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4章 ファイナルライブ
212話 いらない謝罪
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「え?」
「期末テストのこと、」
「えっ、と」
(俺、誰にもいってないのに)
「なんでそれを?」
「あの時の類の歯切れの悪さが
気になって、他の3クラスに
聞いて周ったんだ。
テスト前の蒼葉、何かなかったかって。そしたら放課後蒼葉と陽、妹が一緒に
どこかに行くのを見たって」
「よく、妹さんだってわかったね」
「それ以前に、陽がなにか考えてたのはわかってたから。でもまさか、
あんなことするなんて」
ため息をついてたが、
俺はもう終わったし今更って気がする。
「身内が裏で手をまわしてたのに
なにも知らないで喜んで、
類にあんなこと言った俺が」
一度溜めてから
「馬鹿みたいじゃん!!」
そばを通っていた生徒が、
驚いて抱えていた教科書類を落とした、
(そりゃ誰だってビビるよ)
転がってきた筆入れを拾い手渡す、
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます」
(ネクタイ青だから1年か)
1年が離れて振り返ると
すごい妬んでいます、と書いてある
くらいひどい顔をしている。
「なに?」
「同性にも妬まれないのが真の
イケメンか」
「真顔でなに言ってんの?」
咳払いをして
「まぁ話を戻して」
(戻してっていっても逸らした原因は
そっち・・・)
「でも、追試まで受けさせて
悪かったと思ってる」
「それは、麻倉は関係ないよね?
妹さんはどう思ってるの?」
頭を下げていた麻倉の肩が微かに揺れた
「妹は悪くない、
俺のためにやったの一点張りで。
何度説いても話は平行線で」
「そっか、この話はもう終わりで
いいよ」
「え、なんで、」
「だからいいって。謝らなくていい。
妹さんに無理に謝らせようなんて
思わないでよ」
図星だったのか麻倉は顔を上げた
「上部だけの謝罪なんていらないから」
(類は、腹の中は真っ黒だけど
筋は通ってるんだよね。
テストも手を抜かないし、
絶対嘘の感謝と謝罪はしない)
(焦って衝突もしたけど
それは本当に僕たちのことが
大切で大好きだから)
(リーダーでいいのか不安って
言ってたけどそんなことない。
打算的だしたまに笑顔で
とんでもないことに言うけど
これ以上ないほど適任だよ)
夜、仕事が終わった帰り道に
七瀬さんから電話が入る。
「はい、え?・・・いいんですか?
そんなことして、・・・問題ない?
あとは、俺たち4人の確認だけ。
わ、わかりました。聞いてみます」
俺の分の夕飯を温めて食べて、
洗ってから雪希と蓮に先に話して
2人とも渋々だがわかってくれた。
「まぁ、企画だしね」
「あんま乗り気はしないけど」
1階のソファでくつろいでいる舞に
まず質問する
「舞、夏のデートスポットって
いったらどこ思いつく?
3つ答えて」
「いきなりどうしたの?
それに三人揃って。デートスポット?」
当たり前だがいい顔はしないで少し
考える。
「私はプール、夏祭り、水族館、かな」
「なに、3人してニヤニヤして。
気持ち悪い・・・待って、この流れは
まさか、」
「「「俺/僕とデートしよ!」」」
「期末テストのこと、」
「えっ、と」
(俺、誰にもいってないのに)
「なんでそれを?」
「あの時の類の歯切れの悪さが
気になって、他の3クラスに
聞いて周ったんだ。
テスト前の蒼葉、何かなかったかって。そしたら放課後蒼葉と陽、妹が一緒に
どこかに行くのを見たって」
「よく、妹さんだってわかったね」
「それ以前に、陽がなにか考えてたのはわかってたから。でもまさか、
あんなことするなんて」
ため息をついてたが、
俺はもう終わったし今更って気がする。
「身内が裏で手をまわしてたのに
なにも知らないで喜んで、
類にあんなこと言った俺が」
一度溜めてから
「馬鹿みたいじゃん!!」
そばを通っていた生徒が、
驚いて抱えていた教科書類を落とした、
(そりゃ誰だってビビるよ)
転がってきた筆入れを拾い手渡す、
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます」
(ネクタイ青だから1年か)
1年が離れて振り返ると
すごい妬んでいます、と書いてある
くらいひどい顔をしている。
「なに?」
「同性にも妬まれないのが真の
イケメンか」
「真顔でなに言ってんの?」
咳払いをして
「まぁ話を戻して」
(戻してっていっても逸らした原因は
そっち・・・)
「でも、追試まで受けさせて
悪かったと思ってる」
「それは、麻倉は関係ないよね?
妹さんはどう思ってるの?」
頭を下げていた麻倉の肩が微かに揺れた
「妹は悪くない、
俺のためにやったの一点張りで。
何度説いても話は平行線で」
「そっか、この話はもう終わりで
いいよ」
「え、なんで、」
「だからいいって。謝らなくていい。
妹さんに無理に謝らせようなんて
思わないでよ」
図星だったのか麻倉は顔を上げた
「上部だけの謝罪なんていらないから」
(類は、腹の中は真っ黒だけど
筋は通ってるんだよね。
テストも手を抜かないし、
絶対嘘の感謝と謝罪はしない)
(焦って衝突もしたけど
それは本当に僕たちのことが
大切で大好きだから)
(リーダーでいいのか不安って
言ってたけどそんなことない。
打算的だしたまに笑顔で
とんでもないことに言うけど
これ以上ないほど適任だよ)
夜、仕事が終わった帰り道に
七瀬さんから電話が入る。
「はい、え?・・・いいんですか?
そんなことして、・・・問題ない?
あとは、俺たち4人の確認だけ。
わ、わかりました。聞いてみます」
俺の分の夕飯を温めて食べて、
洗ってから雪希と蓮に先に話して
2人とも渋々だがわかってくれた。
「まぁ、企画だしね」
「あんま乗り気はしないけど」
1階のソファでくつろいでいる舞に
まず質問する
「舞、夏のデートスポットって
いったらどこ思いつく?
3つ答えて」
「いきなりどうしたの?
それに三人揃って。デートスポット?」
当たり前だがいい顔はしないで少し
考える。
「私はプール、夏祭り、水族館、かな」
「なに、3人してニヤニヤして。
気持ち悪い・・・待って、この流れは
まさか、」
「「「俺/僕とデートしよ!」」」
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