虹色の薔薇が咲く場所は

如月 りん

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4章 ファイナルライブ

200話 セキュリティ

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衣装担当のスタッフさん、
杏奈さん、杏子さん、
音楽関係のスタッフさんなど
企画に携わる方達にエントリー後に話した旨を
それぞれ伝えた。

ーレッスン場ー
今日はレッスン場に来れるのは私だけ。
「原点であり頂点、いいんじゃない?」
杏奈さんも京子さんも納得してくれて一安心。

「でも本当に舞が翔くんの妹だったら胸アツな
展開だよね。兄妹で共演!」
「そうでしょうか?想像つきませんね。
あの翔さんの妹なんて」
咄嗟に愛想笑いをしたが私は笑えてるのかな
(まだ覚えてたんだ。その噂。
まぁ本当だけど)

「もし、私が翔さんの妹だったから
比べますか?」
冗談のようにそれとなく聞く。
(とんだ茶番だな)

「私は比べないよ。
舞が翔くんの妹でも」
「私も、血が繋がってるからって
比べられるのはひどい話だろ?」
「そう、ですか」
(嘘つき)

ー杏奈は甘いんだよ。あーあ翔くんの
妹だからレッスン引き受けたのにー

ー兄妹だからって同じ才能を持ってる
わけないと思うけどー

(私の前だからそういうのかな。
それとも本心?
人の気持ちはすぐに変わる。
傷つけた側は気づかないで忘れる。
私がしつこいだけ?)
私はどんな顔してるかな

「どうしてそんなことを聞くの」
杏奈さんの純粋な目と杏子さんの純粋な言葉が刺さる。
「なんとなく、ですよ」
私だけのレッスンは久しぶりで休憩の時間が長く感じた。

レッスンが終わって家に帰り、
3人が帰ってくる前に、少し勉強をして軽く掃除をした。

「セキュリティー?」
蓮が帰ってきて早々何かと思えば
セキュリティーを強化してもらおう、という話が出てきた。
「いきなりどうしたの?」
そう言った雪希に蓮はため息をついた

「いきなりじゃない
ずっと考えてた。
今まで運良く何もなかっただけ。
世の中常識的な人ばかりじゃない。
去年のバレンタインの時みたいに
突飛な行動をする人は沢山いる。
人気が出てきた、認知されるようになったからそういう人と遭遇する可能性も
高くなる。
何か起こってからじゃ遅いんだよ」
冗談言ってるようには見えない真剣な目

「でも、具体的にはどうするの?」
私の質問に少し考えて
「もちろん七瀬さんに相談しながら
だと思うけど、防犯カメラはつけたい。あとサーチライトかな。
鍵も万が一無くして複製されたら
終わり。鍵に防犯のためのシールを
貼るとかかな」

一応、全員防犯ブザーと催涙スプレーを
持ち歩いているが家に入られると逃げ場はない。

数日後、七瀬さんに相談すると
「そうだね、僕も考えてた。
思えばあの寮はセキュリティ皆無
だもんね」
(考えてたならもう少し早く提案して
欲しかった)

「防犯カメラは決定的事項でいいかな。あとはこの際だから色々
やっちゃおうか」
「色々、ですか?」
「最近物騒なことが増えたからね。
一階は二重窓にしよう。
あとはこの際だから鍵じゃなくて
カードキーにしたりかな。
無くしたらまずいけどその分防犯性は
高いよ。ちなみにSTEPは
オートロックだよ。」
(なんか七瀬さんイキイキしてる)

「あ、各部屋に何かしようとは
思ってないから安心して。
それとやってる間は寮に入れないから
よろしくね。水回りの点検とかも
したいな。買って設置して・・・
3日くらいかな。明後日から
3日はあそこに
戻れないから必要なものは持って
帰ってね」
(まぁそうなるよね)

家に帰り各々準備をする。
(教科書類は全部学校においてあるから
心配ないけど、持って帰るのは制服と
ジャージ、あと私服、
通学鞄に入るかな)

2日後、荷物をまとめて玄関を出る。
2人はすぐに歩いて行ったが蓮は
動かない。
「蓮?」
「あ、いやなんか帰りづらいなって。
連絡してないし」
「そう?ならうち来る?」




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