虹色の薔薇が咲く場所は

如月 りん

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4章 ファイナルライブ

204話 交流会

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昼休み 
「そういえば昨日の学年集会で
小春さんっぽい子を
見かけたんだよね」
「へー、」
「でも向こうも気づいたら気まずそうにしてたから本人かもしれない」
「ふーん」
「あまり興味なさそうだね、蓮」
「これで他の3人も一緒だったら
カオスだよね」
「本当になりそうだからやめて」

舞は職員室に用事、類は学級委員の仕事で今は2人だけ
「なんかこの組み合わせって
珍しいよね」
「自分で珍しいっていう?」
「ねぇ、雪希」
「ん?」
「俺、」

「ごめん、遅れた」
息を切らして入ってきたのは舞。
「おつかれ、舞」
労いもそこそこにして俺に向き直る。
「それでなに?蓮」
「いや、なんでもない」
(いつか終わるこの関係が終わったら
雪希は何がしたいか、なんてまだ
先の事を聞くのは野暮だよね)

「あ、そうだ。さっき類とすれ違って
今日は無理かもって」
「そうなんだ、類も大変だね」
「それと職員室で冬花ちゃんを見たよ。梅原だったんだね」
(あ、フラグが)

昼休み終了の予鈴。
生徒指導室を出てそれぞれ教室に戻り
授業を受ける。
午後は3年生と1年生との交流会。
1年生が3年生の教室に来る。
(2年生とは別の日にやるのもフラグ?
だめだ、全部フラグな気がする)

公平にということで出席番号順に自分
たちも席を移動して1年生も出席番号順の机に行く。

「よろしく、お願いします。高坂さん」
「こちらこそ、・・・立夏くん」
((き、気まずい)

「えっと、立夏くんはどうして
梅原に?」
(とりあえず当たり障りなさそうな
質問を)
「中学の時の学年主任がこの学力なら
梅原がいいんじゃないかって。
あなた達がいるなんて想定外でした。
中原を見かけましたから日比谷さんと
蒼葉さんもいますよね」
(鋭いな)
「そうだよ、俺たち全員ここなんだ。
立夏くんはなにかある?」

「あると思いますか?」
清々しい笑顔に似合わない言葉
「一応、聞かないといけないから」
(す、すごい刺々しいな。
仲良くする気微塵もありませんって
全体で示してる)

(あそこの空気おかしくない?!
なんてクラスみんな思ってるんだろうな)

「あれからみんなは何してるの?」
「あなたに関係ないじゃないですか」
「一応、2つの意味で俺
先輩なんだけど」
苦笑するが扱いにるの一言に尽きる。

(というかなんでやるんだろう、
1年生と3年生なんてほとんど
関わりないのに。部活やる人は別だけど
俺たちはやらないし)

苦痛とも呼べるこの時間は1時間で
終わりやっと解放された。
「ねぇ、蓮。ずっと雰囲気悪かったけどなんかあったの?あの子と」
「あー、うん。まぁ」
翼は聞いてきたがあの事を言うわけにはいかず有耶無耶な返事になる。

「ふーん、」
それだけ言って翼は離れていく、
(翼は自由だな)

次の日の夕方
「今日、1年生との交流会が冬花ちゃんと当たっちゃってすごい気まずかった」
「俺は秋斗と。不機嫌オーラが
すごかった」
「まぁ、そうなるよね。
俺もきつかった」

その後はお互いに時間が合わず
学校の昼休みじゃ全然足りず
4月どころか5月も終わろうとしていた
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