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3章 サードライブ
192話 カウントダウン
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「相殺、て」
聞いたことない甘い声。
あの時のような優しい目、
でもすぐに口角を上げて、
「なんてね、ドキドキした?」
と小悪魔のような面白がるような表情で
腕を掴む手を離した。
「馬鹿じゃないの?
雪希。演技の練習でもやりすぎ
じゃない?」
「やりすぎなくらいがちょうど
いいんだよ、舞」
「そうかな」
「まぁ演技じゃないけど」
独り言のような小さな声、
「演技じゃないって?」
聞き返すと、
「なんでもない、こっちの話だよ。
ごめんね、宿題やらないと
いけないんだ」
と笑顔で話を切り上げてドアを閉めた
「まぁいいか」
深く考えないで私も部屋に戻る。
「危ない、つい抱きしめる
ところだった」
でも舞の泣き顔を見た時、
信頼してくれたみたいで嬉しかった。
(前よりずっと信頼してくれてるのかな
その信頼を僕だけに向けて欲しい。
て思うのはいくらなんでも欲深だよね)
それからSNSで報告があり、
私の曲の話もスムーズに進み、
10月の月初めに動画サイトに出すことができた。
反響は想定していたより多く
・舞ちゃんの本気が伝わった
・憧れた人ってとんな人?
・毎日聴いてる
などたくさんコメントがもらえた。
移動教室で3年生の教室を通るたびに
張り詰めたような空気を感じるように
なった。
(そっか、学祭が終わったから本格的に
受験に入るんだ)
・・・受験、
ふとあの人が思い浮かぶ。
(あれからあの人との接触はない。
受験でそれどころじゃないと思うけど)
カウントダウンライブに向けての
レッスンをしたり収録があったり
あっという間に12月。
期末試験も無事に終了して数日後。
「蓮、誕生日おめでとう」
「あ、そっか今日か。
ありがとう舞」
本人も忙しくて忘れていたようで
返事は適当だった。
私の誕生日騒動から誕生日は言い合う
だけになった。
(あんなに祝ってもらってちょっと気が
引けるな)
雪希も受験ピークで空気が
重い。
(こればかりは仕方ないか)
カウントダウンライブもあり雪希の
神経は張り詰めていた。
チケットを販売はすぐに完売した。
私たちの他に
・夢見る僕ら
・hope line
と別事務所の同期の人、
・butterfly
・ワールドショータイム
と新しいアイドル達もいた。
(同じステージに立つライバル)
と気が引き締まる。
ー当日ー
観客の歓声が控え室に響いてくる。
「夢見る僕ら、だね」
椅子に座って落ち着いているように見える雪希の手は震えている。
「俺たちだってこれ以上の歓声を
上げさせて見せる」
対する類は全く緊張してないように
見える。
「緊張してないの?」
蓮の茶化しをかわして
「全然、寧ろ早く見て欲しくて別の意味で震えるよ」
(すごいな、類)
「Rainbow Roseの皆さん
お願いします」
「「「「はい!」」」」
スタッフさんの声に移動する。
夢見る僕らの方達の軽く挨拶して
セリという舞台装置に立つ。
徐々に上がるにつれ歓声も大きくなる
「「「「こんにちは!
Rainbow Roseです!」」」」
4色のペンライトが映えるステージ
「今宵のステージ、
存分に楽しんでください!」
類の言葉の合図に照明は消える。
「聞いてください!ーー」
曲が終わり、会場の熱を冷まさせない
ようセリが下がる。
その間もファンサを忘れない。
見える範囲でそれぞれファンサを
していく。
間違いなく今までで1番手応えのある ライブだった
聞いたことない甘い声。
あの時のような優しい目、
でもすぐに口角を上げて、
「なんてね、ドキドキした?」
と小悪魔のような面白がるような表情で
腕を掴む手を離した。
「馬鹿じゃないの?
雪希。演技の練習でもやりすぎ
じゃない?」
「やりすぎなくらいがちょうど
いいんだよ、舞」
「そうかな」
「まぁ演技じゃないけど」
独り言のような小さな声、
「演技じゃないって?」
聞き返すと、
「なんでもない、こっちの話だよ。
ごめんね、宿題やらないと
いけないんだ」
と笑顔で話を切り上げてドアを閉めた
「まぁいいか」
深く考えないで私も部屋に戻る。
「危ない、つい抱きしめる
ところだった」
でも舞の泣き顔を見た時、
信頼してくれたみたいで嬉しかった。
(前よりずっと信頼してくれてるのかな
その信頼を僕だけに向けて欲しい。
て思うのはいくらなんでも欲深だよね)
それからSNSで報告があり、
私の曲の話もスムーズに進み、
10月の月初めに動画サイトに出すことができた。
反響は想定していたより多く
・舞ちゃんの本気が伝わった
・憧れた人ってとんな人?
・毎日聴いてる
などたくさんコメントがもらえた。
移動教室で3年生の教室を通るたびに
張り詰めたような空気を感じるように
なった。
(そっか、学祭が終わったから本格的に
受験に入るんだ)
・・・受験、
ふとあの人が思い浮かぶ。
(あれからあの人との接触はない。
受験でそれどころじゃないと思うけど)
カウントダウンライブに向けての
レッスンをしたり収録があったり
あっという間に12月。
期末試験も無事に終了して数日後。
「蓮、誕生日おめでとう」
「あ、そっか今日か。
ありがとう舞」
本人も忙しくて忘れていたようで
返事は適当だった。
私の誕生日騒動から誕生日は言い合う
だけになった。
(あんなに祝ってもらってちょっと気が
引けるな)
雪希も受験ピークで空気が
重い。
(こればかりは仕方ないか)
カウントダウンライブもあり雪希の
神経は張り詰めていた。
チケットを販売はすぐに完売した。
私たちの他に
・夢見る僕ら
・hope line
と別事務所の同期の人、
・butterfly
・ワールドショータイム
と新しいアイドル達もいた。
(同じステージに立つライバル)
と気が引き締まる。
ー当日ー
観客の歓声が控え室に響いてくる。
「夢見る僕ら、だね」
椅子に座って落ち着いているように見える雪希の手は震えている。
「俺たちだってこれ以上の歓声を
上げさせて見せる」
対する類は全く緊張してないように
見える。
「緊張してないの?」
蓮の茶化しをかわして
「全然、寧ろ早く見て欲しくて別の意味で震えるよ」
(すごいな、類)
「Rainbow Roseの皆さん
お願いします」
「「「「はい!」」」」
スタッフさんの声に移動する。
夢見る僕らの方達の軽く挨拶して
セリという舞台装置に立つ。
徐々に上がるにつれ歓声も大きくなる
「「「「こんにちは!
Rainbow Roseです!」」」」
4色のペンライトが映えるステージ
「今宵のステージ、
存分に楽しんでください!」
類の言葉の合図に照明は消える。
「聞いてください!ーー」
曲が終わり、会場の熱を冷まさせない
ようセリが下がる。
その間もファンサを忘れない。
見える範囲でそれぞれファンサを
していく。
間違いなく今までで1番手応えのある ライブだった
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