「いや、そんなに有名なんだなって」
「頻繁にメディアにでてるあなた達に
比べたら雲泥の差だけどね」
「サイン欲しいな」
「握手してほしい」
など聞こえる。
(でもこれから遊びに行くんだよね)
紗南はニヤリとして
「オレンジ担当フラワー1の元気
キャラ!紗南です!」
伸ばした右手を左から右へ流し、
ウインクすると歓声と拍手が。
感極まって目を輝かせていたと思ったら
耳打ちされた
「ほら、舞も」
「え、」
周りは期待しているような目。
「Rainbow Roseの赤紫担当、舞だよ。私のこと、覚えてくれたら嬉しいな。
君だけのアイドルになってみせるよ」
最初は元気に、次は少し照れるように、
最後はささやくように、を意識した。
紗南の時とは比べものにならないくらいの歓声と拍手。
「これが本物か」
と紗南は沈んでいた。
2人で握手していると長蛇のれ
「あの、・・まだ行かないんですか?」
「「あ・・・」」
カメラを回し続けるスタッフさんに
言われて気づく。
「いや、ダメじゃん。時間!」
「そうだ!すっかり忘れてた」
「舞が調子のるから!」
「やり始めたのは紗南じゃん!」
と冗談めかしたやり取りの後、
その場にいた皆さんに謝ってから
目的地に向かう。
「午後、暇?」
「ま、まぁ」
「じゃあ、遊ぼうよ」
紗南のキラキラとした目が思い浮かぶほど楽しそうな紗南。
一旦、切ってスタッフさんに聞くと
友達はモザイクかけるから大丈夫と
言われ、また電話をかけて
行き先を決める。
私は家に一度帰り、TVシャツ、
ハーフパンツ、通気性のいいレギンス、
をトートバックに入れて戻ってきた。
「雪希、私ちょっと友達と遊びに
行ってくるね」
寝室を開けると書き終えた手紙を封筒に入れていた。
「わかった。いってらっしゃい、
気をつけてね」
「うん」
近くにいたスタッフさんにも声をかけて
私は事務所を出る。
ー正午ー
待ち合わせ場所で紗南を待っている。
「ねぇ、あれってRainbow Roseの
舞じゃない?」
「ほんとだ、なにかの撮影?」
(紗南、早く来て)
こうジロジロ見られるのはいい気が
しないな。
「ごめーん、遅れた」
私の心情とは裏腹に元気な声で走って
くる紗南。
「それで今日は紗南のリクエストで
アスレチック場にしたけど、
なんでそこにしたの?」
「活動だけじゃ体力つかないかなって」
(私はそれに付き合わされるのか。
まぁいいけど。私も動きたかったし)
さっきより人が増えた気がする。
(なんで?)
「隣にいる子って本物かな」
「あの子?何かしてるの?」
「スミレ女子校で生まれたアイドル
グループ、フラワーの1人。
紗南ちゃんに似てるなって」
私は思わず紗南の両肩を掴んだ
「な、なに?」
「いや、そんなに有名なんだなって」
「頻繁にメディアにでてるあなた達に
比べたら雲泥の差だけどね」
「サイン欲しいな」
「握手してほしい」
など聞こえる。
(でもこれから遊びに行くんだよね)
紗南はニヤリとして
「オレンジ担当フラワー1の元気
キャラ!紗南です!」
伸ばした右手を左から右へ流し、
ウインクすると歓声と拍手が。
感極まって目を輝かせていたと思ったら
耳打ちされた
「ほら、舞も」
「え、」
周りは期待しているような目。
「Rainbow Roseの赤紫担当、舞だよ。私のこと、覚えてくれたら嬉しいな。
君だけのアイドルになってみせるよ」
最初は元気に、次は少し照れるように、
最後はささやくように、を意識した。
紗南の時とは比べものにならないくらいの歓声と拍手。
「これが本物か」
と紗南は沈んでいた。
2人で握手していると長蛇のれ
「あの、・・まだ行かないんですか?」
「「あ・・・」」
カメラを回し続けるスタッフさんに
言われて気づく。
「いや、ダメじゃん。時間!」
「そうだ!すっかり忘れてた」
「舞が調子のるから!」
「やり始めたのは紗南じゃん!」
と冗談めかしたやり取りの後、
その場にいた皆さんに謝ってから
目的地に向かう。
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