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4章 ファイナルライブ

210話 2人だけの

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「おー、アイドルって感じ」
放課後、みんな帰ったり部活で教室には私と立花しかいない。
「なんでこんなことに・・・」 


ー回想(期末テスト前)ー
「日比谷、期末テストで1教科でも点数で勝ったらお願い聞いてくれ」
「はい?」
恒例になった立花の勝負にもうクラスは
誰も気にしなくなった。

(というか立花と同じクラスに
なっちゃったから勝負を挑まれる回数が増えるんだよね)

「お願いって?」
「それはまだ教えない。
負けるかもしれないから」
(勝つって絶対な自身はないんだ。
まぁ常に学年上位にいる私だし。
でもその向上心は見習いたいな)

「いいよ、立花のことだから
無理なお願いはしないと思うし」
途端にパァと効果音がつきそうなほど
立花の顔は輝いた。

(まぁ上位の私が、
どれか負けることは無いよね)
余裕であるが手を抜いたわけではない。

ー期末テスト後ー
「嘘、でしょ」
「あれー?気を抜いちゃった?
日比谷ちゃん」
(ニヤつく立花の顔が心底ムカついた)
理科
日比谷 舞 98点 
立花 樹  99点

(でも立花、1教科に力を注いだんだな。
他は私が勝ってる)
「立花、日比谷、理科の問題集」
「「ありがとう」」
提出した問題集、3種類が返された。

立花はまだ話すようで問題集を
私の机に置く。

クマ、ペンだこ、何度も
めくって表紙が浮いた問題集、
(頑張ったんだな) 

「わかった、それでお願いって?」
「聞いてくれるの?」
「約束だからね」
「じゃあ、」
ー回想終了ー

教室の後ろの空いたスペースで
単独ライブ、
(誰か入ってきたらすごい恥ずかしい)

「そんなこと言ってもアイドルだし。
ホントにこの事は」
「わかってる、誰にも言わないよ」

「なんかリクエストとかある?」
「んー、あれが聞きたい。
憧れを追い越したその先へ、だっけ」
「分かった」
深呼吸して心でカウントをとり
歌う。

隣に立ちたいと思ったのは
いつからだろう
差を感じ始めたのはいつだろう
追いかける私はあなたの目にどのように映るかな

追いかけても届かない
走っても遠のいて
私はなんで憧れたんだろう

無駄だなんてわかってる
届かないことも知ってる
それでも

憧れたままで変われないから
一歩踏み出せばもう怖くない
私だけの光をこの手で

諦めずに走ればいつかはきっと届くから
輝いてみせるよ

追いかける事が怖くなることも
あったけれど
私1人でできると思っていたけれど
あなたは私に気づいているたかな

仲間で見つけた夢
憧れだけじゃなくなった
私は仲間と今ここにいる

挫折したのは何回?
その度に止まって待ってくれた
彼らと

私たちは少しずつ認め合って
憧れなんて追い越した先は
絶対綺麗な景色があるから

辛いこともあった。
傷つけあうことも
目指すものは違うけど
走り続ける


憧れたままで変われないから
一歩踏み出せばもう怖くない
私だけの光をこの手で

隣に立った時はなにが目に映るかな

歌い終わって数秒後
「大丈夫?アカペラで聞き取れた?
部活の声もあったけど」
「大丈夫、すごいね」
立花が楽しそうで安心する。

「ありがとう、日比谷」
「こちらこそ、
聞いてもらえて嬉しいよ」
夕焼けに染まる教室、

「ところでなんで歌だったの?」
「ん?どんな歌でも日比谷は歌ってる時すごく楽しそうで」
「そうなの?自分じゃ気づかない」
「幸せそうな顔を独り占め
したかったんだ」

歯を見せて笑う彼は、夕焼けの光に
照らされて余計に輝いて見えた
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