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4章 ファイナルライブ
205話 撮影場所
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「とうとう5月に入ったか」
「何もできてないね。
雪希、衣装の方は話進んでる?」
いつもの場所で4人は頭を悩ませる。
舞に話を振られた雪希は
飲んでいたお茶の缶を机に置く。
「まぁまぁ、かな。
元はあの衣装だからあまり悩むことは
無いかな。変えすぎるとよくないし」
「後はどこで撮るかだけど、
どこがいいかと思う?」
「レッスン場だと練習ぽいよね」
舞の意見に頷いて蓮に
目で訴えた。
「学校、だとしたら許可取らないと
だし」
「いや、一応どこでも許可は
取らないと。ネットにあげるんだから」
でも他に思いつかない。
「学校、だとしてどこで撮る?」
教室、校庭、体育館、どれもいまいち。
「屋上、とか?
流石に駄目だよね。私情だし」
雪希はそう言ったが舞と蓮の目が輝いた
(あ、この流れは)
「いいんじゃない?屋上」
「直談判しに行こう」
「待って、待って」
(2人、頭はいいけどたまに変な方向に
行くんだよね)
「そもそも許可なんて簡単に取れるわけないじゃん、屋上だよ?」
放課後、一応学年主任に聞くと
二つ返事で許可が降りた
(嘘でしょ?そんなあっさりいいの?)
ただ、カメラ外で先生が見ることに
なった。
(危ないからそれは分かるけど、
先生の前でやるのか、余計に緊張
してくる)
「それでいつやるんだ?」
「6月末日までなので期末試験が
終わってからにしようかと
考えています」
「そっか、前日にもう一度
声かけてくれ」
「はい、ありがとうございます」
「あっさり取れたんだね」
「うん、驚き半分呆れ半分」
今日は雪希と同じ場所で収録がある。
今は休憩中
「舞はレッスン、蓮は別の場所で撮影。
企業案件だって喜んでた」
「企業案件ねぇ、
リーダーを差し置いて」
「る、類・・・」
「冗談だよ、でも本当に増えたよね。
個別の仕事。いつかRainbow Roseは
名ばかりになったりして」
「それは・・・否定できないね。
個々の能力が認められるのは嬉しい。
でも寂しいな。オフもみんな一緒って
わけじゃないし」
だんだん雪希の顔が曇っていく。
なんか罪悪感があるな。
「さらに落ち込む話、
してあげようか?」
「え?なに?」
「中間テスト、がんばろうか」
「あ、はい」
満面の笑みに雪希は引き攣った顔で
答えた。
翌日から昼休みや休みの日、少しでも
時間がある時は3人に勉強を教えて
もらう日が続いた。
「そこ違う」
「その回答でもいいけどまだ及第点
かな」
「雪希のためにもう少し噛み砕いて説明してあげよう」
とある日、いつものように見てくれる
類に質問をする。
「ねぇ、舞と蓮もそうだけど僕ばかり
教えてて自分の方は大丈夫なの?
学年が上がってはじめてのテスト
なのに」
教科書から視線を上げて
「危なかったら自分の方に集中するだろうしそうしないってことは大丈夫
なんじゃないの?」
「そうかな、・・・ねぇ類。
この答えってこれであってる?」
「・・・うん。途中式も合ってる。
雪希って飲み込み早いよね」
「みんなの教え方がうまいんだよ。
それに、」
「それに?」
昨日の深夜に舞が蓮の部屋で教えてもらっているのを見た
(みんな自分の努力を見せたくないんだ。
きっと類も僕の知らないところで
勉強しているんだけど思った。)
「なんでもない」
(僕も3人と肩をならべられるように
なりたい)
「何もできてないね。
雪希、衣装の方は話進んでる?」
いつもの場所で4人は頭を悩ませる。
舞に話を振られた雪希は
飲んでいたお茶の缶を机に置く。
「まぁまぁ、かな。
元はあの衣装だからあまり悩むことは
無いかな。変えすぎるとよくないし」
「後はどこで撮るかだけど、
どこがいいかと思う?」
「レッスン場だと練習ぽいよね」
舞の意見に頷いて蓮に
目で訴えた。
「学校、だとしたら許可取らないと
だし」
「いや、一応どこでも許可は
取らないと。ネットにあげるんだから」
でも他に思いつかない。
「学校、だとしてどこで撮る?」
教室、校庭、体育館、どれもいまいち。
「屋上、とか?
流石に駄目だよね。私情だし」
雪希はそう言ったが舞と蓮の目が輝いた
(あ、この流れは)
「いいんじゃない?屋上」
「直談判しに行こう」
「待って、待って」
(2人、頭はいいけどたまに変な方向に
行くんだよね)
「そもそも許可なんて簡単に取れるわけないじゃん、屋上だよ?」
放課後、一応学年主任に聞くと
二つ返事で許可が降りた
(嘘でしょ?そんなあっさりいいの?)
ただ、カメラ外で先生が見ることに
なった。
(危ないからそれは分かるけど、
先生の前でやるのか、余計に緊張
してくる)
「それでいつやるんだ?」
「6月末日までなので期末試験が
終わってからにしようかと
考えています」
「そっか、前日にもう一度
声かけてくれ」
「はい、ありがとうございます」
「あっさり取れたんだね」
「うん、驚き半分呆れ半分」
今日は雪希と同じ場所で収録がある。
今は休憩中
「舞はレッスン、蓮は別の場所で撮影。
企業案件だって喜んでた」
「企業案件ねぇ、
リーダーを差し置いて」
「る、類・・・」
「冗談だよ、でも本当に増えたよね。
個別の仕事。いつかRainbow Roseは
名ばかりになったりして」
「それは・・・否定できないね。
個々の能力が認められるのは嬉しい。
でも寂しいな。オフもみんな一緒って
わけじゃないし」
だんだん雪希の顔が曇っていく。
なんか罪悪感があるな。
「さらに落ち込む話、
してあげようか?」
「え?なに?」
「中間テスト、がんばろうか」
「あ、はい」
満面の笑みに雪希は引き攣った顔で
答えた。
翌日から昼休みや休みの日、少しでも
時間がある時は3人に勉強を教えて
もらう日が続いた。
「そこ違う」
「その回答でもいいけどまだ及第点
かな」
「雪希のためにもう少し噛み砕いて説明してあげよう」
とある日、いつものように見てくれる
類に質問をする。
「ねぇ、舞と蓮もそうだけど僕ばかり
教えてて自分の方は大丈夫なの?
学年が上がってはじめてのテスト
なのに」
教科書から視線を上げて
「危なかったら自分の方に集中するだろうしそうしないってことは大丈夫
なんじゃないの?」
「そうかな、・・・ねぇ類。
この答えってこれであってる?」
「・・・うん。途中式も合ってる。
雪希って飲み込み早いよね」
「みんなの教え方がうまいんだよ。
それに、」
「それに?」
昨日の深夜に舞が蓮の部屋で教えてもらっているのを見た
(みんな自分の努力を見せたくないんだ。
きっと類も僕の知らないところで
勉強しているんだけど思った。)
「なんでもない」
(僕も3人と肩をならべられるように
なりたい)
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